JP5234715B2 - フォトスペーサ用感光性樹脂組成物、これを用いた液晶表示装置用基板及び液晶表示装置 - Google Patents

フォトスペーサ用感光性樹脂組成物、これを用いた液晶表示装置用基板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置を構成する液晶表示装置用基板に設けられるフォトスペーサを形成する材料として好適な感光性樹脂組成物、及び該感光性樹脂組成物を使用して形成したフォトスペーサを有する液晶表示装置用基板、並びに液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置においては、カラーフィルタ側基板と薄膜トランジスタ(TFT)側基板の両基板間に液晶層の厚みを保つために、スペーサと呼ばれるガラス又は樹脂製の球状体粒子(ビーズ)あるいは棒状体をセル内部に散布していた。このスペーサは液晶に対して異物として存在することから、スペーサ粒子近傍の液晶分子の配向が乱され、この部分で光漏れを生じ、液晶表示装置のコントラストが低下し表示品質に悪影響を及ぼすといった問題を有している。
このような問題を解決する技術として、例えば、感光性樹脂組成物を用い、部分的なパターン露光、現像というフォトリソグラフィー法により、所望の位置、例えば、画素間に位置する格子パターン状のブラックマトリクス上に、柱状の樹脂製スペーサを形成する方法が提案されている(特開2001−91954、特開2001−92128参照)。このようなスペーサを以下フォトスペーサという。このフォトスペーサは、画素間の位置に形成できるので、表示品質の向上が望める。フォトスペーサは一般に、感光性樹脂組成物を基板に塗布、乾燥した後に所定の微細パターンを持つフォトマスクを通した光で露光し、現像して形成する。
近年、液晶表示装置を製造する際のマザーガラスが大きくなるに従い、従来の液晶流入方法(真空吸引方式)に代わって滴下方式(ODF:One Drope Fill)が提案されている。ODF方式では、所定量の液晶を滴下した後、基板で挟持することによって液晶を注入するため、従来の方式に比べ、工程数および工程時間の短縮が可能である。しかしながら、ODF方式では液晶滴下、基板の狭持をした後に真空引き又は基板に機械的圧力をかけて内部に気泡が入らないように追い出すこと、及び液晶注入ムラをなくす必要がある(以下、気泡やムラを発生しないマージンをパネル化マージンと呼ぶ)。
この時、気泡を追い出すためにフォトスペーサに圧力をかける事になるが、その際にフォトスペーサの変形量が十分でないと液晶パネル中に気泡が残るといった不良が発生してしまう。また、液晶パネルを−30℃程度の低温下に置いた際に液晶セル内に気泡が生じる低温発泡という問題もある。これは、セル内に満たされている液晶が低温下で収縮するが、フォトスペーサが硬い場合、液晶の収縮に追従できず気泡が生じるもので、色抜け、色むら等の表示不良の原因となる。すなわちフォトスペーサには小さな圧力に対しても大きく変形する柔軟性が求められる。
一方、液晶パネルを形成した後の問題として、指で押すなど外部から力または衝撃が液晶パネルに加わった際にフォトスペーサが潰れてしまうと、部分的にセルギャップが小さくなり表示不良となることがある。これを防ぐためには塑性変形量が小さく弾性復元率が大きい事がフォトスペーサに求められる。
すなわち、パネル形成時およびパネル化後共に良好な特性としては小さな圧力で大きく変形し、かつ圧力を取り除いた時の復元率が大きい塑性変形の小さなフォトスペーサが要求される。このような特性を持たないフォトスペーサではパネル作製持に液晶中に気泡が生じたり、セルギャップが均一にならずに液晶表示装置としては表示品質が劣化し、また、
外部からの力や衝撃に対して脆くなるといった不具合が生じる。
これまでは、小さな圧力で大きく変形する柔軟なフォトスペーサは弾性復元率が小さくなり、塑性変形量が小さく復元率が高いフォトスペーサは柔軟性に欠けるため柔軟性と高弾性復元率の両立は困難であった。
なお、本発明において、フォトスペーサの高さは、液晶セルギャップ(対抗する基板間の液晶の厚み)と同義である。また、基板の材質は、ガラスや耐熱性プラスチック基板などの透明基板であることが望ましいが、TFTなどと呼称される液晶を駆動するアクティブ素子の形成された基板上にフォトスペーサを形成する場合は、透明でなくても良く、光を反射する基板であっても良い。
特開2001−91954号公報 特開2001−92128号公報
本発明は、ODF方式での液晶注入においても気泡を残さず十分なパネル化マージンを持ち、低温下においても気泡が生じ難く、かつ液晶パネル化後に外部から圧力が液晶パネルに加わった場合にも表示不良を生じ難いフォトスペーサを形成するフォトスペーサ用感光性樹脂組成物、及びそれを用いて形成されたフォトスペーサを有する液晶表示装置用基板、並びに液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明は、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、下記一般式(1)で示される多官能(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレート基の一部につき、当該基中のカルボニル基に関してβ位において炭素−炭素二重結合に、下記一般式(2)で示される多価メルカプト化合物を付加させてなる樹脂を含むフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であり、かつ前記フォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、溶剤を除いた感光性樹脂組成物の硫黄元素含有量が0.5%〜5.0%であることを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物である。
Figure 0005234715
Figure 0005234715
