JPH0725134Y2

JPH0725134Y2 - コンパクト容器

Info

Publication number: JPH0725134Y2
Application number: JP1989122524U
Authority: JP
Inventors: 登美雄田原; 次夫勝間田
Original assignee: 釜屋化学工業株式会社
Priority date: 1989-10-19
Filing date: 1989-10-19
Publication date: 1995-06-07
Anticipated expiration: 2004-10-19
Also published as: JPH0362506U

Description

【考案の詳細な説明】「産業上の利用分野」この考案は、中皿を取り替え可能にしたカートリッジ式
のコンパクト容器に関する。

「従来の技術」従来より化粧容器として広く利用されるコンパクト容器
の一つに、容器本体に収納する中皿を取り替え可能にし
かつ蓋体の開放を容易にしたコンパクト容器がある。

第７図はかかるコンパクト容器の従来例を示している
（実公昭61-7605号公報）。

このコンパクト容器は、上面に収納凹部１を有する容器
本体２と、容器本体２の後壁部にスプリング３を介して
ヒンジ結合された蓋体４と、収納凹所１に着脱可能に装
着される中皿５とから主要構成されている。そして、中
皿５を装着する際には、収納凹所１の仕切壁６に形成し
た係合突部6aに、中皿５の側面に設けた切欠弾性片７の
係合突部7aが弾性係合し、これにより中皿５の嵌合のば
らつきを抑えるようにしている。また、蓋体４を開ける
際には、スプリング３の戻り作用により、単にフック
８、８の係合を解くだけで蓋体４が開方向へ回動し、こ
れにより蓋体４の開操作を容易にしている。

「考案が解決しようとする課題」しかしながら、上記従来のコンパクト容器にあっては、
中皿５の嵌合のばらつきを抑え、かつ蓋体４の開操作を
楽にするといった利点がある反面、以下のような欠点を
有している。

すなわち、中皿５の装着嵌合の際に互いに弾性係合する
仕切壁６及び弾性片７は、各々が容器本体２あるいは蓋
体４に一体に成形されるため、各々の形状材質に制限が
あり、十分な弾性効果が得られないことである。したが
って、中皿５の装着性が悪いという欠点がある。

また、スプリング３は曲げながらヒンジ部内に組み込む
ようにしているため、組み立て作業性が悪いという欠点
があり、しかも、部品数が増えて製作コストがかさむ欠
点をも有している。

この考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、より簡
単な構造で、中皿の着脱操作及び蓋体の開放操作を共に
容易になし得るコンパクト容器を提供することを目的と
している。

「課題を解決するための手段」この考案は、上面に収納凹部を有する容器本体と、該容
器本体の一縁部に蝶番を介してヒンジ結合した蓋体と、
前記収納凹部に着脱自在に装着する中皿と、容器本体の
他縁部と蓋体の自由端に設け互いに係合可能な一対のフ
ックとを備えたコンパクト容器であって、前記収納部
は、容器本体の一縁部と該一縁部に対向して容器本体に
設けられた仕切片および両側壁との間に画成され、一縁
部と仕切片の互いの対向面には、中皿の前記係合部がそ
れぞれ係合する係合突部が形成され、前記蝶番を構成す
る容器本体側の蝶番凹部には、該蝶番凹部と前記収納部
とを互いに連通する貫通孔が穿設されるとともに、該貫
通孔に通して蝶番パーツが取り付けられており、この蝶
番パーツは、前記貫通孔内に収納配置される基部と、該
基部から前記蝶番凹部内に延び、閉蓋時に蓋体側の蝶番
凸部により押圧される押上げ片と、前記基部から前記収
納部内に延び、かつ前記一縁部に沿って横方向に延び、
中皿を着脱する際に横方向に弾性変形させられる横長な
弾性片とが断面略Ｕ字状に一体成形されてなることを特
徴としている。

「作用」蓋体を開けるべく、閉蓋状態からフックどうしの係合を
解くと、蓋体側の蝶番凸部により押圧されていた蝶番パ
ーツの押上げ片が逆に蝶番凸部を開方向へ押し上げる結
果、蓋体が開方向へ自動的に回動し、蓋体の開操作を自
らの力で行う。

また、中皿を容器本体の収納部に装着する際には、中皿
の側面で蝶番パーツの収納部内に延びる弾性片を押して
これを弾性変形させるとともに、中皿の係合部を容器本
体側の係合突起に係合させた後に中皿を離せば、中皿が
蝶番パーツの弾性片の弾発力を受けながら仕切片との間
に挟まれて装着されるので、中皿が嵌合のがたつきがな
く固定され、その嵌合動作がきわめてスムーズである。

