JP3231024B2 - パッシブソーラーハウスの太陽熱集熱部 - Google Patents

パッシブソーラーハウスの太陽熱集熱部

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    • F24S20/60Solar heat collectors integrated in fixed constructions, e.g. in buildings
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気によって太陽
エネルギーを利用するパッシブソーラーハウスの太陽熱
集熱屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光により集熱した空気を効果的に利
用するパッシブソーラーハウスは屋根や壁に太陽熱集熱
部を形成し、ここから温かい空気を得て室内に取り入れ
るものであるが、屋根に設ける太陽熱集熱部としては、
例えば、図5に示すように、カラー鉄板等の金属製屋根
板1の直下に形成する屋根勾配を有する空気流路2の下
側面はグラスウール等を敷き詰めた断熱層3として構成
し、空気流路2の一端は軒下等に開口するとともに、屋
根の一部はガラス4で覆うようにした。
【0003】この太陽熱集熱部となる太陽熱集屋根は瓦
棒葺き形式の浮き屋根として、径の異なる垂木5a, 5
bを大きい径の垂木5aを下にして上下ダブルにして段
差のあるものとし、ここにカラー鉄板による屋根板1を
葺いて下側に空気層2aを確保して空気流路2とする。
【0004】この空気層2aの気密性は、垂木5a, 5
bの外面にシリコンコーキングなどのシーリング材6を
コーキングガン等で塗布してから屋根板1の端を重ねる
などして確保するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図5に示す太
陽熱集熱部では、コーキングガン等でのシールを必須と
するので、施工の作業性が悪く、手数のかかるもので、
高い気密性を確保することが困難な場合が多かった。
【0006】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
するもので、コーキングの塗布なしに高い気密性が確保
できるとともに、施工が簡単で、また、耐久性、経済性
の富むものとすることができるパッシブソーラーハウス
の太陽熱集熱部を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、屋根に空気流路を設ける太陽熱集熱屋根にと
しては、矩形中空体の側方下端に固定用のフランジを、
側方中間部に支承フランジをそれぞれ左右水平方向に突
設し、また、上面左右にパッキング配設用の溝を形成し
た垂木金物をアルミニウム合金の押し出し形材で形成
し、左右に下折片を形成した覆板の内側面に係合用の突
片を間隔を存して平行に突設したキャップ材をアルミニ
ウム合金の押し出し形材で形成し、垂木金物を適宜間隔
で設置し、垂木金物上面から側方に沿って垂下させ、か
つ、垂木金物間で前記支承フランジ間を渡るように屋根
板を展設して下に空気層を形成し、この屋根板の端を前
記下折片で外側から覆うように垂木金物にキャップ材を
嵌着する際に両者間にシール材を挟着すること、およ
び、シール材は、垂木金物の溝に配設するパッキング
と、覆板の内側面に配設する気密テープからなり、これ
らパッキングと気密テープを当接させることを要旨とす
るものである。
【0008】また、壁に上下方向の空気流路を設ける太
陽熱集熱壁としては、横断面矩形中空体の側方一端に固
定用のフランジを、側方中間部に支承フランジをそれぞ
れ左右方向に突設し、また、前面左右にパッキング配設
用の溝を形成した桟木金物をアルミニウム合金の押し出
し形材で形成し、左右に内折片を形成した覆板の内側面
に係合用の突片を間隔を存して平行に突設したキャップ
材をアルミニウム合金の押し出し形材で形成し、桟木金
物を適宜間隔で設置し、桟木金物前面から側方に沿わ
せ、かつ、桟木金物間で前記支承フランジ間を渡るよう
に壁板を展設して内側に空気層を形成し、この壁板の端
を前記内折片で外側から覆うように桟木金物にキャップ
材を嵌着する際に両者間にシール材を挟着すること、お
よび、シール材は、桟木金物の溝に配設するパッキング
と、覆板の内側面に配設する気密テープからなり、これ
らパッキングと気密テープを当接させることを要旨とす
るものである。
【0009】請求項1記載の本発明によれば、垂木金物
とキャップ材との2つからなるので従来のような垂木の
二重施工がなくなり、工期の短縮が図れる。また、気密