また、本発明は、上記発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、前記一般式(1)で示される多官能(メタ)アクリレート化合物の、一般式(2)の多価メルカプト化合物と反応せず残存する(メタ)アクリレート基の一部につき、当該基中のカルボニル基に関してβ位において炭素−炭素二重結合に、下記一般式(3)で示されるカルボキシル基担持メルカプト化合物を付加させてなる樹脂を含むことを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物である。
Figure 0005234715
また、本発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を用い、基板上にフォトスペーサを形成したことを特徴とする液晶表示装置用基板である。
また、本発明は、上記発明による液晶表示装置用基板において、前記フォトスペーサに
、60mNの圧縮荷重を負荷し荷重を除去した時の弾性復元率が60%以上であることを特徴とする液晶表示装置用基板である。
また、本発明は、上記発明による液晶表示装置用基板において、前記フォトスペーサに、60mNの圧縮荷重を負荷した時の総変形量が、前記フォトスペーサの高さに対して22%以上であることを特徴とする液晶表示装置用基板である。
また、本発明は、上記発明による液晶表示装置用基板において、前記基板が、該基板上に着色層が形成された基板であることを特徴とする液晶表示装置用基板である。
また、本発明は、請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の液晶表示装置用基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を用いてフォトスペーサを形成することで、現像性、密着性に優れかつODF方式での液晶注入においても気泡を残さず十分なプロセスマージンを持ち、液晶パネル化後に外部から力または衝撃が液晶パネルに加わった場合にも表示不良を生じ難いフォトスペーサを有する液晶表示装置用基板を提供することができる。
以下に本発明のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物、及びそれを用いて形成したフォトスペーサを有する液晶表示装置用基板について、その実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物は、ひとつには、一般式(1)で示される多官能(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレート基の一部につき、当該基中のカルボニル基に関してβ位において炭素−炭素二重結合に、一般式(2)で示される多価メルカプト化合物を付加させてなる樹脂を含むフォトスペーサ用感光性樹脂組成物である。本発明のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を用いることで、従来の感光性樹脂組成物に比べて柔軟性に富み、かつ弾性復元率の高いフォトスペーサを形成する事ができる。
また、本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物は、一般式(2)の多価メルカプト化合物と反応せず残存する(メタ)アクリレート基の一部につき、当該基中のカルボニル基に関してβ位において炭素−炭素二重結合に、一般式(3)、で示されるカルボキシル基担持メルカプト化合物を付加させてなる樹脂を含むフォトスペーサ用感光性樹脂組成物である。本発明のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を用いることで、現像性とパターンの密着性が優れた感光性樹脂組成物を得る事ができる。
さらに、上記のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、溶剤を除いた感光性樹脂組成物の硫黄元素が0.5%〜5.0%である範囲において特に良好な特性が得られることを見出した。
本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、一般式(1)の多官能(メタ)アクリレート化合物への一般式(2)の多価メルカプト化合物の付加(カルボニル基に関しβ位)、又はこれにより得られる樹脂若しくは一般式(1)の化合物への一般式(3)のカルボキシル基担持メルカプト化合物の付加は、これらにより得られる樹脂が、その後もなお炭素−炭素二重結合に基づく光重合を行うことができるよう、全体として、一般式(1)の化合物が有する炭素−炭素二重結合の0.1〜50%の範囲となるように行うことが好ましい。例えば、一般式(2)で示される多価メルカプト化合物(及び該当する場合一般式(3)で示されるカルボン酸担持メルカプト化合物)のメルカプト基の、一般式(1)で示される多官能(メタ)アクリレート化合物の炭素−炭素二重結合に対する付加割合が、該基及び二重結合のモル比で1/100〜1/3となるようにすることがより好ましく、1/50〜1/5となるようにすることが特に好ましい。
また、一般式(1)の化合物へ一般式(2)の多価メルカプト化合物を付加して得られる樹脂、又は当該樹脂に若しくは一般式(1)の化合物に一般式(3)のカルボキシル基担持メルカプト化合物を付加してなる樹脂は、光重合のための十分量の官能基を有することが好ましい。このためには、炭素−炭素二重結合1モル当たりの樹脂の分子量が100〜100,000の範囲にあるようにすることが好ましい。また、本発明の樹脂の好ましい分子量は、500〜50,000であり、より好ましくは500〜30,000である。
また、アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物を得るための本発明の樹脂としては、樹脂中に十分な数のカルボキシル基が必要である。好ましくはカルボキシル基1モル当たりの樹脂の分子量が200〜20,000であることが好ましく、250〜6,000であることがより好ましい。
