JP2743423B2 - 耐水蒸気透過性に優れたプラスチック積層構造体 - Google Patents

耐水蒸気透過性に優れたプラスチック積層構造体

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐水蒸気透過性に優れたシート、容器等の
積層構造体に関する。
(従来技術及びその問題点) 従来、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリ
エステルは、熱成形性、強度及び透明性の諸特性に優れ
ており、これを器壁構成成分としたプラスチック容器
は、各種飲料、嗜好料、食品類等の包装容器として広く
使用されている。
然しながら、PETは水蒸気透過係数が高く、上記のプ
ラスチック容器は湿分透過量が多く、例えば粉末コーヒ
ー、クリーミングパウダー等の粉体用の容器としては適
当でない。
またこの様な欠点を改善するために、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の低吸水率樹脂とPETとの積層体を使
用することが考えられるが、この場合にも長期の保存に
際しては湿分の透過が無視し得ず、内容物である粉体の
吸湿を生ずる。
また前記低吸水率樹脂は一般に他の樹脂との接着性に
乏しく、このために格別の接着材樹脂を設けなければな
らないという不都合もある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、低吸水率樹脂から成る層によって湿分の透
過を遮断するという従来技術の思想とは全く逆に、高吸
水率の樹脂を含有する層を設けることによって器壁を通
過する湿分を該層中に捕捉するという新規な手段を採用
することによって上述した問題点を解消したものであ
る。
即ち本発明によれば、少なくとも熱可塑性樹脂から成
る内外層と高吸水性樹脂を含有して成る層とを有する積
層体から形成されたプラスチック積層構造体において、 前記内外層は、水蒸気透過係数(JIS Z 0208)が5×
10-1g・cm/m2・day以下のオレフィン系樹脂又はポリエ
ステル樹脂から成り、 前記高吸水性樹脂含有層は、高吸水性樹脂を5乃至90
重量%の割合で含有する前記内外層と同種の水蒸気透過
係数(JIS Z 0208)が5×10-1g・cm/m2・day以下のオ
レフィン系樹脂又はポリエステル樹脂から成る、 ことを特徴とする耐水蒸気透過性に優れたプラスチック
積層構造体が提供される。
本発明によればまた、少なくとも熱可塑性樹脂から成
る内外層とガスバリヤー層と該ガスバリヤー層の両側に
設けられた接着層とを有する積層体から形成されたプラ
スチック積層構造体において、 前記内外層は、水蒸気透過係数(JIS Z 0208)が5×
10-1g・cm/m2・day以下のオレフィン系樹脂又はポリエ
ステル樹脂から成り、 前記ガスバリヤー層は、エチレン・ビニルアルコール
共重合体から成り、 前記接着層は、高吸水性樹脂を5乃至90重量%の割合
で含有するカルボニル基含有オレフィン系樹脂から成
る、 ことを特徴とする耐水蒸気透過性及びガスバリヤー性に
優れたプラスチック積層構造体が提供される。
(作用) 本発明のプラスチック積層構造体においては、前記高
吸水性樹脂含有層の作用によって器壁を通過する湿分が
該層によって捕捉され、その透過が有効に抑制される。
例えば後述する実施例5の結果から明らかな通り、前
記高吸水性樹脂を含有する中間層が形成された本発明の
容器では、20℃,60%RHの雰囲気下に105日間保存した時
の水蒸気透過量が0.043gであるのに対し、同一条件下に
おけるPET単層容器では1.018gとなっており、本発明に
よれば湿分の透過が従来のものに比して著しく低いオー
ダーで抑制されていることが理解される。
尚、本発明において高吸水性樹脂とは、吸水性に寄与
する電離性基(基本的にはカルボキシル基塩)を持った
高分子に軽度に架橋結合を形成させるか或いは該架橋結
合に代わるブロックセグメント等を導入して不溶性の網
状構造として成る高分子電解質であり、自重の数十倍か
ら数百倍の水を吸収する能力を有する樹脂として定義さ
れる。
この高吸水性樹脂としては、アクリル酸(塩)グラフ
ト化澱粉、澱粉のアクリロニトリルグラフト化加水分解
物、アクリル酸(塩)グラフト化セルローズ等の澱粉乃
