JPH03621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガス流路を開閉するバルブに関し、特
にバルブの弁体をソレノイドで開閉操作させるこ
とにより遠隔操作を可能にした。

（従来の技術） 従来ガスバルブ等は主に手動でハンドルを操作
して開閉していた。特に必要な場合は弁体を電動
機付きの減速機等と連結し、電動機を駆動してバ
ルブの開閉を行つていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらこの従来の手動でバルブを開閉操
作するものでは、操作時にはバルブの設置位置ま
で直接出向かねばならず、又、開閉操作しなけれ
ばならないバルブが多数あつてしかも各所に散在
しているときは操作終了までに長時間必要とし、
又、締め忘れもあるという等の問題点があつた。

又、電動機を駆動してバルブの開閉を行なうも
のでは、装置が大型となり、制御方法も複雑とな
り、しかも開閉には時間がかかるという問題点が
あつた。

（問題点を解決するめの手段） 本考案はこの従来の問題点を解決するめになさ
れたもので、ガスバルブ設置場所まで出向く必要
がなく遠隔操作でバルブの開閉操作ができる機構
を備えたバルブを提供することにあり、その要旨
はガスバルブの弁体をバルブ本体内に進退自在に
装着すると共にスプリングで弁座の穴側に付勢
し、かつ弁体をソレノイドの可動鉄心と連結し、
前記可動鉄心の側面に弁体側とソレノイド側とに
折返し部を有するエンドレス状の溝を設け、同溝
の弁体側折返し部中央にソレノイド側へ溝を略溝
巾だけ戻らせた中央変位点を形成し、弁体がソレ
ノイド側に後退して弁座の穴を開いたときに位置
した中央変位点に係止して弁体を保持し、かつ溝
に拘束されながら溝底を摺動する係止片をバルブ
本体に固定したフレームに取付け、さらに同溝を
係止片が一方向に回動する方向に向けて溝底を高
く傾斜させ、しかも溝のソレノイド側の折返し部
始点と弁体側の折返し部の始点と中央変位点の両
側とに段差を形成し、ソレノイドに短時間通電し
て弁体を後退させ、係止片を溝の中央変位点に係
止させて弁体をスプリングに抗して開き位置に保
持させることを特徴とするガスバルブにある。

（作用） 本考案のバルブではバルブを開閉する弁体をソ
レノイドの可動鉄心と連結し、しかも弁体側には
中央変位点を有するエンドレス状の溝を形成し、
又、同溝にはバルブ本体側に取付けた係止片を溝
底に摺動する状態に取付けている。この係止片は
溝底の段差のため溝底が傾斜して高くなる方の一
方向のみ摺動可能となる。

通常弁体はスプリングで弁座の穴側に付勢され
ているためガス流路を閉鎖している。又、このと
きの係止片は溝のソレノイド側折返し部に位置し
ている。ソレノイドに短時間通電すると可動鉄心
が吸引され、可動鉄心に連結された弁体はスプリ
ングに抗してソレノイド側へ移動する。このとき
係止片は溝内を摺動して移動するが溝底の段差を
避けて傾斜して高くなる側へ移動する。そして係
止片が弁体側の折返し部まで移動したら係止片が
溝に拘束されているため、それ以上は弁体は下る
ことができなくなる。又、ソレノイドへの通電は
短時間のためソレノイドの吸引力はすぐ無くなつ
て弁体が再び弁座の穴側へスプリングで付勢され
るが溝の弁体側折返し部の始点に形成した段差に
係止片が当つて戻ることができない。しかも溝底
は傾斜しているので係止片は同折返し部中央の中
央変位点に収まつて弁体をその位置で保持する。
ソレノイドに通電されない限り弁体はこの状態で
弁座の穴を開放してガスを流通させる。

前記状態でソレノイドに短時間通電すると再び
弁体はソレノイド側へ吸引される。このとき係止
片は中央変位点から離脱して溝底の傾斜した方へ
廻り込む。そして係止片がエンドレス状の溝を一
周する方向に移動し、係止片が元のソレノイド側
折返し部に到達するまで弁体が戻つて再び弁座の
穴を閉鎖する。

以上のように弁体はソレノイドの吸引力のため
ソレノイド側折返し部と弁体側折返し部まで係止
片が移動する範囲で弁座の穴から移動してガスの
流通を開閉する。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本実施例ではガスバルブ本体内でガス流路を直
角に折り曲げ、ガスバルブに直交するようにソレ
ノイドを取り付けて前記直角に折り曲げたガス流
路部分を弁体で開閉ようにしている。

