JPH0355483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、自動車車体等の被塗装物を移送し
ながら車体の塗装前処理工程、電着液中での浸漬
塗装工程及び乾燥工程を順次通過していくトロリ
ーコンベヤにおけるハンガー装置に関する。

従来の技術 従来、自動車車体等の被塗装物を電着塗装中に
浸漬させて通過させる際に、トロリーコンベヤの
可動部分より摩耗粉、塵埃、油その他の異物が塗
液中に落下しないように、塗液槽上において第３
図に示す如くハンガーＨとトロリーＴとの連結部
材Ａを移送路の一側方に開口するコ字状とし、異
物の受板Ｐを連結部材Ａのコ字状開口内に臨ませ
ていた。Ｂは車体である。

しかし、異物受板Ｐはトロリー直下のみに設け
られているため、トロリー以外の天井その他から
塗液中に異物が落下し汚染をする。そのため実願
昭58−31503号明細書に記載し第４図に示す如く、
ハンガーH′自体をコ字状にして車体Ｂの全上面
を異物受板P′で覆うことも提案されているが、こ
れは塗装前処理工程やこれに至るまでの移送工程
等における作業性を悪化させる欠点がある。

またハンガーH′のコ字形にした場合に、従来
はハンガーH′の載荷面を水平にするために、第
５図の如く、ハンガーH′を構成する前後１対の
コ字状支持アームＭの下部を適当な重量のつなぎ
材Ｎで結合していたのである。しかしながら、か
かるハンガー構造では、ハンガー吊り中心からつ
なぎ材Ｎまでの距離Ｌを充分大になし得ないの
で、つなぎ材Ｎの重量を大きくする必要があつ
て、ハンガー全体が重くなる不利がある。更に、
ハンガーH′に車体Ｂをアームリフターで移載す
る場合に、アームリフターの車体受部Ｒがつなぎ
材Ｎをよけて支持アームＭの前後方向の外側を昇
降するようにしなければならない。しかし、ハン
ガーH′が勾配路を移動する場合は、支持アーム
Ｍができるだけ前後方向に開いているのがよいか
ら、それより更に外側に車体受部Ｒを設けること
は、車体受け位置の点から不都合である。

考案が解決しようとする問題点 本案は従来の上記欠点を除去するとともに、ハ
ンガーH′の内側をアームリフターの支持アーム
Ｒが昇降し得るようにつなぎ材Ｎを除き、つなぎ
材Ｎに代つてハンガーの水平バランスを得ること
を目的とする。

問題点を解決するための手段 本案は、走行駆動されるトロリーに移送路の一
側方に開口するコ字状連結部材を取付け、該連結
部材の下部に、被移送物を載荷し且つ連結部材と
は反対の側に開口するコ字状の互に移送方向に離
間した１対の支持フレームをその縦部材間で互に
結合したハンガーを固定し、両支持フレームの上
部横部材を前記反対側方向に延長した端部間をハ
ンガーバランス部材で互に結合し、該バランス部
材もしくは前記端部に固定ガイドレールに係合す
るハンガー揺れ止め用ローラを取付け、ハンガー
バランス部材はハンガー揺れ止め用ローラと固定
ガイドレールとの間の接触圧を軽減するものであ
るトロリーコンベヤにおけるハンガー装置の構成
を要旨とする。

作 用 本案におけるハンガーはコ字状の１対の支持ア
ームの間をアームリフターの支持アームが昇降
し、ハンガーの水平バランスは、支持アームの上
部横部材の延長部分に固定したハンカーバランス
部材によつて得るのであり、また該バランス部材
に設けたローラを固定ガイドに接せしめてハンガ
ーの揺動を防ぐ。

