JPH03185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、特に保健を目的として浴槽内に気泡
を発生させる装置に関する。本考案は主として一
般家庭用の風呂、いわゆる内風呂に利用するに適
する。

〔概要〕

本考案は、浴槽内に気泡を発生させるための送
水管、電動のポンプおよびノズルを一つの筐体に
実装する構造の気泡発生装置において、 その筐体を浴槽内に持込める形状とし、かつ水
面上と水面下とで気泡流を発生する複数のノズル
を備えることにより、 一般家庭用の浴槽に、簡便に利用することがで
きるようにしたものである。

〔従来の技術〕

浴槽の湯水に直接超音波発振装置を接し、また
は圧縮空気を混入することにより、湯水中に発生
した気泡を人体の表面に与え、入浴による保健効
果を図ることが知られている。

出願人は、このような浴槽内に気泡を発生させ
る装置として、揚水管と、この揚水管から吸入す
る湯水を昇圧するポンプと、このポンプの出入口
に接続された送水管と、この送水管の出力口に接
続された一つ以上の噴流口とが一つの筐体に実装
されて浴槽の縁に設置され、揚水管が浴槽内の湯
水を吸い上げ、上記噴流口から噴出する水流が浴
槽内に気泡を発生させる装置を実願昭58−111686
号（実開昭60−20226号）として提案した。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしこのような装置は、浴槽を設置するとき
にあらかじめ固定的に組み込まれる構造のもので
ある。または通常の形状の浴槽に取りつけるもの
であつても、その近傍の壁面などが特定の構造で
ないと設置できなかつた。さらにこれらのものは
いつたん設置したのち、それを取りはずしたり、
その位置を変更するなどの取り扱いは容易ではな
い。いずれもある程度の規模の工事を必要とす
る。特に家族のうちにこの装置の利用を好む者が
使用するときだけに設置するようなことはできな
い。

本考案は、これを解決して一般家庭用の浴槽内
に持込んで簡便に使用できる気泡発生装置を提供
することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、吸入口と、この吸入口から吸入する
湯水を昇圧する電動のポンプと、このポンプの出
力口に接続された送水管と、この送水管の出力口
に接続されたノズルとが一つの筐体に実装され、
上記吸入口が浴槽内の湯水を吸い上げ、そのノズ
ルから噴出する水流が浴槽内に気泡を発生させる
構造の装置において、 上記筐体は、上記ポンプが収納される膨らんだ
基体部と、この基体部から垂直方向に立ち上がる
首部と、この首部の先端で水平方向に曲がつて伸
びる頭部とを持つ形状であつて、この筐体を浴槽
内に持ち込んだとき、上記首部の上部と上記頭部
とが水面上に突出する形状であり、上記ノズルは
複数個であつて、そのうちの少なくとも一つは上
記筐体の頭部に水面に向けて位置し、他の少なく
とも一つは水面下で横向きに位置し、上記筐体の
頭部には水面上の空気を吸入する吸気孔が設けら
れ、この吸気孔に接続される吸気管は上記横向き
に位置するノズルに導かれ、上記基体部の底部に
浴槽内底面に吸着する吸着盤が設けられたことを
特徴とする。

水面に向けて位置するノズルには、その先端が
水面に達する長さに引き伸ばせる蛇腹状の管が取
り付けられ、吸入口は筐体底部に開口するもので
あり、電動のポンプは約12ボルトの直流電源で駆
動されるものであり、筐体の上部には、ポンプの
電気開閉スイツチを含むことが好ましい。

吸入口は開口部にフイルタを含むことが好まし
い。

〔作用〕

吸入口と送水管と電動のポンプと水面上および
水面下に位置する複数個のノズルとが実装された
一つの筐体は、浴槽内に持込み可能な形状のもの
である。水没する筐体の大部分には浮力が生ずる
ので移動も容易である。また、吸着盤が設けられ
ているため、浴槽底に安定して据え置くことがで
きる。ノズルの少なくとも一つは浴槽の水面上に
位置し、水面から下方に向けて発泡流を発生す
る。その先端には引伸ばせる可撓性の蛇腹状の管
を取り付けることができる。これを用いることに
よりノズル噴射水のしぶきが飛ばなくなりあわせ
て消音効果がある。またこれを伸ばし曲げること
により入浴中の人体の各部分に発泡流をあてるこ
とができる。