「実施例」以下、この考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示してい
る。これらの図において、符号10は容器本体、符号11は
蓋体、符号12は中皿であり、これら符号10ないし12によ
って本考案のコンパクト容器は主要構成されている。

容器本体10は、第２図に示すように、偏平箱形状に形成
されているもので、容器本体10の上面には前後にパフ収
納部13及び中皿収納部（収納部）14がそれぞれ形成さ
れ、内周壁の上縁部には一周に亙って周突条15が突設さ
れている。パフ収納部13及び中皿収納部14の間には容器
本体10の両側壁近傍に仕切片16、16が突設され、両仕切
片16の中皿収納部14側には中皿12を装着するための係合
突部17が各々形成されている。各係合突部17に相対する
中皿収納部14の反対側の内壁には係合突部17とともに中
皿12を装着するための係合突部18が形成されている。

一方、容器本体10の前壁部（他縁部）19中央には上下及
び前方に開口する凹部20が形成され、凹部20の奥面中央
にはフック21が突設されている。かかる凹部20内には蓋
体11の開操作用の押釦22が収納配置されている。また、
容器本体10の後壁部（一縁部）23の中央には蝶番24を構
成する蝶番凹部25が切欠けられ、かつこの蝶番凹部25と
中皿収納部14を互いに連通する貫通孔26が下端に位置し
て穿設されている。なお、符号27は蝶番用のピン孔であ
る。

蓋体11は、容器本体10の上面すなわちパフ収納部13及び
中皿収納部14を覆うもので、蓋体11の内面には鏡28が貼
付されている。蓋体11の後壁部29には蝶番24を構成する
蝶番凸部30が形成され、この蝶番凸部30は容器本体10側
の蝶番凹部25に収納され、蝶番ピン31により容器本体10
の後壁部23に連結される。蓋体11の自由端32には閉蓋時
に容器本体10側のフック21に係合するフック33を内面に
有する突片34が垂設されている。

中皿12は、中皿収納部14に収納配置される偏平薄型容器
であって、上面に化粧料Ａを収納する化粧料収納部35が
形成されている。中皿12の前壁部36には上縁部前方へ鍔
部37が突設され、両端部中央に前記仕切片16の係合突部
17に係合する係合突部38、38が突設されている。中皿12
の後壁部39中央には前方及び下方に開口する凹状のリブ
当接部40がへこんで形成され、リブ当接部40の両端から
は後壁部39両端に延びて開口し前記係合突部18にそれぞ
れ係合する溝41、41が穿設されている。

このようなコンパクト容器において、容器本体10の後壁
部23の蝶番凹部25には、この考案の特徴である蝶番パー
ツ50が取り付けられている。

この蝶番パーツ50は、中皿収納部14から貫通孔26内に収
納配置される基部51と、基部51の背面から蝶番凹部25内
に延びる押上げ片52と、基部51の前面から中皿収納部14
内に延びる弾性片53とから構成され、これら各部材はプ
ラスチック、ゴム等の弾性材質により一体成形されてい
る。押上げ片52は蝶番凹部25の上端まで延び、その上端
には閉蓋時において蓋体11の蝶番凸部30内面により押圧
される凸状の当接部54が突設されている。弾性片53は中
皿収納部14の内壁に沿って平行に左右に等しく延びる横
長の板状部材で、その両端には内壁に当接する折曲げ部
55、55が形成され、弾性片53の前面には中皿12の装着の
際に中皿12の後壁部39のリブ当接部40に当接可能な縦リ
ブ56が２箇所に設けられている。

次に、このように構成されたコンパクト容器の作用を説
明する。

［コンパクト容器の組立］第２図に示す各部材から第１図の如く、コンパクト容器
を組み立てるには、蝶番ピン31を蝶番凹部25及び蝶番凸
部30に挿通して、容器本体10及び蓋体11を互いにヒンジ
結合しておく。また蝶番パーツ50を組み付けるには、押
上げ片52を容器本体10の中皿収納部14側から貫通孔26を
通して蝶番凹部25内に出し、押上げ片52及び弾性片53で
壁部を挟むようにしてセットするだけでよい。これによ
り、基部51が貫通孔26内にセットされ、かつ押上げ片52
及び弾性片53が壁部を挟むので、蝶番パーツ50ががたつ
くことはない。

