JPH035786B2 - - Google Patents
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- JPH035786B2 JPH035786B2 JP63176256A JP17625688A JPH035786B2 JP H035786 B2 JPH035786 B2 JP H035786B2 JP 63176256 A JP63176256 A JP 63176256A JP 17625688 A JP17625688 A JP 17625688A JP H035786 B2 JPH035786 B2 JP H035786B2
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- Noodles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本願発明は、ゆで麺の製造方法に関し、さらに
詳しくは柚子成分を混入した柚子入りゆで麺の製
造方法に関するものである。 (発明の背景) うどんのようなゆで麺は、一般に小麦粉に食塩
水を加えて混捏してなる麺生地で製麺した後にゆ
で工程を経て製造されるが、このような従来から
一般に製造されているゆで麺では、視覚面(色つ
や)あるいは嗅覚面(香り)などにおいて食欲を
そそるような特別な特徴がなく、食生活が高級化
した現今においては、食欲をそそるような特別の
工夫を施したゆで麺の出現が期待されている。 ところで、天然の柚子(特に柚子の果皮)に
は、清涼感や食欲をそそるような特別な香りが含
まれていることはよく知られているが、このよう
な柚子の香り(精油成分)を麺中に混入できれば
食生活の高級化に伴う要望に適合するゆで麺を提
供することができると思われる。 現在、柚子の香りを発する柚子オイルや柚子パ
ウダー等の添加物が市販されており、本発明者等
はこれらの柚子オイルや柚子パウダーを麺生地中
に練り込んで麺中に柚子の香り成分を混入する試
みをしたが、柚子オイルや柚子パウダーを単に麺
生地中に混入しただけでは、麺生地混捏中あるい
は製麺中に柚子の香り成分(精油成分)が空気中
に多量に揮散してしまい、製造された麺中にはほ
とんど柚子の香りが残らなかつた。 又、小麦粉と食塩水とを混捏してなる麺生地を
そのまま通常の方法で製麺したものでは、白色で
色つやが乏しく、しかも粘弾力(いわゆる麺の
腰)が小さいものであつた。これは、麺中に多数
の微小気泡が混入していることが原因と考えられ
る。麺中の微小気泡は、麺生地を長時間混捏する
ほど放出量を多くできるが、このように混捏時間
を長くすると、麺の製造に長時間を要するという
問題があるほか、上記したように麺生地中に柚子
の香り成分を混入する場合には、その香り成分の
揮散量が多くなつて該柚子の香り成分が無駄にな
つてしまうという問題もある。 (発明の目的) 本願発明は、上記背景に鑑み、麺中に柚子の香
り成分を、該香り成分が麺生地混捏中あるいは製
麺中に空気中に揮散しにくく、しかもゆで工程中
においても柚子成分が水中に流出しにくくなる状
態が混入して、喫食時まで柚子の香り成分が多量
に残るようなゆで麺の製造方法を提案することを
第1の目的とし、さらにそのような柚子入りゆで
麺を製造するにあたり、麺の粘弾力を増大させる
とともに視覚的に食欲をそそるような色つやを現
出させることができるようにした柚子入りゆで麺
の製造方法を提案することを第2の目的としてな
されたものである。 (目的を達成するための手段) 本願の請求項1の発明は、小麦粉100重量部に
対して、適量の食塩水と、柚子の果皮を水分量が
15〜20%となるまで乾燥してそれを粉砕した後に
顆粒状に加工してなる柚子成分5〜15重量部とを
加えて混捏して麺生地を製造し、その麺生地で製
麺した後、その麺をゆで加工することを特徴とし
ている。 又、本願の請求項2の発明は、小麦粉100重量