水面下に位置するノズルは、横向きに気泡およ
び水流を噴射し、これを入浴者の体の各部にあて
ることができる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は上記実施例の構造斜視図である。第１
図において、破線で示す筐体１の内部には吸入口
２、この吸入口２から吸入する湯水を昇圧する電
動のポンプ３、このポンプ３の出力口に接続され
た送水管４Ａおよび４Ｂと、この送水管４Ａおよ
び４Ｂの出力口に接続されたノズル５Ａおよび５
Ｂと、スパイラルホース６および電源ケーブル７
Ａおよび７Ｂが実装されている。

第２図は本実施例を浴槽内に持込んだ使用状態
斜視図を示す。

ここに本考案の特徴とするところは、第２図に
示すように、筐体１はポンプ３を収納する基体部
と、送水管４Ａおよび電源ケーブル７Ｂが収納さ
れ基体部から垂直方向に立ち上がる首部と、この
首部の先端が水平方向に曲がつて形成されその先
端にノズル５Ａが取付けられている頭部とから構
成されており、この筐体１を浴槽内に持ち込める
形状に構成されており、その底部を浴槽２１の内
底面２１Ａに吸着盤９で吸着させて据え置き、上
部が水面上に突出する状態で使用する形状であ
り、２個のノズル５Ａおよび５Ｂがあり、その一
つのノズル５Ａは筐体１の上部に水面に対向する
ように位置し、他のノズル５Ｂは水面下に横向き
になるように位置することにある。

さらにノズル５Ａにはその先端が水面に達する
長さに引伸される蛇腹状のスパイラルホース６が
取り付けられる。

また第１図に示すように、筐体１の上部の下面
に水面上の空気を吸入する吸気孔８が設けられ、
筐体１の底部には浴槽の内底面に吸着する吸着盤
９が設けられている。

浴槽内の揚水を吸入する吸入口２は筐体１の底
部に開口しており、この吸入口の開口部には第３
図に示すようにフイルタ１０が設けられている。

さらに第１図に示すように、吸気孔８から吸入
された空気はゴムホース１１により横向きに位置
するノズル５Ｂに導かれる。

また本実施例の系統図を示す第４図のように、
電動のポンプ３は約12ボルトの直流モータ１２に
よつて駆動される。直流モータ１２には図外の電
源装置より電源ケーブル７Ａを介して、筐体１の
上部に設けられた電気開閉スイツチ１３を経由
し、さらに電源ケーブル７Ｂを介して直流電流が
印加される。

この電源装置は、電池あるいは充電器付きもし
くは交流直流変換器のいずれをも用いることがで
きる。

本実施例の操作を第４図を用いて説明する。

入浴者は本装置を浴槽２１に持ち込む。筐体１
（破線にて示す。）の底部に設けてある吸着盤９に
より、浴槽の内底面２１Ａに吸着させ据え置く。
このため、浮力によつて本装置が不安定になるも
とはない。吸着盤９は複数個設けられているの
で、タイル製の浴槽であり据え置き位置にタイル
の目地があつても、いずれかの吸着盤は目地のな
いタイル部分に接するので安定して据え置くこと
ができる。

電源ケーブル７Ａを図外の直流電源に接続し、
電気開閉スイツチ１３を投入すれば直流モータ１
２が回転し、ポンプ３は吸入口２の下部に設けら
れたフイルタ１０を介して浴槽内の湯水２２を吸
い込む。ポンプ３の出力口には送水管４Ａが接続
され、この送水管４Ａは浴槽２１の水面上に突出
する筐体の上部に設けられた下向きのノズル５Ａ
より、湯水をスパイラルホース６の内部に強力に
噴出する。これにより湯水に気泡流が発生する。
このスパイラルホース６は浴槽２１内の湯水２２
の内部に届くので、入浴者はこのスパイラルホー
ス６の先端を身体の所要の部位に向け気泡流をあ
てることができる。