図中１はガスバルブ本体、２は弁座、３は弁座
２の穴、４は弁体、５はスプリング、６はフレー
ム、７はダイアフラム、８はソレノイド、９はソ
レノイドコイル、１０は可動鉄心で、その先端部
に弁体４を固着し、ダイアフラム７を弁体４の後
部に取付けると共に弁体４が穴３に対向するよう
にソレノイド８を取付けたフレーム６でダイアフ
ラム７をガスバルブ本体１に固設している。この
ときスプリング５は弁体４を穴３側に付勢するご
とく取付けられる。

又、１１は可動鉄心１０の側面に形成したエン
ドレス状の溝、１２は溝１１の弁体側折返し部、
１３は同ソレノイド８側折返し部、１４は中央変
位点、１５は溝底、１６は段差で溝１１の左廻り
方向に溝底１５を高く傾斜させ、ソレノイド側折
返し部１３の始点１７と弁体側折返し部１２の始
点１８と中央変位点１４の両側１９とに垂直状に
段を形成して略鋸状の溝底としている。２０は弾
性のある棒状の係止片で一端をフレーム６に固定
し、他方は直角に折りまげて溝底１５に当接させ
ている。

弁体４がスプリング５で付勢されて穴３を閉鎖
しているとき、この係止片はソレノイド側折返し
部１３の溝底１５に当接している。

そしてソレノイド８に短時間通電されて可動鉄
心１０が弁体４の開き側へ移動すると係止片２０
の先端は始点１７の段差１６のため強制的に左廻
り方向に摺動させられ始点１８、中央変位点の両
側１９を順に通過して行く。ソレノイド８の吸引
力は短時間で無くなるので可動鉄心１０はスプリ
ング５によつて弁体４側に移動しようとするが係
止片２０が中央変位点１４に収まつて停止させ
る。これで弁体４は開いたままとなりガス流通さ
せる。そして再びソレノイド８に短時間通電する
と可動鉄心１０は弁体４側へ移動するが中央変位
点の両側１９の段差１６によつて強制的に左廻り
に摺動させられ、可動鉄心１０の戻りと共に再び
ソレノイド側折返し部１３に収まると共に弁体４
は穴３を閉鎖してガスを止める。このようにソレ
ノイド８への短時間の通電だけでガスバルブの弁
体４を開閉させることができる。

（考案の効果） 以上の様に本考案によればバルブの設置位置ま
で直接出向かないでもバルブを開閉させることが
でき、しかも多数のバルブを遠隔操作で確実に開
閉させることができる。又、装置も大きくならず
瞬間的に開閉することが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す断面図、第２図は
弁体を開いたときの断面図、第３図は要部の作動
順序を示す説明図である。 １……ガスバルブ本体、２……弁座、３……
穴、４……弁体、５……スプリング、６……フレ
ーム、８……ソレノイド、１０……可動鉄心、１
１……溝、１２……弁体側折返し部、１３……ソ
レノイド側折返し部、１４……中央変位点、１５
……溝底、１６……段差、１７，１８……始点、
１９……中央変位点の両側、２０……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガスバルブの弁体をバルブ本体内に進退自在に
   装着すると共にスプリングで弁座の穴側に付勢
   し、かつ弁体をソレノイドの可動鉄心と連結し、
   前記可動鉄心の側面に弁体側とソレノイド側とに
   折返し部を有するエンドレス状の溝を設け、同溝
   の弁体側折返し部中央にソレノイド側へ溝を略溝
   巾だけ戻らせた中央変位点を形成し、弁体がソレ
   ノイド側に後退して弁座の穴を開いたときに位置
   した中央変位点に係止して弁体を保持し、かつ溝
   に拘束されながら溝底を摺動する係止片をバルブ
   本体に固定したフレームに取付け、さらに同溝を
   係止片が一方向に回動する方向に向けて溝底を高
   く傾斜させ、しかも溝のソレノイド側の折返し部
   始点と弁体側の折返し部の始点と中央変位点の両
   側とに段差を形成し、ソレノイドに短時間通電し
   て弁体を後退させ、係止片を溝の中央変位点に係
   止させて弁体をスプリングに抗して開き位置に保
   持させることを特徴とするガスバルブ。