JPH036425Y2 - - Google Patents

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JPH036425Y2
JPH036425Y2 JP1985196460U JP19646085U JPH036425Y2 JP H036425 Y2 JPH036425 Y2 JP H036425Y2 JP 1985196460 U JP1985196460 U JP 1985196460U JP 19646085 U JP19646085 U JP 19646085U JP H036425 Y2 JPH036425 Y2 JP H036425Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、中間層としてエチレン−ビニルアル
コール共重合体から成るガスバリヤー層を使用
し、内外表面層として耐湿性熱可塑性樹脂を用い
た積層体から形成された包装用多層プラスチツク
容器に関する。
(従来技術) エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有す
るガスバリヤー層を、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル等の低吸水率樹脂の内外表面
層でサンドイツチさせた積層構造とし、ボトル、
カツプ等の包装用容器を形成することは知られて
いる。
この種の従来の容器において、湿度の影響によ
るエチレン−ビニルアルコール共重合体のガスバ
リヤー性の低下を防止しようとするものとして、
該共重合体と水分或いは湿度との直接の接触を避
けるために耐湿性樹脂を積層するもの(実開昭47
−23353号公報)や、該共重合体層又はそれに最
も近い層に乾燥剤を配合するもの(米国特許第
4407897号公報)等が提案されている。
(解決すべき問題点) 而してこの積層構造においては、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体と、水分或いは湿気との
直接の接触は回避されるとしても、耐湿性樹脂層
を介して透過する湿分による無視し得ない影響が
あり、例えば内容物の保存性の向上を目的とし
て、内容物の充填及び密封を行なつた後、これを
加熱殺菌する場合にはガスバリヤー性が著しく低
下するという問題がある。
またこの種の容器の製造に際しては、リグライ
ンド(スクラツプ)再利用の問題がある。即ち、
この積層体から包装容器を製造する際、ボトル等
のブロー成形ではピンチオフによるバリ、またカ
ツプ成形の場合には打抜きくず等のリグラインド
(スクラツブ)が必然的に発生し、その再利用が
省資源の見地から必要となる。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、エチレン−ビニルアルコール共重合
体を含有するガスバリヤー層と耐湿性熱可塑性樹
脂の内外表面層の少なくとも何れか一方の層との
間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び
耐湿性熱可塑性樹脂を含有するリグラインド層を
設けること、及び該リグラインド層には乾燥剤を
含有せしめることという構成を採用することによ
つて上記問題点を解決するものである。
(作用) 本考案によれば、ガスバリヤー層に対して接着
剤層を介して乾燥剤が配合分散されたリグライン
ド層を設けることによつて、容器の保存中は勿論
のこと、加熱殺菌や熱間充填に際しても、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体に対する湿分の悪
影響が防止され、その結果、容器のガスバリヤー
性の低下が顕著に抑制される。
即ち、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(以下EVOHと略記することがある)の積層構造
物を、120℃×30分間のようなレトルト殺菌処理
に付するときには、EVOH層がポリプロピレン
のような耐湿性樹脂でサンドイツチされていたと
しても、殺菌処理後における包装容器の酸素透過
係数は、未処理時のそれの30倍にも達することが
認められる。これは、上記のような苛酷な条件下
では耐湿性樹脂の水蒸気透過係数が異常に大きく
なり、EVOH層が多量の水蒸気の存在下で高温
に曝され、白化、ゲル化等の内部化学構造の変化
(例えば分子間水素結合の喪失)を生じるためと
思われる。
而してEVOH層に隣接関係位置に設けられる
層、例えば本考案における接着剤層に乾燥剤を配
合した様な場合には、常態での透過水蒸気を吸着
するのには有効に作用するが、前述したレトルト
殺菌条件下ではむしろEVOH層の吸湿吸水が進
