JPH0363616B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、屋根又は壁等の全体に一重の採光部
を設ける構成や二重に採光部を設ける構成各々が
極めて簡単にでき、しかも施工を簡易且つ迅速に
でき、雨仕舞を良好にでき、さらに安価に提供す
ることができる採光外囲体に関する。

〔従来の技術及び課題〕

従来より、屋根又は壁全体を採光板として構成
するには、雨仕舞を確実にすることが必須となる
ため、構成が複雑となり、且つ部品点数が増加
し、取付施工が面倒となり、ひいては施工費が割
高になる等の欠点があつた。特に横葺用採光板等
による採光外囲体は従来存在しなかつた。又、そ
の採光部までも、断熱処理するようにするには、
さらに構成が複雑且つ高価なものになる不都合が
あつた。

〔課題を解決するための手段〕

そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭
意，研究を重ねた結果、その発明を、主板の一側
に内側係合部を、他側に外側係合部を各々形成し
た横葺用採光板を支持材に直交するように載置
し、その横葺用採光板の内側係合部を吊子で係止
して該吊子を前記支持材に固着し、且つ横葺用採
光板の内側係合部に上段の横葺用採光板の外側係
合部を係合して葺成したり、或いは前記構成にお
いて断面略扁平Ｕ字状の下部採光板を支持材間に
水密的に固着して前記横葺用採光板と下部採光板
との間に適宜の空隙を形成したことにより、屋根
又は壁等の全体に一重の採光部を設ける構成や二
重に採光部を設ける構成各々が極めて簡単にで
き、しかも施工を簡易且つ迅速にでき、雨仕舞を
良好にでき、さらに安価に提供することができ、
前記課題を解決し、その目的を達成したものであ
る。

〔実施例〕

以下、図面の実施例に基づき本発明を説明す
る。

第１図乃至第６図は第１発明を示したものであ
る。また、第１３図に示したものは、第１発明，
第２発明に共用又は一方のみに使用される構成部
材であり、これらについて述べると、１は母屋又
は胴縁等の構造材であつて、構造物の上部又は側
部に適宜の間隔をおいて複数設けられている。Ａ
は支持材で、金属タルキ等の金属製支持材２又は
垂木等の木製支持材３とが存在し、これが、前記
構造材１上に直交（略直交も含む）するように載
置され、その支持材Ａが適宜の間隔（約30cm乃至
約１ｍ）をおいて多数併設されている。４は合成
樹脂製で透明状の横葺用採光板で、この長手方向
の長さは、運搬可能で且つ取り扱いやすい長さと
して、例えば約５ｍ乃至10数ｍに形成され、該横
葺用採光板４を長手方向に直交する断面としてみ
ると、その主板４ａの一側（水上側）縁より内側
上方に向かう内側係合部４ｂが形成され、その主
板４ａの他側（水下側）縁より内側下方に向かう
外側係合部４ｃが一体形成されている。

該外側係合部４ｃは、下段の横葺用採光板４の
内側係合部４ｂに適宜係合するように構成されて
いる。前記主板４ａはその一側より平坦部，緩傾
斜部と平坦部とに屈曲形成され、その主板４ａ内
側係合部４ｂ外側係合部４ｃとからなる横葺用採
光板４は一枚の合成樹脂板が適宜屈曲されて一体
形成されている。５は金属製の長尺の軒先材であ
つて、前記支持材Ａ，Ａ，…の軒先端に該軒先に
平行に固着されている。その軒先材５は、上部に
は、前記横葺用採光板４の内側係合部４ｂと略同
形状の係止部５ａが屈曲形成されている。その横
葺用採光板４の外側係合部４ｃが軒先材５の係止
部５ａに係合され、しかも前記支持材Ａの金属製
支持材２又は木製支持材３等の長手方向に対して
横葺用採光板４の長手方向が直交（略直交も含
む）するようにして支持材Ａ上に載置される。そ
の横葺用採光板４の内側係合部４ｂの後部が吊子
６にて押圧されつゝ該吊子６の取付部が支持材Ａ
上にドリルビス又はリベツト，ボルト・ナツト，
釘等の止着具７にて固着されている。このとき、
その吊子６が支持材Ａに固着されるもので、吊子
６は前記横葺用採光板４の内側係合部４ｂ等には
一切固着されず、押圧された状態である。そし
て、前記横葺用採光板４の内側係合部４ｂに上段
の横葺用採光板４の外側係合部４ｃが係合され、
これらが順次繰り返されて屋根又は壁等の横葺の
全体を一重の採光部にした採光外囲体が葺成施工
されている。前記支持材Ａは第５図，第６図に示
すように木製支持材３の場合には、副支持板３ａ
が載置固着されているが、単に木製支持材３のみ
にする場合もある。又、その横葺用採光板４の長
手方向の端は、同一平面上の横葺用採光板４の長
手方向の端に継手具８等を介して水密的に接続さ
れている。該継手具８は継手板８ａ伸縮吸収材８
ｂ下部継手板８ｃ防水材８ｄ等で構成されてい
る。

