JPH0357944B2 - - Google Patents

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JPH0357944B2
JPH0357944B2 JP56201083A JP20108381A JPH0357944B2 JP H0357944 B2 JPH0357944 B2 JP H0357944B2 JP 56201083 A JP56201083 A JP 56201083A JP 20108381 A JP20108381 A JP 20108381A JP H0357944 B2 JPH0357944 B2 JP H0357944B2
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JP
Japan
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diisocyanate
acid
reaction
resin
mol
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JP56201083A
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JPS58101117A (ja
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Misao Wake
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SWCC Corp
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Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
Application filed by Showa Electric Wire and Cable Co filed Critical Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication of JPS58101117A publication Critical patent/JPS58101117A/ja
Publication of JPH0357944B2 publication Critical patent/JPH0357944B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規なポリアミドイミド樹脂組成物
に関する。 電気機器に用いられる有機絶縁材料として絶縁
電線、塗料、フイルム、積層板、含浸樹脂、接着
剤等の用途に応じて、フエノール樹脂、ポリビニ
ルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキツ
ド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルイミド樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が汎用て
いる。 近年、省資源、省エネルギーの必要性と周辺機
器の小型化、軽量化に伴ない電気機器自体の高性
能、小型化が進められているため、ポリアミドイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂等の耐熱性の優れた有
機材料の重要性が増加している。 絶縁材料の分野においても、従来比較的実用的
な耐熱性、機械特性、電気特性、経済性のバラン
スがとれているため多用されていたポリエステル
樹脂塗料に代つて、近年、より耐熱性の向上した
ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイ
ミド等のイミド基含有樹脂塗料の使用が増加して
いる。 イミド基含有樹脂の中ではポリエステル樹脂が
耐熱性、機械特性、電気特性、化学特性のバラン
スが最もよくとれているものとして知られてい
る。 しかし従来の芳香族ポリアミドイミド樹脂は、
高価格なN−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
アセトアミド等の有機極性溶剤にしか溶解しない
ため、樹脂塗料の価格が高くなる難点があつた。 更に有機極性溶剤は吸湿性が強いため、これを
溶剤とした塗料は保管や使用時の管理が困難であ
るという難点も有していた。 このため絶縁塗料を用いる絶縁電線の分野で
は、耐熱性を犠性にしてフエノール、クレゾー
ル、キシレノール等の比較的安価なフエノール系
溶剤に溶解するようにしたポリエステルイミド樹
脂塗料を使用た絶縁電線やポリエステル樹脂、ポ
リエステルイミド樹脂塗料を下層にポリアミドイ
ミド樹脂塗料を上層に塗布焼付けた二重被覆電線
が主に使用されるようになつてきたが、ポリアミ
ドイミド樹脂塗料を使用した絶縁電線ほど各特性
