JPH0229140B2 - Dannetsusaikogaiitai - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、採光部で良好な断熱効果を発揮し、
結露防止ができ、構成が比較的簡単で、雨仕舞
（水密性）が勝れ、施工性も好適である断熱採光
外囲体に関する。

従来より、住宅、工場、体育館等の構造物の内
部に、太陽の光を取入れる採光窓を屋根または壁
等の外囲体に取付けるには、先ず、雨仕舞を確実
にすることが必要となり、このため、構成が複雑
化したり、取付施工が面倒であつた。また、その
採光部までも、断熱処理することは難しい面があ
り、このため冷橋作用により結露が生じ、この結
露処理も不完全であつた。

そこで本発明は、構造材上に、これに直交する
ようにして力骨材を適宜の間隔をおいて載置固着
し、該隣接する力骨材上に少なくとも一側に樋状
部を有する通し受金具を固着し、該隣接する通し
受金具を側部にＬ形金具を夫々固着し、該両Ｌ形
金具の水平部間に平坦状の下部採光板を下部ガス
ケツトを介して載置固着し、その隣接する通し受
金具の樋状部間にクツシヨン材を介して平坦状の
上部採光板を載置し、該上部採光板の両側を笠木
材の側部で上部ガスケツトを介して押圧するよう
に力骨材上に植設したボルトのボルト部にナツト
を螺着したことにより、採光部で良好な断熱効果
を発揮し、結露防止が確実にでき、構成が比較的
簡単で、雨仕舞（水密性）が勝れ、施工性も良好
にでき前記の欠点等を解消したものである。

その構造の実施例を図面にて説明する。

その断熱採光外囲体の実施例は複数存在し、そ
の第１の実施例は山形部が連続する屋根または壁
等の折版外囲体Ａ（第１図乃至第３図参照）或い
は瓦棒葺外囲体Ｂ（第４図参照）の一部に後述す
る下部採光板７及び上部採光板９を取付けたもの
であり、これを先ず、詳述すると、１は母屋、胴
縁等の構造体であつて、構造物の上部または側部
に設けられている。該構造材１は軒または棟に略
平行に設けられている。２は力骨材で、長尺また
は適宜の長さの金属材で形成され、コ字状または
角管状等をなし、折版外囲体Ａまたは瓦棒葺外囲
体Ｂの一部を切除等した開口部内において、その
少なくとも２本の力骨材２が構造材１に直交する
ようにして取付片を介して構造材１，１，…上に
対設固着されている（第２図乃至第４図参照）。
３は通し受金具であつて、門形部３ａの少なくと
も一側（第３図、第５図、第７図に示すように門
形部３ａの両側に設けることもある）に樋状部３
ｂが一体形成され、該樋状部３ｂの外側上端には
外方（図面参照）または内方（第６図において点
線位）に水平縁３ｃが屈曲形成されている。その
通し受金具３，３がその力骨材２，２の上面に略
平行にして載置され、その力骨材２の上辺及び該
力骨材２の上辺に固着したボルト４に載置固着さ
れている（図面参照）。該ボルト４の具体的実施
例は、軸杆４ａの上端に座金部４ｂが形成され、
該座金部４ｂの上方にボルト部４ｃが一体化され
たものからなり、ナツト４ｂがそのボルト部４ｃ
に螺合される。その通し受金具３，３の力骨材
２，２への取付は、実際には、力骨材２の上辺に
固着したボルト４の座金部４ｂでその門形部３ａ
内の頂部を支持するようにしてボルト部４ｃに貫
通載置され、ナツト４ｄにて螺着される。５は金
属製のＬ形金具であつて、垂直部５ａと水平部５
ｂとで形成されている。その隣接する通し受金具
３，３の対向する樋状部３ｂ，３ｂの外周辺にそ
のＬ形金具５，５の垂直部５ａ，５ａがリベツト
等に固着され、そのＬ形金具５，５の対向する水
平部５ｂ，５ｂ上に断面略逆Ｌ形状の下部ガスケ
ツト６を介して平坦状の下部採光板７が載置さ
れ、シール材等で水密的にＬ形金具５，５に固着
されている。その下部採光板７はガラス、合成樹
脂製で、その内部に鋼線が挿入されていることも
ある。該下部採光板７は、適宜の幅でしかも長手
方向に適宜の長さを有している。そして隣接する
通し受金具３，３の対向する水平縁３ｃ，３ｃ上
には帯板状のクツシヨン材８が載置され、この上
にガラス、合成樹脂製で、必要に応じて内部に鋼
線が挿入された平坦状の上部採光板９が載置され
ている。１０は断面略逆Ｌ形状（第１図乃至第４
図参照）または断面略平坦状（第３図、第５図参
照）の笠木材であつて、その端縁１０ａにて断面
略逆Ｌ形状の上部ガスケツト１１を介して上部採
光板９の両端が押圧されつゝボルト４のボルト部
４ｃに挿入され、該ボルト部４ｃに座金を介して
ナツト４ｄが螺着され、その上部採光板９及び笠
木材１０さらに通し受金具３が共にボルト４に固
定されている（第１図乃至第４図参照）。その下
部採光板７及び上部採光板９を幅方向に一枚にて
構成することも多い（第１図、第２図、第４図参
照）が、その下部採光板７及び上部採光板９を幅
方向に複数設けることもあり（第３図参照）、こ
の場合には、その幅方向に隣接する下部採光板
７，７の相互端縁が、両側に樋状部３ｂ，３ｂが
形成された通し受金具３，３の樋状部３ｂ，３ｂ
の外側辺にＬ形金具５，５の垂直部５ａ，５ａが
固着され、その水平部５ｂ，５ｂ上に下部ガスケ
ツト６を介して下部採光板７が載置固着され、そ
の隣接する通し受金具３，３の水平縁３ｃ，３ｃ
上にクツシヨン材８を介して上部採光板９が載置
され、その隣接する上部採光板９，９の相互の間
隔内の門形部３ａの頂部上には前記ボルト４のボ
ルト部４ｃが突出し、断面略平坦状（第３図参
照）の笠木材１０の端縁１０ａ，１０ａにて上部
ガスケツト１１，１１を介して上部採光板９の両
端が押圧されつゝそのボルト部４ｃに挿入され、
ナツト４ｄが螺着されている（第３図参照）。そ
の山形部が連続する折版外囲体Ａの開口部（力骨
材２を設けた箇所）寄りの折版材の水平部等が力
骨材２に取付片等を介して固着され、その折版材
の傾斜部から笠木材１０の下面間に水切材１２が
挿入固着されている（第１図乃至第３図参照）。
また、瓦棒葺外囲体Ｂでは、水切材１２の垂下部
下端がドブ板に接触するように構成されている
（第４図参照）。また、図示しないが、その笠木材
１０と水切材１２とを一体成形することもある。
また、その採光部（下部採光板７及び上部採光板
９箇所）の長手方向の水平側は第１図に示すよう
に軒先水切材１３軒先化粧板１４軒先面戸１５止
面戸１６等にて雨仕舞されている。また、その水
上側は図示しないが、棟包材等にてその採光部の
水上側の一部が被覆されて雨仕舞されている。

