JP2912872B2 - 採光屋根 - Google Patents

採光屋根

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JP2912872B2
JP2912872B2 JP14513896A JP14513896A JP2912872B2 JP 2912872 B2 JP2912872 B2 JP 2912872B2 JP 14513896 A JP14513896 A JP 14513896A JP 14513896 A JP14513896 A JP 14513896A JP 2912872 B2 JP2912872 B2 JP 2912872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場や倉庫などの
建屋に設けられる採光屋根の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】工場や倉庫などの建屋に設けられる採光
屋根としては、従来、例えば特殊形状の連続取付枠に、
耐候性にすぐれた難燃性の合成ゴムを使用し、銅線入り
ガラス板を取り付けた自然採光式の連続天窓が公知であ
る。
【0003】しかし、このような採光のためのガラス板
を折板屋根板に部分的に取り付ける屋根構造は、構成が
複雑で、施工に手間を要し、コスト高になる難点があっ
た。
【0004】一方、折板屋根板の特定の谷部とその両側
の斜面部に透光性のFRP折板を嵌め込んで構造をより
簡易なものとしてコストの低減化を図った採光屋根も公
知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のFRP折板を用いた採光屋根では、折板屋根の折曲方
向にのみ帯状の採光部が形成されるため、室内全体に均
一な採光モードを得るのが難しい。また、そのFRP折
板の強度が低いため、屋根構造の強度が低下する難点も
あった。
【0006】本発明はこのような実情に鑑みてなされ、
全体的に均一な採光が可能な採光モードを得ることがで
き、かつ充分な屋根強度の得られる採光屋根を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するための手段を以下のように構成している。すなわ
ち、採光可能な素材よりなる所定幅の採光材が屋根の一
定方向に所定の間隔をおいて形成されている二枚の波形
の屋根板を、その採光材が互いに直交するように葺成し
てなることを特徴としている。
【0008】上下に配置された屋根板の採光材が重なる
箇所が碁盤の目状に形成されることから、建屋内全体に
万遍なく採光することができる。また、二枚の屋根板
が、その採光材が互いに直交するように重ね合わされる
ので、屋根の強度不足を補い合うことができ、その面強
度が格段に向上される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の採光屋根の実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、採光屋
根の分解説明図で、符号1は下側折板屋根板、2は上側
折板屋根板、3,4は採光可能な素材(FRP折板)よ
りなる所定幅の採光部で、その採光部3,4が互いに直
交するように、その両折板屋根板1,2が重ね合わされ
葺成されている。
【0010】上述の採光部3(4)は、図3に示すよう
に、両山部31,31(41,41)との間に谷部32
(42)を有して折曲方向に所定幅Bに形成され、かつ
所定の間隔L(図1参照)おきに設けられており、二枚
合わせに葺成された状態では、図2に示すように、ハッ
チングで示される採光部3と採光部4の交差した部分が
採光可能部分5となり、屋根全体に均一な採光モードを
得ることができる。なお、図2は採光モードを模式的に
示した説明図である。
【0011】工場や倉庫等の大きな建屋では、万遍なく
採光できる採光屋根が好ましいが、本発明の採光屋根で
は、上述のような採光モードにより、室内全体に光がむ
らなくゆき渡るため、室内照明を少なくすることがで
き、良好な省エネ効果を得ることができる。なお、上述
の採光部3,4は必ずしも屋根板の全長にわたり設けら
れていなくてもよい。
【0012】このような採光屋根の支持構造は、例え
ば、図3ないし図5に示される。これらの図において、
6は梁、母屋等の下地材、7はその下地材6の上にボル
ト締結または溶接等により載設固定された屋根受フレー
ムで、その屋根受フレーム7の上に敷設された隣接し合
う下側折板屋根板1,1同士がその屋根受フレーム7の
頂部に取り付けられた吊子8による馳締めによって接合
されている。
【0013】9は下側折板屋根板1の頂部に載設固定さ
れた支持部材で、その支持部材9の上に敷設された隣接
し合う上側折板屋根板2,2同士が支持部材9の頂部に
取り付けられた吊子10による馳締めによって接合され
