JPH0353330B2 - - Google Patents

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JPH0353330B2
JPH0353330B2 JP62070471A JP7047187A JPH0353330B2 JP H0353330 B2 JPH0353330 B2 JP H0353330B2 JP 62070471 A JP62070471 A JP 62070471A JP 7047187 A JP7047187 A JP 7047187A JP H0353330 B2 JPH0353330 B2 JP H0353330B2
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JP
Japan
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compound
meth
cured product
weight
polymerization
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JP62070471A
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JPS63238132A (ja
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Yoichiro Takenoshita
Haruo Yoshida
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は貯蔵安定性に優れたポリチオエーテル
骨格を有する重合性ビニル化合物の製造方法に関
し、特に重合に際して均質かつ酸化安定性の良好
な硬化物を与えるポリチオエーテル骨格を有する
重合性ビニル化合物の製造方法に関する。 従来の技術 オレフイン化合物とチオール化合物がラジカル
的に反応することはチオエーテルの合成反応とし
てあまねく知られるところであり、また両成分を
多官能化合物とすることにより、重合させること
も試みられている。例えば、大津らはビスメタク
リルアミドとジチオールとの反応を試み、ラジカ
ル開始剤あるいは塩基触媒では正常付加による重
合反応が進むが、酸触媒では異常付加による重合
反応で進むことを見出している〔工化、第69巻、
2号、340頁(1966年)〕。また、ポリエン化合物
とポリチオール化合物のラジカル開始剤あるいは
紫外線のごとき活性エネルギー線による重合反応
は、特公昭53−28959号公報、特開昭57−125025
号公報、同57−130572号公報、同53−134096号公
報などに開示されている。 しかしながら、これら先行技術において、チオ
ール基の連鎖移動剤としての作用により、暗所保
存下でも重合が進行しやすい問題を有する。就
中、ポリエン化合物が(メタ)アクリル酸の誘導
体である場合には、ポリエン化合物とポリチオー
ル化合物のラジカル付加反応の他に、ポリエン化
合物のビニル重合も起りやすく、このためチオー
ル基が残存しやすい。 また、この方法は、最終的に重合硬化物を得る
ことを目的とする限り、重合の際の重合率を低下
させることになり、重合硬化物の硬化不足による
硬度の低下、耐溶剤性の低下、脆化等の新たな問
題を引き起こす。さらに、この方法は、前記のご
とく、ポリエン化合物とポリチオール化合物の共
重合性の差のために、特に、厚みの大きい成形物
においては、不均質な硬化物となりやすい。この
不均質さは、筋状あるいはウロコ状となり、形状
は条件により異なるが、特に均質な透明樹脂とし
て、硬化物を使用する場合は、外観特性が著しく
損われ、例えば光学用デイスクのごとき用途に際
しては、記録−読み出しの際の誤動作の原因にも
なり、眼鏡用等レンズにおいては、肉眼により、
観察されるため、視力の低下あるいは、商品価値
の低落といつた問題がある。 以上のようにポリエン化合物とポリチオール化
合物からなる組成物を重合性モノマー組成物とし
て使用する場合に、チオール基が残存している
と、貯蔵安定性が不良であり、重合時の不均質性
が原因の現象が起り、硬化物の酸化に対する不安
定性が問題となる。また、硬化物の光線反射率を
低減させるために、反射防止膜によるコート処理
が行なわれる場合がある。このコート処理は、通
常、高温、(高)真空下、例えばSiO2、Al2O3
蒸着によつて行なわれる。その際、硬化物表面に
