JPH036283B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は中空コンクリート構造物の構築、特
に中空コンクリート壁内側の型枠施工に使用する
構築装置に関するもので、主として中空断面の橋
脚、高煙突等、高さに比べ断面がそれ程大きくな
い中空高コンクリート構造物の施工に利用する。

従来技術 従来、この種の構造物を施工する場合、壁体外
側の型枠工法としてはスライデイングフオーム工
法やジヤンピングフオーム工法等があり、それぞ
れ種々の装置により、種々の施工方法が開発され
ている。

スライデイングフオーム工法はコンクリートの
形状を定める型枠が一定速度で連続してすべり移
動するものであり、またジヤンピングフオーム工
法は打設したコンクリートの養生、硬化に合わせ
て順次、型枠および足場を壁面に沿つて１ロツト
ずつ移動させてコンクリート構造物を連続的に構
築施工して行くものである。

しかし、壁体内側の型枠については従来のスラ
イデイングフオーム工法やジヤンピングフオーム
工法等をそのまま適用することは困難であり、ま
た足場組工法等は施工性、安全性等の面で問題が
多い。

発明の目的 この発明は上述のような事情のもとに開発され
たもので、内側型枠を使用する中空コンクリート
構造物の構築に使用する装置を提供し、特に確実
かつ安全な施工を可能とすることを目的としてい
る。

発明の構成 施工に使用する装置は中央ポストと中央ポスト
に沿つて昇降可能な上昇フレームとからなり、上
昇フレームの支持は中央ポストによつて行なう。
中央ポストは例えば円筒状の鋼管等からなり、必
要に応じ上方に継ぎ足すようにすることもでき
る。この中央ポストは構築する中空壁体の底部に
固定して立上げるが、中空構造物の高さが高くな
る場合は構造物の途中に中間床を設け、盛り替え
を行ない、中間床から立上げて上方への施工を続
けることができる。

施工方法は、上昇フレームを中央ポストに沿つ
て上昇させ、上昇フレーム上で型枠のセツト、壁
体のコンクリート打設、脱型といつた操作を１ロ
ツトごと繰り返して行く。なお、このとき壁体外
側についても同様に１ロツトごと型枠をセツトす
る必要があるが、外側については従来工法、例え
ば特願昭57−7880号の方法、装置、その他前述し
たジヤンピングフオーム工法に相当する工法、装
置により施工することができる。

上述のように、この発明の構築装置を用いた施
工方法においては、上昇フレームの支持を中央ポ
ストで行なつている。従つて、中央ポストが安定
した状態で立設されていれば、上床フレームの荷
重を直接、未硬化のコンクリート壁体に負担させ
るということがなく、必要に応じ中央ポストと既
に硬化して十分な強度を発揮している壁体部分と
の間にステー等を介して、中央ポストを補助的に
支持することができる。

上昇フレームの昇降方法としては中央ポストの
頂部から鋼棒、ねじ鋼棒等の吊材を垂下させ、上
昇フレームに固定したセンターホールジヤツキ
で、前記吊材に反力を取つて昇降させることがで
きる。この他、中央ポスト上に設置した揚重装置
により、上昇フレームを引き上げるといつた方法
も考えられる。

上昇フレームは、その上で型枠のセツト、脱
型、その他の作業を行なうためのもので、作業
床、型枠吊込梁等を設置することにより、施工作
業の効率化を図ることができる。すなわち、作業
床の上で作業員が型枠吊込梁によつて吊支持され
る型枠を操作し、また中央ポストと上昇フレーム
の固定作業、ステーおよびステー取付用のアンカ
ー金物の取付け作業、センターホールジヤツキの
操作、その他の作業を行なうことができる。

実施例 次に図示した実施例について説明する。

第１図〜第３図はこの発明の装置の一例を示し
たもので、中央ポスト１は既設の中空コンクリー
ト壁体の底部（第２ロツトＬ２の上面）にアンカ
ー固定し立ち上げてある。

上昇フレーム２には型枠吊込梁３および作業床
４が設けられ、作業床４の下部で固定ピン９を介
して中央ポスト１に支持されている。

上昇フレーム２を上昇させるには、作業床４の
下部に固定した複数のセンターホールジヤツキ５
で、それぞれ同時に中央ポスト１の頂部から垂下
させた鋼棒６を引張つて行なう。このとき、上昇
フレーム２は上下のガイドローラー７，８を介し
て中央ポスト１に沿つて上昇する。上昇完了後は
再び固定ピン９により中央ポスト１に固定され
る。また、上昇に伴ないアンカー金物１０、ステ
ー１１を壁体内側に取り付け、ポスト１の振れ止
め、座屈防止に利用する。

なお、型枠吊込梁３、作業床４は中空壁体の断
面の変化に伴ない伸縮できる構造となつている。

内側の型枠１２はこの型枠吊込梁３の先端に設
けたギヤードトロリー１３とチエーンブロツク１
４を介して吊支持され、水平方向に移動可能にな
つている。

また、図中１５は鉄筋建込み作業に使用する足
場で鋼棒６の取付け、取除し、中央ポスト１の継
足し等にも使用する。１９は中空壁体の外側に設
置したジヤンピングフオーム工法用の型枠装置、
２０は外側の型枠である。

