JP6438849B2 - 硬化性組成物、硬化膜 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性組成物および硬化膜に関する。
エネルギーを付与することで硬化する組成物(硬化性組成物)は、コーティング材、塗料、印刷インク、接着剤、光学材料、電子製品の積層材料、電気絶縁材料、レジスト材等の工業的用途に幅広く利用されている。
このような硬化性組成物に含まれる硬化性化合物として、各種の多官能重合性化合物が検討されている。
例えば、特許文献1では、各種フィルムのコーティング層として使用できるとともに硬化性に優れた硬化性組成物として、特定構造の多官能(メタ)アクリルアミド化合物を含む硬化性組成物を開示している。これらの多官能(メタ)アクリルアミド化合物は、硬化性に優れるのみならず、安価な水系溶媒にも溶解する利点を有する。
発明協会公開技報公技番号2013−502654号
しかしながら、多官能(メタ)アクリルアミド化合物の硬化方法としては、非特許文献1の実施例欄に記載されるように、多官能(メタ)アクリルアミド化合物と光重合開始剤とを併用して、その混合物にエネルギー線を照射することにより、多官能(メタ)アクリルアミド化合物を光ラジカル重合させるのが一般的である。このため、多官能(メタ)アクリルアミド化合物を用いた硬化膜の製造は、露光機等の設備が必要となるなど簡便とは言い難く、大量生産には不向きであった。
さらに、硬化膜の硬度および硬化膜と基材との密着性に関しては、昨今の要求レベルを必ずしも満足しておらず、更なる改善の余地があった。特に、得られた硬化膜を水と接触させた後の密着性の改善の余地が大きかった。
また、光ラジカル重合により得られる硬化膜は、上述のエネルギー線照射工程を経るため、特に100μm以上の厚膜とした場合には、光が膜内部まで透過しにくく、硬化膜の膜厚方向に渡って均質に硬化しにくいという問題があった。すなわち、膜表面から離れた内部の位置ほど硬化性が悪くなり、これにより基材との密着性がより得られ難い傾向があった。
本発明は、上記実情に鑑みて、大型な装置等を必要とせず簡便に硬化できるとともに優れた硬度を与え、厚膜にした場合にも膜厚方向に渡って均質に硬化でき、且つ、基材との密着性にも優れた硬化物を与える硬化性組成物、ならびにそれにより得られる硬化膜を提供することを目的とする。
本発明者は、特許文献1に記載される多官能(メタ)アクリルアミド化合物を含む硬化性組成物を製造して種々の検討を行ったところ、特定構造の多官能(メタ)アクリルアミド化合物と1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールから選ばれる化合物(求核剤)とを組み合わせた硬化性組成物によれば、光ラジカル重合によらず、且つ、水系溶媒を使って簡便に塗布硬化できるとともに優れた硬度を与え、厚膜にした場合にも膜厚方向に渡って均質に硬化でき、且つ、基材との密着性にも優れた硬化物を形成できることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 後述する一般式(I)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物および後述する一般式(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能(メタ)アクリルアミド化合物と、
1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールから選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含有する、硬化性組成物。
(2) 上記化合物が、1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンを含む、(1)に記載の硬化性組成物。
(3) さらに、ヒドロキシル基を有する、単官能(メタ)アクリル化合物または単官能(メタ)アクリルアミド化合物を含む、(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(4) 上記多官能(メタ)アクリルアミド化合物と、上記1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールから選ばれる少なくとも一種の化合物とのモル比が1:9〜9:1である、(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の硬化型組成物を熱硬化して形成される硬化膜。
本発明によれば、大型な装置等を必要とせず簡便に硬化できるとともに優れた硬度を与え、厚膜にした場合にも膜厚方向に渡って均質に硬化でき、且つ、基材との密着性にも優れた硬化物を与える硬化性組成物、ならびにそれにより得られる硬化膜を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本明細書において、「(メタ)アクリルアミド」とは、アクリルアミド、メタアクリルアミドのいずれかまたは双方を包含する概念であり、「(メタ)アクリル」「(メタ)アクリレート」の用語についても同様の意味である。また、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、または、複数の置換基等を同時に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。
さらに、本明細書中、基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
〔硬化性組成物〕
本発明の硬化性組成物は、下記一般式(I)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物および下記一般式(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能(メタ)アクリルアミド化合物と、1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールから選ばれる少なくとも1種の化合物(求核剤)と、を含有することを特徴とする。
(一般式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Lは、−O−、炭素数2〜4のアルキレン基、またはこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。)