至セルローズ形のグラフト誘導体や、架橋ポリアクリル
酸(塩)特にアクリル酸(塩)とジビニルベンゼン等の
多官能モノマー或いは更にスチレン、アクリルエステル
類等の疎水性モノマーとの共重合体;酢酸ビニルとアク
リル酸エステルとの共重合体のケン化で製造されるビニ
ルアルコール−アクリル酸(塩)ブロック共重合体;ポ
リビニルアルコールに無水マレイン酸、無水フタル酸等
の酸無水物を反応させ、側鎖にカルボキシル基と架橋構
造を同時に導入した変性ポリビニルアルコールその他ポ
リエチレンオキサイド変成物等が知られている。
これらの樹脂において、澱粉、セルローズ或いはポリ
ビニルアルコール成分は、ポリアクリル酸成分を不溶化
してゲル状に保つ作用を有する。
本発明においては、これらの高吸水性樹脂を全て使用
できるが、就中架橋ポリアクリル酸(塩)が好ましく、
このものはアクアキープ4S、アクアキープ10SHの商品名
で製鉄化学(株)から市販されている。他の好適な例
は、ビニルアルコールアクリル酸(塩)ブロック共重合
体であり、住友化学(株)からスミカゲルS、S、P、
N、R、Lタイプなどの商品名で市販されている。
(発明の好適な態様) 本発明のプラスチック積層構造体の層構成を示す第1
図において、本発明の積層構造体(全体として1で表わ
す)は基本的に言って、内層2、外層3及びこれらの両
層の間にサンドイッチされた高吸水性樹脂含有層4とか
ら成る。
内外層 本発明において、内層2及び外層3を形成する樹脂と
しては、熱成形性を有する限りにおいて任意の熱可塑性
樹脂を使用することができるが、本発明によれば高吸水
性樹脂含有層4において湿分が補足されるため、特に内
層2には、水蒸気透過係数(JIS Z 0208)が5×10-1
・cm/m2・day以下、好ましくは3×10-1g・cm/m2・day
の樹脂、例えば高、中乃至低密度ポリエチレン、アイソ
タクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン、プロピ
レン−ブテン−1共重合体、イオン架橋オレフィン共重
合体或いはこれらのブレンド物等のオレフィン系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共
重合体などのポリエステル樹脂等を使用することが好適
であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエ
ステル樹脂、高、中乃至低密度ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、及びプロピレン系樹脂が最も好
適に使用される。
また外層3としては、上記以外の樹脂にも、水蒸気透
過係数が比較的高い樹脂を適宜使用し得るが、特にポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと記することがあ
る)や前記プロピレン系樹脂が好適に使用される。
また本発明においては、前記内層2は、一般に10μm
以上、特に30μm以上の厚みとし、就中積層構造体全体
厚みに対して5乃至80%、特に10乃至60%との厚みとす
ることが、水蒸気の透過を完全に防止する上で望まし
い。また外層3は10μm以上の厚みとすることが好適で
ある。
高吸水性樹脂含有層 本発明において、高吸水性樹脂含有層4としては、前
述した高吸水性樹脂が5乃至90重量%、特に5乃至80重
量%の割合で含有する樹脂層が使用される。この高吸水
性樹脂の含有量が上記範囲よりも少ない場合には湿分捕
捉効果が十分でなく、また上記範囲よりも多い場合に
は、熱成形性の面で不都合を生じる傾向がある。
前記高吸水性樹脂を含有すべき樹脂としては、熱成形
性を有する熱可塑性樹脂は全て使用し得るが、特に接着
性の見地から内層又は外層に用いた樹脂と同種の樹脂を
用いることが好適である。
またこの高吸水性樹脂含有層4は、内外層樹脂の種類
等によっても異なるが、通常積層構造体の全体厚みに対
し、3乃至95%、特に5乃至90%の厚みとすることが、
良好な湿分補足効果を得る上で望ましい。
この高吸水性樹脂含有層は、前記高吸水性樹脂、或い
は該樹脂の表面をコーティングなどの手段によって処理
した樹脂と熱可塑性樹脂とをメルトブレンド、ドライブ
レンド等の手段で混練し、或いは高吸水性樹脂を高濃度
で含有するマスタ−バッチを該熱可塑性樹脂で適当な濃