のバランスが取れていないため現在の電気機器の
苛酷な要求を満足するに至つていない。 そこで原材料に、アミノ酸、ラクタム等を使用
することにより一部脂肪族変性を行ない有機溶剤
に対する溶解性の優れたポリアミドイミド樹脂の
提案が数多くなされている(例えば特公昭56−
17374、特公昭56−22330、特公昭56−34210)。 しかし、ラクタムを用いた場合のようにメチレ
ン鎖が分子内に導入される脂肪族変性を行なうと
耐熱性、特に絶縁電線としたときの耐熱軟化温度
が芳香族ポリアミドイミド樹脂と比較して劣ると
いう難点を有していた。 本発明者は溶解性に優れ、かつイミド成分を多
く含んだポリアミドイミド樹脂組成物を開発すべ
く鋭意研究をすすめた結果、従来耐熱性樹脂の材
料としては殆んど顧みられなかつたクエン酸を多
価カルボン酸成分の一部として使用し、これをジ
イソシアネートと反応させることにより、従来の
芳香族ポリアミドイミド樹脂よりも耐熱性に優
れ、更に有機溶剤に対する溶解性も著るしく高め
られたポリアミドイミド樹脂組成物が得られるこ
とを見出し先に提案した。 しかしながら先に提案したポリアミドイミド樹
脂は近年の高線速、、高能率的な焼付機を用いて
絶縁電線を得ようとすると焼付作業巾が比較的狭
くなるという難点を有していた。 すなわち、高線速で焼付けると絶縁塗膜の可撓
性が悪くなり、低線速になると生産効率が低下す
る一方、銅線表面の酸化等により密着性が低下す
る等の難点があつた。 これらの問題につき検討と進めたところ、先に
提案したポリアミドイミド樹脂組成物にマスクさ
れたポリイソシアネート化合物を加えることによ
り、可撓性、密着性が大巾に改善され、従つて広
い焼付作業巾が得られることを見出した。 また絶縁電線の耐熱性、特に耐熱軟化温度が大
巾に向上することも見出された。 本発明はかかる知見によりなされたもので、ク
エン酸を含むポリカルボン酸および/又はその誘
導体とジイソシアネートおよび/又はその誘導体
との反応生成物にマスクされたポリイソシアネー
ト化合物を加えて成ることを特徴とするポリアミ
ドイミド樹脂組成物を提供しようとするものであ
る。 本発明に使用するクエン酸は結晶水を有するも
のでも、有しないもので使用可能であるが、ジイ
ソシアネートおよび/又はその誘導体との反応が
脱水を伴なう反応であるので、反応効率の面から
結晶水を有しない無水クエン酸を使用することが
好ましい。 クエン酸以外のトリカルボン酸および/又はそ
の誘導体としては、例えば()、()で示され
る芳香族トリカルボン酸、芳香族トリカルボン酸
エステル、芳香族トリカルボン酸無水物等が単独
又は2種以上混合して用いられる。 〔R2(−COOR13
【式】 ここでR1:H、アルキル基、フエニル基、 R2
【式】
【式】
【式】
【式】 (但しX=−CH2−、−CO−、−SO2−、 −C(CH32−、−O− )〕 一般的には、耐熱性、高い反応性、経済性等よ
りトリメリツト酸無水物が好適である。 無水クエン酸を含むトリカルボン酸および/又
はその誘導体と併用して用いられるテトラカルボ
ン酸又はその誘導体としては芳香族、脂環族又は
脂肪族のものが使用可能である。 このようなテトラカルボン酸の例としては、ビ
ロメリツト酸、3,3′,4,4′−ベンゾフエノン
テトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、
3,3′,4,4′−ジフエニルテトラカルボン酸、
2,2′,3,3′−ジフエニルテトラカルボン酸、
ビシクロ〔2,2,2〕−オクトー(7)−エン−
2:3、5:6−テトラカルボン酸、3,3′,
4,4′−ジフエニルエーテルテトラカルボン酸、
2,2′,3,3′−ナフエニルエーテルテトラカル
ボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカル
ボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸、2,2−ビス−(3,4−ジカルボキシ
フエニル)スルホン、2,5−ビス(3,4−ジ
カルボキシフエニル)1,3,4−オキサジアゾ
−ル又はこれらの無水物、エステル化物等の誘導
体があげられる。 これらの中でピロメリツト酸無水物、3,3′,
4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸無水
物、ブタンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′.ジ
フエニルテトラカルボン酸無水物が耐熱性、溶解
性、経済性に優れており本発明に好適している。 また無水クエン酸を含すトリカルボン酸およ
び/又はその誘導体と併用して用いられるジカル
ボン酸および/又はその誘導体の例としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、シユウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スペリン酸、アゼライン酸等の芳香族又は