(一般式(II)中、Rは、水素またはメチル基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、−O−、炭素数1〜4のアルキレン基、またはこれらを組み合わせた2価の連結基を表し、Rは、−O−、炭素数1〜4のアルキレン基、一般式(III)で表される基、または、これらを組み合わせた2価の連結基を表し、L、Lは、それぞれ独立に、単結合または下記一般式(III)で表される基を表す。)
(式(III)中、Rは、水素またはメチル基を表し、*は結合箇所を示す。)
すなわち、一般式(I)または(II)で表される化合物中の不飽和二重結合はアミド基の存在により求核剤による付加反応を受けやすい。これにより、光ラジカル重合を経ずとも、硬化性組成物に熱を与えると、求核剤である1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールが、分子内に複数存在する求核部位を起点として多官能(メタ)アクリルアミド化合物の不飽和二重結合炭素と結合を生起し、これにより架橋体が形成される。つまり、上記多官能アミンおよび多官能チオールは、いわゆる架橋剤として機能する。
このとき、一般式(I)または(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物は、複数のアクリルアミド基を連結する連結基の存在により架橋点間密度が密にならないよう調整され、さらに連結基がアルキレンおよび/または−O−により形成されているため、優れた硬度を有しながら柔軟な膜となる。
上記構成により、形成される硬化膜は優れた硬度を有しつつ、基材密着性に優れ、さらに水浸漬後の基材密着性にも優れたものとなると考えられる。
また、100μm以上の厚膜とした場合においても、本発明の硬化性組成物による硬化膜は、熱重合により膜厚方向に渡って均質に硬化可能であり、言い換えると、内部硬化性に優れ、硬化膜と基材との密着性を損なうことがない。
(多官能(メタ)アクリルアミド化合物)
一般式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
Lは、−O−、炭素数2〜4のアルキレン基、またはこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。なお、Lに隣接するアミド基中の窒素原子に隣接する位置には、炭素原子が位置することが好ましい。つまり、アミド基中の窒素原子に隣接する基としては、炭素数2〜4のアルキレン基が位置することが好ましい。
上記「これらを組み合わせた2価の連結基」としては、例えば、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−CHOCH−、−CHOCHCH−、−CHOCHCHCH−などの−O−を含む炭素数2〜4のアルキレン基、−(O−アルキレン基(炭素数2〜4))−で表される基(nは、2以上の整数を表す。上限は特に制限されないが、100程度が挙げられる。)などが挙げられる。
なかでも、硬化膜の硬度に優れる、膜厚方向に渡って均質に硬化できる、および/または、硬化膜の基材に対する密着性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、Lとしては、−O−を含む炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましい。
一般式(II)中、Rは、水素またはメチル基を表す。
、Rは、それぞれ独立に、−O−、炭素数1〜4のアルキレン基、またはこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。なお、RおよびRに隣接するアミド基中の窒素原子に隣接する位置には、炭素原子が位置することが好ましい。つまり、アミド基中の窒素原子に隣接する基としては、炭素数1〜4のアルキレン基が位置することが好ましい。
上記「これらを組み合わせた2価の連結基」としては、例えば、−OCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−CHOCH−、−CHOCHCH−、−CHOCHCHCH−などの−O−を含む炭素数1〜4のアルキレン基、−(O−アルキレン基(炭素数1〜4))−で表される基(nは、2以上の整数を表す。上限は特に制限されないが、100程度が挙げられる。)などが挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、R、Rとしては、炭素数1〜4のアルキレン基、−O−を含む炭素数1〜4のアルキレン基であることがより好ましい。
一般式(II)中、Rは、−O−、炭素数1〜4のアルキレン基、一般式(III)で表される基、または、これらを組み合わせた2価の連結基を表す。
上記「これらを組み合わせた2価の連結基」としては、上記RおよびRにて述べた基が挙げられる。なお、一般式(III)で表される基と他の基とを組み合わせる場合は、一般式(III)で表される基中の窒素原子には炭素数1〜4のアルキレン基が結合することが好ましい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Rとしては、炭素数1〜4のアルキレン基、−O−を含む炭素数1〜4のアルキレン基、または、一般式(III)で表される基が好ましい。
なお、式(III)中、Rは、水素またはメチル基を表し、*は結合箇所を示す。
、Lは、それぞれ独立に、単結合または上記一般式(III)で表される基を表す。
が一般式(III)を表す場合には、LおよびLはいずれも単結合であることが好ましい。
一般式(I)または(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物の具体例を以下に示す。

一般式(I)または(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物は、各種市販品を利用することもできるし、公技番号2013-502654号記載の方法により合成することができる。
硬化性組成物中における多官能(メタ)アクリルアミド化合物の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、硬化性組成物中の全固形分に対して、1〜99質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましい。
多官能(メタ)アクリルアミド化合物は、単独で使用しても、複数種併用してもよい。
(1級アミンまたは2級アミンを2以上有する多官能アミン、多官能チオール)
1級アミンまたは2級アミンを2以上有する多官能アミンは、特に限定されず、分子内に2つ以上の1級または2級アミノ基を有する化合物であればよい。なお、多官能アミンには、1級アミンと2級アミンとが両方含まれていてもよい。