実施例 第１〜２図において、駆動チエーン１はこれを
支持するローラ２がレール３に懸架して矢印方向
に走行し、４個のトロリー４を連結杆５とロード
バー６とで連結したトロリー連結体７は、先頭ト
ロリー４が駆動チエーン１と係脱可能の係合装置
８により係合して牽引される。ロードバー６には
トロリー４の直下において移送路の一側方に開口
する前後１対のコ字状連結部材９が固定され、両
連結部材９の下部に固着した縦杆１０の両端に、
連結部材９とは反対の側に開口するコ字状支持フ
レーム１１，１１′の上部横部材１１ａを固着す
る。前後の支持フレーム１１，１１′はその縦部
材１１ｂ，１１b′のほぼ中央部がロツド１２によ
り、また上部横部材１１ａの側方延長端がハンガ
ーバランス部材１３によりそれぞれ結合され、該
バランス部材１３の重量により、載荷面となる支
持フレーム１１，１１′の下部横部材１１ｃ，１
１c′を水平に保持する。支持フレーム１１，１
１′、ロツド１２及びハンガーバランス部材１３
は車体Ｂを載荷移送するハンガー１４を構成し、
ハンガーバランス部材１３から外側方に突出軸支
したハンガー揺れ止め用ローラ１５を固定ガイド
レール１６に係合させてハンガー１４の揺れ止め
を行わせる。ハンガーバランス部材１３はまたロ
ーラ１５と固定ガイドレール間の接触圧を軽減さ
せる。

ハンガー１４に車体Ｂを載脱荷するアームリフ
ターは、前後の支持フレーム１１，１１′の下部
横部材１１ｃ，１１c′の間を昇降する１対の伸縮
アーム１７を有し、その上に車体Ｂを支持してハ
ンガー１４との間の移載を行う。ロツド１２はア
ーム１７の上昇限より上方にあるので、アーム１
７は上昇してハンガー１４上の車体Ｂを支持した
のち、第１図右方に前進してハンガー１４から車
体Ｂを脱荷し、或はその逆動作によりハンガー１
４に載荷する。

考案の効果 本案は、上記構成を有し、連結部材とハンガー
支持フレームが移送路の側方に互に反対向きに開
口するコ字状をなすので、それぞれのコ字状開口
間に異物受板Ｐ，P′を設けて移送中における移送
物に対する作業性を高めうるとともに、良質な塗
装を行うことができるほか、ハンガーバランス部
材をハンガー吊持点より充分外側方に設けること
によつてハンガーを軽量ならしめ、揺れ止めロー
ラから受けるガイドローラ及び固定ガイドレール
の負荷を小になしうると同時に、ハンガー載荷面
に移送方向の部材がないので、移送物載脱荷用の
アームリフターの伸縮アームをハンガー支持フレ
ームの内側に昇降させて、移送物の適当な部位を
安定に支持させると同時に、アームリフターを小
形型しうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例の側面図、第２図は同
じく立面図、第３図，第４図は異る従来例の側面
図、第５図は従来例とアームリフターとの関連を
示す斜視図である。 ４……トロリー、９……連結部材、１１，１
１′……支持フレーム、１１ａ……上部横部材、
１１ｂ，１１b′……縦部材、１３……ハンガーバ
ランス部材、１５……ハンガー揺れ止め用ロー
ラ、１６……固定ガイドレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行駆動されるトロリーに移送路の一側方に開
   口する前後のコ字状連結部材を取付け、該連結部
   材の下部に、被移送物を載荷し且つ連結部材とは
   反対の側に開口するコ字状の互いに移送方向に離
   間した１対の支持フレームをその縦部材間で互い
   に結合したハンガーを固定し、両支持フレームの
   上部に固定した横部材を前記反対側方向に延長し
   た端部間をハンガーバランス部材で結合するとと
   もに、該バランス部材もしくは前記端部に固定ガ
   イドレールに係合するハンガー揺れ止め用ローラ
   を取付け、ハンガーバランス部材はハンガー揺れ
   止め用ローラと固定ガイドレールとの間の接触圧
   を軽減するものである、トロリーコンベヤにおけ
   るハンガー装置。