第１１図および第１２図は固定ピン９による支
持機構を示したもので、中央ポスト１の外周面長
手方向に沿つて設けられたフランジ１６に固定ピ
ン９を差し込み、上昇フレーム２の作業床４を支
持する支持ブラケツト１７の切込み部１８をこの
固定ピン９に係止し、下方から支持するようにな
つている。なお、上昇フレーム２を上昇させる場
合には、センターホールジヤツキ５の操作を行な
うことにより、そのまま固定ピン９による支持が
解除されて上昇する。

第４図〜第１０図は施工手順の一例を示したも
ので、次のような手順で作業を行なう。

(1) 第４図に示すように、上昇フレーム２の鉛直
荷重は固定ピン９を介して中央ポスト１で支持
する。また、その転倒モーメントは上部ガイド
ローラー７と下部ガイドローラー８で支持す
る。

また上昇前に、アンカー金物１０とステー１
１を取付けておく。

(2) 第５図に示すように、センターホールジヤツ
キ５を操作して、上昇フレーム２の鉛直荷重を
鋼棒６で支持し、センターホールジヤツキ５を
盛替え操作して所定の位置まで上昇フレーム２
を上昇させる。上昇後、固定ピン９をセツトす
る。

(3) 第６図に示すように、一旦吊材としての鋼棒
６をはずし、新たにポストを１本追加固定して
中央ポスト１を継ぎ足し、再び鋼棒６をセツト
する。

(4) 第７図に示すように、再び上昇フレーム２を
上昇させ、適宜中央ポスト１を継ぎ足して、順
次壁体を構築して行く。

(5) 第８図に示すように、第ＮロツトＬ１０のコ
ンクリート打設終了後、コンクリートの上面に
仮受梁２１セツトする。そして、この仮受梁２
１と上昇フレーム２を固定し、上昇フレーム２
を吊つた状態にしてステー１１をはずす。

(6) 仮受梁２１に設置したポスト引上げジヤツキ
２２を利用して中央ポスト１を上昇させ所定の
位置にきたら、壁体内側に固定したブラケツト
２５にポスト受梁２３を取付け固定させたの
ち、このポスト受梁２３の上に中央ポスト１を
固定する。上昇フレーム２と中央ポスト１を固
定する固定ピン９をセツト後、仮受梁２１を撤
去する。また中央ポスト下部から型枠吊材２６
を下げ型枠受梁２４を設置し、中間床２７とし
ての壁幅コンクリートの打設を行うことができ
る。

(7) 以下、前と同様な作業を繰り返し、順次上方
へ中空壁体を構築して行く。

発明の効果 上昇フレームの自重、型枠重量、その他の積
載荷重は中央ポストに伝わり、底部または中間
床等のコンクリート床版で受け持つため、硬化
が不十分な壁体に荷重を負担させることなく施
工でき、安全性が大である。

また、同様の理由により、構築したコンクリ
ート壁の強度の発現の程度に関係なく施工を行
なうことができ、工程および工期の短縮が図れ
る。

中空コンクリート壁体の内側でのジヤンピン
グフオーム工法を可能にしたもので、従来の壁
体の外側のジヤンピングフオーム工法と組み合
せて、施工の能率を上げることができる。

また、この発明の装置によれば、型枠吊込梁
による型枠の操作、センターホールジヤツキと
吊材とによる上昇フレームの昇降等、すべて上
昇フレーム上で操作でき、施工が煩雑にならな
い。

従来のような足場下等における危険な作業が
ないため安全性が高い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の装置の実施例を示す縦断面
図、第２図は上半分が第１図のＡ−Ａ断面図、下
半分が同じくＢ−Ｂ断面図、第３図は第１図のＣ
−Ｃ断面図、第４図〜第１０図はこの発明の構築
装置による施工手順を示す縦断面図、第１１図は
固定ピンによる上昇フレームの支持方法を示す横
断面図、第１２図はそのＤ−Ｄ断面図である。 １……中央ポスト、２……上昇フレーム、３…
…型枠吊込梁、４……作業床、５……センターホ
ールジヤツキ、６……鋼棒、７，８……ガイドロ
ーラー、９……固定ピン、１０……アンカー金
物、１１……ステー、１２……内側型枠、１３…
…ギヤードトロリー、１４……チエーンブロツ
ク、１５……内側足場、１６……フランジ、１７
……支持ブラケツト、１８……切込み部、１９…
…ジヤンピングフオーム工法用型枠装置、２０…
…外側型枠、２１……仮受梁、２２……ポール引
上げジヤツキ、２３……ポスト受梁、２４……型
枠受梁、２５，２６……ブラケツト、２７……中
間床。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中空コンクリート壁体の底部または中間床か
   ら立ち上げた中央ポストと、型枠吊込梁および作
   業床を備え、前記中央ポストに支持される上昇フ
   レームとからなり、前記中央ポスト頂部からは吊
   材が垂下し、前記上昇フレームには前記吊材に反
   力を取り、上昇フレームを中央ポストに沿つて昇
   降させる昇降用のセンターホールジヤツキを固定
   してなることを特徴とする中空コンクリート構造
   物の構築装置。