行するため、レトルト殺菌後におけるEVOH層
のガスバリヤー性の低下を十分には抑制し得ない
のである。
これに対して本考案によれば、乾燥剤含有層
(リグラインド層)とEVOH層との間に接着剤層
を介在させているため、乾燥剤とEVOH層との
間に競争吸着を生じるのが防止される。即ち、耐
湿性樹脂表面層を透過した水蒸気は、EVOH層
から離隔して設けられた乾燥剤により有効に吸着
乃至吸水され、その結果としてレトルト殺菌時に
おける透過水蒸気がEVOH層のガスバリヤー性
を不可逆的に低下させるのが有効に抑制されるの
である。
また本考案によれば、リグラインド層中に乾燥
剤を配合することによつて、容器製造の際に副生
するリグラインドを有効に再利用することが可能
となる。
即ち、エチレン−ビニルアルコール共重合体と
耐湿性熱可塑性樹脂のブレンド物、特にリグライ
ンドを再利用する時には、諸物性の著しい劣化が
進行するのである。エチレン−ビニルアルコール
共重合体は吸水性を有しているため、特にこのブ
レンド物から成るリグラインドは必ず大気中に置
かれることから、或る程度吸水している。しか
も、エチレン−ビニルアルコール共重合体と耐湿
性熱可塑性樹脂とのブレンド物の溶融押出では、
エチレン−ビニルアルコール共重合体の単独押出
の場合と異なり、ブレンド物中のエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体は極めて特殊な条件下に置
かれる。
即ち、このブレンド物の溶融樹脂流中では、該
共重合体は、ポリオレフイン等の耐湿性樹脂の連
続相中に海−島状に分散した形態をとるか、或い
は薄い層状に分布した構造となつており、しかも
ブレンド物中の水分は上記分布構造のエチレン−
ビニルアルコール共重合体に吸着され、しかもそ
の周囲は疎水性の樹脂媒質で包囲された環境とな
つている。更に、エチレン−ビニルアルコール共
重合体は、溶融成形は可能であるとしても、ポリ
エステルやポリオレフイン等の他の樹脂に比べれ
ば熱劣化を受け易い樹脂であるから、ペレタイズ
等のブレンド工程を経たブレンド物、特に一度溶
融成形の履歴をもつリグラインドでは、既に樹脂
の熱劣化が進行しているのである。しかして、こ
の熱劣化傾向のあるエチレン−ビニルアルコール
共重合体に、水の存在下に熱が作用すると、樹脂
の熱劣化が加速度的に進行するのである。換言す
ると、溶融履歴のあるエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体の再溶融に際して、水の存在は熱劣化
の触媒として作用することが見出されたのであ
る。しかもブレンド物の溶融に際しては、水を含
むエチレン−ビニルアルコール共重合体は疎水性
樹脂で閉じ込められた微細な粒状乃至層状の形で
溶融温度に付されることから、該共重合体はあた
かも、オートクレーブ処理のような条件で熱の影
響を受け、その結果として、白化、ゲル化、ゴム
質化、発泡等を生じ、それによりガスバリヤー性
の低下;強度、伸び及び耐衝撃性の低下;樹脂分
解物の匂い等によるフレーバー低下;着色、発泡
等による外観不良等のトラブルを生ずるのであ
る。
本考案においては、このブレンド物中に吸湿剤
を配合することによつて、前記トラブルが解消さ
れ、従来使用の困難であつたエチレン−ビニルア
ルコール共重合体含有ブレンド物のリグラインド
が、容器やフイルム乃至シートへの成形に再利用
可能となるものである。
(実施態様) 容器の層構成 本考案の包装用多層プラスチツク容器の断面構
造の一例を示す第1図において、この容器の器壁
1は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含
有するガスバリヤー層2、及び接着剤層3,3を
介してガスバリヤー層2をサンドイツチするよう
に設けられた耐湿性樹脂の内表面層4及び外表面
層5から成つている。
本考案によれば、内外表面層4,5と接着剤層
3,3の間にはそれぞれ、耐湿性熱可塑性樹脂及
びエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有す
るリグラインド層6,6が設けられる。
またこのリグラインド層6,6には乾燥剤が配
合分散されている。
本考案においては、乾燥剤を含むリグラインド
層6がガスバリヤー層2に対して接着剤層3を介
して設けられ、且つ該ガスバリヤー層2をサンド
イツチする様な位置関係にあるため、エチレン−
ビニルアルコール共重合体に対する湿分の悪影響
を有効に防止することが可能となる。
容器素材 エチレン−ビニルアルコール共重合体として
は、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃
