JPS6245954Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートの前縁部を上下動させるフロン
トハイトアジヤスタの他に、シートの後端を上下
動させるリヤハイトアジヤスタをも備えたデユア
ルハイトアジヤスタ付シートに関するものであ
る。

従来、シートの前部を上下動させるフロントバ
ーチカルアジヤスタを備えたシートがあるが、こ
のフロントバーチカルアジヤスタのみでは着座す
る人の腰から下の部分の体格の違いに対してはシ
ートを調節することは可能であるが、腰から上の
部分に対しては何等効果がない。すなわち、体格
の違いによるヘツドクリアランス不足、あるい
は、前方視界不足等に対しては可等の効果もない
ものであり、改良が望まれていた。

本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、
着座する人の体格に応じて、腰から下の部分に合
せてシートの上下位置が調節できるのみならず腰
から上の部分に対してもそれに合せてシートの上
下位置が調節でき、もつて、体格の相違によるヘ
ツドクリアランス不足、前方視界不足等の不具合
を解消したデユアルハイトアジヤスタ付シートを
提供することを目的とするものである。

そして、本考案のデユアルハイトアジヤスタ付
シートの構成は、フロントハイトアジヤスタノブ
と連動して回転するピニオンと、該ピニオンと噛
合すると共にフロントハイトアジヤスタロツドを
中心として回動するギヤと、該ギヤにその一端が
回動可能に取付けられて他端がフロントシートク
ツシヨンのフロント側の締付部となるリンクと、
前記フロントシートクツシヨンの回動中心となる
該フロントシートクツシヨンのリヤ側の締付部
と、前記フロントハイトアジヤスタノブと前記ピ
ニオンの連動部に設けられたワンウエイブレーキ
機構とからなるフロントハイトアジヤスタを備
え、しかも、シートを常時上方に持ち上げるよう
に付勢しているトーシヨンバーと、該トーシヨン
バーを支持するロツドに固定されたロツク用リン
クと、該ロツク用リンクとシートに一体的に取付
けられたロアリヤブラケツトとを連結する連結リ
ンクと、リヤバーチカルアウタブラケツトに回動
可能に取付けられたリヤバーチカルハンドルを有
するレリーズアームと、前記リヤバーチカルアウ
タブラケツトに一体に取付けられて前記ロツク用
リンクと係合するロツクピンと、一端が前記リヤ
バーチカルアウタブラケツトに取付けられ、他端
が前記レリーズアームに取付けられて常時前記ロ
ツク用リンクと前記ロツクピンとが係合するよう
に付勢しているテンシヨンスプリングとからな
り、さらに、前記ロツドが前記リヤバーチカルア
ウタブラケツトに穿設された長穴と前記レリーズ
アームに設けられた長穴の両長穴に係合している
リヤハイトアジヤスタをも備えていることを特徴
としている。

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

第１図ないし第５図において、フロントハイト
アジヤスタノブ１には該ノブ１と連動して回転す
るピニオン２がノブ１に同心状態に取付けられて
いる。３はピニオン２と噛合するギヤであり、フ
ロントハイトアジヤスタロツド４を中心として回
動可能に配設されている。５はその一端がギヤ３
に回動可能に取付けられ、他端がフロントシート
クツシヨン６のフロント側の締付部７となるリン
クである。８はフロントシートクツシヨン６の回
動中心となる該フロントシートクツシヨン６のリ
ヤ側の締付部である。また、フロントハイトアジ
ヤスタノブ１とピニオン２の連動部にはウインド
レギユレータと同様のワンウエイブレーキ機構
（図示せず）が組込まれている。

１１は常時シートを持ち上げるように付勢して
いるトーシヨンバーであり、該トーシヨンバー１
１を支持するロツド１２にはロツク用リンク１３
が固定されている。１４はロツク用リンク１３と
シートに一体的に取付けられたロアリヤブラケツ
ト１５とを連結する連結リンクであり、１６はリ
ヤバーチカルアウタブラケツトである。１７はリ
ヤバーチカルアウタブラケツト１６にピン１８を
中心として回動可能となるように取付けられたリ
ヤバーチカルハンドル１７ａを有するレリーズア
ームであり、１９はリヤバーチカルアウタブラケ
ツト１６に一体に取付けられたロツクピンであ
る。また、２０は一端がリヤバーチカルアウタブ
ラケツト１６に取付けられ、他端がレリーズアー
ム１７に取付けられて常時ロツク用リンク１３と
ロツクピン１９とが係合するように付勢している
テンシヨンスプリングである。さらに、２１はリ
ヤバーチカルアウタブラケツト１６に穿設された
長穴であり、２２はレリーズアーム１７に穿設さ
れた長穴である。この両長穴２１，２２にはロツ
ド１２が係合している。