チオール基が残存していると、表面の酸化を受
け、着色あるいは表面の荒れが発生する。また、
用途によつては、硬化物が屋外に暴露されること
もある。この際も残存するチオール基が酸化さ
れ、着色あるいは表面の荒れが起こるため好まし
くない。 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、前記従来のポリエン化合物と
ポリチオール化合物とからなる重合性モノマー組
成物の欠点を克服して、貯蔵安定性が良好であ
り、重合に際して均質、かつ酸化安定性の良好な
硬化物を与えるポリチオエーテル骨格を有する重
合性ビニル化合物の製造方法を提供することにあ
る。 問題点を解決するための手段 発明者らは、前記従来技術の欠点を解決するた
めに鋭意検討した結果、予め、ポリエン化合物と
ポリチオール化合物の付加反応を塩基性雰囲気で
行なつてポリチオール化合物のチオール基を実質
的に消失せしめることにより、貯蔵安定性が良好
で、重合に際して均質かつ酸化安定性の良好な硬
化物を与えるポリチオエーテル骨格を有する重合
性ビニル化合物が得られることを見出し、本発明
を完成した。 すなわち、本発明は、 (1) 一般式() A−XnまたはYo−D−Xp () (式中、Xは のいずれかの基を示し、Yは を示し、AおよびDは多価の脂肪族、脂環族も
しくは芳香族炭化水素の残基、あるいは
【式】
【式】
【式】
を示す。 R1はHまたはCH3を示し、R2はH、脂肪族
炭化水素の残基あるいはOHを示し、R3はハロ
ゲンを含んでいてもよい脂肪族、脂環族または
芳香族炭化水素の残基を示す。m、n、pおよ
びqは、それぞれm≧2、n、p≧1、q≧1
の整数を示す。) で表わされるポリエン化合物および (2) 一般式() R4−(SH)r () (式中、R4は多価の脂肪族、脂環族または芳
香族炭化水素からなる有機基を示し、rは2〜
4の整数を示す。) で表わされるポリチオール化合物とを、塩基触
媒の存在下、ビニル基の総数/チオール基の総
数が2以上である条件下で付加反応させること
を特徴とするポリチオエーテル骨格を有する重
合性ビニル化合物の製造方法に関する。 前記一般式()で表わされるポリエン化合物
の代表例としては、 エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、 2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート、 2,2−ビス(4−β−(メタ)アクリロイル
オキシフエニル)プロパン、2,2−ビス(4−
β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフエニ
ル)プロパン等のエステル類、 エチレンジ(メタ)アクリルアミド、1,6−
ヘキサンジ(メタ)アクリルアミド、プロピルジ
(メタ)アクリルアミド、1,4−シクロヘキサ
ンジ(メタ)アクリルアミド、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタンのジ(メタ)アクリルア
ミド等のアミド類、 4−(メタ)アクリロイルスチレン、1−オキ
シエトキシ(メタ)アクリロイル等のポリエン
類、アクリロイルオキシエトキシフエニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジクロル、4−β
−(メタ)アクリロイルオキシフエニル)プロパ
ン、水添ビスフエノール−Aジ(メタ)アクリレ
ート、2,2′−ビス(β−(メタ)アクリロイル
オキシエトキシ)ビフエニル、1,6−ビス(β
−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ナフタ
レン、1,4−(β−(メタ)アクリロイルオキシ
エトキシ)シクロヘキサン等があげられる。 また、前記一般式()で表わされるポリチオ
ール化合物の代表例としては、エタンジチオー
ル、プロパン−1,2−ジチオール、n−ヘキサ
ン−1,6−ジチオール、プロパン−1,3−ジ
チオール、n−デカン−1,10−ジチオール、n
−ドデカン−1,12−ジチオール、エチレングリ
コールジチオグリコレート、トリメチロールプロ
パントリチオグリコレート、トリメチロールプロ
パンジチオグリコレート、ネオペンチルグリコー
ルテトラチオグリコレート、ジメルカプトベンゼ
ン、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレー
ト、トリメチロールプロパントリチオプロピオネ
