JPH0353483Y2

JPH0353483Y2 -

Info

Publication number: JPH0353483Y2
Application number: JP1985118949U
Authority: JP
Priority date: 1985-08-02
Filing date: 1985-08-02
Publication date: 1991-11-22
Also published as: JPS6228421U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、チツプ化された電子部品、たとえ
ば、抵抗、コンデンサ、半導体素子等をプリント
配線基板上に形成された導電パターン間に正確か
つ安定に取り付けるためのキヤツプ電極の構造に
関するものである。

〔従来の技術〕

チツプ部品の大きさが軽薄短小化されるに従つ
て、プリント配線基板上に形成される導電パター
ン間の幅は、狭くなつてきた。そして、チツプ部
品は、自動挿入機によつて、自動的にプリント配
線基板上の狭い導電パターン間に正確でしかも安
定に取り付けられることが要求される。

たとえば、従来、第１図に示すように、チツプ
部品４は、その両端にキヤツプ電極３を嵌合した
後に、当該キヤツプ電極３をプリント配線基板１
上に形成された導電パターン２間に半田７によつ
て取り付けられていた。

しかし、プリント配線基板１には、半田付け処
理の熱による歪み、あるいは振動等の原因によつ
て、チツプ部品４の軸方向の力、あるいは反り返
る方向の力が加えられ、チツプ部品４は、キヤツ
プ電極３から離脱する。これを防止する手段とし
て、キヤツプ電極３の幅を大きくし、チツプ部品
４とキヤツプ電極３との摩擦抵抗を増加するもの
が考えられてきた。

このように、キヤツプ電極３の幅が広くなり、
プリント配線基板１上に形成された導電パターン
２間の距離が狭くなると、当該キヤツプ電極３を
備えたチツプ部品４は、上記導電パターン２上に
取り付けられないことになる。また、当該チツプ
部品４が抵抗である場合、キヤツプ電極３の幅を
増加した分、抵抗器の有効長さが減少してしま
う。

さらに、チツプ部品４とキヤツプ電極３との取
り付けを堅固にするために、両者の工作精度を上
げることが考えられたが、これらの工作精度を上
げると、チツプ部品４がキヤツプ電極３から離脱
するのを困難にすることはできても、逆にチツプ
部品４をキヤツプ電極３に嵌合する際の作業を困
難にした。特に、チツプ部品４が自動挿入機の使
用によつてキヤツプ電極３に挿入される場合に問
題があつた。

次に考えられたキヤツプ電極３には、第２図お
よび第３図に示すように、その周囲に押し出し加
工によつて、多数の突出部５が設けられた。この
突出部５の方向は、チツプ部品４の軸方向および
チツプ部品４の軸と直角方向のものがある。第２
図に示す、チツプ部品４の軸方向と同じ方向の突
出部５は、チツプ部品４の挿入が比較的簡単であ
る。しかし、半田付け処理による熱の影響でプリ
ント配線基板１が反つたり、あるいは伸び縮みし
た場合、チツプ部品４の軸方向の摩擦抵抗が少な
いため、チツプ部品４は、キヤツプ電極３から離
脱し易い。

また、第３図に示す、チツプ部品４の軸と直角
方向の突出部５は、チツプ部品４が上記軸方向に
対する力を受けると、チツプ部品４とキヤツプ電
極３との摩擦抵抗が大きく離脱し難い。しかし、
チツプ部品４は、キヤツプ電極３に挿入する際の
摩擦抵抗が大きく作業性が悪い。

たとえば、実開昭55−14788号公報に記載され
たキヤツプ電極には、電極圧接用突起と、チツプ
部品と同軸方向のスリツトとが形成されている。
また、先願である実開昭61−177430号公報に記載
されたキヤツプ電極には、円周方向に沿つて形成
された突起およびリング状突起が形成されてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来例におけるキヤツプ電極３を嵌合した
チツプ部品４は、プリント配線基板１に形成され
たパターン上に接着剤で仮固定された後、デイツ
プ半田槽に入れられ、半田付けされ、その後、冷
却される。この際の熱処理により、プリント配線
基板１には、その軸方向に伸び縮みが発生する。

特に、プリント配線基板１に上記熱衝撃による
延びる方向の力が働いた場合、熱膨張の小さいチ
ツプ部品４は、キヤツプ電極３から脱落する。

また、キヤツプ電極３とプリント配線基板１に
形成されたパターンとの半田付けは、キヤツプ電
極３の周囲に凹凸を設けない場合、その取り付け
強度が弱い。

本考案は、上記欠点を除去するもので、キヤツ
プ電極を嵌合したチツプ部品は、プリント配線基
板の導電パターンに取り付けられる際に、当該チ
ツプ部品に上記半田デイツプ槽の熱が加えられ
て、その軸方向の力が加えられたとしても、チツ
プ部品から離脱しないキヤツプ電極を提供するこ
とを目的とする。

すなわち、上記熱変化によるチツプ部品の軸方
向の力に対してできるだけ摩擦抵抗が大きく、チ
ツプ部品とキヤツプ電極の離脱を防止できると共
に、チツプ部品を挿入する際は、容易に挿入でき
るキヤツプ電極を提供することを目的とする。

また、本考案は、プリント配線基板の導電パタ
ーン上に半田によつて取り付けた場合、突出部の
形状によつて、堅固な固定を可能とするキヤツプ
電極を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本考案のチツプ部
品用キヤツプ電極３は、チツプ部品４の両端を支
持すると共に、プリント配線基板１の導電パター
ン２間と電気的に接続するものであつて、当該キ
ヤツプ電極３の全周にわたつて設けられ、チツプ
部品４の軸方向とこの軸方向に対して直角方向と
の中間方向で、かつキヤツプ電極３の内周面で、
しかもキヤツプ電極３の端部に向けて多数の幅の
狭い先細状の突出部５′を回転ネジ状に備えるよ
うに構成される。