以上が本考案の一実施例の構成であるが、次に
作用を説明する。

まず、第１図を用いてフロントハイトアジヤス
タについて説明する。フロントシートクツシヨン
６の前縁を上げる場合、フロントハイトアジヤス
タノブ１を矢印Ａ方向に回す。そうすると、それ
に連動してピニオン２が同方向に回転し、該ピニ
オン２に噛合しているギヤ３はフロントハイトア
ジヤスタ４を中心として矢印Ｂ方向に回転する。
このギヤ３とフロントシートクツシヨン６のフロ
ント側の締付部７間にはリンク５が介在している
ので、ギヤ３の回転に伴ないフロント側の締付部
７が上方に移行する。これにより、フロントシー
トクツシヨン６はリヤ側の締付部８を中心にして
矢印Ｃ方向に回動し、二点鎖線で示す如く上昇す
る。フロントハイトアジヤスタノブ１とピニオン
２の連動部には、ウインドウレギユレータと同様
のワンウエイブレーキ機構（図示せず）が組込ま
れているので、フロントシートクツシヨン６側か
らの荷重に対してピニオン２が反転することはな
い。フロントシートクツシヨン６の前縁を下げる
場合は、フロントハイトアジヤスタノブ１を矢印
Ａとは反対側に回せば、上昇時と反対に動作する
ので、フロントシートクツシヨン６は下降する。

次いで、第２図ないし第５図を用いてリヤハイ
トアジヤスタの作用を説明する。第２図に示す如
く、ロツク用リンク１４とロツクピン１９とが係
合している場合はロツク状態であり、このロツク
状態を解除するには、リヤバーチカルハンドル１
７ａを矢印Ｄ方向に引き上げる。そうすると、レ
リーズアーム１７はテンシヨンスプリング２０の
付勢力に抗してピン１８を中心として回動し、両
長孔２１，２２とロツド１２との係合により、ロ
ツド１２は右方に移動し、これと共にロツク用リ
ンク１３が右方に移動して第３図に示す如くロツ
ク用リンク１４とロツクピン１９の係合が解除さ
れる。ロツク状態を解除すると、トーシヨンバー
１１によりシート後端は常に持ち上がるように付
勢されているためシート後端は上昇しようとす
る。この場合、シートスライド位置、着座者の体
重の相違等により、シートが上昇する場合としな
い場合がある。上昇した場合には、第４図に示す
如くになるが、トーシヨンバー１１の付勢力に打
ち勝つようにシートバツクに後方荷重を加えれば
シート後端を下げることができる。また、上昇し
ない場合は、腰を浮かし気味にすればシート後端
を上昇させることができる。そして、適当なシー
ト位置にてリヤバーチカルハンドル１７ａを離せ
ばテンシヨンスプリング２０によりロツクされ
る。

なお、リヤハイトアジヤスタとして、１回のハ
ンドル操作で全調節範囲が選択可能であり、か
つ、シート後端高さについては微細な調節は、逆
に位置が決めにくく不要であるため、有段式のも
のを用いたが、無段式のものでもよい。

以上述べた如き本考案によれば、体格の相違に
よるヘツドクリアランス不足、前方視界不足等の
不具合を解消するデユアルハイトアジヤスタ付シ
ートが提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例を示したもの
で、主にフロントハイトアジヤスタを説明するた
めの側面図、第２図は同じく主にリヤハイトアジ
ヤスタを説明するための側面図、第３図はリヤハ
イトアジヤスタの要部の側面図、第４図は同じく
要部の側面図、第５図はリヤハイトアジヤスタの
斜視図である。 １……フロントハイトアジヤスタノブ、２……
ピニオン、３……ギヤ、４……フロントハイトア
ジヤスタロツド、５……リンク、６……フロント
シートクツシヨン、７……フロント側の締付部、
８……リヤ側の締付部、１１……トーシヨンバ
ー、１２……ロツド、１３……ロツク用リンク、
１４……連結リンク、１５……ロアリヤブラケツ
ト、１６……リヤバーチカルアウタブラケツト、
１７……レリーズアーム、１７ａ……リヤバーチ
カルハンドル、１９……ロツクピン、２０……テ
ンシヨンスプリング、２１，２２……長穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントハイトアジヤスタノブと連動して回転
   するピニオンと、該ピニオンと噛合すると共にフ
   ロントハイトアジヤスタロツドを中心として回動
   するギヤと、該ギヤにその一端が回動可能に取付
   けられて他端がフロントシートクツシヨンのフロ
   ント側の締付部となるリンクと、前記フロントシ
   ートクツシヨンの回動中心となる該フロントシー
   トクツシヨンのリヤ側の締付部と、前記フロント
   ハイトアジヤスタノブと前記ピニオンの連動部に
   設けられたワンウエイブレーキ機構とからなるフ
   ロントハイトアジヤスタを備え、しかも、シート
   を常時上方に持ち上げるように付勢しているトー
   シヨンバーと、該トーシヨンバーを支持するロツ
   ドに固定されたロツク用リンクと、該ロツク用リ
   ンクとシートに一体的に取付けられたロアリヤブ
   ラケツトとを連結する連結リンクと、リヤバーチ
   カルアウタブラケツトに回動可能に取付けられた
   リヤバーチカルハンドルを有するレリーズアーム
   と、前記リヤバーチカルアウタブラケツトに一体
   に取付けられて前記ロツク用リンクと係合するロ
   ツクピンと、一端が前記リヤバーチカルアウタブ
   ラケツトに取付けられ、他端が前記レリーズアー
   ムに取付けられて常時前記ロツク用リンクと前記
   ロツクピンとが係合するように付勢しているテン
   シヨンスプリングとからなり、さらに、前記ロツ
   ドが前記リヤバーチカルアウタブラケツトに穿設
   された長穴と前記レリーズアームに設けられた長
   穴の両長穴に係合しているリヤバイトアジヤスタ
   をも備えていることを特徴とするデユアルハイト
   アジヤスタ付シート。