JPH0353113Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 合成樹脂管の結合構造の改良に係り、更に詳し
くは合成樹脂管の膨張収縮に対応できるようにし
且つ作業性を良くしたことを特徴とする合成樹脂
管の結合構造に関する。

（従来の技術と問題点） 畑地潅漑用スプリンクラー配管あるいは土木建
設工事の仮設配管にポリエチレン管のような合成
樹脂管が使用されている。従来の合成樹脂管の結
合にはフランジ接合法、冷間接合法（JWWA）
等がある。農業関係での使用方法は地表での配管
作業となり取り外して他の場所へ移動し再度セツ
トして使用する場合が多い。前記接合方法は組立
分解作業が煩雑なこと分解時の共廻りの発生があ
り、又、部品の変形、合成樹脂管にきずが発生す
る等の問題があり再度の使用は困難であつた。そ
こで組立分解の容易な溶着型ワンタツチ管継手が
開発された。これは継手の雄、雌の一方に例えば
ポリエチレン管を溶着し、他方を袋リングによつ
てワンタツチ式に接続する継手である。然し、継
手とポリエチレン管を溶着する必要があること、
継手に遊びが無く気候の寒暖の差によるポリエチ
レン管の膨張収縮に対応出来ないなどの問題があ
る。上記に鑑み本考案は組立分解が容易で、合成
樹脂管の膨張収縮にも対応できるような合成樹脂
管の結合構造を提供することを目的とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案を実施例で説明する。

第１図に示すように、合成樹脂管の結合構造１
は、継手本体２とラツチ環３と接続されようとす
る合成樹脂管４とからなる。継手本体２は、その
両端内周側に環状の溝５を有し、この溝５には、
Ｕ型のパツキング６が配設される。該Ｕ型パツキ
ング６は水圧が増すに従い水密性も増すようにな
る。継手本体２の両端外周壁面７にフツク係合溝
部８を形成する。フツク係合溝部８は、好ましく
は対向して複数個設けられ、第３図に示すように
継手本体２の端部外周面に円周方向に延在する第
１の突部９と、該第１の突部９の一方の端部から
継手本体２の他端側へとその軸線方向に延在する
第２の突部１０と、他方の端部から該第２の突部
１０とは略平行関係にあり且つ第２の突部１０よ
り短い第３の突部１１とより構成される。

第３図に示すように、使用中フツク１２のフツ
ク係合溝部８からの離脱を防止させるため、第３
の突部１１の前端との間に間隔t₀をもつて突部１
３を設け、該間隔t₀をフツク１２の係合部厚さt₁
より僅かに大なるものとすることにより、フツク
１２が使用中に振動等により溝部８から離脱し難
くすることができる。又、フツク１２のＵ字状の
底部ａの長さは継手本体２の第１の突部９の幅ｂ
よりも長くすることにより継手本体２とラツチ環
３の間に遊び１９を設ける。

合成樹脂管４は、該合成樹脂管４の端部内面に
該合成樹脂管４の内径よりも大きい外径を有する
コア１４を圧入することにより拡管し段差１５を
形成する。

ラツチ環３は、その一端に前記継手本体２のフ
ツク係合溝部８と係合するフツク１２を有し、そ
の他端側の内周側に環状の溝１６を有する。該溝
１６にはリツクリング１７とストツプリング１８
が配設され、ロツクリング１７と溝１６は遊合関
係になつている。ラツチ管３は合成樹脂管４に対
し遊合関係になつており且つ回転自在である。ラ
ツチ環３のフツク１２は内周側に開いた断面が略
Ｕ字状をなし、第３図に示すように、フツク１２
を矢印Ａ方向に廻しながら第３の突部１１側から
溝８に侵入させ、次いで、矢印Ｂ方向へ移動させ
て第２及び第３の突部１０，１１間に配し、継手
本体２とラツチ環３とを着脱可能に係止させる。