次に、屋根または壁全体を採光部（下部採光板
７及び上部採光板９箇所）にて葺成する第２実施
例では、その幅方向の採光部の接続は、前記の幅
方向に複数設けた場合（第３図左側）と同様に葺
成されている（第５図参照）。図中１７は継手受
金具で、その長手方向の下部採光板７，７または
上部採光板９，９の相互のを接続するのに使用す
るものであり、対向する通し受金具３，３または
Ｌ形金具５，５間に直交して載置されている。そ
の継手受金具１７の具体的構成は、門形部１７ａ
の両側に樋状部１７ｂ，１７ｂが形成され、その
門形部１７ａの頂面には、断面凸状のガスケツト
１７ｃが貼着されたり、或いはハツト形部１７ｄ
の頂面にガスケツト１７ｃが貼着されている。そ
の継手受金具１７のガスケツト１７ｃ上に長手方
向に接続する下部採光板７，７または上部採光板
９，９の対向する端縁が載置され、継手板１８に
て押圧されつゝビス等にて固着されている（第８
図参照）。１９は中間受金具で、門形部１９ａの
一側に樋状部１９ｂが形成され、その門形部１９
ａ頂面には、断面凸状のガスケツト１９ｃが貼着
され、これが必要に応じて下部採光板６または上
部採光板９の中間部を支持するように設けられる
（第９図参照）。２０はシール材である。

