JPH035467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は車両の自動変速装置に関する。

（従来技術） 自動車にあつては、運転者の負担を軽くする上
から、自動車変速装置が既に広く採用されてい
る。

このうち、例えば本出願人により実願昭57−
177192号として提案されたものは、トリクコンバ
ータを備えない、メカニカルクラツチ方式のもの
で、第４，５図のように構成されている。

第４，５図において、燃料噴射ポンプ１１を備
えたデイーゼルエンジン１０には、機械式デイス
ククラツチ２０を介し、公知のカウンタシヤフト
を備えた変速機３０が取付けられ、その変速機３
０のメインシヤフト３１は、図示しないリアアク
スルに連係している。

エンジン１０には、エンジン回転速度を検出す
るエンジン回転センサ１２が、また燃料噴射ポン
プ１１にはガバナ１１ａを駆動しエンジン回転数
を制御するガバナ制御装置１３が設けられてい
る。

クラツチ２０には、クラツチの断続位置を検出
するクラツチ位置センサ２１と、クラツチの断続
を制御するクラツチ断続装置２２とが設けられて
いる。

変速機３０には、そのメインシヤフト３１の回
転数を検出して車速を検出する車速センサ３２
と、カウンタシヤフトの回転数を検出するカウン
タシヤフト回転センサ３３と、ギヤシフト位置を
検出するシフト位置センサ３４と、ギヤシフトを
制御するギヤシフト装置３５とが設けられてい
る。

また例えばアクセルペダル１４には、ペダル開
度すなわちエンジン負荷を検出する負荷センサ１
５が設けられている。

一方、制御装置４０は、前記エンジン回転セン
サ１２、車速センサ３２および負荷センサ１５の
検出信号に基づいて、変速すなわちシフトチエン
ジすべきか否かを判定するシフトチエンジ判定回
路４１と、そのシフトチエンジ判定回路４１の判
定信号およびシフト位置センサ３４の検出信号に
基づいてシフトチエンジをすべき信号を出力する
シフトチエンジ制御回路４２と、後述するエンジ
ン制御回路４３、クラツチ断続制御回路４４およ
びトランスミツシヨン制御回路４５とよりなるも
のである。

エンジン制御回路４３は、シフトチエンジ制御
回路４２の出力信号と、エンジン回転セサ１２の
検出信号に基づいて、ガバナ制御装置１３を作動
してエンジン回転数をギヤシフトに対して最適に
制御する。

クラツチ断続制御回路４４は、変速すなわちシ
フトチエンジ制御回路４２の出力信号と、クラツ
チ位置センサ２１の検出信号に基づいて、クラツ
チ断続装置２２を作動してギヤシフトを最適に行
ない得るように、クラツチ２０を断続制御する。

トランスミツシヨン制御回路４５は、シフトチ
エンジ制御回路４２の出力信号と、カウンタシヤ
フト回転センサ３３およびシフト位置センサ３４
の検出信号に基づいて、ギヤシフト装置３５を作
動して、予め設定されたパターンにもとづいてギ
ヤシフトを制御する。

Ｄレンジ（自動変速レンジ）走行中に、シフト
チエンジ判定回路４１で、例えばシフトアツプす
べき判定があつた場合、その判定信号に基づきシ
フトチエンジ制御回路４２からシフトアツプ指令
が各制御装置４３〜４５に出力される。すると、
クラツチ断続制御回路４４から、クラツチ２０を
切断すべき制御信号がクラツチ断続制御回路２２
に出力され、それによりクラツチ２０は切断さ
れ、かつアクセル開度が零％すなわちアイドリン
グ状態となる。また同時に、エンジンを制御する
ためにエンジン制御回路４３から制御信号をガバ
ナ制御装置１３に出力する。ギヤシフト制御装置
４５から、変速機３０をニユートラルにすべき制
御信号がギヤシフト装置３５に出力され、変速機
はニユートラルにされる。

カウンタシヤフトの回転数は急速に低下する
が、次変速段階にシンクロすべきカウンタシヤフ
トの回転数とメインシヤフトの回転数がほぼ同じ
になつたときに、変速機がシフトアツプされて、
次いでクラツチが接続される。

尚、エア圧式アクチユエータによつて変速機の
ギヤシフトを自動的に行なう自動変速機におい
て、変速機をニユートラルに戻さずに長時間駐車
（エンジン停止）すると、その間にアクチユエー
タ駆動用のエア圧が漏れて、発進時にエンジンの
始動が不可能になるのを防止するために、駐車時
に変速機をニユートラルに戻さないと、エンジン
が停止しないようにしたものが、実願昭58−
113539号に提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、このような自動変速装置にあつて
は、低速走行に移行して、エンジン回転数がアイ
ドル回転付近に低下すると、エンストを防止する
ためにクラツチ２０を切断し、エンジン回転及び
車速がゼロになつた（停車）時点でクラツチ２０
を接続するようになつているが、停車時に車速が
ゼロになる前に、例えばエンジン回転がアイドル
回転付近に低下する前にエンジンキースイツチが
オフにされると、エンジン回転の停止によつて、
クラツチ断続装置２２のアクチユエータ例えば油
圧を供給する油圧ポンプ等の駆動が停止されるた
め、制御装置４０がクラツチ２０を切断するよう
に動作すると、油圧不足でクラツチアクチユエー
タが中途半端なストローク位置で停止してしま
い、これが故障の原因となるという問題点があつ
た。