部に対して、食塩水40〜50重量部と、柚子の果皮
を水分量が15〜20%となるまで乾燥しそれを粉砕
した後に顆粒状に加工してなる柚子成分5〜15重
量部とを加え、それらの混合原料を真空ミキサー
内において真空状態で混捏して麺生地を製造し、
その麺生地で製麺した後、その麺をゆで加工する
ことを特徴としている。 (作 用) 本願の請求項1の発明によれば、麺生地中に混
入される柚子成分は、香り成分の含有量の多い柚
子果皮を水分量が15〜20%となるまで乾燥しそれ
を粉砕した後に顆粒状に加工して製造されてい
る。このように柚子果皮を適度に乾燥し且つそれ
を粉砕した後に顆粒状に加工すると、柚子果皮中
の香り成分(精油成分)はもとの果皮繊維質に結
合したままの状態となり、該香り成分が揮散しに
くい性状となる。特に、柚子果皮を水分量が15〜
20%となるまで乾燥させた状態では、柚子果皮内
の糖中に形成された特殊な微小領域(糖粉末の平
均粒度以下の微小な部位)内に芳香成分(α−リ
モネン等)が封じ込められようになる。尚、柚子
果皮の水分量が15%に満たなくなるまで乾燥させ
ると、芳香成分を封じ込める作用をする上記微小
領域が破壊されて、芳香成分が揮散し、又柚子果
皮水分量が20%より多い場合には、充分に微小領
域が形成されなくなる。従つてこのような性状の
柚子成分を麺生地中に混入したものでは、麺生地
混捏中あるいは製麺中においても柚子成分中の香
り成分の揮散量が少なくなる。又、該柚子成分
は、小麦粉100重量部に対して5〜15重量部の範
囲で混入しているが、該柚子成分の混入量が5重
量部より少なくなると製造された麺に香り成分の
残留量が少なくなつて香りが不充分となり、又該
柚子成分の混入量が15重量部を超えると麺中に香
り成分の残留量が多くなり過ぎて香りが強くなり
過ぎる。尚、柚子成分の小麦粉100重量部に対す
る許容混合量は5〜15重量部であるが、該柚子成
分の小麦粉100重量部に対する混合量は7〜10重
量部の範囲が好適である。又、柚子果皮を粉砕し
て麺生地中に混入すると、該柚子果皮中に多量に
含まれている天然色素(カロチンが油に溶けて黄
色に発色する)により、製造された麺が薄黄色に
発色するようになる。この麺は最終的にゆで加工
されるが、麺中に混入している柚子成分は適度に
乾燥させた後、顆粒状に加工しているので、ゆで
加工時においても芳香成分を封じ込めている上記
微小領域が容易に破壊されることがなく、該芳香
成分が水中に流出しにくくなる。 又、本願の請求項2の発明によれば、小麦粉
100重量部に対して、食塩水を通常の混合量(通
常は小麦粉100重量部に対して食塩水35〜38重量
部程度)よりも多い40〜50重量部と、柚子の果皮
を顆粒状に加工してなる柚子成分5〜15重量部と
を加え、それらの混合材料を真空ミキサー内にお
いて真空状態で混捏して麺生地を製造するように
しており、このように多加水状態で混捏すれば小
麦粉と水との水和状態が良好となり(生地に水が
なじみ易くなる)、又このような多加水麺生地を
真空ミキサー内において真空状態で混捏すれば、
麺生地中の気泡が吸引・放出されて麺生地の色つ
やが良好になる(透明感が出る)とともに、同時
に麺生地中の水分も均一に放出されて麺生地の粘
弾性が増強されるようになる。食塩水の小麦粉
100重量部に対する許容混合量は、40〜50重量部
であるが、該食塩水の小麦粉100重量部に対する
混合量が40重量部より少ないと真空混捏時におい
て麺生地中の脱気作用が低くなるとともに製造さ
れた麺生地が硬くなり過ぎるという問題があり、
逆に該食塩水の混合量が小麦粉100重量部に対し
て50重量部より多いと麺生地がベトついて該麺生
地がミキサーの軸に巻きついて作業性が悪化す
る。尚、小麦粉100重量部に対して食塩水の混合
量の許容範囲は40〜50重量部であるが、該食塩水
の小麦粉100重量部に対する好適な混合量は、43