ート、あるいは2,2−ビス(4−ヒドロキシエ
チルオキシフエニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフエニル)プロパン、2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパン、水添ビスフエノールA、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,3
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール等のアルコールあるいはフエノール
のチオグリコール酸あるいはチオプロピオン酸エ
ステル等があげられる。 ポリエン化合物とポリチオール化合物を付加反
応させるに際しては、ポリエン化合物中のビニル
基の総数のポリチオール化合物中のチオール基の
総数に対する比は、2以上であることが必要であ
り、特に2〜20の範囲内であることが好ましい。
比が2より小さい場合は、例えば、ポリエン化合
物およびポリチオール化合物が共に2官能性の化
合物であれば、塩基触媒の存在により線状のプレ
ポリマーが得られるが、ポリエン化合物もしくは
ポリチオール化合物のいずれかが3官能性の化合
物である場合はしばしばプレポリマー化の過程で
ゲル化が起りやすい。 また、上記のごとくして得られたポリチオエー
テル骨格を有する重合性ビニル化合物には、必要
に応じて別種の共重合性ビニル化合物を追加する
こともできる。これらの別種の共重合性ビニル化
合物としては、スチレン、ジビニルベンゼン、α
−メチルスチレン、ジイソプロペニルベンゼン、
メチルメタアクリレート、ブチルアクリレートな
どをあげることができる。 ポリエン化合物およびポリチオール化合物の付
加反応によつて得られるポリチオエーテル骨格を
有する重合性ビニル化合物は、次段階のビニルモ
ノマー間の重合のためには、25℃における粘度が
10〜30000センチポイズの液体であることが望ま
しい。 ポリエン化合物とポリチオール化合物の付加反
応は、塩基触媒の存在下で行なわれる。付加反応
用塩基触媒としては、従来公知の塩基性イオン交
換樹脂、カリウム、t−ブトキサイド、フオスフ
イン系化合物、アミン系化合物を使用することが
可能であるが、特にフオスフイン系化合物または
アミン系化合物が好ましい。 フオスフイン系化合物の例としては、トリフエ
ニルフオスフイン、トリn−ブチルフオスフイ
ン、トリエチルフオスフイン等があげられる。ま
た、アミン系化合物の例としては、ピリジン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリ(n−プロピル)アミン、トリ(iso−プロ
ピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、トリ
(iso−ブチル)アミン、トリ(sec−ブチル)ア
ミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、
ジメチルエタノールアミン、モノメチルジエタノ
ールアミン等があげられる。 これらの塩基触媒は、単独でも組合わせて用い
てもよく、その使用量は、使用するポリエン化合
物とポリチオール化合物の種類、組合わせおよび
使用量によつて異なるため一概には規定できない
が、ポリエン化合物およびポリチオール化合物の
総量に対して0.01〜3重量%、好ましくは0.03〜
1重量%である。塩基触媒の使用量が0.01重量%
未満では、実質的に触媒の作用を果さず、しばし
ばポリエン化合物のビニル基の単独重合が起る。
一方、塩基触媒の使用量が3重量%を越えた場合
は、大量に用いる効果が認められないばかりでな
く、重合の際に着色を起すため好ましくない。ま
た、反応後の塩基触媒を除去するにしても、除去
剤を多量に必要とすることから却つて好ましくな
い。 ポリエン化合物とポリチオール化合物の付加反
応に際し、反応熱除去のため、必要に応じて不活
性の溶剤、例えばベンゼン、テトラハイドロフラ
ン、ジオキサン、エーテル等を使用することが可
能である。 しかしながら、溶媒除去の際、加熱を伴う方法
は、ポリエン化合物の単独重合によるゲル化を招
き易いため、高沸点の溶媒の使用は好ましくな
い。 ゲル化に対しては、フエノール系あるいはアミ
ン系の禁止剤を次段階のビニルモノマー間の重合
を阻害しない範囲で添加することが可能である。
また、付加反応用塩基触媒の除去を必要とする場
合いは、公知の吸着、抽出、真空吸引等の方法を