脂肪族の二塩基酸又はこれらのエステル化物等の
誘導体があげられる。 有機溶剤に対する溶解性と耐熱性のバランスよ
り、トリカルボン酸および/又はその誘導体中に
占めるクエン酸の比率は5モル%以上であること
が望ましく、かつイミド結合比率を高め特に耐熱
性を上げたい場合には10モル%〜90モル%のクエ
ン酸を含むトリカルボン酸および/又はその誘導
体と90モル%〜10モル%のテトラカルボン酸およ
び/又はその誘導体であることが望ましい。 一方耐熱性を維持しつつ絶縁電線の皮膜の可撓
性や密着性等の機械的特性を上げたい場合には、
テトラカルボン酸および/又はその誘導体に代り
90モル%〜10モル%のジカルボン酸を使用するこ
とが望ましい。 クエン酸がトリカルボン酸および/又はその誘
導体中で5モル%未満であつたり、トリカルボン
酸および/又はその誘導体が酸成分中の10モル%
未満であつたりするとポリアミドイミド樹脂組成
物の有機溶剤、特にフエノール系溶剤に対する溶
解性が低下し、実用的な樹脂組成物を得るのが困
難となる。 また、テトラカルボン酸および/又はその誘導
体が酸成分中の10モル%未満であるとイミド成分
が少なくなり、ポリアミドイミド樹脂組成物の耐
熱性が低下するようになる。 一方ジカルボン酸および/又はその誘導体が酸
成分中の10モル%未満であるとアミド成分が少な
くなり、機械的特性が低下するようになる。 本発明に使用するジイソシアネートおよび/又
はその誘導体としては、脂肪族、脂環族、芳香族
いずれのジイソシアネートおよび/又はその誘導
体でも使用可能である。 このようなジイソシアネートの例としては、エ
チレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシ
アネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペ
ンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネ
ート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメ
チレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシ
アネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、モルフオリンジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート、3,9−ビス(3−
イソシアン酸プロピル)−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等の脂肪
族、脂環族ジイソシアネート類、4,4′−ジフエ
ニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフエニ
ルエーテルジイソシアネート、4,4′−ジフエニ
ルプロパンジイソシアネート、4,4′−ジフエニ
ルスルホンジイソシアネート、3,3′−ジフエニ
ルスルホンジイソシアネート、4,4′−ジフエニ
ルスルフイツドジイソシアネート、3,3′−ジメ
チル−4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネー
ト、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジフエニルメタ
ンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,
4′−ビスフエニルジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシ−4,4′−ビスフエニルジイソシアネー
ト、4,4′−ビスフエニルジイソシアネート、m
−フエニレンジイソシアネート、p−フエニルレ
ンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシ
アネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
m−キシレンジイソシアネート、p−キシリレン
ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類
があり、これらは単独又は2種以上混合して使用
できる。 またジイソシアネートのイソシアネート基をフ
エノール、クレゾール、キシレノール等のフエノ
ール類でマスクしたジイソシアネート誘導体も使
用可能である。 なお、必要に応じてジイソシアネートおよび/
又はその誘導体の一部を、4,4′,4″−トリイソ
シアネート−トリフエニルメタン、2,2′,5,
5′−テトライソシアネート−4,4′−ジメチルジ
フエニルメタン等の3価以上のポリイソシアネー