〜45重量部である。 (発明の効果) 本願の請求項1の発明によれば、麺生地中に、
柚子果皮を水分量が15〜20%となるまで乾燥しそ
れを粉砕した後に顆粒状に加工してなる柚子成分
を混入・混捏し、その柚子成分入りの麺生地で製
麺した後、その麺をゆで加工するようにしている
ので、このような製造方法で製造されたゆで麺に
は、適度の量の柚子成分が揮散されずに残つてお
り、喫食時に柚子独特の香りを漂わせて食欲をそ
そることができ、又麺生地には柚子の果皮(粉砕
したもの)ごと混入しているので、製造された麺
は薄黄色の発色をしており、従来の白色の麺より
視覚的に良好となり、食生活の高級化に伴う要望
にも対応できる麺を製造できるという効果があ
る。 又、本願の請求項2の発明によれば、小麦粉と
食塩水と柚子とを、真空多加状態で混捏するよう
にしているので、麺生地中の気泡を脱気できると
ともに生地中の水分を均一になじませることがで
き、この麺生地で製造された柚子入り麺では、色
つやが良好となる(透明感が出る)とともに粘弾
力(麺の腰)が強くなり、視覚、嗅覚、味覚(歯
ざわり)の良好なゆで麺を製造することができる
という効果がある。 (実施例) 以下、柚子入りゆで麺の製造方法の好適な実施
例を説明する。この実施例では、小麦粉100重量
部に対して、食塩水43重量部と、柚子果皮を顆粒
状に加工した柚子成分7重量部とを加え、その混
合原料を真空ミキサー内において真空多加水状態
で混捏して麺生地を製造し、その麺生地を、1.5
〜2.0Kg程度の大きさの塊にした状態で、温度20
〜30℃中で熟成し、次にその熟成させた麺生地を
麺棒で圧延し、続いて製品幅づつ切断し、ゆで湯
(98〜100℃)中で約10分間ゆで、水洗い後、玉取
りとして製品化される。 顆粒状柚子成分は、それぞれ次のようにして加
工される。まず、完熟直前の柚子果皮を剥皮機で
皮取りをして、その果皮をサイレントカツターで
細切りした後、これを熱風乾燥機で水分量が15〜
20%になるまで乾燥し、次に乾燥した柚子果皮を
粉砕機で粒径0.5〜3.0mm程度(直径1mm程度が最
適)の顆粒状に成形して製作される。柚子果皮を
乾燥させると、乾燥加工の頭初は若干芳香成分の
損失(揮散)が起こるが、水分がある限界水分量
(クリテイカル・ウオーター・コンテント)に達
すると、柚子果皮内の糖中に形成された特殊な微
小領域は水素結合によつて塞がれるようになり、
該微小領域内に芳香成分(α−リモネン等)を封
じ込むことができるようになる。このときの限界
点は水分量が15〜20%の範囲のときであり、これ
を超えて乾燥させると、上記微小領域が破壊され
て、その内部の芳香成分が容易に揮散するように
なる。尚、顆粒状に成形した後は、吸湿を防ぐた
めに密封容器内に符入しておく。 小麦粉100重量部に食塩水43重量部と、上記顆
粒状柚子成分7重量部とを加えて真空ミキサー内
で真空多加水混捏すると、麺生地中の気泡が放出
されて該麺生地に透明憾が出るとともに粘弾力が
増大する。又、このとき、柚子成分は、香り成分
(精油成分)が上記微小領域内に封じ込められた
状態で混捏されるので、香り成分が果皮繊維質か
ら分離しにくくなり、該香り成分の揮散量を少な
くすることができる。このようにして製造された
柚子成分入りの麺生地は、以下、通常の製麺工程
を経て製麺された後、ゆで加工してゆで麺とされ
る。この顆粒状柚子成分を使用して製造されたゆ
で麺では、麺中に微細な果皮繊維状のものが多数
散在しており、喫食時にこの微細な果皮繊維中に
封じ込められていた柚子の香り成分が揮散されて
清涼感が与えられるのである。 尚、柚子果皮を生のままで微細に細断したもの
をそのまま麺生地中に混入させたものでは、芳香
成分が単に柚子繊維に付着しているだけでなの
で、該芳香成分は、麺生地混捏中あるいは製麺中
において多量に揮散し、ゆで工程中において水中
に流出し易くなり、製造されたゆで麺中には芳香
成分の残留量がきわめて少なくなる。 本願実施例の製造方法で製造した柚子入り麺