至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
を、ケン化度が96モル以上、特に99モル%以上と
なるようにケン化して得られる共重合体ケン化物
が使用される。このエチレン−ビニルアルコール
共重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足
る分子量を有するべきであり、一般に、フエノー
ル:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定
して0.01dl/g以上、特に0.05dl/g以上の粘度
を有することが望ましい。
耐湿性樹脂(低吸水性樹脂)としては、
ASTMD570で測定した吸水率が0.5%以下、特に
0.1%以下の熱可塑性樹脂が使用され、その代表
例として、熱可塑性ポリエステル樹脂、特にポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート/イソフタレート、ポリテトラメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン/テトラメチレン・
テレフタレート、ポリビスフエノールA・テレフ
タレート/イソフタレート等を挙げることができ
る。他に、低−、中−或いは高−密度のポリエチ
レン、アイソタクテイツクポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エ
チレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン
−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
イオン架橋オレフイン共重合体(アイオノマー)
或いはこれらのブレンド物等のオレフイン系樹脂
やポリカーボネートも使用される。
ガスバリヤー層と耐湿性熱可塑性樹脂の層との
間に設けられる接着剤層を形成する接着剤樹脂と
しては、一般にカルボン酸、カルボン酸塩、カル
ボン酸無水物、カルボン酸アミド、カルボン酸エ
ステル等に基づく少なくとも一種のカルボニル基
(>C=0)を主鎖又は側鎖に、1乃至600meq/
100g樹脂、特に10乃至500meq/100g樹脂の割合
で含有する熱可塑性樹脂が使用される。
接着剤の適当な例は、樹脂層の組合せに依存
し、PET−EVOHの場合、種々のコポリエステ
ル系接着剤、例えば酸成分としてテレフタル酸と
イソフタル酸及び/又は脂肪族二塩基酸との組合
せを含むコポリエステル類や、ジオール成分とし
て、エチレングリコール及び/又はブタンジオー
ルと長鎖アルキレン基及び/又はアルキレンオキ
シアルキレン基を含むジオールとの組合せを含む
コポリエステル類;重合体鎖中にアミド反復単位
とエステル反復単位とを含むポリエステルアミド
又はポリエステル/ポリアミドブレンド物等を挙
げることができる。更に、ポリオレフイン−
EVOHの場合、エチレン−アクリル酸共重合体、
イオン架橋オレフイン共重合体、無水マレイン酸
グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフト
ポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフ
イン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポ
リエステル、共重合ポリアミド等の1種又は2種
以上の組合せを挙げることができる。
リグラインド層は、容器の製造に際して副生す
るリグラインド、即ちエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体と低吸水率熱可塑性樹脂(LMR)と
のブレンド物から成る。
このブレンド物において、EVOHとLMRとは
任意の比率で存在し得るが、一般的に言つて、 EVOH:LMR=1:2乃至1:1000 特に 1:3乃至1: 500 の重量比で存在するのがよい。
成形時に副生するリグラインド中においては、 EVOH:LMR=1:3乃至1:2000 の様に、EVOHに比して低吸水性樹脂の量がか
なり過剰である。
このブレンド物には、EVOH及びLMR以外の
熱可塑性樹脂が含有されていることができる。即
ち、エチレン−ビニルアルコール共重合体と低吸
水性樹脂とは、通常熱接着性がないため、これら
両樹脂層間には前述した様に接着剤樹脂層が設け
られる。従つて前述した接着剤樹脂は、当然リグ
ラインドのブレンド物中にも混入してくることに
なる。またこのブレンド物を別の低吸水性樹脂及
び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体と
共押出する場合には、ブレンド物中に接着剤樹脂
