JPH0352982B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に保健を目的として浴槽内に気泡
を発生させる装置に関する。本発明は主として一
般家庭用の風呂、いわゆる内風呂に利用する。

〔概要〕

本発明は、浴槽内に気泡を発生させるための吸
入口、電動ポンプ、送水管およびノズルを一つの
筐体に実装する構造の気泡発生装置において、 三路構造のノズルが湯水に浸るように、筐体を
可撓性のハンガにより浴槽の縁に架けられる構造
にすることにより、 一般家庭用の浴槽に、簡便に設置することがで
き、効率のよい発泡効果がえられるようにしたも
のである。

〔従来の技術〕

浴槽の湯水に直接超音波発振装置を接し、また
は圧縮空気を混入することにより、湯水中に発生
した気泡を人体の表面に与え、入浴による保健効
果を図ることが知られている。

しかしこの装置が固定形状のものである場合、
既設の浴槽に取り付けるために取付工事が必要で
あつた。そこで本出願人は実願昭61−33997号
（実開昭62−145621号公報）により、その筐体に
浴槽の縁に着脱自在に嵌まる嵌合部を備えた浴槽
内の気泡発生装置を提案した。

本提案の装置では筐体に取り付けられたノズル
は水面の上方に位置しており、このノズルから周
囲の空気を巻き込んで噴出する水流が水面に突入
するさい、浴槽内に効果的な発泡作用が生ずる。
このとき発生する水面の飛沫および騒音は、ノズ
ル先端に設けた蛇腹状の管で防止している。

この提案の装置を実施した結果、一般家庭の入
浴社から好評を得た。

一方、本出願人は、実用新案登録出願（昭和61
年６月３日付実願昭61−84371号出願、実開昭62
−149330号公報）において三路構造のノズルを開
示した。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし上記三路構造のノズルは、上記飛沫と騒
音との発生を抑制するためにはこれを浴槽の湯水
の水面下に位置する必要があるが、このノズルを
上記の実施例装置（実開昭62−146521号公報）に
そのまま摘要することができない。すなわちこの
構造は筐体の一部が湯水に浸される構造ではな
い。またこの構造ではかりに筐体の一部が湯水に
浸る構造としても、浴槽の縁に嵌合する嵌合部に
より支持される筐体の位置が、浴槽の縁の高さに
対し一定の位置をとるので、浴槽内の水位が低下
するとノズルは湯水に浸されなくなる。

本発明は、この欠点を解決して、浴槽に簡便に
取り付けられ、効率的な発泡効果が得られる浴槽
内の発泡装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、吸入口と、湯水を昇圧する電動のポ
ンプと、送水管と、ノズルとが一つの筐体に実装
され、上記吸入口が浴槽内の湯水を吸入し上記ノ
ズルから噴出する水流が浴槽内に気泡を発生させ
る構造の浴槽内の気泡発生装置において、 上記筐体にはその筐体の少なくとも一部を浴槽
内の湯水に浸すように浴槽の縁に架けるための可
撓性のハンガが取り付けられ、上記ノズルは上記
ハンガが浴槽の縁に架けらた状態で湯水の中に浸
される位置に設けられ、上記ノズルは、第一端が
開口し第二端が上記送水管に接続されさらに第三
端が吸気口に接続され、上記水流に吸気口から吸
い込む空気を混合させる三路構造を含むことを特
徴とする。

可撓性のハンガは、亜鉛もしくは鉛を主体とす
る金属構造を合成ゴムで覆う構造であり、電動の
ポンプに電流を供給する電気コードが内設された
ものとすることができる。

可撓性のハンガには、吸気口が設けられ、この
吸気口と三路構造の第三端とを連結する空気管路
が内設されたことが好ましい。

ノズルは筐体に対してその水流の噴出方向が変
更可能に取り付けられたものとすることができ
る。

また、本発明では、第一端が湯水中に開口し、
第二端が昇圧された湯水を供給する送水管に接続
され、第三端が大気に連結され、上記第一端から
噴出する水流に上記第三端から吸い込む空気を混
合させる三路構造を含むノズルにおいて、 上記第一端および上記第二端はともに断面が円
形に管路構造であり、その第一端の管路構造はそ
の第二端の管路構造よりその内径がやや大きく、
二つの管路構造はその中心軸が一致するように連
接され、その第一端と第二端との連接部分の外側
には上記管路構造と同軸形状の空間を有する二重
構造が設けられ、この連接部分の外側の空間が上
記第三端に連結され、この連結部分に上記管路構
造の内側と外側とを連通する多数のそれぞれ開口
面積の小さい孔が設けられたことを特徴とする。

さらに、本発明の浴槽内の発泡方法は湯水内に
発泡剤を溶解させ、上記の装置を用いて浴槽内の
湯水を発泡させることを特徴とする。

〔作用〕

ハンガは可撓性であるので、自在な形状とする
ことができる。したがつて浴槽の水位の変化に対
して、ノズルが使用状態において湯水に浸される
よう筐体の位置を調整できる。この形状により、
日本式の浴槽あるいは洋式の浴槽にも、その水位
の高さや縁の形状にかかわらず、最適の状態とな
るように使用できる。