トで置換えることもできる。 これらのイソシアネート化合物の中で得られる
ポリアミドイミド樹脂の耐熱性、絶縁皮膜の機械
特性および経済性の点から4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシ
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルエ
ーテルジイソシアネート等の単独又は2種以上を
混合して使用することが特に好ましい。 クエン酸を含むポリカルボン酸および/又はそ
の誘導体とジイソシアネートおよび/又はその誘
導体との反応における温度および時間は、出発原
料、溶液反応が無溶剤反応かの反応形態によつて
も異なるが一般的には反応温度60〜350℃、反応
時間は数時間から数10時間が適当である。 溶液反応における反応温度および時間は用いる
溶剤、出発原料仕込時の固型分、触媒の有無等多
くの要因によつて影響を受けるが、カルボン酸又
はその誘導体とジイソシアネートとの脱炭酸反応
が約70℃付近より始まり、またこの反応で一般的
に用いられる溶剤の沸点範囲より考慮して、好ま
しい反応温度範囲は70〜250℃である。 反応時間は極端に長くなるとイソシアネート基
と溶剤、イソシアネート基どうしの反応等の副反
応を起すため好ましくなく、数時間から30時間が
好適である。 本発明における反応は無溶剤で行なうことも可
能であり、その場合は一般に溶剤反応よりも低い
温度、短かい時間で反応させることができる。 しかし希望とする高重合体の得られ易さおよび
得られる樹脂組成物の使用形態より考慮して溶液
反応がより好ましい。 溶液反応に用いられる溶剤としては、本発明の
樹脂組成物が溶解性に優れているため多くの有機
溶剤を用いることができる。 適当な溶剤の例としては、フエノール、O−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、、
各種のキシレノール類、各種のクロルフエノール
類、ニトロベンゼン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−
ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルア
ミド、ジメチルスルホオキサイド等があり、これ
らと併用できる溶剤としてはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、、高沸点の芳香族炭化水素類(例
えば丸善石油製スワゾール#1000、スワゾール
#1500、日本石油製、日石ハイゾール100、日石
ハイゾール150等)、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノフエ
ニルエーテル等がある。 特に好ましい溶剤組成は、得られる樹脂溶液の
安定性、経済性等からフエノール、クレゾール、
キシレノール等のフエノール系溶剤と高沸点の芳
香族炭化水素系溶剤の混合である。 反応時の固型分濃度は特に制限がなく無溶剤で
も合成できる。 しかし高重合体を得るためには少なくとも35%
以上の濃度が副反応を防ぐため好ましい。 本発明の反応はこの種の反応に通常用いられる
触媒によつて促進することができる。 適当な触媒の例としては一酸化鉛、ホウ酸、ナ
フテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛等のナフテン酸の金
属塩、リン酸、ポリリン酸、テトラブチルチタネ
ート、トリエタノールアミンチタネート等の有機
チタン化合物、トリエチルアミン、1,8−ジア
ザービシクロ(5・4・0)ウンデセン−7(こ
の酸付加物を含む)等がある。 好適な使用量は仕込時の固型分当り0.01〜5%
であり、添加方法は特に制限はない。 クエン酸を含むポリカルボン酸および/又はそ
の誘導体とジイソシアネートおよび/又はその誘
導体の使用モル比はほぼ1:1が好ましい。 しかしどちらか一方の10モル%以下位の過剰は
許容される範囲である。 クエン酸を含むポリカルボン酸および/又はそ
の誘導体とジイソシアネートおよび/又はその誘
導体は反応開始より同時に仕込んでも良く、また
一方を溶解させておき、他方の一時に、または数
回に分けて仕込むこともでき、特に仕込方法にお
いて制限はない。 反応は発生する炭酸ガスの発泡および反応水の
溜出程度、さらには溶液の粘度の観察で制御でき
る。 以上の反応で得られたクエン酸を含むポリカル
ボン酸および/又はその誘導体とジイソシアネー
トおよび/又はその誘導体との反応生成物に加え
ることができるマスクされたポリイソシアネート
は、前記ジイソシアネート、およびそれらの二量
体、三量体、又は4,4′,4″−トリイソシアネー
ト−トリフエニルメタン、2,2′,5,5′−テト
ライソシアネート−4,4′−ジメチルジフエニル
メタン等のポリイソシアネートとフエノール類、
脂肪族又は脂環族モノアルコール類との反応によ
り得られる。 また当量比で過剰量のポリイソシアネートとポ