1級アミンを有する多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,5−ジアミノペンタン、1,3−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、2,2’−オキシビス(エチレンアミン)、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、4,9−ジオキサ−1,12−ドデカンジアミン、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2,2’−エチレンジアニリン、4,4’−エチレンジアニリン、3,3’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノスチルベン、4,4’−オキシジアニリン、4,4’−チオジアニリン、4’’,4’’’’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)−ビス−(4−フェニルアニリン)、2,3−ジアミノフェノール、4’−アミノベンゾ−15−クラウン−5、2,4−ジメトキシアニリン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、1,2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、3,3’−ジアミノベンジジン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン、1,2,4,5−ベンゼンテトラミン、4,5−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、α,ω−ジアミノポリエチレングリコール、α,ω−ジアミノポリプロピレングリコール、α,ω−ジアミノポリジメチルシロキサン、ポリアリルアミン等が挙げられる。
2級アミンを有する多官能アミンとしては、例えば、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N’−ビス(3,3−ジメチルブチル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N,N’−ジエチル−2−ブチレン−1,4−ジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、4,4’−ビピペリジン、4,4’−エチレンビピペリジン、4,4’−トリメチレンビピペリジン、ピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリアザシクロドデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン、スパルテイン、1,4,10,13−テトラキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、1,2−ジアニリノエタン、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルベンジジン、3,3’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、2,3−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジアミン、2,7−ジアミノフルレン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等が挙げられる。
なお、1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンとしては、多官能アミンポリマーを用いることができる。
1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリオルニチン、ポリリジン、ポリジアリルアミン、特開2014−189561に記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー等が挙げられる。
多官能チオールは、特に限定されず、分子内に2つ以上のチオール基を有する化合物であればよい。
多官能チオールとしては、例えば、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、2,5−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトベンゼン、1,2−ジ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ジ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ジ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ジメルカプト−5−メチル−ベンゼン、4,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、チオール基含有カルボン酸と2価アルコールとのエステル類等のジチオール化合物;
イソシアヌル酸、トリメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、チオール基を有する多官能性ポリマー(例えば、商品名で、チオコールLP(登録商標)、ポリチオール(登録商標)(以上、東レ・ファインケミカル(株)製))、チオール基含有カルボン酸と多価アルコールとのポリエステル類、等のポリチオール化合物;などを挙げることができる。
ここで、上記チオール基含有カルボン酸としては、例えばチオグリコール酸、チオプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、2−メルカプト−3−メチル酪酸、3−メルカプト吉草酸等を挙げることができる。また、上記多官能アルコールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ポリカーボネートジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAジヒドロキシエチルエーテル、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、4,4’−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)等を挙げることができる。