を混入する場合もある。
これらの含カルボニル熱可塑性樹脂は一般に
EVOHとLMRとの合計量100重量部当り、200乃
至0.01重量部特に100乃至0.1重量部の量で存在す
る。
本考案においては、上記ブレンド物に乾燥剤を
配合分散せしめる。
この乾燥剤としては、樹脂及び内容品に悪影響
を与えない限り、それ自体公知の化学的乾燥剤、
物理的乾燥剤、或いは各種吸水剤が使用される。
その適当な例は、活性アルミナ(1〜3×
10-3)、無水硫酸カルシウム(4×10-3)、シリカ
ゲル(6×10-3)、酸化マグネシウム(8×10-3
等である。尚、( )中に示した値はW値であり、
その乾燥剤で乾燥された空気1中に残留する水
分のmg数である。
本考案においては、上述した乾燥剤は、リグラ
インド層を形成する樹脂媒質当たり2乃至40重量
%、特に5乃至35重量%の量で配合分散される。
配合量が上記範囲よりも少ない場合には、器壁
透過水分を捕捉するという特性に劣るようにな
り、一方上記範囲を越えると、押出乃至射出等の
成形性が低下するようになる。
容 器 本考案の多層容器において、各層の厚みは用途
等によつてかなり大巾に変更し得るが、内外表面
層を形成する耐湿性樹脂の層とガスバリヤー層と
の厚み比は一般に、2:1乃至1000:1、特に
3:1乃至500:1の範囲にあるのがよく、また
リグラインド層と耐湿性樹脂の層とは、10:90乃
至90:10、特に20:80乃至80:20の範囲にあるの
がよい。
またガスバリヤー層(EVOH層)とリグライ
ンド層との間に介在する接着剤層は、少なくとも
1μm、特に5乃至30μmの厚みを有することが好
ましい。
本考案の容器は、前述した層構成とする点を除
けば、それ自体公知の方法で製造が可能である。
多層同時押出に際しては、各樹脂層に対応する
押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキユラ
ーダイ等の多層多重ダイスを通して所定の形状に
押出す。更にドライラミネーシヨン、サンドイツ
チラミネーシヨン、押出コート等の積層方式も採
用し得る。成形物は、フイルム、シート、ボトル
乃至チユーブ形成用パリソン乃至はパイプ、ボト
ル乃至チユーブ形成用プリフオーム等の形をとり
得る。パリソン、パイプ或いはプリフオームから
のボトルの形成は、押出物を一対の割型でピンチ
オフし、その内部に流体を吹込むことにより容易
に行われる。また、パイプ乃至はプリフオームを
冷却した後、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸す
ると共に、流体圧によつて周方向にブロー延伸す
ることにより、延伸ブローボトル等が得られる。
また、フイルム乃至シートを、真空成形、圧空成
形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付
することにより、カツプ状、トレイ状等の包装容
器が得られる。
(効果) 上述した本考案の容器は、容器の保存中は勿論
のこと、加熱殺菌や熱間充填に際しても、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体に対する湿分の悪
影響が防止され、常に良好なガスバリヤー性を保
持している。
従つて、特にレトルト食品用の容器として有用
である。
また容器製造時に発生するバリ等のスクラツプ
を有効に再利用でき、省資源の見地からも極めて
有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の容器の器壁の積層構造を示
す図である。 1……器壁、2……ガスバリヤー層、3……接
着剤層、4……内表面層、5……外表面層、6…
…リグラインド層。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有す
    るガスバリヤー層と、接着剤層を介して該ガスバ
    リヤー層をサンドイツチするように設けられた耐
    湿性熱可塑性樹脂の内外表面層との積層体で形成
    された包装用多層プラスチツク容器において、 前記内表面層及び/又は外表面層と接着剤層と
    の間には、耐湿性熱可塑性樹脂とエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体とを含有するリグラインド
    層が形成されているとともに、該リグラインド層
    中には乾燥剤が含有されていることを特徴とする
    プラスチツク容器。
JP1985196460U 1985-12-23 1985-12-23 Expired JPH036425Y2 (ja)

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