と、従来の製造方法で製造した麺とを、20人のパ
ネラーにより2点嗜好審査を行つたところ、表1
のような審査結果が得られた。尚、審査は、色つ
やと、香りと、総合評価の3点について行つた。 【表】
詳しくは柚子成分を混入した柚子入りゆで麺の製
造方法に関するものである。 (発明の背景) うどんのようなゆで麺は、一般に小麦粉に食塩
水を加えて混捏してなる麺生地で製麺した後にゆ
で工程を経て製造されるが、このような従来から
一般に製造されているゆで麺では、視覚面(色つ
や)あるいは嗅覚面(香り)などにおいて食欲を
そそるような特別な特徴がなく、食生活が高級化
した現今においては、食欲をそそるような特別の
工夫を施したゆで麺の出現が期待されている。 ところで、天然の柚子(特に柚子の果皮)に
は、清涼感や食欲をそそるような特別な香りが含
まれていることはよく知られているが、このよう
な柚子の香り(精油成分)を麺中に混入できれば
食生活の高級化に伴う要望に適合するゆで麺を提
供することができると思われる。 現在、柚子の香りを発する柚子オイルや柚子パ
ウダー等の添加物が市販されており、本発明者等
はこれらの柚子オイルや柚子パウダーを麺生地中
に練り込んで麺中に柚子の香り成分を混入する試
みをしたが、柚子オイルや柚子パウダーを単に麺
生地中に混入しただけでは、麺生地混捏中あるい
は製麺中に柚子の香り成分(精油成分)が空気中
に多量に揮散してしまい、製造された麺中にはほ
とんど柚子の香りが残らなかつた。 又、小麦粉と食塩水とを混捏してなる麺生地を
そのまま通常の方法で製麺したものでは、白色で
色つやが乏しく、しかも粘弾力(いわゆる麺の
腰)が小さいものであつた。これは、麺中に多数
の微小気泡が混入していることが原因と考えられ
る。麺中の微小気泡は、麺生地を長時間混捏する
ほど放出量を多くできるが、このように混捏時間
を長くすると、麺の製造に長時間を要するという
問題があるほか、上記したように麺生地中に柚子
の香り成分を混入する場合には、その香り成分の
揮散量が多くなつて該柚子の香り成分が無駄にな
つてしまうという問題もある。 (発明の目的) 本願発明は、上記背景に鑑み、麺中に柚子の香
り成分を、該香り成分が麺生地混捏中あるいは製
麺中に空気中に揮散しにくく、しかもゆで工程中
においても柚子成分が水中に流出しにくくなる状
態が混入して、喫食時まで柚子の香り成分が多量
に残るようなゆで麺の製造方法を提案することを
第1の目的とし、さらにそのような柚子入りゆで
麺を製造するにあたり、麺の粘弾力を増大させる
とともに視覚的に食欲をそそるような色つやを現
出させることができるようにした柚子入りゆで麺
の製造方法を提案することを第2の目的としてな
されたものである。 (目的を達成するための手段) 本願の請求項1の発明は、小麦粉100重量部に
対して、適量の食塩水と、柚子の果皮を水分量が
15〜20%となるまで乾燥してそれを粉砕した後に
顆粒状に加工してなる柚子成分5〜15重量部とを
加えて混捏して麺生地を製造し、その麺生地で製
麺した後、その麺をゆで加工することを特徴とし
ている。 又、本願の請求項2の発明は、小麦粉100重量
部に対して、食塩水40〜50重量部と、柚子の果皮
を水分量が15〜20%となるまで乾燥しそれを粉砕
した後に顆粒状に加工してなる柚子成分5〜15重
量部とを加え、それらの混合原料を真空ミキサー
内において真空状態で混捏して麺生地を製造し、
その麺生地で製麺した後、その麺をゆで加工する
ことを特徴としている。 (作 用) 本願の請求項1の発明によれば、麺生地中に混
入される柚子成分は、香り成分の含有量の多い柚
子果皮を水分量が15〜20%となるまで乾燥しそれ
を粉砕した後に顆粒状に加工して製造されてい
る。このように柚子果皮を適度に乾燥し且つそれ
を粉砕した後に顆粒状に加工すると、柚子果皮中
の香り成分(精油成分)はもとの果皮繊維質に結
