JPH036130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、架線金物としての線状の取付金物と
ケーブル吊線を固定するための架線金物取付金具
に関する。

（従来技術） 従来のこの種の取付金具としてはワイヤクリツ
プが使用され、例えば通信線ケーブル用接続端子
函用の線状の取付金物１は、第３図及び第４図に
示すように、ワイヤクリツプ２にてケーブル吊線
３に取り付けられていた。４は接続端子函であ
る。

このワイヤクリツプ２は、クリツプ本体５、Ｕ
ボルト６及びナツト７にて構成されており、その
クリツプ本体５とＵボルト６にて取付金物１と吊
線３とを締め付け固定している。

しかしながら、この方式のものは、取付金物
１と吊線３とを接触させて両者の間の摩擦力によ
り取り付けるものであるために、取付金物１或い
は吊線３の防食層に大きな損傷を与える恐れがあ
る。ネジの締め付けに従つて吊線３に用いた鋼
撚線の撚が崩れてゆくためワイヤクリツプ２の１
個当り２個のナツト７を交互にゆつくりと時間を
かけて締め付けていかねばならず、そのため手数
を要し、また吊線３の強度も低下する。取付金
物１とワイヤクリツプ２に対するＵボルト６の接
触面積が小さいために取付金物１の一部にネジの
締付力が集中して取付金物１の変形が起り、上記
防食層の損傷が著しくなる。取付時にＵボルト
６の軸線が垂直方向となるためにナツト７を締め
付けるためのスパナの回転面が水平面となり、電
柱が障害となつて作業性が悪くなる。

（考案の目的） 本考案はかかる点に鑑みて成されたもので、そ
の目的は、上記た諸種の問題点を解消した架線金
物取付金具を提供することである。

（考案の構成） このため本考案は、２個の取付金具本体と、該
両取付金具本体を相互に締め付けるため前記両取
付金具本体の略中央部に設けられた締付手段とか
ら成り、前記両取付金具本体の対向する締付面の
一方或いは双方には前記締付手段を挟むようにし
て吊線保持用の溝及び線状の接続端子函保持取付
金物用の溝が離間形成され、且つ前記離間形成さ
れた２箇所の溝と反対側の前記両取付金具本体面
は凹面湾曲状をなしているように構成したもので
ある。

（実施例） 以下、本考案の取付金具の実施例について説明
する。第１図及び第２図はその一実施例の取付金
具１０を示すものである。１１，１２は締付面が
対向した取付金具本体であり、その各々に楕円根
丸頭ボルト１３を挿通するための孔１１ｃ，１２
ｃが形成されている。そして、一方の取付金具本
体１１の締付面には孔１１ｃからお互い反対方向
に離れた位置に溝１１ａ，１１ｂが形成され、ま
た他方の取付金具本体１２の締付面にも孔１２ｃ
からお互い反対方向に離れた位置に溝１２ａ，１
２ｂが形成されている。１４は平座金、１５はバ
ネ座金、１６は六角ナツトである。

さて、この実施例の取付金具１０においては、
両方の取付金具本体１１，１２の溝１１ａと１２
ａ、１１ｂと１２ｂが対向するようにして、それ
らの孔１１ｃ，１２ｃに楕円根丸頭ボルト１３を
挿通して、吊線３を溝１１ａと１２ａの間に、取
付金物１を溝１１ｂと１２ｂの間に挟んで、六角
ナツト１６を締め付ける。

この締め付けの際、取付金物１と吊線３とは相
互に接触しないために、互いに傷付けあうことは
なく、また溝１１ａ，１１ｂ，１２ａ，１２ｂの
形状を取付金物１や吊線３の外形に対応させるこ
とにより、それらの溝と取付金物１、吊線３との
接触面積が広くなるため、両者の傷は無視できる
程度となり、また鋼撚線でなる吊線３の撚りの崩
れが少なくなる。また締め付ける楕円根丸頭ボル
ト１３及びナツト１６が１組ですむこと及び締め
付けるためのスパナの回転面が垂直方向となるこ
と等から、取付の作業性が良好となる。更に、取
付金具本体１１，１２を異なる湾曲形状の溝１１
ａ，１２ａ及び１１ｂ，１２ｂを有する取付金具
本体１１，１２と入れ替えることにより、線径の
異なる吊線３及び取付金物１にも対応することが
できる。

又、本実施例では取付金具本体１１の溝１１ａ
の反対側の取付金具本体面及び取付金具本体１２
の溝１２ａの反対側の取付金具本体面は、各々溝
１１ａ，１２ａと異なる同じ凹面湾曲形状となつ
ているため、取付金具本体１１及び１２を逆向き
として接合することにより、異なる線径の吊線に
も対応することができる。このことは、溝１１
ｂ，１２ｂと反対側の取付金具本体面における凹
面湾曲部についても言えることであり、異なる線
径の取付金物にも対応することができる。

なお、上記実施例おいて、取付金具本体１１，
１２の対向する締付面の溝１１ａ，１２ａはいず
れか一方のみでも良く、また溝１１ｂ，１２ｂも
いずれか一方のみであつても良い。

（考案の効果） 以上から本考案の取付金具によれば、これを使
用して吊線と取付金物を締め付ける場合に、その
吊線及び取付金物との接触状況を良好にすること
ができるので、その吊線や取付金物の防食層の損
傷を防ぐことができ、またそれらの強度を低下さ
せることもなく、更に取り付けの作業性も良好と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の取付金具を使用し
て吊線と取付金物を締め付けた状態の当該取付金
具の正面図、第２図は同取付金具の側面図、第３
図は従来のワイヤクリツプを使用して吊線と取付
金物を締め付けた状態の当該ワイヤクリツプの正
面図、第４図はそのワイヤクリツプを使用して吊
線に取付金物を締め付けた状態の接続端子函部分
の正面図である。 １……線状の取付金物、２……ワイヤクリツ
プ、３……鋼撚線で成るケーブル吊線、４……通
信ケーブル用接続端子函、５……ワイヤクリツプ
本体、６……Ｕボルト、７……ナツト、１０……
本実施例の取付金具、１１，１２……取付金具本
体、１３……楕円根丸頭ボルト、１４……平座
金、１５……バネ座金、１６……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２個の取付金具本体と、該両取付金具本体を相
   互に締め付けるため前記両取付金具本体の略中央
   部に設けられた締付手段とから成り、前記両取付
   金具本体の対向する締付面の一方或いは双方には
   前記締付手段を挟むようにして吊線保持用の溝及
   び線状の接続端子函保持取付金物用の溝が離間形
   成され、且つ前記離間形成された２箇所の溝と反
   対側の前記両取付金具本体面は凹面湾曲状をなし
   ていることを特徴とする架線金物取付金具。