ノズルは、湯水と向け開口している端と強い水
流が進入する端と大気に連通する端とによる三路
構造となつているので、湯水に浸されて気泡を発
生することができる。

気泡は湯水中で発生するので、飛沫や騒音の発
生が防止できる。

ノズルの水流が通貨する管路構造の外側の空間
から空気は多数の孔を介して水流に巻き込まれる
ので、空気の巻き込みは水流の各部に均等に行わ
れ、またそれぞれ孔の開口面積は小さいので使用
していない状態でノズルが湯水に浸されても湯水
がこの孔を介して大気側に逆流することがない。

あらかじめ湯水内に発泡剤を溶解させたのち、
本発明による装置を使用することにより、発泡効
果がさらに向上する。

〔実施例〕

つぎに、本発明による浴槽内の気泡発生装置の
実施例装置およびそのノズルの実施例について図
面を用いて説明する。

第１図は本発明一実施例装置の一部破断斜視図
を示し、第２図はその模式的断面による構造説明
図を示す。

本実施例装置は、フイルタ１１を備えた湯水を
吸入する吸入口１と、この吸入口１から吸入する
湯水を外部ベーン１２を回転して昇圧する電動の
ポンプ２と、このポンプ２の出力口に接続して昇
圧された水流を矢印２４のように導く送水管に相
当する圧力室３と、この圧力室３に接続されたノ
ズル４とが一つの筐体５に実装されている。吸入
口１が縁２２を備えた浴槽内の湯水２３を吸入し
ノズル４から噴出する矢印２５で示す水流が浴槽
内に気泡を発生させる。

ここで本発明による浴槽内の気泡発生装置の特
徴とするところは次のとおりである。筐体５はそ
の少なくとも一部が湯水２３に浸すように浴槽２
１の縁２２に架けるための可撓性のハンガ６がネ
ジ６Ａで強固に取付けられる。この縁２２に架け
られた状態で、ノズル４は湯水２３の中に浸され
るような筐体５の位置に設けられる。ノズル４の
第一端３１が水中に開口し、第二端３２が圧力室
３に接続し、第三端３３が吸気口７に接続され、
矢印２５の水流にこの吸気口７から吸い込む空気
を混合させる三路構造を含む。

可撓性のハンガ６は亜鉛もしくは鉛を主体とす
る容易に変形できる金属の細い棒６２を覆うコル
ゲート状の突起６１を備えた形状の合成ゴムで成
形され、電動のポンプ２に電流を供給する電気コ
ード１３が内設される。また上記吸気口７がその
端部に設けられたこの吸気口７とホース１５を介
してノズルの三路構造の第三端３３とを連結する
空気管路１４が内設される。

可撓性のハンガ６は金属の細い棒６２が内蔵さ
れており、この棒６２は屈曲が自在であるので、
第３図のａおよびｂ図に示すようにそれぞれ縁２
２の厚さＢまたはｂが異なる浴槽で、それぞれ縁
から湯水２３の水面までの高さの差Ｈまたはｈが
異なる場合でも、筐体５のノズル４が湯水の中に
浸される位置に架設することができる。

ハンガ６の表面は合成ゴムであるので、突起６
１が設けられた面と反対側の面には、自動車タイ
ヤのトレツドパターンのような凹凸を設けること
により、浴槽の縁が濡れていてもハンガが滑らな
いようにできる。

またノズル４は半球殻状の前片４１とこれに連
接する外径が等しい半球殻状の後片４２とから構
成され、これを保持板４３が筐体５の内壁部５Ａ
に螺着することによつて保持される。保持板４３
のノズル４との接触面はノズルの外径に適合した
中空球面状の摺動面となつており、前片４１の前
端の開口端４４に指をあてて動かすことにより、
開口端４４からの水流の噴出方向が変更可能とな
るように容易に回動できる。

このように水流の噴出方向を変更可能にするこ
とにより、浴槽の形状や、同時に入浴する人数に
応じて気泡の発生を自在に調整することができ
る。

また本発明においてノズルは、第４図に示すよ
うに第一端３１が湯水（図示せず）中に開口し、
第二端３２が昇圧された湯水を供給する送水管
（第１図に示す圧力室３）に接続され、第三端３
３が大気（第１図に示す吸気口７を介して）に連
結され、第一端３１から噴出する水流に第三端か
ら吸い込む空気を混合させる三路構造である。第
一端は第５図に示す前片４１の構造であり、第二
端３２および第三端３３は第６図に示す後片４３
の構造である。

すなわち第一端３１は円筒状突起である開口縁
４４を備えた半球殻状の前片４１の中央に設けら
れた円形断面の管状構造であり、この前片４１の
接着面４１Ａに対向して接着される接着面４２Ａ
を備えた前片４１と外径の等しい半球殻状の後片
４２において、第二端３２はこの後片４２の中央
に設けられ上記第一端３１より内径がやや小さい
円形断面の管状構造であり、前片４１と後片４２
とを接着して一体としたとき第一端３１と第二端
３２との中心軸が一致するようになつている。こ
のように前片３１と後片３２を連結したとき、そ
れぞれの球殻の内部には上記第一端３１と第二端
３２との連接部分の外側に上記管路構造と同軸形
状の室４５が形成され、この室４５は後片４２に
形成された接手４６の内部の第三端３３に連結さ
れる。