合したままの状態となり、該香り成分が揮散しに
くい性状となる。特に、柚子果皮を水分量が15〜
20%となるまで乾燥させた状態では、柚子果皮内
の糖中に形成された特殊な微小領域(糖粉末の平
均粒度以下の微小な部位)内に芳香成分(α−リ
モネン等)が封じ込められようになる。尚、柚子
果皮の水分量が15%に満たなくなるまで乾燥させ
ると、芳香成分を封じ込める作用をする上記微小
領域が破壊されて、芳香成分が揮散し、又柚子果
皮水分量が20%より多い場合には、充分に微小領
域が形成されなくなる。従つてこのような性状の
柚子成分を麺生地中に混入したものでは、麺生地
混捏中あるいは製麺中においても柚子成分中の香
り成分の揮散量が少なくなる。又、該柚子成分
は、小麦粉100重量部に対して5〜15重量部の範
囲で混入しているが、該柚子成分の混入量が5重
量部より少なくなると製造された麺に香り成分の
残留量が少なくなつて香りが不充分となり、又該
柚子成分の混入量が15重量部を超えると麺中に香
り成分の残留量が多くなり過ぎて香りが強くなり
過ぎる。尚、柚子成分の小麦粉100重量部に対す
る許容混合量は5〜15重量部であるが、該柚子成
分の小麦粉100重量部に対する混合量は7〜10重
量部の範囲が好適である。又、柚子果皮を粉砕し
て麺生地中に混入すると、該柚子果皮中に多量に
含まれている天然色素(カロチンが油に溶けて黄
色に発色する)により、製造された麺が薄黄色に
発色するようになる。この麺は最終的にゆで加工
されるが、麺中に混入している柚子成分は適度に
乾燥させた後、顆粒状に加工しているので、ゆで
加工時においても芳香成分を封じ込めている上記
微小領域が容易に破壊されることがなく、該芳香
成分が水中に流出しにくくなる。 又、本願の請求項2の発明によれば、小麦粉
100重量部に対して、食塩水を通常の混合量(通
常は小麦粉100重量部に対して食塩水35〜38重量
部程度)よりも多い40〜50重量部と、柚子の果皮
を顆粒状に加工してなる柚子成分5〜15重量部と
を加え、それらの混合材料を真空ミキサー内にお
いて真空状態で混捏して麺生地を製造するように
しており、このように多加水状態で混捏すれば小
麦粉と水との水和状態が良好となり(生地に水が
なじみ易くなる)、又このような多加水麺生地を
真空ミキサー内において真空状態で混捏すれば、
麺生地中の気泡が吸引・放出されて麺生地の色つ
やが良好になる(透明感が出る)とともに、同時
に麺生地中の水分も均一に放出されて麺生地の粘
弾性が増強されるようになる。食塩水の小麦粉
100重量部に対する許容混合量は、40〜50重量部
であるが、該食塩水の小麦粉100重量部に対する
混合量が40重量部より少ないと真空混捏時におい
て麺生地中の脱気作用が低くなるとともに製造さ
れた麺生地が硬くなり過ぎるという問題があり、
逆に該食塩水の混合量が小麦粉100重量部に対し
て50重量部より多いと麺生地がベトついて該麺生
地がミキサーの軸に巻きついて作業性が悪化す
る。尚、小麦粉100重量部に対して食塩水の混合
量の許容範囲は40〜50重量部であるが、該食塩水
の小麦粉100重量部に対する好適な混合量は、43
〜45重量部である。 (発明の効果) 本願の請求項1の発明によれば、麺生地中に、
柚子果皮を水分量が15〜20%となるまで乾燥しそ
れを粉砕した後に顆粒状に加工してなる柚子成分
を混入・混捏し、その柚子成分入りの麺生地で製
麺した後、その麺をゆで加工するようにしている
ので、このような製造方法で製造されたゆで麺に
は、適度の量の柚子成分が揮散されずに残つてお
り、喫食時に柚子独特の香りを漂わせて食欲をそ
そることができ、又麺生地には柚子の果皮(粉砕
したもの)ごと混入しているので、製造された麺
は薄黄色の発色をしており、従来の白色の麺より
視覚的に良好となり、食生活の高級化に伴う要望
にも対応できる麺を製造できるという効果があ
る。 又、本願の請求項2の発明によれば、小麦粉と