次段階の重合に影響しない範囲で適用しうる。特
に、アミン系化合物の除去については、中性、酸
性アルミナ、酸性イオン交換樹脂による吸着除去
方法を適用することができ、アミン系化合物が低
沸点アミン系化合物の場合、真空吸引による除去
方法も利用することができる。 付加反応行なう際の温度は、ポリエン化合物と
ポリチオール化合物の組合わせ、配合比、あるい
は使用する塩基触媒の種類および量により異なる
ため一概に規定できないが、0〜100℃、好まし
くは20〜60℃である。付加反応温度が100℃を越
えても、使用する塩基触媒の種類および量によつ
てはポリエン化合物のビニル基の単独重合が防止
できるものもあるが、しばしばゲル化を起すので
好ましくない。一方、0℃以下でも付加反応は進
むが、反応速度が遅く、生産上好ましくない。 付加反応に際しては、ポリチオール化合物の自
動酸化によるジスルフイドの生成を防ぐために付
加反応は不活性雰囲気中で行うことが好ましい。 かくして得られるポリチオエーテル骨格を有す
る重合性ビニル化合物は、分子末端が重合性ビニ
ル基でキヤツピングされた構造を有し、貯蔵安定
性に優れている。さらに、この重合性ビニル化合
物は、25℃において10〜30000センチポイズの粘
度を有するものであつて、ポリエン化合物とポリ
チオール化合物の仕込みモル比によつては未反応
のポリエン化合物を含んでいる場合もある。この
未反応のポリエン化合物は、必要に応じて除去し
てもよいし、またそのまま使用してもさしつかえ
ない。 ポリチオエーテル骨格を有する重合性ビニル化
合物を重合硬化させるための手段としては、公知
の手法、例えば化学的に活性なエネルギー線によ
る方法、ラジカル開始剤による方法を適用するこ
とができる。また、これらの2つの手法を組合わ
せて適用することも可能である。 化学的に活性なエネルギー線による方法におけ
るエネルギー線とは、紫外線、赤外線、可視光線
(放射線)等があげられる。紫外線源としては、
例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等
をあげることができる。この場合、光開始剤の添
加による重合促進も着色等の問題の起こらない範
囲で可能である。例えば、ベンゾイン、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインジメチルケ
タール、ジフエニルジスルフイド等を0.01〜5重
量%の範囲で用いることができる。 ラジカル開始剤による方法において、ラジカル
開始剤とは、アゾビスイソブチロニトリル、2,
2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等
のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート等の過酸化物である。ラジカル
開始剤の添加量は、例えば0.05〜5重量%の範囲
内であることが好ましい。 本発明のポリチオエーテル骨格を有する重合性
ビニル化合物には、必要に応じて染料、充填剤、
顔料、ケイ光増白剤の他、重合性の低粘度化剤、
その他例えばヒドロキシ(メタ)アクリレート、
メチル(メタ)アクリレートのごとき単官能(メ
タ)アクリレートのような希釈モノマーの添加も
可能である。 本発明により得られる重合性ポリチオエーテル
骨格を有する重合性ビニル化合物は、例えば塗
料、接着剤、デイスク用材料、各種封止材料、眼
鏡用あるいはカメラ用のレンズ材料、あるいは表
面コート処理用材料、歯科用コンポジツトレジン
等として広く用いることが可能である。 実施例 以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明する。なお、ポリチオエーテル骨格を有する重
合性ビニル化合物の物性は、下記の方法に従つて
測定した。 (1) チオール基の分析 A:滴定法(Volhard法) ポリチオエーテル骨格を有する重合性ビニ
ル化合物サンプル1〜2gに、トルエン10
ml、エタノール10mlを加えて溶解させ、これ
に0.1N−AgNO310mlを添加し、鉄ミヨウバ
ン指示薬を加えて、0.025N−NH4SCNで、
過剰AgNO3を逆滴定し、メルカプト基残存
量を分析する。これより、仕こみからのチオ
ール基相対減少率(反応率)を算出した。 B:ラマン分光法 液状でなく、かつゲル化したサンプルで溶
媒に可溶化できない場合は、ラマン分光法
(装置:日本分光(株)製、R−800型)に従つて