度に希釈して得られたドライブレンド物を、内外層用樹
脂とともに共押出、共射出等することによって形成する
ことができる。
更にこの高吸水性樹脂含有層4を、高吸水性樹脂を含
有しない熱可塑性樹脂から成る内外層2、3で被覆する
ことが重要である。即ち、後述する比較例1から明らか
な通り、高吸水性樹脂を内表面層2及び外表面層3に含
有せしめると、防湿性は逆に低下することとなる。
本発明のプラスチック積層構造体においては、前記高
吸水性樹脂含有層4を内層2及び外層3に対して良好な
接着性を示す様に調製し得るため、格別の接着剤層は特
に必要ではないが、所望により、内層2と高吸水性樹脂
含有層4との間及び/又は外層3と高吸水性樹脂含有層
4との間の位置に接着剤層を設けることも可能である。
このような接着剤樹脂しては、カルボン酸、カルボン
酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン
酸エステル等に基づくカルボニル を主鎖に、1乃至700ミリイクイバレント(meq)/100g
樹脂、特に10乃至500meq/100g樹脂の濃度で含有するカ
ルボニル基含有熱可塑性樹脂が挙げられる。接着剤樹脂
の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン
架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリ
プロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフィン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、共重合体ポリエステル、共
重合ポリアミド、アミド変性ポリエステル等の1種又は
2種以上の組合せである。
また、より低濃度の高吸水性樹脂(例えば、高吸水性
樹脂含有層の該樹脂濃度よりも5〜95%低濃度)を含有
した内外層構成熱可塑性樹脂も接着剤樹脂として使用し
得る。
これらの樹脂は、同時押出或いはサンドイッチラミネ
ーション等による積層に有用である。
本発明によるプラスチック積層構造体では、所望に応
じて、ガスバリヤー層、該層を他の層と接着させるため
の接着層、或いはリグラインド層などを設けることも出
来る。
この場合、徒に層の数を増加させ、構造体の成形性を
低下させることを防止するため、高吸水性樹脂含有層を
単独で設けずに、ガスバリヤー層、接着層或いはリグラ
インド層のいずれかに高吸水性樹脂を適量ブレンドする
ことも出来る。
ガスバリヤー層 本発明によれば、更に中間層と内外層との間に、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体その他から成るガスバ
リヤー層を設けることもできる。
エチレン・ビニルアルコール共重合体は、酸素等の気
体に対する耐透過性に優れた樹脂の一つであるが、高湿
度条件下ではこの耐透過性が減少するという問題があ
る。
而して上述した本発明に従って、高吸水性樹脂含有層
とともに、上記ガスバリヤー層を設けることにより、湿
分の侵入によるエチレン・ビニルアルコール共重合体の
劣化が有効に回避されるため、優れたガスバリヤー性を
保持できるという利点が達成される。
エチレン・ビニルアルコール共重合体としてはエチレ
ン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%である
エチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%
以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られ
る共重合体ケン化物が使用される。
このエチレン・ビニルアルコール共重合体は、フィル
ムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般
に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃
で測定して0.05l/g以上、特に0.07l/g以上の粘度を有す
ることが望ましい。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体以外に
も、例えば特願昭61−177832号に開示されているポリア