［中皿の装着］上記状態から、中皿12を装着するには、第６図のよう
に、中皿12の後壁部39からまず中皿収納部14内に差し入
れ、後壁部39の溝41を内壁の係合突部18に合わせて係合
させる状態で、後壁部39のリブ当接部40を蝶番パーツ50
の弾性片53の縦リブ56に当接させ、これを押圧して弾性
片53を内方に湾曲させるようにして弾性変形せしめ、こ
れにより中皿12を蝶番24側へ寄らせる。さらに、この状
態で中皿12の前壁部36側を降ろして、前壁部36の鍔部37
を仕切片16の上端に降ろすことで、中皿12が中皿収納部
14内に収納される。後は指を離せば、蝶番パーツ50の弾
性片53の復帰作用により、中皿12が前方へスライドして
前壁部36の係合突部38が仕切片16の係合突部17に係合
し、弾性片53の付勢力により仕切片16との間にがたつく
ことなく保持されることになる。

［蓋体の開閉操作］この状態から、蓋体11を閉方向に回動させ、フック21、
33を互いに係合させれば第４図の如く蓋体11を閉じるこ
とができる。この閉蓋状態では、蝶番パーツ50の押上げ
片52が、第１図に示す如く蓋体11の蝶番凸部30内面によ
り常時フック21、33どうしの係合が解かれない程度の力
で押圧されている。

この状態から、蓋体11を開けるべく、押釦22を奥方に押
圧してフック21、33の係合を単に解くと、蝶番パーツ50
の押上げ片52の付勢作用により、第５図の如く蓋体11が
受動的に開方向へ押し上げられある程度開放される。し
たがって、楽に蓋体11を開けることができる。

［中皿の取替］蓋体11を完全に開放した状態において、中皿12を取り替
えるには、指先でもって中皿12の後壁部39のリブ当接部
40を蝶番パーツ50に当てて弾性片53を押圧しながら奥方
へ湾曲させ、これにより中皿12の前壁部36の係合突部38
を仕切片16の係合突部17から容易に離し、中皿12の前壁
部36を引き上げて上方へ外す。これにより中皿12が取り
替え可能となり、後は、前述した方法で新たな中皿12を
中皿収納部14へセットすれば良い。

この実施例のコンパクト容器によれば、以下のような効
果を奏する。

蓋体11の開放操作においては、閉蓋状態で、蝶番パー
ツ50の押上げ片52が蓋体11の蝶番凸部30内面により押圧
されているので、押釦22によりフック21、33どうしの係
合を単に解くだけで、前記蝶番パーツ50の押上げ片52の
反発作用により、自動的に蓋体11がある程度開放される
ことになり、その結果、蓋体11の開放操作が楽である。

中皿12の取り替え作業においては、中皿12の後壁部39
で蝶番パーツ50の弾性片53を弾性変形させながら、中皿
12の前壁部36をそのまま中皿収納部14に降ろすだけで、
中皿12を楽に装着できる。即ち、中皿12の前壁部36の係
合突部38と仕切片16の係合突部17との間に乗り越え抵抗
を生じさせることがないので、両者を容易に係合させる
ことができる。この装着状態においては、中皿12が弾性
片53の付勢力により蝶番パーツ50と仕切片16との間に付
勢された状態に嵌合されるので、中皿12のがたつきや嵌
合ばらつきが生じることがない。

また、上記した蝶番パーツ50の弾性片53の弾性作用によ
り、中皿12を容易に取外すことができる。これにより中
皿12の着脱が軽く固定が確実な構造を得ることができ
る。

蝶番パーツ50は、前記したように蓋体11の押上げ作用
と中皿14の係合作用を兼用するもので、各機能毎に部材
を必要とせず、押上げ片52と弾性片53とを一体成形して
なる単一部材であり、大量生産向きである。また、組立
時においても、容器本体10の後壁部23の貫通孔26を介し
て蝶番凹部25に単に組み付けるだけなので、組立作業性
にも優れている。

蝶番パーツ50は、後壁部23に形成した貫通孔26に通し
て取り付けられる断面Ｕ字状であり貫通孔26に通すにあ
たって特に大きな弾性変形を必要としないので比較的硬
質の材料で形成でき、しかも中皿12を押圧する弾性片53
は横長で板状をなし横方向に弾性変形するので、薄肉化
が容易であり、かつ収納部14内における蝶番パーツ50の
両側のデッドスペースをなるべく小さくでき、しかも外
部に大きく突出しないので外観デザインの自由度を損ね
ない。

