JPH0355376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はコンパクト容器に関し、特に、容体と
蓋とを後部においてヒンジ結合し、容体と蓋との
間に配した装着基部を容器の後部において蝶着
し、この装着基部に中皿を着脱自在に配してなる
コンパクト容器に関する。

［従来の技術］ このようなコンパクト容器としては、中皿後部
のフランジ面を延長してカール部を形成し、この
カール部を、装着基部に設けた摺動孔に挿入する
ようにしたものがある。

この容器は、摺動孔とカール部の軸心を一致さ
せて差込まねばならないので装着に手間がかか
る。そこで、実開昭61−77908号公報に示される
ように、装着基部に前方より装着孔を穿設し、こ
の装着孔内に、両側面より内方に向かつて係合突
部が突出した弾性片を挿入止着し、一方、中皿に
は、前記係合突部と係合する係合凹溝が側壁に刻
設された突入部を連設して、前記装着孔に前記突
入部を嵌入し、係合突部と係合凹溝を係合させて
なるコンパクト容器が提案されている。

［考案が解決しようとする問題点］ この従来のコンパクト容器においては、弾性片
の係合突部を係合凹溝の形状に対応させねばなら
ず、また、そのように対応させた弾性片を装着孔
内に挿入止着させねばならないので機構が複雑で
ある。

そこで、本考案は上記欠点を取り除くことを目
的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のコンパクト容器は、中皿の後端に、ヒ
ンジ軸と平行な円柱状の取付部を設け、かつ、装
着基部の前部が中空であつて中皿の方向に開口し
ており、この開口部が水平方向を向いているとき
の上壁又は下壁において適数の舌片が開口部へ延
びておつて、この舌片の先端部には係合突部が設
けられており、舌片の弾性によつて前記取付部を
前記前部に嵌入可能にし、前記突部によつて嵌入
された取付部の離脱を防止したものである。

［作用］ 本考案のコンパクト容器においては、中皿を装
着基部に装着する際には、中皿の取付部が舌片の
先端部に設けられた係合突部に当接するが、取付
部を強く押圧すると舌片の弾性によつて開口部が
押し拡げられ、取付部が装着基部の前部に嵌入さ
れる。前記取付部が前記前部に嵌入された後にお
いては、前記係合突部によつて取付部の離脱が防
げられる。中皿を装着基部から離脱させる際に
は、取付部を前部に対して強く引くと押圧時と同
様に開口部が押し拡げられ、取付部が前部から離
脱する。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。１は本考案に係るコンパクト容器であつて、
凹部１１を有する容体１０と、蓋２０と、容体１
０と蓋２０との間に配された化粧料収納用の中皿
３０と、この中皿３０を装着する装着基部４０と
よりなる。

容体１０および蓋２０はそれぞれの後部に配さ
れたヒンジ１２，２２を介して回動自在に結合さ
れている。２４は、蓋２０の前縁において後方に
突設された係合部材であつて、容体１０の前縁に
おける切欠部１４の後壁に設けられた係合突条１
２とともに蓋２０の閉合状態を保持する。１６は
前記切欠部１４内に配された押圧部であつて、こ
の押圧部１６を押すことにより、係合部材２４が
押し上げられて蓋２０が開放される。

中皿３０は、薄肉金属により皿状に形成されて
おり、その周縁において外方に拡がるフランジ面
３２を有している。フランジ面３２の後端中央部
は後方へカール状に延び円筒形状の取付部３４を
形成している。

装着基部４０は、前記取付部３４を装着する前
部４４と、この前部４４の後方に配されたヒンジ
４２とよりなり、ヒンジ４２がヒンジ１２，２２
に同軸に結合されることによつて容体１０に対し
て回動自在に支持されている。前部４４は、前記
中皿３０と対向する面が開放された断面Ｕ字状の
箱であつて、この前部４４の開口部は、取付部３
４における、直径を通り中皿３０の底面と直交す
る断面よりも若干大きく形成されている。開口部
が水平方向を向いているときにおける前部４４の
下壁４８には、４本のスリツトが設けられてお
り、これにより後方から開口部側へ延びる３枚の
舌片４５，４５，４６が平行して形成され、これ
ら舌片４５，４５，４６は上下方向への弾性を有
している。両端の舌片４５，４５の先端部には開
口面と平行に係合突条４７，４７が設けられ、前
部４４に嵌入された取付部３４の離脱を防止して
いる。このようにすることにつて、通常、中皿３
０は装着基部４０に固定されているが、前記取付
部３４を前部４４に対して強く押圧したり、引い
たりすると前部４４の開口部が拡がるので、中皿
３０の装着基部４０への着脱が可能となる。

なお、前記実施例においては、舌片４５，４
５，４６を３枚設けたがこれに限るものではな
い。また、舌片４５，４５，４６を上壁にのみあ
るいは上下両壁に設けてもよいし、係合突条４
７，４７の代わりに不図示の点状その他の突部を
設けてもよい。

さらに、前記実施例においては、中皿３０は薄
肉金属により形成されているが、プラスチツクに
より形成してもよく、その場合は取付部３４をカ
ール状の円筒状形でなく円柱状にすると成形が容
易である。

［考案の効果］ 本考案に係るコンパクト容器においては、装着
基部に設けた舌片の弾性によつて中皿の着脱が可
能となるので機構がきわめて簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例であるコンパクト
容器の分解斜視図、第２図は、同様における要部
の分解斜視図である。 符号の説明、１……コンパクト容器、１０……
容体、２０……蓋、３０……中皿、４０……装着
基部、３４……取付、４７……係合突条、４５，
４６……舌片、４８……下壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容体と、蓋と、両者間に配した中皿用の装着基
   部とを、それぞれの後部においてヒンジ結合し、
   この装着基部に中皿を着脱自在に配してなるコン
   パクト容器において、ヒンジ軸と平行な円柱状の
   取付部を前記中皿の後端に設け、かつ、前記装着
   基部の前部は中空であつて中皿の方向に開口して
   おり、この開口部が水平方向を向いているときの
   上壁又は下壁において適数の舌片が開口側へ延び
   ておつて、この舌片の先端部には係合突部が設け
   られており、舌片の弾性によつて前記取付部を前
   記前部に嵌入可能にし、前記突部によつて嵌入さ
   れた取付部の離脱を防止したことを特徴とするコ
   ンパクト容器。