分析する。1570cm-1におけるチオール基の吸
収の1730cm-1のカルボニル基の吸収に対する
比のモノマー状態からの相対減少率から、チ
オール基の反応率を算出した。 (2) ビニル基の分析 ゲル分が発生ないしゲル化が起こらなかつた
ものは、 1H−NMR(装置:日立(株)製、R−
24B型)から、ゲル化したものは、ラマン分光
法に従つて、1620cm-1付近のビニル基の吸収の
1730cm-1付近のカルボニル基の吸収に対する比
のモノマー状態からの相対減少率から、ビニル
基の反応率を算出した。 (3) 貯蔵安定性 ポリチオエーテル骨格を有する重合性ビニル
化合物を40℃で空気中に静置保存したときに、
ゲル分が発生するまでの時間が20時間以上の場
合のものを◎、10〜20時間の場合のものを○、
1〜10時間の場合のものを△、1時間以下の場
合のものを×とした 実施例 1 撹拌機、滴下ロート付2I−セパラブルフラスコ
に、室温でエチレングリコールジメタクリレート
700重量部を仕込み、これにジエチルアミン2重
量部を撹拌下、添加し、溶解した。次に、エチレ
ングリコールジチオグリコレート300重量部を30
分かけて滴下した。このとき、滴下に伴ない発熱
したが、温度が60℃を越えないように滴下速度を
調節した。次いで、40℃で、10時間撹拌した。反
応終了後、強塩基吸着用無機吸着剤(協和化学工
業(株)社製、キヨーワード700SL)を50g添加して
ジエチルアミンを除去した。吸着剤を別し、液
状の生成物を得た。この生成物の 1H−NMRス
ペクトルおよびラマンスペクトルは次のようであ
つた。 1H−NMR: 1.2〜1.35(m、メタクリロイルのβ−メチレン
がチオールに付加した場合のα−メチルプロト
ン)、1.9〜2.03(d、メタクリロイルのα−メチ
ルプロトン)、2.5〜3.1(m、メタクリロイルのβ
−メチレンがチオールに付加した場合のα−メチ
ルの隣のメチンプロトンおよびβ−メチレンプロ
トン)、3.23〜3.33(エチレンジチオプロピオネー
トのチオールの隣のメチレンプロトン)、4.3〜
4.5(エチレングリコールジメタクリレートおよび
エチレンジチオプロピオネートのエトキシのプロ
トン)、5.5〜6.2(メタクリロイルのβ−メチレン
プロトン)。 ラマンスペクトル: 1570cm-1のチオールの吸収が消失した。 また、 1H−NMRの積分曲線からメタクリロ
イル由来のビニル基の反応率は39.2%で、チオー
ル基が100%反応したとした場合の理論反応率
(39.5%)とよく一致した。さらに、生成物中の
チオール基を滴定法により求めたところ、チオー
ル基の反応率が98.9%であり、実質的に残留チオ
ール基がゼロであつた。 以上の結果より、ポリチオエーテル骨格の重合
性ビニル化合物が得られていることが明らかであ
つた。 実施例 2〜8 ポリエン化合物、ポリチオール化合物、塩基触
媒、付加反応温度および付加反応時間を第1表に
示した条件とした以外は、実施例1と同様の操作
で付加反応を行つた。その結果を第1表中に示し
た。 これらの結果は、すべて実質的にポリチオエー
テル骨格の重合性ビニル化合物を得たことを示唆
していた。 比較例 1〜3 第1表に示した条件とした以外は、実施例1と
同様に付加反応を行なつた。 また、 1H−NMRから、1〜0ppmにブロード
なピークが観測され、エチレングリコールジメタ
クリレートまたはトリメチロールプロパントリメ
タクリレートの単独重合が起こつていることを示
唆していた。 従つて、実施例1のようなポリチオエーテル骨
格のビニル化合物が得られていないことが明白で
あつた。
【表】
【表】 参考例 1 実施例1で得られたポリチオエーテル骨格を有
する重合性ビニル化合物100重量部に、アゾビス
イソブチロニトリル0.2重量部を混合、溶解した
後、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂製ガスケツ
トと2枚のガラス平板からなるモールド中に注入
し、熱風炉中で30℃で2時間、35℃で10時間加熱
した後、8時間かけて80℃まで昇温した。その
後、ガスケツトおよびモールドをはずし、厚さ3
mmの硬化物を得た。得られた硬化物を120℃で2
時間加熱し、アニール処理を行なつたところ、無
色透明な硬化物が得られた。硬化物の物性値第2
表に示した。 なお、硬化物の諸物性は、下記の評価方法に従
つた。 (1) 硬化物外観 硬化物の外観を目視で、20Wケイ光灯を透か
し見た時の肉眼による観察によつた。ムラの有
つた場合を×、ムラの無かつた場合を○とし