1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールは、単独で使用しても、複数種併用してもよい。
硬化性組成物中における1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールの含有量は特に制限されないが、硬度がより優れる観点から、その総量が、硬化性組成物中の全固形分に対して、1〜99質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
架橋剤として機能する多官能アミンは、1級または2級アミンを合計で複数個以上有していればよいが、例えば、2〜6個有している場合が多い。
架橋剤として機能する多官能チオールは、チオール基を複数個以上有していればよいが、例えば、2〜6個有している場合が多い。
硬化性組成物中、多官能(メタ)アクリルアミド化合物と、1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールから選ばれる少なくとも1種の化合物とのモル配合比(多官能(メタ)アクリルアミド化合物のモル量:1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールの総モル量)は、本発明の効果がより優れる点から、1:9〜9:1であることが好ましく、2:8〜8:2であることが好ましい。
(その他のモノマー)
硬化性組成物は、本発明の効果がより優れる点で、さらに、単官能モノマーを含有することが好ましい。
単官能モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレートのようなヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、およびそれらのカルボン酸塩;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−モルホリノエチル(メタ)アクリレートのような窒素原子含有(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートのようなエーテル結合を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのスルホン酸塩などの、1分子中に(メタ)アクリルアミド結合を1個有するモノ(メタ)アクリルアミド化合物;N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−メチルカルボキシベタイン、2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、N−(3−スルホプロピル)―N−(メタクリルオキシエチル―N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(4−スルホブチル)−N−(メタクリロイルアミノプロピル)−N,N−ジアンモニウムベタインなどのベタイン化合物などが挙げられる。
特に、ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリル化合物またはヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリルアミド化合物を含むことが好ましい。
具体的には、ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリル化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリルアミド化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、が挙げられる。
硬化性組成物中における上記モノマーの含有量は特に制限されないが、親水性付与および硬度調整の観点から、硬化性組成物中の全固形分に対して、1〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましい。
(溶媒)
硬化性組成物は、必要に応じて、溶媒が含有していてもよい。使用される溶媒としては、例えば、水、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、ブタノール等のアルコール類等)、またはこれらの混合溶媒を挙げることができ、水および/またはアルコール類が好ましい。
さらに硬化性組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、例えば、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
硬化性組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、上記各成分を混合した後、公知の手段により撹拌することによって調製することができる。
〔硬化膜の製造方法〕
本発明の硬化膜は、上記硬化型組成物を熱硬化して形成することができる。
硬化膜の製造方法は特に制限されず、例えば、上記硬化組成物を基材に塗布し、溶剤などの揮発成分を乾燥除去しながら熱硬化処理を施すことにより、硬化膜を形成することができる。
硬化性組成物の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
熱硬化処理の際の加熱温度は、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは、50〜150℃であり、さらに好ましくは60〜120℃である。
硬化膜の厚みは、十分な物理的強度を得る観点から、0.01〜1000μmの範囲であることが好ましく、0.1〜200μmの範囲であることがより好ましい。
基材としては、十分な物理的強度と光透過性を有するものであれば特に限定されず、一般にハードコートフィルムの基材として使用される各種のプラスチック基材を使用することができる。
上記プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、ポリアミド、シクロオレフィン、ナイロン、ポリエーテルサルファン等を用いて得られる樹脂フィルム基材を使用することができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からなるフィルムを使用することが、機械的強度をより向上するうえで好ましい。
基材は、プラスチックのみからなる基材であってもよいが、上記硬化膜との密着性をより向上させることを目的として、プラスチック基材の表面にプライマー層を有するものであってもよい。