本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、一般式(1)におけるアクリレート基の個数(n)は、好ましくは2〜20であり、更に好ましくは2〜6である。一般式(1)の多官能(メタ)アクリレート化合物の好ましい具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アルコキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができるこれらの化合物は、その1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、一般式(2)の多価メルカプト化合物としては、1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、ビスジメルカプトエタンチオール(HS−CH2CH2−S−CH2CH2−SH)、トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリ(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールトリ(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラ(メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、一般式(3)におけるR5の炭素数1〜12の炭化水素基としては、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基であってよく、例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、ドデシレン等が挙げられ、炭素数6〜12のアリール基であってもよい。
本発明における樹脂の合成に際しては、必要に応じて重合防止剤を加えることができる。重合防止剤としては、(メタ)アクリレート化合物の重合防止に一般に用いられるヒドロキノン系化合物、フェノール系化合物を、本発明においても使用することができる。それらの具体例としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、クレゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール(BHT)等が挙げられるがこれらに限定されない。
また、本発明における樹脂の合成に際しては、溶媒を用いずに行なってもよいが、必要に応じて、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピレングリコール、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジイソプロピルエーテル、ジグライムなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒などの有機溶媒の存在下で行なってもよい。また、反応の際には、例えば、トリフェニルホスフィンなどのリン化合物、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルベンジルアミンなどのアミン類およびその四級塩などの触媒を用いることができる。触媒の量は、通常、一般式(2)および(3)で表されるメルカプト化合物1モルあたり、0.001〜0.3モル程度であることが好ましい。
本発明における樹脂の合成の完了の確認は、液体クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーその他、一般的な分析機器により確認することができる。
本発明における一般式(2)の多価メルカプト化合物及び一般式(3)のカルボキシル基担持メルカプト化合物と、一般式(1)の多官能(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレート基への付加反応は、多官能(メタ)アクリレート化合物(モノマー)と多価メルカプト化合物とを混合し、室温ないし100℃にて、塩基性触媒を添加することにより行うことができる。反応時間は、通常約30分間ないし約6時間である。一般式(1)の多官能(メタ)アクリレート化合物と多価メルカプト化合物とから得られる樹脂と一般式(3)のカルボキシル基担持メルカプト化合物との付加反応についても同様である。
以下に、本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成したフォトスペーサを有する液晶表示装置用基板の一例として、カラーフィルタ上にフォトスペーサを形成する場合について、図1を基にして説明する。
図1において、本発明の液晶表示装置用基板としてのカラーフィルタ1は、透明基板2と、この透明基板2上に形成されたブラックマトリックス3および赤色画素(4−1)、緑色画素(4−2)、および青色画素(4−3)からなる着色層4を備え、その上に透明共通電極となるITO(図示せず)を蒸着した。その後、ブラックマトリックス3の所定の位置に本発明のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物でフォトスペーサ5を形成している。
上記のカラーフィルタ1を構成する透明基板2としては、ガラスやプラスチック板やフィルムなど用いることができる。近年、透過性、耐薬品性に優れたプラスチック基板の提案もなされているが、一般的には熱膨張率が小さく、高温での寸法精度に優れている無アルカリガラスが広く用いられている。
また、透明基板2上に設けられるブラックマトリックス3は、光漏れによるコントラストの低下を防ぐ目的で各色の画素間や、着色層4の形成領域の外側に設けられている。このようなブラックマトリックス3は、クロム、酸化クロムの多層蒸着薄膜をパターニングして形成する方法やカーボンブラックなどの遮光性顔料を分散させた樹脂ブラックマトリックスレジストを用い、通常のフォトリソグラフィー法によって形成する方法などが知られている。