ミド、特願昭62−98596号や米国特許第4,501,879号明細
書に開示されたハイバリヤーポリエステル、及び特公昭
57−42493号に開示された高ニトリル系樹脂等も、ガス
バリヤー樹脂として使用される。
接着層 エチレン・ビニルアルコール共重合体その他から成る
ガスバリヤー層と、他の樹脂層とを接着させる目的で設
けられる層で、前述したカルボニル基含有熱可塑性樹脂
を用いることが望ましい。
リグラインド層 積層構造体を成形する際に派生するバリやスリットく
ずなどのリグラインドを、コストダウンのために回収す
る層であり、積層構造体を形成する全樹脂のブレンド物
から成っている。これにバージンの熱可塑性樹脂を添加
することも出来る。
成形方法 積層体の成形は、多層同時押出によって行なうのがよ
い。この多層同時押出によれば、樹脂間の接着界面で両
樹脂の混じり合いがよく行なわれるので、接着強度に特
に優れた積層構造体が得られる。
多層同時押出に際しては、各層を構成する樹脂を夫々
の押出機で溶融混練した後、多層多重ダイを通して押出
し、フィルム、シート、ボトル用パイプ、ボトル用プリ
フォーム等の形に形成する。
尚、ボトル用プリフォームの場合には、多層同時押出
された溶融樹脂パリソンを金型内でプリブロー成型する
か、多層同時押出されたパイプを冷却して一定寸法に切
断後、パイプの上端部分及び下端部分を再加熱して圧縮
成形等の手段にて口部ネジ部分と底部の成形を行なうこ
とによって得られる。
積層体の形成は、またサンドイッチラミネーションや
押出コートと呼ばれる方法で行なうことができる。例え
ば予め形成された内外層用の樹脂フィルム及び、中間層
用のフィルムを加熱下に圧着することによって積層体を
製造することができる。また別法として、内外層用フィ
ルムの間に、高吸水性樹脂を中間層として押出し、該押
出層をこれら2枚のフィルムでサンドイッチ状に圧着し
て積層体を得ることができる。また予め形成された各種
フィルムを所定の積層順序で熱間圧着乃至は熱間圧延す
る方法等も採用することができる。
勿論上述した方法以外にも、例えば複数のシリンダー
を有する射出機を使用し、所定の各樹脂を順次或いは共
射出して積層体を得ることもできる。
用途 本発明の積層構造体は、ブロー成形容器、シート成形
容器或いは袋状の包装容器として有利に使用される。
例えば、パリソン、パイプ或いはプリフォームからの
ボトルの形成は、押出物を一対の割型でピンチオフし、
その内部に流体を吹込むことにより容易に行われる。ま
た、パイプ乃至はプリフォームを冷却した後、延伸温度
に加熱し、軸方向に延伸すると共に、流体圧によって周
方向にブロー延伸することにより、延伸ブローボトル等
が得られる。また、フィルム乃至シートを、真空成形、
圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付
することにより、カップ状、トレイ状等の包装容器が得
られる。
更に、多層フィルムにあっては、これを袋状に重ね合
せ或いは折畳み、周囲をヒートシールして袋状の包装容
器(パウチ)とする。
(発明の効果) 本発明のプラスチック積層構造体は、従来公知のもの
に比して耐水蒸気透過性が著しく改善されており、特に
粉末コーヒー、クリーミングパウダー等の粉体用の容
器、或いは食用油などの湿気を嫌う液体油脂食品用の容
器として極めて有効である。
(実施例) 各実施例における透湿度(水蒸気透過度)の測定は下
記の方法に従った。
1)サンプルがシート状の場合; 八州貿易(株)が取り扱っているLyssy(リッシー)
全自動水蒸気透過度テスタ−L80−4000型試験機を使用
した。
(実施例1、2、比較例1) 2)サンプルが容器状の場合; 上記全自動水蒸気透過度テスターL90型に準拠した方
法で測定した。
実施例1 各層の原料樹脂として以下のものを使用した。
以上の樹脂を用い、共押出により3層の積層シートを
得た。この積層シートの各層は、重量基準で、 外層:中間層:内層:=4:1:5 となっている。
この積層シートについて、40℃、相対湿度90%差の条
件下での水蒸気透過度を前述した方法に従って測定し
た。
測定結果を第2図に示す。
尚、比較のため、上記ポリプロピレン単層のシートに
ついて、同様の測定を行ない、その結果を第2図に併せ
て示す。
実施例2 各層の原料樹脂として、以下の樹脂を使用した。