その採光外囲体の妻側の妻包板９箇所の支持材
Ａの金属製支持材２又は木製支持材３（副支持板
３ａを含む）の上には、前記横葺用採光板３との
間に該間隔を略密閉状に施工するゴム系又は合成
樹脂製の略偏平三角形状の面戸１０が挿入されて
いる。

次に、二重の採光部を有する採光外囲体なる第
２発明について第７図乃至第１２図に基づいて述
べると、Ｂは合成樹脂製で透明状の下部採光板で
あつて、水上側の主下部採光板１１と軒先側の副
下部採光板１２とで構成され、その主下部採光板
１１は第１１図に示すように偏平溝形部１１ａの
両上端より外方に水平状の縁部１１ｂ，１１ｂが
形成され、偏平溝形部１１ａの横幅は前記支持材
Ａ，Ａ間の間隔に相当し、その長手方向の長さは
軒先寄りから棟部まで一体又は複数部材にて連続
している。又、前記副下部採光板２は第１１図に
示すように偏平溝形部１２ａの軒先側が全体的に
傾斜上向きに形成され、その溝の深さが極端に低
くなつている。即ち、副下部採光板１２を側面か
ら見ると前記横葺用採光板４の主板４ａの断面と
略同等になるように形成されている。その偏平溝
形部１２ａの両上端より外方に水片状の縁部１２
ｂ，１２ｂが形成され、この副下部採光板１２の
水上端に、主下部採光板１１の水下端が重合され
て、下部採光板Ｂが構成されている。実施例では
該下部採光板Ｂは２部材で形成されているが、場
合によつては主下部採光板１１と副下部採光板１
２とを一体に形成することもある。その下部採光
板Ｂは隣接する支持材Ａ，Ａ間即ち、金属製支持
材２，２間や、木製支持材３，３間に載置固着さ
れている。さらに、副下部採光板１２の軒先側
が、前記軒先材５の係止部５ａ上に載置され、こ
のようにして前記横葺用採光板４と下部採光板Ｂ
との間に適宜の空隙が形成されている。又、棟部
箇所では、第１２図に示すように主下部採光板１
２の水上側端箇所の前記空隙を密閉状に施工する
棟面戸１３が設けられている。これらの接合部等
には必要に応じてシーリング材を水密的に充填す
ることもある。このようにして横葺の全体に二重
の採光部を有する採光外囲体が施工されている。

その第１発明及び第２発明において、前記横葺
用採光板４の断面形状の実施例は種々のものが存
在し、図面の実施例には限定されない。又、前記
金属製支持材２の門形部の頂部には、第２図に示
すようにその長手方向に一定間隔（前記横葺用採
光板４の幅方向の働き幅に相当している）に断面
三角形状等の突起部２ａ，２ａ，…が設けられて
いる。１４は長尺な金属製の帯板で、その長手方
向に一定間隔（前記横葺用採光板４の幅方向の働
き幅に相当している）に断面三角形状等の突起部
１４ａ，１４ａ…が第５図等に示す如く設けられ
ている。この帯板１３は木製支持材３よる支持材
Ａの場合に設けられる。図中１５は軒樋、１６は
樋受金具、１７は鼻隠し、１８は鼻隠し包材、１
９は軒天、２０は軒桁、２１は壁である。

〔発明の効果〕

特許請求の範囲第１項の発明（第１発明）にお
いては、主板４ａの一側縁に内側係合部４ｂを、
他側縁に外側係合部４ｃを各々形成した横葺用採
光板４を支持材Ａ，Ａ，…に直交するように載置
し、その横葺用採光板４の内側係合部４ｂを吊子
６で係止して該吊子６を前記支持材Ａに固着し、
且つ横葺用採光板４の内側係合部４ｂに上段の横
葺用採光板４の外側係合部４ｃを係合して葺成し
たことにより、第１に施工が極めて簡易且つ迅速
にでき、第２に極めて良好な雨仕舞（水密性）が
でき、第３に構成が簡単で、安価い施工できる等
の多くの効果を奏する。