また、各色とも顔料分散レジストを用い、フォリソグラフィー法によって所定のパターン形状に着色層を形成することができる。即ち、1つのフィルタ色の顔料を含んだ顔料分散レジストをガラス等の基板上に塗布し、パターン露光、現像を行うことで1色目のパターン形成を行う。これを3色繰り返すことによって着色層を得ることが可能である。
フォトスペーサ5は、カラーフィルタ1とTFT基板とを貼り合わせた時に液晶セルのギャップを決めるものであり、表示品質にとって重要な役割を果たす。本発明におけるフォトスペーサは一定の高さを持つものであり、その均一性が要求される。また、高さの他、フォトスペーサに要求される形状、大きさ、密度等は液晶表示装置の設計によって適宜決定される。
フォトリソグラフィー法によってフォトスペーサを形成する際の現像は、有機溶剤を用いても構わないが、環境的な配慮から水あるいはアルカリ水溶液を用いることが好ましい。しかし、水現像では用いる樹脂の親水性が高いために作製したフォトスペーサの耐水性が弱いなどの欠点を有する。従って、一般的にはアルカリ水溶液によって行われ、それに適した樹脂および感光性材料組成にするのが一般的である。
アルカリ水溶液には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩の水溶液、ヒドロキシテトラメチルアンモニウム、ヒドロキシテトラエチルアンモニウムなどの有機塩の水溶液を用いることができる。これらを単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。また、このようなアルカリ現像可能な感光性材料は、一般にアルカリ可溶性樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤を主成分とする組成に、必要に応じてレベリング剤、溶剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、粘度調整剤などの添加剤を加えて調製することができる。
重合性モノマーとしては、一般式(1)で示されるモノマーの他に以下に示すようなモノマーを混合ないし単独で使用しても良い。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類を挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等の硫黄化合物、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン類、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。これらの光重合開始剤は、その1種単独で、または、2種以上を併用することもできる。
また、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物に100nm以下の微粒子を添加することによって弾性復元率を向上することもできる。使用することができる微粒子としてはAl2 3 、TiO2 、Fe2 3 、ZnO、CeO2 、Y2 3 、Mn3 4 、SiO2 などの真球状、球状、多面体形状のものを挙げることができる。
以下に実施例をもって、より詳細に本発明を説明するが、この内容に限定されるものではない。
<実施例1>
[着色材料作製]
カラーフィルタ作製に用いる着色材料を着色する着色剤には以下のものを使用した。
・赤色用顔料:C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I. Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
・緑色用顔料:C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造製「リオノールグリーン 6YK」)、およびC.I. Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
・青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リオノールブルーES」)C.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
それぞれの顔料を用いて赤色、緑色、青色の着色材料を作製した。
<赤色着色材料>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。・赤色顔料:C.I. Pigment Red 254 18重量部
・赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 2重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 108重量部

その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して赤色着色材料を得た。
・上記分散体 150重量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 13重量部
(大阪有機化学工業(株)製「TMP3A」)
・光開始剤 3重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
・増感剤(保土ヶ谷化学(株)製「EAB−F」) 1重量部
・シクロヘキサノン 253重量部
<緑色着色材料>
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
・緑色顔料:C.I. Pigment Green 36 16重量部
・黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 150 8重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 102重量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 14重量部