性の確保は垂木金物とキャップ材との間にシール材を挟
着することで得られるので、屋根全体でこれを得るよう
にした従来と比べて簡単かつ確実なものである。また、
ノーコーキングのためにコーキング割れの発生もない。
【0010】さらに、垂木金物およびキャップ材ともに
アルミニウム合金の押し出し形材を使用するので、軽量
で作業がし易く、耐久性に富み、耐候性もあり、腐食し
難く、メンテナンス費用も軽減される。
【0011】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、シール材がパッキングとと気密テープからな
り、パッキングの方は予め垂木金物の溝に配設でき、気
密テープは予め覆板の内側面に配設することで、垂木金
物にキャップ材を嵌着する際に簡単に装着でき、配設作
業も簡単である。
【0012】請求項3記載の本発明によれば、太陽熱集
熱壁として壁に上下方向の空気流路を設ける場合におい
ても同様であり、桟木金物とキャップ材との2つからな
るので工期の短縮が図れ、また、気密性の確保は桟木金
物とキャップ材との間にシール材を挟着することで得ら
れるので、簡単かつ確実なものである。また、ノーコー
キングのためにコーキング割れの発生もない。
【0013】さらに、桟木金物およびキャップ材ともに
アルミニウム合金の押し出し形材を使用するので、軽量
で作業がし易く、耐久性に富み、耐候性もあり、腐食し
難く、メンテナンス費用も軽減される。
【0014】請求項4記載の本発明によれば、前記請求
項2記載の本発明と同様であり、シール材がパッキング
と気密テープからなり、パッキングの方は予め桟木金物
の溝に配設でき、気密テープは予め覆板の内側面に配設
することで、桟木金物にキャップ材を嵌着する際に簡単
に装着でき、配設作業も簡単である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明のパッシブソー
ラーハウスの太陽熱集熱部の第1実施形態として、屋根
に空気流路を設ける場合の縦断正面図で、図中7は垂木
金物、8は瓦棒化粧カバー材としてのキャップ材で、こ
れらはいずれもアルミニウム合金の押し出し形材で形成
している。
【0016】垂木金物7は図2に示すように上方コーナ
ー部にビスポケット9を形成した縦長の矩形中空体10の
側方壁10aの下端に固定用のフランジ13を左右に水平方
向外側に向けて突設し、また、側方壁10aの中間部に支
承フランジ14をそれぞれ左右水平方向外側に突設した。
このビスポケット9は妻板等をビス止めで取り付けるの
に使用する。
【0017】また、この垂木金物7は側方壁10aを上方
に延設してなる垂直片15と上面板10bの中央に間隔を存
して平行に立ち上げた垂直片16とで後述のパッキン24を
配設する溝17を前記矩形中空体10の上面左右に形成し
た。
【0018】垂直片16の相互間の溝18はキャップ材8の
嵌合用のものとなるが、この垂直片16の上端は少し外側
に傾斜させ、溝18の開口が広がるようにしている。さら
に後述のキャップ材8の係合用の突片21,21との結合を
確実にするため垂直片16に突条27を溝18内に向けて設け
た。
【0019】キャップ材8は、覆板19となる平板の左右
端を折り曲げた下折片20,20を斜め方向に形成して全体
を略台形状とし、覆板19の中央の内側面に係合用の突片
21,21を間隔を存して平行に突設した。この突片21,21
は前記溝18に挿入して垂直片16に係合すべく、長さおよ
び間隔を選択する。突片21,21には前記垂直片16に突条
27に嵌合する凹溝28を形成する。
【0020】このようにして、図中22は防水紙を敷設し
たコンパネ(合板)で、図示は省略するがその下にはグ
ラスウール等を敷き詰めた断熱層として構成し、コンパ
ネ22の上に垂木金物7を適宜間隔で設置する。この垂木
金物7の設置は固定用のフランジ13を介してビス止め等
で行う。
【0021】屋根板1は鋼板によるものとし、端部を山
折りにして前記垂直片15に被せて溝17に差し入れ、さら
に、側方壁10aに沿って垂下させ、直角に折り曲げて垂
木金物7間で前記支承フランジ14に支えられて水平の伸
び、支承フランジ14間を渡るように展設され、その下方
に空気流路2をなすべき空気層23を形成する。
【0022】このように垂木金物7に屋根板1を浮き屋
根形式で葺いた後で、突片21, 21をを溝18に差し入れる
ようにしてキャップ材8を嵌着する際に、溝18にチュー
ブ状のEMDM(エチレンプロピレンゴム)によるパッ
キン24を配設し、キャップ材8の突片21,21と下折片20
との間の溝底にEMDMスポンジを主材としてのブチル
粘着テープを貼合わせた気密テープ25を貼設しておき、