以上の樹脂を用い、外層:接着層:ガスバリヤー層:
接着層:内層=4:0.5:1:0.5:4(重量比)の5層構成の
積層シートを共押出法により得た。
この積層シートについて、実施例1と全く同様に水蒸
気透過度の経時変化を測定した。
測定結果を第3図に示す。
尚、比較のために、接着層に前記アクリル酸/ビニル
アルコール共重合体が全く配合されていない5層シート
についての水蒸気透過度の測定結果を第3図に併せて示
す。
比較例1 各層の原料樹脂として以下の樹脂を使用した。
以上の樹脂を用い、実施例2の場合と同じ共押出法に
よって、実施例2と同じ5層構成の積層シートを得た。
この積層シートについて、実施例2と全く同様に、水
蒸気透過度の経時変化を測定した。
測定結果を第1表に示す。
尚、比較のために、実施例2に示した、接着層に前記
アクリル酸/ビニルアルコール共重合体が全く配合され
ていない5層シートの測定結果(実施例2における比較
例)も第1表に併せて示す。この表から、内外層に前記
アクリル酸/ビニルアルコール共重合体を添加すると、
無添加の5層シートよりも、逆に水蒸気透過量が多くな
ることが知られる。
実施例3〜5 原材料樹脂とし以下のものを使用した。
以上の樹脂を使用し、共射出法により、外層:中間
層:内層=2:1:1(重量比)の3層構成の広口積層ボト
ルを得た。
この積層ボトルについて、上述した方法に準拠して、
下記条件、 40℃、90%RH、恒温恒湿層内(実施例3) 30℃、80%RH、恒温恒湿層内(実施例4) 20℃、60%RH、恒温恒湿層内(実施例5) を採用して、水蒸気透過量の経時変化を測定した。
各測定結果を、それぞれ第4図、第5図、及び第6図
に示す。
また比較のために、ポリエチレンテレフタレート単層
のボトルについて、同様の測定を行ない、その結果を第
4図、第5図及び第6図に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の積層構造体の層構成の一例を示す
図、 第2図乃至第6図は、それぞれ実施例1〜5における水
蒸気透過量の経時変化を示す線図である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱可塑性樹脂から成る内外層と
    高吸水性樹脂を含有して成る層とを有する積層体から形
    成されたプラスチック積層構造体において、 前記内外層は、水蒸気透過係数(JIS Z 0208)が5×10
    -1g・cm/m2・day以下のオレフィン系樹脂又はポリエス
    テル樹脂から成り、 前記高吸水性樹脂含有層は、高吸水性樹脂を5乃至90重
    量%の割合で含有する前記内外層と同種の水蒸気透過係
    数(JIS Z 0208)が5×10-1g・cm/m2・day以下のオレ
    フィン系樹脂又はポリエステル樹脂から成る、 ことを特徴とする耐水蒸気透過性に優れたプラスチック
    積層構造体。
  2. 【請求項2】少なくとも熱可塑性樹脂から成る内外層と
    ガスバリヤー層と該ガスバリヤー層の両側に設けられた
    接着層とを有する積層体から形成されたプラスチック積
    層構造体において、 前記内外層は、水蒸気透過係数(JIS Z 0208)が5×10
    -1g・cm/m2・day以下のオレフィン系樹脂又はポリエス
    テル樹脂から成り、 前記ガスバリヤー層は、エチレン・ビニルアルコール共
    重合体から成り、 前記接着層は、高吸水性樹脂を5乃至90重量%の割合で
    含有するカルボニル基含有オレフィン系樹脂から成る、 ことを特徴とする耐水蒸気透過性及びガスバリヤー性に
    優れたプラスチック積層構造体。
  3. 【請求項3】前記内層は、容器器壁の全体の厚み当り5
    乃至80%の厚みを有する請求項(1)又は(2)記載の
    積層構造体。
  4. 【請求項4】プラスチックシートである請求項(1)又
    は(2)記載の積層構造体。
  5. 【請求項5】プラスチック容器である請求項(1)又は
    (2)記載の積層構造体。
  6. 【請求項6】前記内外層と高吸水性樹脂含有層との三層
    構成の積層体から成る粉体用容器である請求項(1)記
    載の積層構造体。
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