た。 (2) 反射防止コート時の外観 真空度で10-6〜10-5mmHg、温度85〜120℃下
で、SiO20.4nm、次いでAl2O30.1nmを蒸着し
た後の外観を肉眼観察した。 (3) 硬度 バコール硬度計を用いて測定した。 (4) 耐光性 ウエザー式メータにて、200時間、曝露した
前後で着色度に変化がない場合を○、着色した
場合を×とした。 参考例 2〜6 実施例2、5、6、7および8で得られたポリ
チオエーテル骨格を有する重合性ビニル化合物を
使用し、第2表に示した量のラジカル重合開始剤
を使用した以外は、参考例1と同様な方法で重合
を行なつた。得られた硬化物の物性値を第2表に
示した。 なお、参考例2は実施例2、参考例3は実施例
5、参考例4は実施例6、参考例5は実施例7、
参考例6は実施例8でそれぞれ得られたポリチオ
エーテル骨格を有する重合性ビニル化合物を使用
した。 比較参考例 1 エチレングリコールジメタクリレート700重量
部に、エチレングリコールチオジグリコレート
300重量部を混合、充分に溶解し、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.5重量部を更に混合、溶解した
後、参考例1と同様の操作で重合硬化物を得た。
この硬化物の物性を第2表に示した。 比較参考例 2 トリメチロールプロパントリメタクリレート
620重量部に、エチレングリコールチオジグリコ
レート380重量部を混合、溶解し、ベンゾイルパ
ーオキサイド2重量部を更に混合、溶解した以外
は、比較参考例1と同様に操作し重合硬化物を得
た。この硬化物の物性を第2表に示した。
【表】 参考例 8 実施例3で得られたポリチオエーテル骨格を有
する重合性ビニル化合物10重量部に、ベンゾイン
イソプロピルエーテル0.01重量部を混合、溶解
し、真空、脱泡した後、10cm×10cmの広さのガラ
ス板上に0.2mm厚になるように流延させた。これ
に、上側からメタルハライドランプによつて
0.65J/cm2の紫外線を11秒間照射したところ、無
色透明の極めて硬い硬化樹脂層を得た。硬化物の
物性を第3表に示した。 参考例 9 実施例4で得られたポリチオエーテル骨格を有
する重合性ビニル化合物を用いて、第3表に示し
た条件とした以外は、参考例8と同様の条件で重
合を行ない、硬化樹脂層を得た。硬化物の物性を
第3表に示した。 比較参考例 3 トリメチロールプロパントリアクリレート20重
量部に、エチレングリコールジチオグリコレート
25重量部を混合、溶解し、これにベンゾイン1.35
重量部をさらに混合溶解した。以下、第3表に示
した条件とした以外は、参考例8と同様の条件で
硬化樹脂層を得た。硬化物の物性を第3表に示し
た。
【表】 発明の効果 本発明の方法によつて得られたポリチオエーテ
ル骨格を有する重合性ビニル化合物は、貯蔵安定
性に優れ、均質性および耐酸化特性の良好な硬化
物を得るのに好適であり、前記した従来の組成物
の問題点を解決したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (1) 一般式() A−XnまたはYo−D−Xp () (式中、Xは のいずれかの基を示し、Yは を示し、AおよびDは多価の脂肪族、脂環族も
    しくは芳香族炭化水素の残基、あるいは
    【式】【式】 【式】 を示す。 R1はHまたはCH3を示し、R2はH、脂肪族
    炭化水素の残基あるいはOHを示し、R3はハロ
    ゲンを含んでいてもよい脂肪族、脂環族または
    芳香族炭化水素の残基を示す。m、n、pおよ
    びqは、それぞれm≧2、n、p≧1、q≧1
    の整数を示す。) で表わされるポリエン化合物および (2) 一般式() R4−(SH)r () (式中、R4は多価の脂肪族、脂環族または芳
    香族炭化水素からなる有機基を示し、rは2〜
    4の整数を示す。) で表わされるポリチオール化合物とを、塩基触
    媒の存在下、ビニル基の総数/チオール基の総
    数が2以上である条件下で付加反応させること
    を特徴とするポリチオエーテル骨格を有する重
    合性ビニル化合物の製造方法。
JP62070471A 1987-03-25 1987-03-26 ポリチオエ−テル骨格を有する重合性ビニル化合物の製造方法 Granted JPS63238132A (ja)

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