(大阪有機化学工業(株)製「TMP3A」)
・光開始剤 4重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
・増感剤(保土ヶ谷化学(株)製「EAB−F」) 2重量部
・シクロヘキサノン 257重量部
<青色着色材料>
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
・青色顔料:C.I. Pigment Blue 15 50重量部
・紫色顔料:C.I. Pigment Violet 23 2重量部
・分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 6重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 200重量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 19重量部
(大阪有機化学工業(株)製「TMP3A」)
・光開始剤 4重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
・増感剤(保土ヶ谷化学(株)製「EAB−F」) 2重量部
・シクロヘキサノン 214重量部
[着色層形成および透明導電膜形成]
得られた着色材料を用いて着色層を形成した。ガラス基板に、赤色着色材料をスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布した。90℃5分間乾燥の後、着色層形成用のストライプ状フォトマスクを通して高圧水銀灯の光を300mJ/cm2 照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、ストライプ形状の赤色の着色層を得た。その後、230℃30分焼成した。
次に、緑色着色材料も同様にスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布した。90℃5分間乾燥した後、前述の赤色着色層と隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像することで、緑色着色層を得た。その後、230℃30分焼成した。
さらに、赤色、緑色と全く同様にして、青色着色材料についても仕上り膜厚が1.8μmで赤色、緑色の着色層と隣接した青色着色層を得た。その後、230℃30分焼成した。これで、透明基板上に赤、緑、青3色のストライプ状の着色層を持つカラーフィルタが得られた。なお、アルカリ現像液は以下の組成からなる。
・炭酸ナトリウム 1.5重量%
・炭酸水素ナトリウム 0.5重量%
・陰イオン系界面活性剤(花王・ペリレックスNBL) 8.0重量%
・水 90重量%
このカラーフィルタに透明電極として、酸化インジウム−スズ(ITO)を一般的なスパッタリング法により1500オングストロームの厚さで形成した。
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物1の調製]
<樹脂Aの合成>
内容量が2リットルの四つ口フラスコ内に、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート(PGMAc)800g、ブチルメタクリレート(BMA)140g、メタクリル酸(MAA)30g、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)30g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)8gを加え窒素を吹き込みながら80℃で6時間加熱し、樹脂a溶液を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによれば、重量平均分子量は25,000であった。
<樹脂Bの合成>
内容量が2リットルの四つ口フラスコ内に、1,2−ジメルカプトエタン126g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1868g、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール0.5g、ジメチルベンジルアミン0.05gを加え60℃で10時間加熱した。得られた反応物につき、ヨードメトリー法によりメルカプト基の消失を確認した。ゲル濾過クロマトグラフィーによれば、重量平均分子量は2,300であった。
固形分重量で樹脂A50重量部、樹脂B50重量部、および光重合開始剤(Irugacure907)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物1を調製した。
[フォトスペーサの形成]
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物1を上述のITO付きカラーフィルタ上に仕上り膜厚(硬膜後の膜厚)が4μmになるようにスピンコートし、90℃で2分間乾燥した。開口部16μmφのフォトスペーサ形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光を100mJ/cm2 照射した。 なお、フォトマスクと基板との間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。その後、着色層の形成と同様の現像液を用いて現像をした。水洗を施したのち、230℃30分ポストベークを行い、下底の外径がおよそ18μm、上底の外径が16μmのフォトスペーサを、着色層を下地とする透明電極上に形成した。
<実施例2>
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物2の調製]
・樹脂Cの合成