前記ロツクリング１７は真円角型でありその外
径は継手本体２側に面したラツチ環３の貫通孔の
直径よりも小さく反対側の貫通孔の直径よりも大
きい。又ストツプリング１８の装着時の内径より
も大きい。ロツクリング１７の内径は前記合成樹
脂管４の拡管部の直径よりも小さい。ストツプリ
ング１８は自由状態時は合口が拡がり、ストツプ
リングプライヤで合口を閉じてラツチ環３の溝部
１６に装着されロツクリング１７のラツチ環３の
溝部１６からの外れを防止する。ロツクリング１
７は前記拡管した合成樹脂管４の未拡管部に配置
される。

ラツチ環３の溝１６にロツクリング１７とスト
ツプリング１８を装着した後、合成樹脂管４に該
ラツチ環３を挿入し、次いで合成樹脂管４の端部
内面にコア１４を挿入し継手本体２に該合成樹脂
管４を挿入して合成樹脂管４と継手本体２とをパ
ツキング６により水密関係とさせる。次いでラツ
チ環３を継手本体２方向に押しながら回転させフ
ツク１２をフツク係合溝部８に係合させ、ラツチ
環３を戻す。

このように組立られた継手２に水圧が作用する
と合成樹脂管４を抜け方向に動かす。このためロ
ツクリング１７は合成樹脂管４の段差１５に食い
込み耐抜力を向上させる。又合成樹脂管４が膨張
した場合継手本体２とラツチ環３の間に遊び１９
があるため合成樹脂管４の継手本体内部への動き
に対応できる。又、水圧を解除し組立を分解する
場合、従来の継手ではラツチ環とロツクリングと
合成樹脂環が強固に固定されるため、ラツチ環を
回転するのに伴い合成樹脂環も回転し、合成樹脂
管の他方の継手も外れるという共廻りが発生する
ことがあるが、本考案の継手では遊び１９がある
ためラツチ環３とロツクリング１７は容易に離れ
前記のような共廻りは発生しない。

（効 果） 本考案の合成樹脂管の結合構造により配管作業
は非常に容易になり、且つ気候の寒暖の差による
合成樹脂管の膨張収縮に対応することが出来ると
共に、共廻りが発生することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す部分側断面図、
第２図は本考案の実施例を示す斜視図、第３図は
フツク係合溝部の概略図である。 図中、１……合成樹脂管の結合構造、２……継
手本体、３……ラツチ環、４……合成樹脂管、６
……パツキング、８……フツク係合溝、９……第
１の突部、１０……第２の突部、１１……第３の
突部、１２……フツク、１４……コア、１７……
ロツクリング、１８……ストツプリング、１９…
…遊び。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 合成樹脂管４の端部外周面と水密接触するパ
   ツキング６を両端内周壁面に備え且つ両端外周
   壁面にフツク係合溝部８を有する継手本体２
   と、合成樹脂管４の端部に圧入されて合成樹脂
   管４の端部を拡管させるコア１４と、前記拡管
   された合成樹脂管の外径より小さい内径を有
   し、該合成樹脂管の未拡管部分に配設されたロ
   ツクリング１７を収容する内周溝１６を有し、
   前記継手本体２のフツク係合溝８と着脱可能に
   係合するフツク１２を有するラツチ環３と、前
   記ラツチ環３の内周溝１６に収容され、前記ロ
   ツクリング１７の前記内周溝１６から抜け出し
   を阻止する割型ストツプリング１８とを有する
   ことを特徴とする合成樹脂管の結合構造。 ２ フツク係合溝部８が前記継手本体２の外周壁
   面にその円周方向に延在する第１の突部９と、
   該第１の突部９の一端から前記継手本体２の他
   端方向へ且つその軸線方向に延在する第２の突
   部１０と、及び前記第１の突部９の他端から前
   記継手本体２の他端方向へ且つその軸線方向に
   延在する前記第２の突部１０より短い第３の突
   部１１とよりなり、前記フツク１２が回転しな
   がら前記第３の突部１１の端から前記第２の突
   部１０方向へと挿入され且つ前記第１〜第３の
   突部により構成される溝８に収容されることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の合成樹脂管の結合構造。