JPH036053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電話機の送受器掛け機構に関し、特に
電話機本体上において送受器を前後方向へ水平状
態で送受器掛け部に設置可能とする電話機におい
て、この電話機を卓上用および壁掛け用いずれに
も容易に切り替え使用し得る電話機の送受器掛け
機構に関するものである。

卓上電話機において送受器は電話機上に水平に
設置されるため、これを壁掛け用に使用しようと
しても送受器の支持部材がないため送受器は自重
により落下し保持することができないものであつ
た。

このため従来は卓上用、壁掛け用それぞれの用
途別に合わせて２種類の電話機が製造されていた
が、近年電話機の利用方法の融通性を向上させる
目的で同一電話機を卓上用、壁掛け用いずれにも
使用できるようにする装置が提供されている。

そのうち代表的なものは電話機自体に、電話機
全体の支持機構を設置するものであり、またその
他のものとしては電話機の送受器掛け部に送受器
の支持部材を設置するものである。

前者は電話機の裏面にアダプタを付加し、送受
器を保持可能な程度の傾斜を電話機に付与して壁
に設置し、卓上用の電話機を壁掛け用としても使
用できるようにしてある。しかしこの場合には卓
上用、壁掛け用に切り替えるたびにアダプタを取
りつけたり取り外す必要があるため取り扱いが極
めて面倒であり、また壁に設置した場合電話機が
壁面から出つ張る欠点を有している。

後者は第１図Ａ，Ｂに示すような送受器の支持
部材１を使用して送受器を保持し、壁掛け用とし
て使用可能とするものである。

即ち、第２図に一例を示すように電話機２のダ
イヤル部（図示せず）の側方に形成した送受器掛
け部３の下辺３ａに面して取付溝４を形成し、こ
の取付溝４内に前記支持部材１を突起部５が手前
上方に位置するよう挿通し、取付溝４底面のネジ
孔６と支持部材１のネジ挿通孔７とを一致させて
ネジ固定すれば、突起部５は送受器掛け部３の下
辺３ａより上方へ突出した状態となるため送受器
を垂直状態で設置してもこの突起部５により保持
可能となり壁掛け用として使用できる。

また支持部材１は第３図Ａ，Ｂに示すように上
下を逆としかつ突起部５を内方に位置させて取付
溝４内に挿通し、ネジ止めすれば支持部材１の上
面と下辺３ａとは水平面となつて突起部分がなく
なるため送受器をそのまま設置することにより卓
上用の電話機として使用可能となる。

従つて支持部材１の上下位置および正面、背面
位置を変えることにより一台の電話機を卓上用、
壁掛け用いずれかに切り替え使用が可能であるが
切り替える都度支持部材１を取り外しまた取り
付、け作業をしなければならず、更に上下位置・
正背面位置を確認しつつ行う必要があるため極め
て煩わしいものであつた。

本考案は上記する従来技術の種々欠点に鑑み、
簡易な部品と操作により一台の電話機を卓上用、
壁掛け用に切り替え使用を可能とする電話機の送
受器掛け機構を提供することを目的とする。

以下図面に従つて本考案の一実施例を詳細に説
明する。

第４図は回転式またはプツシユボタン式ダイヤ
ル部（図示せず）の側方に送受器掛け部１０を形
成した公知の電話機の一部を示ものであり、本考
案においては送受器掛け部１０の下辺１１に面し
て縦方向に取付溝１２を形成し、この取付溝１２
内に第５図Ａ，Ｂに示す板状の送受器支持部材１
３を上下移動調節可能に挿通するようにしたこと
を特徴とする。

即ち、前記取付溝１２の底面に適当な間隔で水
平位置に二個のネジ孔１４，１５を形成し、また
前記支持部材１３にはネジ孔１４，１５と同じ間
隔を有しかつ上下高さを異にするネジ挿通孔１
６，１７を穿設する。この場合挿通孔１６，１７
はいずれが上位置にあつてもよい。

尚、図中１８は抑え部であり、取付溝１２内に
支持部材１３を挿通したとき前方へ抜け出ないよ
うになつている。また１９はフツクスイツチであ
る。

上記構成において取付溝１２内に上方から支持
部材１３を挿通し、例えばネジ孔１５と支持部材
１３の上部に穿設したネジ挿通孔１７とを一致さ
せて両者をネジ止めすれば支持部材１３は全て取
付溝１２内に入り、送受器掛け部１０の下辺１１
と支持部材１３の掛止部２０上面とは水平状態と
なる。従つて、この場合には電話機は卓上用とし
てのみ使用が可能となる。

ネジ孔１５とネジ挿通孔１７とのネジ止めを解
除してネジ孔１４とネジ挿通孔１６とをネジ止め
すれば、ネジ挿通孔１７との高さ分だけ支持部材
１３は上方に位置し、支持部材１３の掛止部２０
は下辺１１よりも上方へ突出するために送受器の
保持が可能となり、この場合には電話機を壁掛け
用として使用可能となる。

尚、送受器が支持部材１３の上部掛止部２０に
より垂直状に保持されるためには従来と同様に送
受器に掛止用凹部を形成しておくことが望まし
い。

尚、上記説明においては送受器をダイヤル部の
側方に設置する場合であるが、本考案はこれに限
定されるものでなく、電話機上に送受器を前後方
向に水平状態で設置し得るものであればその形
状、構造を問うものではない。

上記する本考案によれば、送受器掛け部に形成
した取付溝１２内に支持部材１３を上下調節可能
に挿通し、支持部材１３には上下高さを異にする
ネジ挿通孔１６，１７を設けたことによりいずれ
かのネジ挿通孔を使用するのみで掛止部２０を送
受器掛け部１０の下辺１１から上方へ突出させた
り、また掛止部２０の上面と下辺１１とを水平面
とすることができ、支持部材１３は取付溝１２内
に挿通した状態のまま簡単な操作により一台の電
話機を卓上用、壁掛け用に切り替え使用が可能と
なる。

この切り換え操作に当たつて、ドライバーが送
受器支持部材１３に触れることがないので、部品
を損傷することがない。また、取付溝１２にはネ
ジ孔、支持部材１３にはネジ挿通孔を設けるだけ
の構成であるので、取付溝１２および支持部材１
３の製造工数が少なく、経済性が良くなる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは従来の送受器掛け支持部材を示
す正面図および中央縦断面図、第２図は従来の電
話機の一部を示す正面図、第３図Ａ，Ｂは第１図
の支持部材の裏面図および中央縦断面図、第４図
は本考案に係る電話機の一実施例を示す一部正面
図、第５図Ａ，Ｂは本考案に係る支持部材を示す
正面図および側面図である。 １０は送受器掛け部、１２は取付溝、１３は支
持部材、１４，１５はネジ孔、１６，１７はネジ
挿通孔、２０は掛止部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電話機本体上において前後方向へ水平状態に送
   受器を送受器掛け部に設置可能とする電話機にお
   いて、送受器掛け部１０の下辺１１に面して縦方
   向に形成した取付溝１２の底面に左右水平位置に
   適当な間隔で二個のネジ孔１４，１５を設け、前
   記取付溝１２に挿通して上下に移動可能な板状送
   受器支持部材１３に前記ネジ孔１４，１５と同じ
   間隔でかつ上下高さを異にする二個のネジ挿通孔
   １６，１７を穿設して成ることを特徴とする電話
   機の送受器掛け機構。