内容量が2リットルの四つ口フラスコ内に、ペンタエリスリトールテトラメルカプトアセテート78g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート820g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート976g、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール0.4g、ジメチルベンジルアミン0.04gを加え、60℃で12時間反応させた。得られた反応物につき、ヨードメトリー法にてメルカプト基の消失を確認した。ゲル濾過クロマトグラフィーによれば、重量平均分子量は11,000であった。
続いて、チオグリコール酸を78g加え、60℃で12時間反応させた。得られた反応物につき、ヨードメトリー法にてメルカプト基の消失を確認した。ゲル濾過クロマトグラフィーによれば、重量平均分子量は12,000であった。
固形分重量で樹脂C50重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50重量部、および光重合開始剤(Irugacure369)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物2を調製した。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物2を用いる以外は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。
<実施例3>
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物3の調製]
固形分重量で樹脂A20重量部、樹脂C30重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50重量部および光重合開始剤(Irugacure369)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物3を調製した。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物3を用いる以外は、実施例1と同様にしてITO付き
カラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。
<実施例4>
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物4の調製]
固形分重量で樹脂C70重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30重量部および光重合開始剤(Irugacure907)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物4を調製した。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物4を用いる以外は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。
<実施例5>
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物5の調製]
固形分重量で樹脂A30重量部、樹脂C20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50重量部および光重合開始剤(Irugacure369)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物5を調製した。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物5を用いる以外は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。
<比較例1>
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物6の調製]
固形分重量で樹脂A40重量部、樹脂C10重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50重量部および光重合開始剤(Irugacure369)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物6を調製した。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物6を用いる以外は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。
<比較例2>
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物7の調製]
固形分重量で樹脂A50重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50重量部および光重合開始剤(Irugacure369)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物7を調製した。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物7を用いる以外は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。
<比較例3>
[フォトスペーサ用感光性樹脂組成物8の調製]
樹脂C50重量部、樹脂B50重量部および光重合開始剤(Irugacure907)14重量部、レジスト中の固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、フォトスペーサ用感光性樹脂組成物8を調製した。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物8を用いる以外は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。
[フォトスペーサの弾性測定]
