JPH036303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、槽の外底部に変速器を槽内底部の軸
受筒と同心状態に取付け固定する様にした洗濯機
に関する。

［考案の技術的背景］ 近時、洗濯機には、従来から用いられている高
速回転形のパルセータに代えてこれよりも径大で
しかも低速度で回転される撹拌体を用い、以て、
洗濯物を布傷み等を生じさせずに洗濯し得る様に
したものが供されている。そしてこのものでは、
槽の内底部に連結軸を支承した軸受筒を配設し、
この軸受筒の連結軸に撹拌体を連結し、又、槽の
外底部に減速器（変速器）を配設して駆動用のモ
ータからの回転動力を減速して前記連結軸従つて
撹拌体に伝達する様にしている。この場合、前記
軸受筒は、その下端部外周に形成したねじ部を槽
底部から外底部側へ突出させ、このねじ部に環状
ねじ部材を螺合することにより、槽内底部に固定
され、又、前記減速器は、その外殻が有する環状
リブ部を前記環状ねじ部に嵌合して該減速器の出
力側と前記軸受筒の連結軸との心合わせを図り、
その上で該減速器を槽該底部に取付け固定する様
にしている。

［背景技術の問題点］ ところで、上述のものでは、環状ねじ部材の嵌
合部たる外周面を円形状に形成すると共に、環状
リブ部の嵌合部たる内周面も円形状に形成する構
成として、両者のはめ合いを全周面にわたる面接
触にて行なう様にしているため、製作時に微小寸
法誤差が生じた場合、両者のはめ合いがかなりき
つくなつて組立てに支障をたきすことがあつた。
この場合、環状ねじ部材の外周面もしくは環状リ
ブ部の内周面に切削加工を施してはめ合いの調整
を行なうが、しかしこの場合それら外周面もしく
は内周面の全周にわたつて切削しなければなら
ず、その切削加工については旋盤等による機械加
工が必要で、組立てラインから製作ラインへの差
し戻し即ち製作のやり直しを行なわなければなら
ず、総じてそのはめ合い調整が面倒で且つ手間も
かかり、生産性の低下を来たす問題があつた。

［考案の目的］ 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、環状ねじ部材の嵌合部と変速器
外殻における環状リブ部の嵌合部とのはめ合い調
整を極めて容易且つ迅速に行ない得て、生産性の
向上を図り得る洗濯機を提供するにある。

［考案の概要］ 本考案は、環状ねじ部材における変速器外殻の
環状リブ部との嵌合部を多角形状とすることによ
り、はめ合い調整における切削部分を小ならしめ
得る様にしたものである。

［考案の実施例］ 以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。まず第２図において、１は例えば二槽式
洗濯機の外箱で、その内部には槽たる洗い槽２が
配設されている。３は洗い槽２内に後述の軸受筒
４を介して配置した比較的径大な撹拌体、一方、
５は外箱１内底部に配設した撹拌体３駆動用のモ
ータであり、該モータ５の回転動力をベルト伝達
機構６及び後述の減速器（変速器）７を介し減速
して伝達する様になつている。さて、軸受筒４及
び減速器について第１図を参照して詳述するに、
軸受筒４は円筒状をなしていて、その下部寄りの
外周にはフランジ８が形成され、又下端部外周に
はねじ部たる雄ねじ部９が形成されている。この
軸受筒４の内部には下端部にセレーシヨン加工を
施した連結軸１０が軸受１１を介して支承されて
いる。而して該軸受筒４は、その雄ねじ部９を洗
い槽２底部に形成した挿通孔２ａから外底部側へ
突出させ且つフランジ８を内底部に宛がう様にし
て該洗い槽２底部に配置されている。１２は環状
ねじ部材であり、その内周面には雌ねじ部１３が
形成され、又上端外周縁部にはフランジ１４が形
成されている。この環状ねじ部材１２を前記軸受
筒４の雄ねじ部９に螺合することによつて、それ
らのフランジ８，１４にて洗い槽２底部を挟持す
る様にして該軸受筒４を洗い槽２底部に固定して
いる。一方、減速器７は、その外殻１５の内部に
太陽ギヤ及び遊星ギヤ等から成るギヤ機構１６及
び入力軸１７を収容して構成されている。外殻１
５は、本体ケース１８と蓋ケース１９とから成
り、蓋ケース１９は、その外周縁部に形成した爪
部１９ａを本体ケース１８のフランジ１８ａに形
成した孔部１８ｂに挿入係合することにより該本
体ケース１８にその上面開口を閉塞する様に取付
けられている。さらに該蓋ケース１９の上面には
円筒状をなす環状リブ部２０が形成されている。
斯様な減速器７はそのフランジ１８ａを洗い槽２
外底部にねじ止めされて該洗い槽２の該底部に取
付け固定されている。この取付けにより連結軸１
０に対しギヤ機構１６の周回体１６ａが連結され
る。斯かる減速器７の取付け時において、前記連
結軸１０と該減速器７とを同心状態とすべく、蓋
ケース１９の環状リブ部２０を前記環状ねじ部材
１２の外周面２１に嵌合させて心合わせを行な
う。ここで、前記環状ねじ部材１２にあつて、前
記環状リブ部２０と嵌合する嵌合部たる外周面２
１は、第３図に示す様に多角形状例えば六角形状
に形成しており、従つて、この環状ねじ部材１２
と環状リブ部２０とは線接触状態で嵌合してい
る。