「考案の効果」以上詳細に説明したように、この考案は、上面に収納部
を有する容器本体と、該容器本体の一縁部に蝶番を介し
てヒンジ結合した蓋体と、前記収納凹所の着脱自在に装
着する中皿と、容器本体の他縁部及び蓋体の自由端に設
け互いに係合可能な一対のフックとを備えたコンパクト
容器であって、前記収納部は、容器本体の一縁部と該一
縁部に対向して容器本体に設けられた仕切片および両側
壁との間に画成され、一縁部と仕切片の互いの対向面に
は、中皿の前記係合部がそれぞれ係合する係合突部が形
成され、前記蝶番を構成する容器本体側の蝶番凹部に
は、該蝶番凹部と前記収納部とを互いに連通する貫通孔
が穿設されるとともに、該貫通孔に通して蝶番パーツが
取り付けられており、この蝶番パーツは、前記貫通孔内
に収納配置される基部と、該基部から前記蝶番凹部内に
延び、閉蓋時に蓋体側の蝶番凸部により押圧される押上
げ片と、前記基部から前記収納部内に延び、かつ前記一
縁部に沿って横方向に延び、中皿を着脱する際に横方向
に弾性変形させられる横長な弾性片とが断面略Ｕ字状に
一体成形されてなることを特徴とすることから、蝶番パ
ーツにおける押上げ片の押上げ作用により蓋体の開放操
作を、また弾性片の良好な弾性作用により中皿の着脱操
作を、それぞれ容易に行なわせることができる。また、
上記２つの機能を１つの部材でなし得るから、コンパク
ト容器の部品数の増加を抑えるとともに、組立性を良好
とすることができる等の効果を奏する。蝶番パーツは、
一縁部に形成した貫通孔に通して取り付けられる断面Ｕ
字状であり貫通孔に通すにあたって特に大きな弾性変形
を必要としないので比較的硬質の材料で形成でき、しか
も中皿を押圧する弾性片は横長で板状をなし横方向に弾
性変形するので、薄肉化が容易であり、かつ収納部内に
おける蝶番パーツの両側のデッドスペースをなるべく小
さくでき、しかも外部に大きく突出しないので外観デザ
インの自由度を損ねない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図はこの考案の第１実施例を示すもの
で、第１図はコンパクト容器の縦断面図、第２図はコン
パクト容器の分解斜視図、第３図は蝶番パーツを組み付
けた状態を示す容器本体の斜視図、第４図はコンパクト
容器の第３図におけるIV-IV線断面図、第５図は開蓋状
態のコンパクト容器の縦断面図、第６図は中皿の着脱操
作時における作用を説明するコンパクト容器の要部断面
図、第７図は従来のコンパクト容器の一例の要部断面図
である。 10……容器本体、11……蓋体、12……中皿、14……中皿
収納部（収納部）、19……前壁部（他縁部）、21、33…
…フック、24……蝶番、25……蝶番凹部、23……後壁部
（一縁部）、30……蝶番凸部、32……自由端、50……蝶
番パーツ、52……押上げ片、53……弾性片。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上面に収納部（14）を有する容器本体（1
0）と、該容器本体（10）の一縁部（23）に蝶番（24）
を介してヒンジ結合された蓋体（11）と、前記収納部
（14）に係合部（38、41）を介して着脱自在に装着され
る中皿（12）と、容器本体の他縁部（19）及び蓋体の自
由端（32）に設けられ互いに係合可能な一対のフック
（21、33）とを備えたコンパクト容器において、前記収納部（14）は、前記容器本体（10）の一縁部（2
3）と該一縁部（23）に対向して容器本体（10）に設け
られた仕切片（16）および両側壁との間に画成され、一縁部（23）と仕切片（16）の互いの対向面には、中皿
（12）の前記係合部（38、41）がそれぞれ係合する係合
突部（17、18）が形成され、前記蝶番（24）を構成する容器本体（10）側の蝶番凹部
（25）には、該蝶番凹部（25）と前記収納部（14）とを
互いに連通する貫通孔（26）が穿設されるとともに、該
貫通孔（26）に通して蝶番パーツ（50）が取り付けられ
ており、この蝶番パーツ（50）は、前記貫通孔（26）内に収納配置される基部（51）と、該基部（51）から前記蝶番凹部（25）内に延び、閉蓋時
に蓋体側の蝶番凸部（30）により押圧される押上げ片
（52）と、前記基部（51）から前記収納部（14）内に延び、かつ前
記一縁部（23）に沿って横方向に延び、中皿（12）を着
脱する際に横方向に弾性変形させられる横長な弾性片
（53）とが断面略Ｕ字状に一体成形されてなることを特
徴とするコンパクト容器。