〔作用〕

チツプ部品とキヤツプ電極は、上記デイツプ半
田槽に入れた際の温度変化によつて、チツプ部品
にその軸方向の力が加わつても、チツプ部品をキ
ヤツプ電極に押し込む際に、自動的に回転を与え
ながら挿入したものであるから、チツプ部品をキ
ヤツプ電極から抜くためには、逆回転方向にねじ
らない限り抜けない。すなわち、チツプ部品は、
温度変化等により、その軸方向の力が加わつても
キヤツプ電極から離脱しない。

また、キヤツプ電極の突出部は、キヤツプ電極
の外部から内方向で、しかもキヤツプ電極の端部
に向けて多数の幅の狭い先細で、回転ネジ状に成
形されているため、チツプ部品を回転しながらキ
ヤツプ電極に挿入すると簡単に受け入れられる。

さらに、チツプ部品に対してキヤツプ電極から
抜けるような軸方向の力が加わつた場合、キヤツ
プ電極の端部に向けて設けられた幅の狭い先細状
の突出部は、チツプ部品に食い込む。したがつ
て、チツプ部品とキヤツプ電極とは、離脱するこ
とがない。

〔実施例〕

本考案は、キヤツプ電極３に設けられた突出部
５′の向きを第２図および第３図における向きの
中間の向き、たとえば、プリント配線基板１の面
に対して略45度の傾斜とし、この突出部５′を押
し出し加工によつて、キヤツプ電極３の外側から
内側に向けて設ける。そして、上記突出部５′は、
チツプ部品４に対して、回転ネジのごとく形成さ
れている。

チツプ部品４の両端には、上記のような突出部
５′が設けられたキヤツプ電極３を嵌合する。当
該嵌合に際し、当該チツプ部品４は、略45度に傾
斜した突出部５′に突き当たるが、さらにチツプ
部品４をその軸方向に押し込むと、チツプ部品４
は、自動的に回転しながらキヤツプ電極３にねじ
込まれる。したがつて、チツプ部品４を回転させ
るための特別な装置は、必要なく従来のチツプ部
品４をキヤツプ電極３に押し込む装置だけです
む。

このようなキヤツプ電極３を嵌合したチツプ部
品４は、たとえば、半田デイツプ槽を通すことに
より、プリント配線基板１に取り付けられる。

当該プリント配線基板１は、この半田デイツプ
槽を通す際の熱衝撃によつて、伸び縮みが起こ
る。

すなわち、チツプ部品４の軸方向の力が加わつ
て、チツプ部品４は、キヤツプ電極３から抜ける
方向に働く。

しかし、前述のごとく、本考案のチツプ部品４
は、キヤツプ電極３に回転しながらねじ込んだも
のであるから、チツプ部品４をキヤツプ電極３か
ら抜くためには、逆方向にねじりながら抜かなく
てはならない。すなわち、チツプ部品４は、その
軸方向の力が加わつてもキヤツプ電極３から離脱
することはない。

また、この突出部５′は、従来のものより幅の
狭く細長い、先細で回転ネジ状になるような形状
のものとし、かつ、第５図に示すようにキヤツプ
電極３の端部８方向に向けて押し出されている。

このようにしてできたキヤツプ電極３に装着さ
れたチツプ部品４に対して、軸方向の力が加わる
と、前記突出部５′の先端部がチツプ部品４に食
い込んで、両者は離脱することがない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、キヤツプ電極の周囲に設けた
突出部の向きをチツプ部品の軸方向とこの軸方向
に対して直角方向との中間方向に傾斜して設けた
ので、当該キヤツプ電極を嵌合したチツプ部品が
プリント配線基板に取り付けられて、環境の温度
サイクルによるチツプ部品の軸方向の動きを受け
ても、チツプ部品は、キヤツプ電極に嵌合する際
にねじ込んだ方向と逆に回転する動きを与えない
限りキヤツプ電極から抜けない。

また、本考案によれば、キヤツプ電極に設けた
突出部は、キヤツプ電極の端部（有底部）に向け
て突出しているので、チツプ部品は、回転しなが
ら入り易く、チツプ部品の軸方向に抜ける力を加
えても、上記突出部がチツプ部品に食い込んで抜
けない。

さらに、チツプ部品は、キヤツプ電極に押し込
まれる際に、自動的に回転が与えられて、キヤツ
プ電極に挿入されるので、チツプ部品に回転を与
えるための特別な装置を必要とせずに、従来の装
置をそのまま使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はチツプ部品をプリント配線基板に取り
付けた正面図、第２図および第３図は従来のキヤ
ツプ電極の拡大された正面図、横断面図、側断面
図、第４図は本考案のキヤツプ電極の拡大された
正面図、横断面図、側断面図、第５図はキヤツプ
電極の一部を更に拡大した横断面図である。１……プリント配線基板、２……導電パター
ン、３……キヤツプ電極、４……チツプ部品、５
……突出部、６……凹部、７……半田。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】チツプ部品の両端を支持すると共に、プリント
配線基板の導電パターン間と電気的に接続するチ
ツプ部品用キヤツプ電極において、当該キヤツプ電極の全周にわたつて設けられ、
チツプ部品の軸方向とこの軸方向に対して直角方
向との中間方向で、かつキヤツプ電極の内周面
で、しかもキヤツプ電極の端部に向けて多数の幅
の狭い先細状の突出部を回転ネジ状に備えたこと
を特徴とするチツプ部品用キヤツプ電極。