JPH0356422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートの高さを調整する自動車シート
のハイト装置の改良に関するものである。

従来、この種のシートはシートフレームをばね
によつて常時持ち上げる方向に付勢せしめて、シ
ートを上げる際の操作力を軽減している。ところ
が、乗員が着座していない状態（無負貨状態）に
おいて、操作レバーを操作してロツク状態を解除
すると、シートは前記ばねの弾性によつて急激に
上昇するため安全性が損なわれる不具合がある。

そこで、本考案は斯様な従来品の事情に鑑みて
なされたものであり、誤操作（無負荷状態での操
作）によるも、シートが急激に上昇しないように
したものである。以上の目的を達成するための本
考案の基本的構成はシートフレームと操作レバー
との間の回転軸にゴムなどの弾性体製の摩擦部材
を介在させ、その摩擦部材の摩擦力によつて、前
記操作レバーの誤操作によるシートの急激な上昇
を防止して安全性を確保したものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案に係るハイト装置を備えた自動
車シートＡを示し、このシートＡはシートＡを構
成するシートフレーム１をリンク１１ａ，１１
ｂ，１１ｃ，１１ｄによつて車床側のシートアジ
ヤスタ１２ａ，１２ｂに取付けられており、また
シートアジヤスタ１２ａ，１２ｂは車床又は車床
に固定した台座１３ａ，１３ｂに固定されてい
る。そしてシートＡはシートフレーム１に張架し
たばね材上に発泡体製クツシヨン材を載置して表
皮部材でこれを被包することにより形成される。

第２図はハイト装置を示し、操作レバー２１の
操作によつて回転する回転軸２２がシートフレー
ム１に回転可能に架設されている。

この回転軸２２にはばね２３が巻装され、シー
トフレーム１を上方に付勢するようにばね２３の
一端は回転軸２２に、また、他端はリンク１１ａ
のピン１３に取付けられている。従つてシートフ
レーム１は常時持ち上げる方向にばね２３によつ
て付勢されている。

そして、回転軸２２にはギヤ２４が軸着してあ
り、このギヤ２４に噛合うセクターギヤ２５がリ
ンク１１ａに固定されている。従つて、回転軸２
２が回転するとギヤ２４が回転してセクターギヤ
２５を回動させる。そのため、リンク１１ａがピ
ン１４を中心に回動してシートフレーム１を上下
に移動させる。

以上の回転軸２２にはロツクギヤ２６が固着さ
れ、このロツクギヤ２６に対応する操作レバー２
１側にはストツパ２７がロツクギヤ２６の係合方
向にばね２８によつて付勢されている。従つて、
操作レバー２１の操作後、ストツパ２７はロツク
ギヤ２６に噛合うため、回転軸２２の回転が規制
され、シートフレーム１は所定位置に保持され
る。

以上のハイト装置において以上の回転軸２２に
おけるシートフレーム１の外方に突出する部分に
摩擦部材２が設けてある。

この摩擦部材２はゴム、ウエーブ、ワツシヤ、
スプリングワツシヤなどの弾性体で、第４図に示
すように前記回転軸２２に挿通され、操作レバー
２１とシートフレーム１との間に介在している。

なお、図中１５は前記ロツクギヤ２６を取付け
るブラケツトで、このブラケツト１５はシートフ
レーム１にボルト、ナツトでシートフレーム１に
固定されている。

前記摩擦部材２の一側面はシートフレーム１に
ロツクギヤ２６、ブラケツト１５を介して接合し
ている。摩擦部材２の他側面は、前記ストツパ２
７を有する回動片２９に接合している。

なお、操作レバー２１は回転軸２２に回動自在
に、また回動片２９は回転軸２２に止軸３０を介
してスプラインで一体に軸着されており、またス
トツパ２７の先端にはピン２７ａが設けてあり、
そのピン２７ａは操作レバー２１のロツク解除用
のガイド長孔２１ａに挿通されている。

従つて、操作レバー２１を回動させると、スト
ツパ２７のピン２７ａはガイド長孔２１ａに沿つ
て移動するため、ストツパ２７とロツクギヤ２６
との噛合状態は解除し、更に操作レバー２１を操
作するとストツパ２７のピン２７ａが長孔２１ａ
の端縁に突き当るため、ストツパ２７を介して回
動片２９が回動する。この回動片２９の回動に伴
つて回転軸２２が回転するため、前述の如くギヤ
２４が回転してセクターギヤー２５が動きシート
フレーム１が上方又は下方に移動する。そして、
所定位置にシートＡの高さを調節後、操作レバー
２１より手を放すと、ばね２８，２８′によつて
操作レバー２１は元の状態に回動し、この回動に
伴つてストツパ２７のピン２７ａが移動するため
ストツパ２７がロツクギヤ２６に噛合しロツクさ
れる。

前記操作レバー２１を操作してシートＡを下降
させると、それに伴つて回転軸２２が回転するた
め、この回転軸２２に巻装したばね２３に弾発力
が蓄積され、この蓄力がシートＡを上昇させる際
における操作力を軽減させる。そして、操作レバ
ー２１を操作する際、摩擦部材２の摩擦抵抗があ
るがシートＡを上昇させる際には、ばね２３によ
る弾発力又はシートＡを下降させる際には乗員の
体重によつて、シートＡの上下調整を行い得る。

本考案は叙上の如くシートフレームと操作レバ
ーとの間に摩擦部材が介在されているため、乗員
が着座していない状態で誤まつて操作レバーを操
作してロツクを解除しても、摩擦部材の摩擦力に
よつて常時ばねによつて付勢されているシートフ
レームが急上昇することがない。従つて、シート
フレームの急上昇を防止できるために安心して使
用できる。また、単に従来品に摩擦部材を介在さ
せるだけで良いため、製造が簡単で低価格で提供
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本案
装置を備えたシートの側面図、第２図は斜視図、
第３図は分解図、第４図は要部の縦断面図であ
る。 図中１はシートフレーム、２は摩擦部材、２１
は操作レバー、２２は回転軸を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートフレームに回転可能に取付けると共に、
   ギヤを軸着した回転軸と、この回転軸の先端に取
   付けた操作レバーと、前記回転軸のギヤに噛合し
   且つシートフレームと車床側とを連結するリンク
   に固定したセクターギヤと、前記シートフレーム
   を常時上方に付勢するばねとを有するハイト装置
   において、前記回転軸における操作レバーとシー
   トフレームとの間に弾性体製摩擦部材を介在させ
   てなる自動車用シートのハイト装置。