また管路構造の連接部分には上記管路構造に多
数の孔４７が円環状に設けられ、この孔４７によ
り管路構造の内側と外側すなわち第一端３１側と
室４５とが連通するようになつている。

第７図にノズルの組立要領図を示す。第８図に
孔４７の付近を拡大した前片部分図を示す。第８
図においては、明瞭に図示するため前片の球殻部
分は一点鎖線で示す。第７図および第８図に示す
ように孔４７は第一端３１および第二端３２によ
り構成される管状構造側の幅は室４５側の幅より
狭い。またこの管状構造の周囲をつつむように多
数設けられているので、それぞれの孔の管状構造
に対する開口面積が小さい。したがつて本ノズル
では、これを使用しない状態において管状構造内
部にある湯水は、これらの孔４７を通して室４５
の側に進入することが少ない。さらに孔４７は、
第４図に示すように、第二端３２より内径が大き
い第一端３１の連接側の近傍に設けられている。
すなわち第二端３２より大きい流速で進入する水
流がこの連接部分で拡大される部分に設けられて
いるので、流体の連続式に理により孔４７の内面
では流体圧が負圧となるので、室４５の空気がこ
の水流中に巻き込まれる。この空気が巻き込まれ
た水流は前片４１の開口縁４４から浴槽の湯水中
に噴出する。この開口縁４４の内側は2°ないし
10°の傾斜角を備えた拡散形状のもので、このよ
うに噴出水流が拡散されることにより、水流中に
巻き込まれた空気が浴槽内の湯水に放出されると
き、さらに微細な気泡に破砕分散する。この破砕
分散のさいに２万Hz以上の超音波を発生する。

本発明においては、あらかじめ湯水内に発泡剤
を溶解させておき、上記実施例装置を用いて浴槽
内の湯水を発泡させる発泡方法を特徴とする。

この場合発泡剤としては、例えば本出願人が特
願昭59−21370号（特開昭60−166607号公報開示）
で提案したポリエチレングリコールを主体とし、
炭酸水素ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、微量
の色素および微量の香料が添加された健康風呂用
の添加剤を含むものが適している。これらの発泡
剤はそれ自体によつても湯水に気泡を発生する効
果を備えているが、本実施例装置を併用すること
にさらに人体に対する温浴効果が向上する。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明を実証することに
より、取扱いが容易で、浴槽の形状や湯水の水位
などに制約されずに、必要とする人体の部位によ
く適合するように、浴槽内に気泡を発生する装置
を実現できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例装置の一部破断斜視
図。第２図は上記実施例の模式的断面による構造
説明図。第３図は筐体の架装位置説明図。第４図
はノズル組立断面図。第５図はノズルの前片説明
図。第６図はノズルの後片説明図。第７図はノズ
ルの組立要領図。第８図はノズルの前片部分図。 １……吸入口、２……電動のポンプ、３……圧
力室、４……ノズル、５……筐体、５Ａ……筐体
の内壁部、６……可撓性のハンガ、６Ａ……ネ
ジ、７……吸気口、１１……フイルタ、１２……
ポンプの外部ベーン、１３……電気コード、１４
……空気通路、１５……ホース、２１……浴槽、
２２……浴槽の縁、２３……湯水、２４，２５…
…水流を示す矢印、３１……第一端、３２……第
二端、３３……第三端、４１……ノズルの前片、
４１Ａ……、４２Ａ……接着面、４２……ノズル
の後片、４３……保持板、４４……開口縁、４５
……室、４６……接手部、４７……孔、６１……
ハンガの突起、６２……容易に変形できる金属の
細い棒、Ｂ，ｂ……浴槽の縁の幅、Ｈ，ｈ……浴
槽の縁から水面までの高さ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吸入口と、この吸入口から吸入する湯水を昇
   圧する電動のポンプと、このポンプの出力口に接
   続された送水管と、この送水管の出力口に接続さ
   れたノズルとが一つの筐体に実装され、上記吸入
   口が浴槽内の湯水を吸入し上記ノズルから噴出す
   る水流が浴槽内に気泡を発生させる構造の浴槽内
   の気泡発生装置において、 上記筐体にはその筐体の少なくとも一部を浴槽
   内の湯水に浸すように浴槽の縁に架けるために金
   属構造を合成ゴムで覆う構造で可撓性を有し上記
   電動のポンプに電源を供給する電気コードおよび
   吸気口と三路構造の第三端とを連結する空気管路
   とが内設されているハンガが取り付けられ、上記
   ノズルは上記ハンガが浴槽の縁に架けられた状態
   で湯水の中に浸される位置に設けられ、 上記ノズルは、第一端が開口し第二端が上記送
   水管に接続されさらに上記第三端が吸気口に接続
   され、上記水流に吸気口から吸い込む空気を混合
   させる上記三路構造を含む ことを特徴とする浴槽内の気泡発生装置。