これらパッキン24と気密テープ25とを当接させるように
した。
【0023】垂木金物7に対しキャップ材8は突片21,
21が溝18に挿入して垂直片16の突条27に凹溝28が嵌合す
ることでしっかりと結合する。
【0024】このようにして空気層23内の空気は高温と
なり矢印に示すように上昇してもパッキン24と気密テー
プ25とを当接したシール部で遮蔽され、外に漏れること
は無くなる。
【0025】図中26はキャップ材8の上を覆う化粧カバ
ーであり、屋根の一部をガラスで覆うようにする場合は
これらの上にガラスを固定する。
【0026】図4は本発明のパッシブソーラーハウスの
太陽熱集熱部の第2実施形態として、壁に上下方向の空
気流路を設ける太陽熱集熱壁の場合を示す横断平面図
で、前記第1実施形態における屋根部の構成を上下方向
にして壁に応用したものであり、垂木金物7に相当する
桟木金物30はアルミニウム合金の押し出し形材で形成
し、化粧カバー材としてのキャップ材31もアルミニウム
合金の押し出し形材で形成する。
【0027】桟木金物30は前方コーナー部にビスポケッ
ト32を形成した縦長の矩形中空体33の側方壁33aの一端
(根元端)に固定用のフランジ34を左右外側に向けて突
設し、また、側方壁33aの中間部に支承フランジ35をそ
れぞれ左右方向外側に突設した。このビスポケット32は
端板等をビス止めで取り付けるのに使用する。
【0028】また、この桟木金物30は側方壁33aを前方
に延設してなる垂直片36と前面板33bの中央に間隔を存
して平行に立ち上げた垂直片37とで後述のパッキン45を
配設する溝38を前記矩形中空体33の前面左右に形成し
た。
【0029】垂直片37の相互間の溝39はキャップ材31の
嵌合用のものとなるが、この垂直片37の上端は少し外側
に傾斜せ、溝39の開口が広がるようにしている。さらに
後述のキャップ材31の係合用の突片42,42との結合を確
実にするため垂直片37に突条48を溝39内に向けて設け
た。
【0030】キャップ材31は、覆板40となる平板の左右
端を折り曲げた内折片41,41を斜め方向に形成して全体
を略台形状とし、覆板40の中央の内側面に係合用の突片
42,42を間隔を存して平行に突設した。この突片42,42
は前記溝39に挿入して垂直片37に係合すべく、長さおよ
び間隔を選択する。突片42,42には前記垂直片37に突条
48に嵌合する凹溝49を形成する。
【0031】このようにして、図中43はコンパネ(合
板)その他による壁材で、図示は省略するがその内側は
グラスウール等を敷き詰めた断熱層として構成し、壁材
43の上に桟木金物30を適宜間隔で設置する。この桟木金
物30の設置は固定用のフランジ34を介してビス止め等で
行う。
【0032】壁板51は、端部を山折りにして前記垂直片
36に被せて溝38に差し入れ、さらに、側方壁33aに沿っ
て内側に折り曲げ、さらに直角に折り曲げて桟木金物30
間で前記支承フランジ35に支えられて左右に伸び、支承
フランジ35間を渡るように展設され、その下方に空気流
路52をなすべき空気層44を形成する。
【0033】このように桟木金物30に壁板51を取り付け
た後で、突片42,42をを溝39に差し入れるようにしてキ
ャップ材31を嵌着する際に、溝38にチューブ状のEMD
M(エチレンプロピレンゴム)によるパッキン45を配設
し、キャップ材31の突片42,42と下折片41との間の溝底
にEMDMスポンジを主材としてのブチル粘着テープを
貼合わせた気密テープ46を貼設しておき、これらパッキ
ン45と気密テープ46とを当接させるようにした。
【0034】桟木金物30に対しキャップ材31は突片42,
42が溝39に挿入して垂直片37の突条48に凹溝49が嵌合す
ることでしっかりと結合する。このようにして空気層44
内の空気はパッキン45と気密テープ46とを当接したシー
ル部で遮蔽され、外に漏れることは無くなる。図中47は
キャップ材31の上を覆う化粧カバーであり、このような
化粧カバー47を付設することもある。
【0035】以上壁に上下方向の空気流路を設ける太陽
熱集熱壁の場合を示す実施例について説明したが、桟木
金物30の形状としては固定用のフランジ34を省略するか
別の形式のものとするなど、形状的に変形もあり得る。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明のパッシブソー
ラーハウスの太陽熱集熱部は、屋根に空気流路を設ける
太陽熱集熱屋根において、垂木金物とキャップ材間にシ
ール材を挟着することで、コーキングの塗布なしに高い
気密性が確保できるとともに、垂木の二重施工を無く