食塩水と柚子とを、真空多加状態で混捏するよう
にしているので、麺生地中の気泡を脱気できると
ともに生地中の水分を均一になじませることがで
き、この麺生地で製造された柚子入り麺では、色
つやが良好となる(透明感が出る)とともに粘弾
力(麺の腰)が強くなり、視覚、嗅覚、味覚(歯
ざわり)の良好なゆで麺を製造することができる
という効果がある。 (実施例) 以下、柚子入りゆで麺の製造方法の好適な実施
例を説明する。この実施例では、小麦粉100重量
部に対して、食塩水43重量部と、柚子果皮を顆粒
状に加工した柚子成分7重量部とを加え、その混
合原料を真空ミキサー内において真空多加水状態
で混捏して麺生地を製造し、その麺生地を、1.5
〜2.0Kg程度の大きさの塊にした状態で、温度20
〜30℃中で熟成し、次にその熟成させた麺生地を
麺棒で圧延し、続いて製品幅づつ切断し、ゆで湯
(98〜100℃)中で約10分間ゆで、水洗い後、玉取
りとして製品化される。 顆粒状柚子成分は、それぞれ次のようにして加
工される。まず、完熟直前の柚子果皮を剥皮機で
皮取りをして、その果皮をサイレントカツターで
細切りした後、これを熱風乾燥機で水分量が15〜
20%になるまで乾燥し、次に乾燥した柚子果皮を
粉砕機で粒径0.5〜3.0mm程度(直径1mm程度が最
適)の顆粒状に成形して製作される。柚子果皮を
乾燥させると、乾燥加工の頭初は若干芳香成分の
損失(揮散)が起こるが、水分がある限界水分量
(クリテイカル・ウオーター・コンテント)に達
すると、柚子果皮内の糖中に形成された特殊な微
小領域は水素結合によつて塞がれるようになり、
該微小領域内に芳香成分(α−リモネン等)を封
じ込むことができるようになる。このときの限界
点は水分量が15〜20%の範囲のときであり、これ
を超えて乾燥させると、上記微小領域が破壊され
て、その内部の芳香成分が容易に揮散するように
なる。尚、顆粒状に成形した後は、吸湿を防ぐた
めに密封容器内に符入しておく。 小麦粉100重量部に食塩水43重量部と、上記顆
粒状柚子成分7重量部とを加えて真空ミキサー内
で真空多加水混捏すると、麺生地中の気泡が放出
されて該麺生地に透明憾が出るとともに粘弾力が
増大する。又、このとき、柚子成分は、香り成分
(精油成分)が上記微小領域内に封じ込められた
状態で混捏されるので、香り成分が果皮繊維質か
ら分離しにくくなり、該香り成分の揮散量を少な
くすることができる。このようにして製造された
柚子成分入りの麺生地は、以下、通常の製麺工程
を経て製麺された後、ゆで加工してゆで麺とされ
る。この顆粒状柚子成分を使用して製造されたゆ
で麺では、麺中に微細な果皮繊維状のものが多数
散在しており、喫食時にこの微細な果皮繊維中に
封じ込められていた柚子の香り成分が揮散されて
清涼感が与えられるのである。 尚、柚子果皮を生のままで微細に細断したもの
をそのまま麺生地中に混入させたものでは、芳香
成分が単に柚子繊維に付着しているだけでなの
で、該芳香成分は、麺生地混捏中あるいは製麺中
において多量に揮散し、ゆで工程中において水中
に流出し易くなり、製造されたゆで麺中には芳香
成分の残留量がきわめて少なくなる。 本願実施例の製造方法で製造した柚子入り麺
と、従来の製造方法で製造した麺とを、20人のパ
ネラーにより2点嗜好審査を行つたところ、表1
のような審査結果が得られた。尚、審査は、色つ
やと、香りと、総合評価の3点について行つた。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 小麦粉100重量部に対して、適量の食塩水と、
柚子の果皮を水分量が15〜20%となるまで乾燥し
それを粉砕した後に顆粒状に加工してなる柚子成
分5〜15重量部とを加えて混捏して麺生地を製造
し、その麺生地で製麺した後、その麺をゆで加工
することを特徴とする柚子入りゆで麺の製造方
法。 2 小麦粉100重量部に対して、食塩水40〜50重