（問題点を解決するための手段） この考案はこのような問題点を解決するため
に、第１図のように車両の運転状態に応じて予め
設定したパターンに基づき、ギヤシフト及びクラ
ツチの断続を自動的に行なう車両の自動変速装置
において、車速を検出する手段Ａと、エンジン回
転数を検出する手段Ｂと、クラツチのストローク
位置を検出する手段Ｃと、エンジンキースイツチ
のオン・オフを検出する手段Ｄと、走行時にエン
ジンキースイツチをオフにするとその時のクラツ
チ状態を保つて、エンジン回転及び車速がゼロに
なつた時にクラツチが切断状態であれば接続する
クラツチ制御手段Ｅとを設ける。

（作用） 従つて、低速走行時にエンジンキースイツチを
オフにしてもクラツチ制御手段Ｅはその時のクラ
ツチ状態を保持する（即ちクラツチアクチユエー
タは油圧の必要な切断作動を行なわない）ため、
従来のように油圧不足でクラツチ断続装置に作動
不良及び故障が発生する心配がない。

（実施例） 以下、この考案を第２，３図の実施例に従つて
説明する。尚、第４，５図と同一部分は同符号を
付す。

１２はエンジン回転センサ、２１はクラツチ位
置センサ、３２はメインシヤフト回転センサ（車
速センサ）、３３はカウンタシヤフト回転センサ、
３４は変速機３０のシフト位置センサ、１５は負
荷センサ（アクセル開度センサ）で、これらの検
出信号は制御装置（マイクロコンピユータ）４０
Ａに入力される。

６０はエンジンキースイツチ６１がオンの時に
マイクロコンピユータ４０Ａで電源回路６２を開
閉するシステムリレーで、システムリレー６０は
エンジンキースイツチ６１がオフにされても、車
速がゼロで、かつクラツチ（図示せず）が接続状
態になるまでは電源回路６２を閉成状態に保つよ
うになつている。６３はバツテリを示す。

マイクロコンピユータ４０Ａは主にマイクロプ
ロセツサ（中央演算装置）５０と、メモリ（記憶
装置）５１と、インターフエース（入出力信号処
理装置）５２とから構成され、従前と同じく変速
時にガババナ制御装置１３、クラツチ断続装置２
２、ギヤシフト装置３５に制御信号を出力し、最
適な変速段にギヤシフトすると共に、ギヤシフト
を円滑に行ない得るようにエンジン回転及びクラ
ツチストロークを制御する。

そして、マイクロコンピユータ４０Ａは走行時
にエンジンキースイツチ６１がオフにされたとき
に、その時のクラツチ状態を保つて、エンジン回
転及び車速がゼロになつた時に必要に応じてクラ
ツチを接続状態に戻すようになつている。

第３図は上記制御を実行するフローチヤート
で、走行中にエンジンキースイツチがオフにされ
ると、ステツプ101でその時のクラツチ位置をみ
て、クラツチが切断状態の時にはステツプ102，
103へと進みエンジン回転がゼロでかつ車速がゼ
ロになつた時にステツプ104でクラツチを接続状
態に戻す。

このように、走行中にエンジンキースイツチが
オフされた時には、その時点から停車（エンジン
回転及び車速はゼロ）に至るまで、油圧の必要な
クラツチ切断作動を一切行なわないようにしたの
で、従来のようにクラツチ断続装置２２が油圧不
足のために作動不良や故障を起こす心配はなくな
る。

（考案の効果） 以上要するにこの考案によれば、走行中にエン
ジンキースイツチがオフにされると、その状態で
はクラツチ切断作動を行なわないようにしたので
クラツチ断続装置等の作動性、信頼性が向上する
という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のクレーム対応図、第２図は
この考案の実施例を示す概略構成図、第３図は同
じく制御動作の一例を示すフローチヤート、第４
図は従来装置の概略構成図、第５図は同じく制御
装置のブロツク図である。 １２……エンジン回転センサ、１３……ガバナ
制御装置、１５……負荷センサ（アクセル開度セ
ンサ）、２１……クラツチ位置センサ、２２……
クラツチ断続装置、３２……メインシヤフト回転
センサ（車速センサ）、３４……シフト位置セン
サ、３５……ギヤシフト装置、４０Ａ……マイク
ロコンピユータ、６０……システムリレー、６１
……エンジンキースイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の運転状態に応じて予め設定したパターン
   に基づき、ギヤシヤフト及びクラツチの断続を自
   動的に行なう車両の自動変速装置において、車速
   を検出する手段と、エンジ回転数を検出する手段
   と、クラツチのストローク位置を検出する手段
   と、エンジンキースイツチのオン・オフを検出す
   る手段と、走行時にエンジンキースイツチをオフ
   にするとその時のクラツチ状態を保つて、エンジ
   ン回転及び車速がゼロになつた時にクラツチが切
   断状態であれば接続するクラツチ制御手段とを備
   えたことを特徴とする車速の自動変速装置。