し、施工が簡単で、工期の短縮が得られる。
【0037】また、垂木金物、キャップ材ともに、アル
ミニウム合金の押し出し形材によるので、耐久性、経済
性の富むものとすることができるものである。
【0038】さらに、壁に上下方向の空気流路を設ける
太陽熱集熱壁の場合でも同様の効果が得られるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパッシブソーラーハウスの太陽熱集熱
部の第1実施形態を示す縦断正面図である。
【図2】垂木金物の縦断正面図である。
【図3】キャップ材の縦断正面図である。
【図4】本発明のパッシブソーラーハウスの太陽熱集熱
部の第2実施形態を示す横断平面図である。
【図5】パッシブソーラーハウスの太陽熱集熱部の従来
例を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1…屋根板 2…空気流路 2a…空気層 3…断熱層 4…ガラス 5a,5b…垂木 6…シーリング
材 7…垂木金物 8…キャップ材 9…ビスポケット 10…矩形中空体 10a…側方壁 10b…上面板 13…固定用のフランジ 14…支承フラン
ジ 15,16…垂直片 17,18…溝 19…覆板 20…下折片 21…突片 22…コンパネ 23…空気層 24…パッキン 25…気密テープ 26…化粧カバー 27…突条 28…凹溝 30…桟木金物 31…キャップ材 32…ビスポケット 33…矩形中空体 33a…側方壁 33b…前面板 34…固定用のフランジ 35…支承フラン
ジ 36,37…垂直片 38,39…溝 40…覆板 41…内折片 42…突片 43…壁材 44…空気層 45…パッキン 46…気密テープ 47…化粧カバー 48…突条 49…凹溝 51…壁板 52…空気流路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 13/18 E04B 1/74 E04D 3/00 - 3/40 E04F 13/00 - 13/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根に空気流路を設ける太陽熱集熱屋根
    において、矩形中空体の側方下端に固定用のフランジ
    を、側方中間部に支承フランジをそれぞれ左右水平方向
    に突設し、また、上面左右にパッキング配設用の溝を形
    成した垂木金物をアルミニウム合金の押し出し形材で形
    成し、左右に下折片を形成した覆板の内側面に係合用の
    突片を間隔を存して平行に突設したキャップ材をアルミ
    ニウム合金の押し出し形材で形成し、垂木金物を適宜間
    隔で設置し、垂木金物上面から側方に沿って垂下させ、
    かつ、垂木金物間で前記支承フランジ間を渡るように屋
    根板を展設して下に空気層を形成し、この屋根板の端を
    前記下折片で外側から覆うように垂木金物にキャップ材
    を嵌着する際に両者間にシール材を挟着することを特徴
    としたパッシブソーラーハウスの太陽熱集熱部。
  2. 【請求項2】 シール材は、垂木金物の溝に配設するパ
    ッキングと、覆板の内側面に配設する気密テープからな
    り、これらパッキングと気密テープを当接させる請求項
    1記載のパッシブソーラーハウスの太陽熱集熱部。
  3. 【請求項3】 壁に上下方向の空気流路を設ける太陽熱
    集熱壁において、横断面矩形中空体の側方一端に固定用
    のフランジを、側方中間部に支承フランジをそれぞれ左
    右方向に突設し、また、前面左右にパッキング配設用の
    溝を形成した桟木金物をアルミニウム合金の押し出し形
    材で形成し、左右に内折片を形成した覆板の内側面に係
    合用の突片を間隔を存して平行に突設したキャップ材を
    アルミニウム合金の押し出し形材で形成し、桟木金物を
    適宜間隔で設置し、桟木金物前面から側方に沿わせ、か
    つ、桟木金物間で前記支承フランジ間を渡るように壁板
    を展設して内側に空気層を形成し、この壁板の端を前記
    内折片で外側から覆うように桟木金物にキャップ材を嵌
    着する際に両者間にシール材を挟着することを特徴とし
    たパッシブソーラーハウスの太陽熱集熱部。
  4. 【請求項4】 シール材は、桟木金物の溝に配設するパ
    ッキングと、覆板の内側面に配設する気密テープからな
    り、これらパッキングと気密テープを当接させる請求項
    3記載のパッシブソーラーハウスの太陽熱集熱部。
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