リオールを反応させて得られた化合物をフエノー
ル類でマスクした化合物(例えばパイエル社製商
品名APステープル等)等も使用できる。 マスクされたポリイソシアネート類のなかで耐
熱性、、塗膜形成時のマスク体の解離の容易さな
どの点から、芳香族ジイソシアネート、およびこ
れらの二量体、三量体の芳香族ポリイソシアネー
トをフエノール、クレゾール、キシレノール等の
フエノール系化合物でマスクした化合物が特に好
ましい。 これらのマスクされた芳香族ポリイソシアネー
トは、ポリイソシアネートとイソシアネート基1
個当り1モル以上のフエノール系化合物を160〜
250℃で10数分〜数時間反応させることにより容
易に得ることができる。 ポリアミドイミド樹脂溶液にマスクされた芳香
族ポリイソシアネートを加える時の温度は特に制
限はないが、200℃付近で加え長い時間撹拌を続
けると樹脂溶液が不透明となり、沈澱を生ずるこ
とがあるので加える温度は140℃以下が好ましい。 また加える量はポリアミドイミド樹脂溶液の樹
脂分100重量部に対しマスクされる以前のポリイ
ソシアネートに換算して5〜150重量部が好まし
い。 5重量部未満では絶縁電線の可撓性、密着性が
改善されず、また熱軟化温度も上昇しない。 一方150重量部を越えると外観が悪くなると同
時に耐摩耗性が低下する。 フエノール類でマスクされた芳香族ジイソシア
ネートの場合、加える量は8〜120重量部が特に
好適である。 本発明の樹脂組成物はポリエステル樹脂、フエ
ノール樹脂、エポキシ樹脂等を更に加え、変性ポ
リアミドイミド樹脂とすることもできる。 本発明は、クエン酸を含むポリカルボン酸およ
び/又はその誘導体の使用によりフエノール系溶
剤にも極めて優れた溶解性を示し、かつ従来の有
機極性溶剤のみにしか溶解しなかつた芳香族ポリ
アミドイミド樹脂よりも耐熱性に優れているた
め、絶縁塗料、含浸樹脂、積層板、フイルム、接
着剤等の電気絶縁材料の用途はもちろん、耐熱塗
料、繊維又は成型樹脂の分野にも応用でき実用上
極めて有用である。 以下実施例により本発明を説明する。 () (マスクされた4,4′−ジフエニルメタン
ジイソシアネートの合成) 4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート
250g m−クレゾール 250g 上記成分を温度計、撹拌器、冷却管、窒素導
入管のついた14ツ口フラスコに入れ窒素気
流中で200℃で30分間加熱撹拌した。 内容物の一部を取出し赤外線吸収スペクトル
を調べたところ2260cm-1の遊離のイソシアネー
トの吸収が消え、マスクされた4,4′−ジフエ
ニルメタンジイソシアネートの生成が認められ
た。 () (マスクされたトリレンジイソシアネート
の合成) トリレンジイソシアネート 174g m−クレゾール 261g 上記成分を温度計、撹拌器、冷却管、窒素導
入管のついた14ツ口フラスコに入れ窒素気
流中で200℃で1時間加熱撹拌した。 内容物の一部を取出し赤外線吸収スペクトル
を調べたところ2260cm-1の遊離のイソシアネー
トの吸収が消え、マスクされたトリレンジイソ
シアネートの生成が認められた。 実施例 1 温度計、撹拌器、冷却管をつけた34ツ口フ
ラスコに無水クエン酸19.2g(0.1モル)、トリメリ
ツト酸無水物172.8g(0.9モル)、4,4′−ジフエニ
ルメタンジイソシアネート250.3g(1.0モル)、m
−クレゾール400gを仕込み窒素気流中で約1時
間かけて200℃に昇温した。 70℃付近より著るしい発泡が、160℃付近より
僅から溜出水がみられた。 クレゾールの還流温度(200−210℃)で少量の
クレゾールを溜出させながら22時間反応を続け
た。 反応中樹脂溶液は透明であつた。 また全溜出クレゾールは100gであつた。 次にm−クレゾール850gを加え充分撹拌して
不揮発分(200℃×1.5H)23.3%、粘度(25℃)
55ポイズの赤褐色透明な樹脂溶液を得た。 この樹脂溶液100gに()で得られたマスク
体23.3g(ジイソシアネート換算50重量部)とm−
クレゾール25gを加え70℃で30分間撹拌した。 得られた樹脂溶液を0.1mm厚さの銅板上に200℃
で20分、250℃で30分間焼付けて得られた塗膜は
充分な可撓性を有し、その赤外線吸収スペクトル
には1780cm-1にイミド基、1650cm-1にアミド基の
吸収と共に2260cm-1に僅かなイソシアネート基の
吸収が各々認められた。 また得られた樹脂溶液を1.0mmφの軟銅線上に
塗布焼付けたところ高線速でも充分な可撓性を示
した。 その特性を第1表に示す。 実施例 2 温度計、撹拌器、冷却管、窒素導入管をつけた
34ツ口フラスコに無水クエン酸38.4g(0.2モ
ル)、トリメリツト酸無水物153.7g(0.8モル)、
4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート
250.3g(1.0モル)、m−クレゾール400gを仕込み