これらの効果について詳述すると、屋根又は壁
等の全体に一重の採光部を設けるのに、その横葺
用採光板４は横葺用建築用板と略同等の形状をな
し、これを一般の横葺外囲体の葺成施工と同様に
施工することとなり、極めて簡易且つ迅速にでき
る。又、本発明においては、その横葺用採光板４
の内側係合部４ｂに上段の横葺用採光板４の外側
係合部４ｃを係合したことで水密的に固着できる
し、さらに、本発明の採光外囲体では部材数が少
なく構成が簡単であり、前述のように施工も簡易
且つ迅速にできることから、極めて安価な全体を
一重の採光部にした採光外囲体を提供できる。

次に特許請求の範囲第２項の発明（第２発明）
においては、前記第１発明の構成に対して断面略
扁平Ｕ字状の下部採光板Ｂを支持材Ａ，Ａ間に水
密的に固着して前記横葺用採光板４と下部採光板
Ｂとの間に適宜の空隙を形成したことにより、先
ず、横葺用採光板４と下部採光板Ｂとの間には、
外気と遮断されている空隙が形成され、該空隙
は、断熱層としての役割をなし、断熱効果が極め
て優れた採光外囲体を提供することができる。
又、内部の放熱もしにくゝなり、良好なる保温の
効果を発揮し得る。このため、横葺用採光板４と
下部採光板Ｂとによる二重の採光部を横葺外囲体
の全体に設けたことで、照明用の電力消費量を軽
減できるのみならず、構造物の内部の冷暖房の熱
効率を著しく増加させ、しかも、その電力消費量
の節約を図ることができ、省エネルギー対策上極
めて好適である。さらにそのように外気温と遮断
された空気層が形成されると、外気温の熱伝導率
は、その下部採光板Ｂ箇所では極めて少なくな
り、その冷橋作用が殆ど働かず、下部採光板Ｂの
下面に結露が生じないものとなり、その結露水
で、内部を汚すことも防止することができる。
又、外気温と遮断された二重の採光部であると、
その内部に雨水が浸入しない確実な雨仕舞（水密
性）ができる。

又、そのように外気温と遮断された二重の採光
部であると、二重の内部に塵等も侵入せず、長期
の使用によつても、横葺用採光板４の上面の簡単
な掃除だけで、十分な太陽光を取入れることがで
きる。このように内部が汚れないことは維持管理
上でも大きな利点となる。又、その施工は、下部
採光板Ｂを支持材Ａ，Ａ間に敷設してそして順次
上側に横葺用採光板４を取付けるのみであり、施
工性も極めて良好にできる。さらに、本発明の採
光外囲体は、構成が比較的簡単であるのみなら
ず、部材数が少なく、前記の良好なる施工性と相
まつて極めて安価に施工できる。

又、他の構成は第１発明の構成と同様であり、
これと同様な作用効果を発揮し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１発明の略示平面図、第２図は第１
図の−矢視断面図、第３図は横葺用採光板の
適所の斜視図、第４図は第１図の−矢視断面
図、第５図は第１発明の縦断側面図、第６図は第
５図の適所の縦断正面図、第７図は第２発明の縦
断側面図、第８図は第７図の適宜な箇所の縦断正
面図、第９図は第２発明の別の実施例の縦断側面
図、第１０図は第９図の適宜な箇所の縦断正面
図、第１１図は下部採光板の分解斜視図、第１２
図は棟部箇所の要部斜視図、第１３図は横葺用採
光板相互を接続している斜視図である。 Ａ……支持材、４……横葺用採光板、４ａ……
主板、４ｂ……内側係合部、４ｃ……外側係合
部、６……吊子、Ｂ……下部採光板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 主板の一側縁に内側係合部を、他側縁に外側
   係合部を各々形成した横葺用採光板を支持材に直
   交するように載置し、その横葺用採光板の内側係
   合部を吊子で係止して該吊子を前記支持材に固着
   し、且つ横葺用採光板の内側係合部に上段の横葺
   用採光板の外側係合部を係合して葺成したことを
   特徴とした採光外囲体。 ２ 主板の一側縁に内側係合部を、他側縁に外側
   係合部を各々形成した横葺用採光板を支持材に直
   交するように載置し、その横葺用採光板の内側係
   合部を吊子で係止して該吊子を前記支持材に固着
   し、且つ横葺用採光板の内側係合部に上段の横葺
   用採光板の外側係合部を係合し、断面略扁平Ｕ字
   状の下部採光板を支持材間に水密的に固着して前
   記横葺用採光板と下部採光板との間に適宜の空隙
   を形成したことを特徴とした採光外囲体。