また、基材は、硬化膜との密着性をより向上させることを目的として、サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、表面の酸化処理などの表面処理が施されたものであってもよい。
基材の厚さは、5μm〜300μmの範囲であることが好ましく、10μm〜250μmの範囲のものを使用することがより好ましく、25μm〜200μmの範囲のものを使用することが、取扱いやすく、かつ優れた透明性(全光線透過率)を保持するうえでさらに好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔多官能(メタ)アクリルアミド化合物の合成〕
以下に示す方法で、化合物A〜Eの多官能(メタ)アクリルアミド化合物をそれぞれ合成した。
<化合物Aの合成例>
発明推進協会公開技報の公技番号2013−502654の重合性化合物1の合成に従って合成した。
<化合物Bの合成例>
発明推進協会公開技報の公技番号2013−502654の多官能化合物9の合成に従って合成した。
<化合物Cの合成例>
発明推進協会公開技報の公技番号2013−502654の多官能化合物8の合成に従って合成した。
<化合物Dの合成例>
発明推進協会公開技報の公技番号2013−502654の多官能化合物10の合成に従って合成した。
<化合物Eの合成例>
攪拌機を備えた2L容の三口フラスコに先にN−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(アルドリッチ社製)30g、NaHCO 301g(14当量)、ジクロロメタン1L、水50mlを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド232g(10当量、和光純薬工業社製)を3時間かけて滴下し、その後、室温で3時間攪拌した。原料の消失をH NMR(Nuclear Magnetic Resonance)にて確認した後、反応混合物を減圧下溶媒留去し、硫酸マグネシウムで反応混合物を乾燥させ、セライトろ過を行い、減圧下溶媒留去した。最後に、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=9:1)にて精製することで、常温で液体である化合物E(収率43%)を得た。
〔実施例1〕
<硬化性組成物の調製>
表1に示した組成(表中、各数値の単位は「mol%」である。)に従い、水を加え、固形分10質量%の硬化性組成物(コート液)を調製した。
<硬化膜(ハードコート膜)の作製>
得られた硬化性組成物を、バーコーターを用いて乾燥後に厚さ1μmとなるようにクリアランスを調整して、易接着PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム(東洋紡社製:コスモシャインA4100)上に塗布した。その後、80℃で硬化および溶剤の乾燥を行い、ハードコート膜を形成した。
<評価>
(鉛筆硬度評価)
JIS K5600−5−4に示された試験方法に基づき、750g荷重条件で得られたハードコート膜を評価し、以下のように分類した。なお、後述する表1中においては、各実施例および比較例の硬度結果(3H〜B)を合わせて示す。
「A」:2H以上
「B」:H〜F
「C」:HB以下
(基材密着性評価)
得られたハードコート膜について、JIS K5600−5−6に準拠して、碁盤目剥離試験を行い、ハードコート膜の残存数にて基材との密着性を評価した。目視にて確認した評価を以下のように分類した。
「A」:剥離を確認することが出来ない。
「B」:20マス以下の剥離が確認できる。
「C」:20マス超の剥離が確認できる。
(水浸漬後の基材密着性評価)
得られたハードコート膜を蒸留水に2週間浸漬させた後に、JIS K5600−5−6に準拠して碁盤目剥離試験を行い、ハードコート膜の残存数にて、水浸漬後の基材との密着性を評価した。目視にて確認した評価を以下のように分類した。
「A」:剥離を確認することが出来ない。
「B」:20マス以下の剥離が確認できる。
「C」:20マス超の剥離が確認できる。
〔実施例2〜14、比較例1〜3〕
使用した成分の種類および使用量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、硬化性組成物を調製して、各種評価を実施した。結果を表1にまとめて示す。

*表中、各数値の単位は「mol%」である。
以下、表中において使用される化合物を示す。
MBA:メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業社製)
EBA:エチレンビスアクリルアミド(東京化成工業社製)
HMDA:ヘキサメチレンジアミン(東京化成工業社製)
DEGBAPE:ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル(東京化成工業社製)
PEI:ポリエチレンイミン(日本触媒社製、エポミンSP−003)
HDT:1,6−ヘキサンジチオール(東京化成工業社製)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業社製)
HEAA:2−ヒドロキシエチルアクリルアミド(東京化成工業社製)
表1に示すように、本発明の硬化性組成物を使用した場合は、鉛筆硬度、基材密着性、水浸漬後の基材密着性に優れることが確認された。
実施例1、6〜10の比較から、一般式(I)または(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物と1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンまたは多官能チオールとに、更にヒドロキシ基を有する単官能(メタ)アクリル化合物または単官能(メタ)アクリルアミド化合物を加えて架橋点間密度を下げることで、基材密着性、水浸漬後の基材密着性により優れた膜を形成することができることが示される。
実施例1、11〜14の比較から、一般式(I)または(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物と1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールとから選ばれる少なくとも1種とのモル比を1:9〜9:1(好ましくは2:8〜8:2)と配合することで、鉛筆硬度、水浸漬後の基材密着性により優れた膜を形成することができることが示される。