次に作用効果について説明する。

本発明においては、構造材上１に、これに直交
するようにして力骨材２，２…を適宜の間隔をお
いて載置固有し、該隣接する力骨材２，２上に少
なくとも一側に樋状部３ｂ，３ｂを有する通し受
金具３，３を固着し、該隣接する通し受金具３，
３の側部にＬ形金具５，５を夫々固着し、該両Ｌ
形金具５，５の水平部５ｂ，５ｂ間に平坦状の下
部採光板７を下部ガスケツト６を介して載置固着
し、その隣接する通し受金具３，３の樋状部３
ｂ，３ｂ間にクツシヨン材８を介して平坦状の上
部採光板９を載置し、該上部採光板９の両側を笠
木材１０の側部で上部ガスケツト１１を介して押
圧するように力骨材２上に植設したボルト４のボ
ルト部４ｃにナツト４ｄを螺着したことにより、
第１に採光部で良好な断熱効果を発揮し、第２に
結露防止が確実にでき、第３に極めて良好な雨仕
舞（水密性）ができ、第４に施工性が良好とな
り、第５に構成が比較的簡単で、施工費を大幅に
軽減できる等の多くの作用効果を奏する。

該作用効果を詳述すると、先ず、下部採光板７
と内部との間には、Ｌ形金具５の水平部５ｂで下
部ガスケツト６を介して載置固着されており、且
つ上部採光板９と外部との間には、笠木材１０の
側部で上部ガスケツト１１を介して押圧されてお
り、これが気密且つ水密的に構成され、従つて、
下部採光板７と上部採光板９との間には、外気と
遮断されている空気層が形成され、該空気層は、
断熱層としての役割をなし、断熱効果が極めて勝
れた断熱採光外囲体を提供することができる。ま
た、内部の放熱もしにくゝなり、良好なる保温の
効果を発揮し得る。このため、２層の下部採光板
７と上部採光板９とを設けたことで、照明用の電
力消費量を軽減できるのみならず、構造物の内部
の冷暖房の熱効率を増加させ、しかも、その電力
消費量の節約を図ることができ、省エネルギー対
策上極めて有功である。さらにそのように、外気
温と遮断された空気層が形成されると、外気温の
熱伝導率は、その下部採光板７箇所では極めて少
なくなり、その冷橋作用が殆ど働かず、下部採光
板７の下面に結露が生じないものとなり、その結
露水で、内部を汚すことも防止することができ
る。また、外気温と遮断された２層の採光部であ
ると、その内部に雨水が浸入しない確実な雨仕舞
（水密性）ができる。さらに、仮に、上部採光板
９の両側から雨水が浸入しても、その通し受金具
３の樋状部３ｂから外部に流出するようにでき、
雨水の浸入防止構成部が確実に設けられており、
極めて雨仕舞（水密性）の勝れた断熱採光外囲体
にできる。また、そのように外気温と遮断された
２層の採光部であると、２層の内部に塵等も侵入
せず、長期の使用によつても、上部採光板９の上
面の簡単な掃除だけで、十分な太陽光を取入れる
ことができる。このように内部が汚れないこと
は、維持管理上でも大きな利点にできる。また、
その施工は、下部採光板７から順次上側に上部採
光板９を取付けるのみででき、施工しやすくでき
るし、特にそのボルト４への螺着で、簡単に取付
ができるし、また、下部採光板７は通し受金具３
の位置よりも下側になり、低い高さでも２層の採
光部を有した断熱採光外囲体を整然と構成するこ
とができる。さらに、本発明の断熱採光外囲体
は、構成が比較的簡単であるのみならず、部材数
が極端に少なく、前記の良好なる施工性と相乗的
に作用して極めて低廉なる施工費にて施工するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一部切除した斜視図、第２図
は第１図の縦断正面図、第３図乃至第５図は本発
明の別の実施例の縦断正面図、第６図、第７図は
Ｌ形金具付通し受金具の斜視図、第８図は下部採
光板及び上部採光板の長手方向の継手部の一部斜
視図、第９図は下部採光板及び上部採光板の長手
方向の縦手部及び中間部の縦断側面図である。 １……構造材、２……力骨材、３……通し受金
具、３ｂ……樋状部、４……ボルト、５……Ｌ形
金具、５ｂ……水平部、６……下部ガスケツト、
７……下部採光板、８……クツシヨン材、９……
上部採光板、１０……笠木材、１１……上部ガス
ケツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 構造材上に、これに直交するようにして力骨
   材を適宜の間隔をおいて載置固着し、該隣接する
   力骨材上に少なくとも一側に樋状部を有する通し
   受金具を固着し、該隣接する通し受金具の側部に
   Ｌ形金具を夫々固着し、該両Ｌ形金具の水平部間
   に平坦状の下部採光板を下部ガスケツトを介して
   載置固着し、その隣接する通し受金具の樋状部間
   にクツシヨン材を介して平坦状の上部採光板を載
   置し、該上部採光板の両側を笠木材の側部で上部
   ガスケツトを介して押圧するように力骨材上に植
   設したボルトのボルト部にナツトを螺着したこと
   を特徴とした断熱採光外囲体。