ており、その上側折板屋根板2は棟11から軒先12へ
と流れ方向に葺成され、また、下側折板屋根板1は棟1
1および軒先12と平行に葺成されている。なお、13
は下側折板屋根板1,1の継ぎ目14の直下に軒先に向
けて設けられた樋である。
【0014】上述の支持部材9の構成は、図4に示さ
れ、71は断熱効果を有するABS樹脂等の硬質な合成
樹脂材の型成形よりなる間装部材で、その頂部72に吊
子10の下部を挿入固定するため溝部73が形成されて
おり、その溝部73の両側に2つのボルト孔74,74
が開設され、また、下部には2つのボルト孔75,75
が開設されている。
【0015】81は間装部材71を挟持する挟持部材、
82は間装部材71の頂部72を受載するための受部、
83はボルト孔付きのフランジ、84はボルト孔、85
は下側折板屋根板1の馳締部21(図1参照)を嵌め込
むための凹溝部、86は下側折板屋根板1の頂部22に
着座する着座部分である。
【0016】この支持部材9を組み付けるには、まず、
両挟持部材81,81のフランジ83,83間に、間装
部材71の溝部73を嵌め込み、かつ、左右の両受部8
2,82に間装部材71の頂部72,72をそれぞれ受
載させた状態とし、かつ、両挟持部材81,81の着座
部分86,86を下側折板屋根板1の頂部22に着座さ
せてその両凹溝部85,85間に馳締部21を挟み込ん
で、2本のボルト87をボルト孔84,75,75,8
4に挿入してワッシャ88を介してナット89で締結す
ることにより、下側折板屋根板1の頂部22に両挟持部
材81,81を立設させる。
【0017】次いで、間装部材71の溝部73に吊子1
0の下部を挿入し、フランジ83のボルト孔と、間装部
材71のボルト孔73と、吊子10のボルト孔18とに
貫挿させたボルト90をワッシャ91を介してナット9
2で締結すればよく、吊子10は下側折板屋根板1の馳
締部21に対して直交する方向に向いて固定されてお
り、その吊子10の上に隣接し合う上側折板屋根板2,
2を載せ、馳締めにより接合すれば、屋根強度が互いに
直交し合う方向に配置された二重屋根が葺成される。な
お、上述の支持部材9の組み付けが終了した時点で下側
折板屋根板1の上に断熱材(図示省略)を敷き詰め、両
折板屋根板1,2間に断熱層を形成し、上述の間装部材
71の断熱効果と相まって高い断熱効果を得ることがで
きる。
【0018】このような二重屋根の構成では、上側折板
屋根板2の強度(断面2次モーメントIX および断面係
数ZX )に下側折板屋根板1の強度(IX ,ZX )が効
果的に加算されることとなり、両折板屋根板1,2の複
合材としての強度は、X,Y方向に向上され、比較的強
度の低い採光部3,4を有していても面強度が格段に向
上される。その面強度は、支持部材9の増加によって、
効果的に向上されることができるため、比較的薄い板材
を使用して、負圧や積雪に強い耐久性の良好な屋根構造
を形成することができる。
【0019】なお、図示は省略するが、本発明は、下側
折板屋根板1および上側折板屋根板2の固定形式を図示
の実施形態に特定するものではなく、吊子を用いた馳締
め以外に、剣先ボルトで固定してもよく、また、いわゆ
るワンタッチ形式の嵌合キャップを用いた接合構造であ
ってもよく、その形式の如何を問わない。また、屋根板
は折板屋根だけでなく、スレート屋根や波板屋根であっ
てもよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の採光屋根
によれば、採光可能な素材よりなる所定幅の採光材が屋
根の折曲方向に所定の間隔をおいて形成されている二枚
の折板屋根板を、その折曲方向が互いに直交するように
重ね合わせて葺成するので、全体的に均一な採光が可能
な採光モードを得ることができ、かつ、充分な面強度を
得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の採光屋根の一実施形態を示す分解説明
図である。
【図2】同採光モードの模式図である。
【図3】同採光屋根の部分破断斜視図である。
【図4】同支持部材の分解組立斜視図である。
【図5】同採光屋根の縦断面図である。
【符号の説明】
1,2…折板屋根板、3,4…採光材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採光可能な素材よりなる所定幅の採光材
    が屋根の一定方向に所定の間隔をおいて形成されている
    二枚の波形の屋根板を、その採光材が互いに直交するよ
    うに葺成してなることを特徴とする採光屋根。
JP14513896A 1996-05-14 1996-05-14 採光屋根 Expired - Fee Related JP2912872B2 (ja)

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