量部と、柚子の果皮を水分量が15〜20%となるま
で乾燥しそれを粉砕した後に顆粒状に加工してな
る柚子成分5〜15重量部とを加え、それらの混合
原料を真空ミキサー内において真空状態で混捏し
て麺生地を製造し、その麺生地で製麺した後、そ
の麺をゆで加工することを特徴とする柚子入りゆ
で麺の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63176256A JPH0227955A (ja) | 1988-07-14 | 1988-07-14 | 柚子入りゆで麺の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63176256A JPH0227955A (ja) | 1988-07-14 | 1988-07-14 | 柚子入りゆで麺の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0227955A JPH0227955A (ja) | 1990-01-30 |
JPH035786B2 true JPH035786B2 (ja) | 1991-01-28 |
Family
ID=16010385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63176256A Granted JPH0227955A (ja) | 1988-07-14 | 1988-07-14 | 柚子入りゆで麺の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0227955A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08131104A (ja) * | 1994-11-08 | 1996-05-28 | Masaki Tanaka | 柚子風味麺 |
JP5075937B2 (ja) | 2010-03-31 | 2012-11-21 | 日本碍子株式会社 | ガスセンサ素子及びその製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51118851A (en) * | 1975-04-10 | 1976-10-19 | Giichi Mutou | Production of starch containing food |
JPS5794262A (en) * | 1980-12-04 | 1982-06-11 | Kanji Tanabe | Noodle |
JPS58209952A (ja) * | 1982-05-27 | 1983-12-07 | Toshiyasu Harada | 納豆蒸煮釜の煮汁、蒸気及びドレンの処理方法 |
-
1988
- 1988-07-14 JP JP63176256A patent/JPH0227955A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51118851A (en) * | 1975-04-10 | 1976-10-19 | Giichi Mutou | Production of starch containing food |
JPS5794262A (en) * | 1980-12-04 | 1982-06-11 | Kanji Tanabe | Noodle |
JPS58209952A (ja) * | 1982-05-27 | 1983-12-07 | Toshiyasu Harada | 納豆蒸煮釜の煮汁、蒸気及びドレンの処理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0227955A (ja) | 1990-01-30 |
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