実施例1〜5および比較例1〜3のフォトスペーサの弾性特性をフィッシャー・インストルメンツ社製:微小膜硬度計HM2000によって評価した。弾性特性は、50μm×50μmの平坦圧子を用い、2.2mN/secの速度で60mNの荷重を負荷し、5秒間保持した後、2.2mN/secの速度で0.4mNまで荷重を除去したときの荷重と変形量とのヒステリシス曲線を測定した。
ヒステリシス曲線から総変形量、塑性変形量、弾性変形量を求め、弾性復元率の値を算出した。
図2は、荷重と変形量とのヒステリシス曲線の一例を示したものである。符号(A−B)は総変形量、符号(A−C)は塑性変形量であり、弾性復元率は[(C−B)/(A−B)]×100で表される。ここで、Aはスペーサの初期高さ、Bは所定荷重の負荷時における高さである。
[低温発泡評価]
低温発泡は、−30℃環境下で評価し、判定基準は、液晶パネルを500時間放置後の気泡発生の有無とした。
[耐圧試験]
耐圧試験は、プッシュプルゲージを用いて、先端が平坦な圧子(先端部面積80cm2 )を液晶パネル面に垂直に押し当て、緩衝用ゴムを介して3kgf/cm2 の圧力を荷重が均一にかかるようにし、1分間保持したとき輝度ムラの有無を目視で評価した。
[硫黄元素含有量測定]
基板上に形成されたフォトスペーサを削り取り、フラスコ燃焼−イオンクロマトグラフ法にて硫黄元素含有量を測定した。
Figure 0005234715
実施例1〜5および比較例1〜3のカラーフィルタについて、液晶パネル張り合わせマージン、低温発泡評価、耐圧試験を行った結果を表1に示す。
フォトスペーサの硫黄含有量は0.5%〜5.0%が望ましく、より望ましくは1.0%〜4.0%である。また、フォトスペーサの弾性復元率は耐圧試験の観点かなら60%以上が望ましく、より望ましくは70%以上である。理想的には弾性復元率は100%である好ましいが、60%から90%の範囲にあれば実用面で支障ない。
フォトスペーサの総変形量はパネル張り合わせマージン、低温発泡試験の観点から4μmの液晶パネルセルギャップにおいて、0.88μm以上が望ましく、より望ましくは1.0μm以上である。逆に、4μmの液晶パネルセルギャップにおいて、フォトスペーサの変形量が1.3μm以上より大きく、かつ、弾性復元率が小さい場合には、液晶パネルに力が加わったあとに表示ムラが残るため好ましくない。ゆえ、フォトスペーサの高さに対しての総変形量は、22%以上、さらに29%以下であることが好ましい。
本発明において、メルカプト化合物の付加量及びフォトスペーサの大きさ(径)を調整することで、適正な弾性復元率、総変形量を選択できる。なお、フォトスペーサの大きさ(径)は、20μmから10μmが一般的であるが、この範囲を超えた大きさのフォトスペーサを採用しても良い。
本発明の液晶表示装置用基板の一例として、カラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した液晶表示装置用基板の断面図である。 荷重と変形量のヒステリシス曲線の一例である。
符号の説明
1・・・フォトスペーサが形成されたカラーフィルタ
2・・・透明基板
3・・・ブラックマトリクス
4・・・着色層
4−1・・・赤色画素
4−2・・・緑色画素
4−3・・・青色画素
5・・・フォトスペーサ
A・・・スペーサの初期高さ
B・・・所定荷重を負荷時における高さ
C・・・所定荷重を負荷した後、荷重を除去した後の高さ
A−B・・・総変形量
A−C・・・塑性変形量

Claims (7)

  1. フォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、下記一般式(1)で示される多官能(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレート基の一部につき、当該基中のカルボニル基に関してβ位において炭素−炭素二重結合に、下記一般式(2)で示される多価メルカプト化合物を付加させてなる樹脂を含むフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であり、かつ前記フォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、溶剤を除いた感光性樹脂組成物の硫黄元素含有量が0.5%〜5.0%であることを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物
    Figure 0005234715
    Figure 0005234715
  2. 前記一般式(1)で示される多官能(メタ)アクリレート化合物の、一般式(2)の多価メルカプト化合物と反応せず残存する(メタ)アクリレート基の一部につき、当該基中のカルボニル基に関してβ位において炭素−炭素二重結合に、下記一般式(3)で示されるカルボキシル基担持メルカプト化合物を付加させてなる樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
    Figure 0005234715
  3. 請求項1又は請求項2に記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を用い、基板上にフォトスペーサを形成したことを特徴とする液晶表示装置用基板。
  4. 前記フォトスペーサに、60mNの圧縮荷重を負荷し荷重を除去した時の弾性復元率が60%以上であることを特徴とする請求項記載の液晶表示装置用基板。
  5. 前記フォトスペーサに、60mNの圧縮荷重を負荷した時の総変形量が、前記フォトスペーサの高さに対して22%以上であることを特徴とする請求項又は請求項記載の液晶表示装置用基板。
  6. 前記基板が、該基板上に着色層が形成された基板であることを特徴とする請求項、請求項、又は請求項記載の液晶表示装置用基板。
  7. 請求項〜請求項のいずれか1項に記載の液晶表示装置用基板を用いたことを特徴と
    する液晶表示装置。
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