窒素気流中で約1時間かけて200℃に昇温した。 70℃付近より著るしい発泡が、160℃付近より
溜出水がみられた。 200℃で15時間反応を続けた。 反応中樹脂溶液は透明であつた。 次いでクレゾール350g、ソルベントナフサ
(丸善石油製スワゾール#1000)330gを加え充分
撹拌して不揮発分(200℃×1.5H)28.0%、、粘度
(25℃)81ポイズの赤褐色透明な樹脂溶液を得た。 この樹脂溶液100gに()で得られたマスク
体44g(ジイソシアネート換算78.6部)とm−クレ
ゾール45gを加え70℃で30分間撹拌した。 得られた重合体溶液を0.1mm厚さの銅板上に200
℃で20分、250℃で30分間焼付けて得られた塗膜
は充分な可撓性を有し、その赤外線吸収スペクト
ルには1780cm-1にイミド基、1650cm-1にアミド基
の吸収と共に2260cm-1に僅かなイソシアネート基
の吸収が各々認められた。 また得られた樹脂溶液を1.0mmφの銅線上に塗
布焼付けたところ高線速でも充分な可撓性を示し
た。 その特性は第1表に示す通りであつた。 実施例 3〜6 実施例1で得られたマスク体を加える前の樹脂
溶液を用いポリイソシアネートのマスク体の配合
量と種類を変えて樹脂溶液を得た。 その結果を第2表に示す。 また実施例1と同様にして得られた絶縁電線の
特性は第1表に示す通りであつた。 実施例 7 温度計、撹拌器、冷却管、窒素導入管をつけた
34ツ口フラスコに無水クエン酸48.0g(0.25モ
ル)、トリメリツト酸無水物48.0g(0.25モル)、
3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン
酸無水物161.5g(0.5モル)、4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート250.3g(1.0モル)、m−ク
レゾール400gを仕込み窒素気流中で約1時間か
けて200℃に昇温した。 70℃付近より著るしい発泡がみられ、更に160
〜170℃にかけて溜出水の発生がみられた。 この後m−クレゾールの還流温度(200−210
℃)で13時間反応を続けた。 反応中溶液は透明であり、時間の経過とともに
粘度が上昇した。 反応終了後m−クレゾール700g、ソルベント
ナフサ(丸善石油製、スワゾール#1000)130g
を加え充分撹拌して不揮発分(200℃×1.5H)
24.5%、粘度(25℃)50ポイズの赤褐色透明な樹
脂溶液を得た。 この樹脂溶液100gに()で得られたマスク
体4.3gを加え室温で充分撹拌し均一な溶液を得
た。 得られた樹脂溶液を0.1mm厚さの銅板上に200℃
で20分、250℃で30分間焼付けて得られた塗膜は
充分な可撓性を有し、その赤外線吸収スペクトル
には1780cm-1にイミド基、1650cm-1にアミド基の
吸収が各々認められた。 また得られた樹脂溶液を1.0mmφの軟銅線上に
塗布焼付けたところ高線速でも充分な可撓性を示
した。 その特性は第1表に示す通りであつた。 実施例 8 温度計、撹拌器、冷却管、、窒素導入管をつけ
た34ツ口フラスコに無水クエン酸38.4g(0.2
モル)、トリメリツト酸無水物115.3g(0.6モル)、
3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン
酸無水物64.4g(0.2モル)、4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート250.3g(1.0モル)、m−ク
レゾール400gを仕込み窒素気流中で約1時間か
けて200℃に昇温した。 70℃付近より著るしい発泡がみられ、更に160
〜170℃にかけて溜出水の生成がみられた。 200℃で16時間反応させた後、m−クレゾール
500g、ソルベントナフサ(丸善石油製スワゾー
ル#1000)360gを加え充分に撹拌して不揮発分
(200℃×1.5H)23.0%、粘度(25℃)63ポイズの
赤褐色透明な樹脂溶液を得た。 この樹脂溶液100gに()で得られたマスク
体23gを加え100℃で10分間充分撹拌して均一な
溶液を得た。 得られた樹脂溶液を0.1mm厚さの銅板上に200℃
で20分、250℃で30分間焼付けて得られた塗膜は
充分な可撓性を有し、その赤外線吸収スペクトル
には1780cm-1にイミド基、1650cm-1にアミド基の
吸収が各々認められた。 また得られた樹脂溶液を1.0mmφの軟銅線上に
塗布焼付けて得られた絶縁電線の特性は第1表に
示す通りであつた。 実施例 9 温度計、撹拌器、冷却管、窒素導入管をつけた
34ツ口フラスコに無水クエン酸11.5g(0.06モ
ル)、トリメリツト酸無水物19.2g(0.1モル)、3,
3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸無
水物45.1g(0.14モル)、プタンテトラカルボン酸