比較例1および2に示すように、メチレンビスアクリルアミドやエチレンビスアクリルアミドのように連結鎖の短い2官能アクリルアミドを用いた場合、架橋点間密度が高すぎることから、得られる硬化膜は柔軟性に劣り、硬いが外部刺激に弱く脆いため基材から剥がれやすくなり、鉛筆硬度と基材密着性がともに低い結果となった。また、水に浸漬させることで基材密着性はさらに低下するため、ハードコート膜として不適であることは明らかである。
比較例3では、多官能アクリルアミドがないため架橋できず、硬化膜を作製することができない。
〔実施例15、比較例4:厚膜ハードコートへの応用〕
次に、本発明の熱重合性の硬化性組成物(下記組成物A)を用いて厚膜ハードコート膜を作製(実施例15)し、光ラジカル重合性の硬化性組成物(下記組成物B)により得られたハードコート膜(比較例4)と比較した。
「組成物A(熱重合性)」:表1に示す実施例1の各成分とメタノールとを混合し、固形分50質量%とした組成物
「組成物B(光ラジカル重合性)」:化合物Aを49.5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを49.5質量部、Irgacure2959(BASF社製)1質量部に、メタノールを加えて固形分50質量%とした組成物
上記組成物Aを、乾燥後の厚みが100μmとなるようにバーコーターを用いて易接着PETフィルム(東洋紡社製:コスモシャインA4100)上に塗布した。その後、80℃で硬化および溶剤の乾燥を行い、厚膜のハードコート膜を作製した。
続いて、同様の方法により、組成物Bを乾燥後の厚みが100μmとなるように易接着PETフィルム(東洋紡社製:コスモシャインA4100)上に塗布し、その後、200mW、0.5J/cmの条件で露光し、厚膜のハードコート膜を作製した。
<評価>
(内部硬化性評価)
得られたハードコート膜について、JIS K7202−2に準じて、押し込み硬さ(ロックウェル硬度)をMスケールで測定を行った。
「OK」:ロックウェルMスケールが50以上
「NG」:ロックウェルMスケールが50未満
(折り曲げ試験による密着性評価)
得られたハードコート膜について、折り曲げ試験を行い、PET側界面における基材との密着性を評価した。
「OK」:ハードコート膜の剥離が見られなかった。
「NG」:ハードコート膜の剥離が見られた。
上記の結果より、実施例15の硬化性組成物を用いれば、比較的厚膜であっても膜厚方向に渡って均質に硬化でき、且つ、基材であるPETとの密着性も高い。一方、光ラジカル重合性硬化性組成物を用いた比較例4では、内部硬化性が悪く、また基材であるPETとの密着性も悪いことが分かる。
なお、上記実施例15では上述した実施例1の各成分を用いたが、実施例2〜14のそれぞれにて使用した各成分を用いた場合も、実施例15と同様に優れた内部硬化性および密着性を示した。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物および下記一般式(II)で表される多官能(メタ)アクリルアミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能(メタ)アクリルアミド化合物と、
    1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールから選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含有する、硬化性組成物であって、
    さらに、ヒドロキシル基を有する、単官能(メタ)アクリル化合物または単官能(メタ)アクリルアミド化合物を含む、硬化性組成物。
    (一般式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Lは、炭素数2〜4のアルキレン基、または−O−と炭素数2〜4のアルキレン基とを組み合わせた2価の連結基を表す。ただし、Lにおいて、Lに隣接するアミド基中の窒素原子に隣接する位置には、炭素原子が位置する。)
    (一般式(II)中、Rは、水素またはメチル基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基、または−O−と炭素数1〜4のアルキレン基とを組み合わせた2価の連結基を表し、Rは、−O−、炭素数1〜4のアルキレン基、下記一般式(III)で表される基、または、これらを組み合わせた2価の連結基を表し、L、Lは、それぞれ独立に、単結合または下記一般式(III)で表される基を表す。ただし、R、LおよびLの少なくとも一つは、一般式(III)で表される基を表すか、または、LおよびLが単結合を表し、かつ、Rは−(O−アルキレン基)−で表される基を表す。前記アルキレン基の炭素数は1〜4であり、nは2以上の整数を表す。ただし、R およびR において、R およびR に隣接するアミド基中の窒素原子に隣接する位置には、炭素原子が位置する。また、L が単結合を表す場合、R は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、L が単結合を表す場合、R は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
    (式(III)中、Rは、水素またはメチル基を表し、*は結合箇所を示す。)
  2. 前記一般式(II)中、R は、水素またはメチル基を表し、R 、R は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R は、−O−、炭素数1〜4のアルキレン基、前記一般式(III)で表される基、または、これらを組み合わせた2価の連結基を表し、L 、L は、それぞれ独立に、単結合または前記一般式(III)で表される基を表す、請求項1に記載の硬化性組成物。
    ただし、R 、L およびL の少なくとも一つは、前記一般式(III)で表される基を表すか、または、L およびL が単結合を表し、かつ、R は−(O−アルキレン基) −で表される基を表す。前記アルキレン基の炭素数は1〜4であり、nは2以上の整数を表す。
  3. 前記化合物が、前記1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンを含む、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記多官能(メタ)アクリルアミド化合物と、前記1級または2級アミンを2以上有する多官能アミンおよび多官能チオールから選ばれる少なくとも一種の化合物とのモル比が1:9〜9:1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化型組成物を熱硬化して形成される硬化膜。
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