以上の様に構成した本実施例において、例えば
環状リブ部２０に微小製作誤差があつて、その内
径寸法がやや小さめである様な場合、該環状リブ
部２０の環状ねじ部材１２へのはめ合いきつくな
ることがあるが、しかし本実施例によれば、環状
ねじ部材１２における環状リブ部２０との嵌合部
即ち外周面２１を六角形状としているから、環状
リブ部２０と線接触する角部を削れば上述のはめ
合いを良好に行なうことができ、この場合削る部
分は角部という極狭い部分であり、しかも削るの
にも容易であり、従つて、作業者がやすり等にて
容易に削ることができ、はめ合い調整に旋盤等の
機械加工による製作のやり直しを必要とした場合
とは違い、その必要もなく、はめ合い調整を容易
且つ迅速に行なうことができ、総じて生産性の向
上を大いに図り得る。

尚、上記実施例では、嵌合部たる外周面２１の
形状として六角形を例示したが、これは多角形で
あればよい。又、外殻１５にあつて蓋ケース１９
が環状リブ部２０を有する構成を例示したが、こ
れは本体ケース１８の上端部周壁を環状リブ部と
して利用し、これに合せて環状ねじ部材１２の嵌
合部を多角形状にする構成としてもよい。

［考案の効果］ 本考案は以上の記述にて明らかな様に、槽の内
底部に、撹拌体を連結する連結軸を有した軸受筒
を、その外周面に形成されて槽外底部側に突出さ
れたねじ部と環状ねじ部材との螺合によつて固定
し、前記槽の外底部に、撹拌体駆動用のモータか
らの回転動力を変速して前記連結軸に伝達する変
速器を、その外殻が有する環状リブ部を前記環状
ねじ部材に嵌合させて前記連結軸と同心状態に取
付け固定する様にした洗濯機において、前記環状
ねじ部材における前記変速器外殻の環状リブ部と
の嵌合部を多角形状としたことを特徴とするもの
であり、これれにて、環状ねじ部材の嵌合部と変
速器外殻における環状リブ部の嵌合部とのはめ合
い調整を極めて容易且つ迅速に行ない得て、生産
性の向上を図り得るという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は要部
の縦断正面図、第２図は洗濯機左側部分の縦断正
面図、第３図は環状ねじ部材と環状リブ部との嵌
合状態を示す横断平面図である。 図中、２は洗い槽（槽）、３は撹拌体、４は軸
受筒、７は減速器（変速器）、１２は環状ねじ部
材、１５は外殻、１８は本体ケース、１９は蓋ケ
ース、２０は環状リブ部、２１は環状ねじ部材の
外周部（嵌合部）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 槽の内底部に、撹拌体を連結する連結軸を有し
   た軸受筒を、その外周面に形成されて槽外底部側
   に突出されたねじ部と環状ねじ部材との螺合によ
   つて固定し、前記槽の外底部に、撹拌体駆動用の
   モータからの回転動力を変速して前記連結軸に伝
   達する変速器を、その外殻が有する環状リブ部を
   前記環状ねじ部材に嵌合させて前記連結軸と同心
   状態に取付け固定する様にしたものにおいて、前
   記環状ねじ部材における前記変速器外殻の環状リ
   ブ部との嵌合部を多角形状としたことを特徴とす
   る洗濯機。