163.9g(0.7モル)、4,4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネート150.2g(0.6モル)、トリレンジイソ
シアネート69.7g(0.4モル)、m−クレゾール400g
を仕込み窒素気流中で約1時間かけて185℃に昇
温した。 70℃付近より著るしい発泡がみられ、更に160
℃〜185℃にかけて多くの溜出水の生成がみられ
た。 185℃で溜出水を除去しながら14時間反応を続
けた。 約10時間反応後溜出水の生成は殆んどみられな
くなつた。 m−クレゾール800g、ソルベントナフサ(丸
善石油製、スワゾール#1000)180gを加え充分
撹拌して不揮発分(200℃×1.5H)20.0%、粘度
(25℃)47ポイズの赤褐色透明な樹脂溶液を得た。 この樹脂溶液100gに()で得られたマスク
体28gを加え70℃で30分間述分撹拌して均一な溶
液を得た。 得られた樹脂溶液を0.1mm厚さの銅板上に200℃
で20分、250℃で30分間焼付けて得られた塗膜は
充分な可撓性を有し、その赤外線吸収スペクトル
には1780cm-1にイミド基、1650cm-1付近に僅かな
アミド基の吸収が各々認められた。 また得られた樹脂溶液を1.0mmφの銅線上に塗
布焼付けて得られた絶縁電線の特性は第1表に示
す通りであつた。 実施例 10 温度計、撹拌器、冷却管をつけた34ツ口フ
ラスコに無水クエン酸38.4g(0.2モル)、トリメリ
ツト酸無水物134.5g(0.7モル)、テレフタル酸
16.6g(0.1モル)、4,4′ジフエニルメタンジイソ
シアネート250.3g(1.0モル)、m−クレゾール
400gを仕込み窒素気流中で約1時間かけて200℃
に昇温した。 70℃付近より著るしい発泡が、160℃付近より
溜出水がみられた。 クレゾールの還流温度(200−210℃)で20時間
反応を続けた。 反応中溶液は透明であり、徐々に粘度が上昇し
た。 m−クレゾール650gを加え充分撹拌して不揮
発分(200℃×1.5H)25%、粘度(25℃)65ポイ
ズの赤褐色透明な樹脂溶液を得た。 この樹脂溶液100gにミリオネートMS−50(日
本ポリウレタン製)25g加え80℃で10分間充分撹
拌した。 得られた樹脂溶液を0.1mm厚さの銅板上に200℃
で30分、250℃で30分間焼付けて得られた塗膜は
充分な可撓性を有し、その赤外線吸収スペクトル
には1780cm-1にイミド基、1650cm-1にアミド基の
吸収が各々認められた。 また得られた樹脂溶液を1.0mmφの軟銅線上に
塗布焼付けて得られた絶縁電線の特性は第1表に
示す通りであつた。 実施例 11 温度計、撹拌器、冷却管、窒素導入管をつけた
34ツ口フラスコに無水クエン酸38.4g(0.2モ
ル)、トリメリツト酸無水物153.7g(0.8モル)、
4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート
200.2g(0.8モル)、4,4′−ジフエニルエーテルジ
イソシアネート25.2g(0.1モル)、キシリレンジイ
ソシアネート18.8g(0.1モル)、硼酸4g、m−クレ
ゾール400gを仕込み窒素気流中で約1時間かけ
て200℃に昇温した。 70℃付近より著るしい発泡が160〜170℃にかけ
て溜出水がみられた。 200℃で10時間反応を続けた。 次いでクレゾール680g、ソルベントナフサ
(丸善石油製スワゾール#1000)300gを加え充分
撹拌して不揮発分(200℃×1.5H)20.1%粘度
(25℃)45ポイズの赤褐色透明な樹脂溶液を得た。 この樹脂溶液100gに()で得られたマスク
体8gとm−クレゾール8gを加え室温で充分撹拌
して均一な溶液を得た。 得られた樹脂溶液を0.1mm厚さの銅板上に200℃
で20分、250℃で30分間焼付けて得られた塗膜は
充分な可撓性を有し、その赤外線吸収スペクトル
には1780cm-1にイミド基、1650cm-1にアミド基の
吸収が各々認められた。 また得られた樹脂溶液を1.0mmφの軟銅線上に
塗布焼付けて得られた樹脂電線の特性は第1表に
示す通りであつた。 比較例 1 実施例1で得られたマスク体を加える前の樹脂
溶液を用い、実施例1と同一条件で樹脂電線を得
た。 その特性は第1表に示す通りであつた。 比較例 2 実施例2で得られたマスク体を加える前の樹脂
溶液を用い、実施例2と同一条件で樹脂電線を得
た。 その特性は第1表に示す通りであつた。
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 クエン酸を含むポリカルボン酸および/又は
    その誘導体とジイソシアネートおよび/又はその
    誘導体との反応生成物にマスクされたポリイソシ
    アネート化合物を加えて成ることを特徴とするポ
    リアミドイミド樹脂組成物。
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