送水管４Ａのポンプ３の出力口の近くで分岐し
た送水管４Ｂは、横向きのノズル５Ｂに接続され
る。この送水管４Ｂには水面上に設けられた吸気
孔８からゴムホース１１が接続されているので、
ポンプ３による湯水がこの送水管４Ｂを流れる
と、吸気孔８より水面上の空気がこの湯水の流れ
により吸入され、空気が混入した水流をノズル５
Ｂより浴槽内に噴流する。このノズル５Ｂは横向
きに位置しており、入浴者の脚部や腰部に気泡流
があたる。

すなわち入浴者は、自由に方向をかえられるス
パイラルホース６による気泡流の他に、横向きの
方向が固定された第二の気泡流の二つを身体にあ
てることができる。

一般の家庭用浴槽は深さが浅いので、この下方
の横向きの気泡流は入浴者の腰部ことに足首部に
長時間あてることにより、血行の循環を促進でき
る。

本装置は筐体の全容積の大半部分が水面下にあ
るので、その浮力を利用して浴槽内を容易に移動
できる。

揚水ポンプの駆動を制御する電気開閉スイツチ
は筐体の上部に設けられているので操作が容易で
ある。

上記実施例では浴槽内の湯水を吸入する吸入口
は筐体の底面にあるものとして説明したが、この
吸入口は筐体の下部（例えば筐体下部の側面部）
に複数個のものを設けることによつても、本考案
を実施することができる。

この装置は、人が手で持つて浴槽内に出し入れ
自在であるから、使用を好む人のみが利用でき
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、浴槽内に
自由に持ち込むことができかつ浴槽内で不安定に
なることなくしつかりと据付ができるとともに容
易に移動でき、また複数の気泡流が発生できる装
置が得られる。家庭用浴槽のように狭い浴槽内に
おいても入浴者は楽な姿勢で入浴ができ、かつ気
泡流による入浴保健効果が著しく増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の構造斜視図。第２図は
上記実施例の据え置き状態の斜視図。第３図は上
記実施例の底部破断図。第４図は上記実施例の系
統図。 １……筐体、２……吸入口、３……ポンプ、４
Ａ，４Ｂ……送水管、５Ａ，５Ｂ……ノズル、６
……スパイラルホース、７Ａ，７Ｂ……電源ケー
ブル、８……吸気孔、９……吸着盤、１０……フ
イルタ、１１……ゴムホース、１２……直流モー
タ、１３……電気開閉スイツチ、２１……浴槽、
２１Ａ……浴槽の内底面、２２……湯水。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 吸入口と、この吸入口から吸入する湯水を昇
   圧する電動のポンプと、このポンプの出力口に
   接続された送水管と、この送水管の出力口に接
   続されたノズルとが一つの筐体に実装され、上
   記吸入口が浴槽内の湯水を吸い上げ、そのノズ
   ルから噴出する水流が浴槽内に気泡を発生させ
   る構造の装置において、 上記筐体は、上記ポンプが収納される膨らん
   だ基体部と、この基体部から垂直方向に立ち上
   がる首部と、この首部の先端で水平方向に曲が
   つて伸びる頭部とを持つ形状であつて、この筐
   体を浴槽内に持ち込んだとき、上記首部の上部
   と上記頭部とが水面上に突出する形状であり、 上記ノズルは複数個であつて、そのうちの少
   なくとも一つは上記筐体の頭部に水面に向けて
   位置し、他の少なくとも一つは水面下で横向き
   に位置し、 上記筐体の頭部には水面上の空気を吸入する
   吸気孔が設けられ、この吸気孔に接続される吸
   気管は上記横向きに位置するノズルに導かれ、 上記基体部の底部に浴槽内底面に吸着する吸
   着盤が設けられた ことを特徴とする浴槽内持込み形気泡発生装
   置。 (2) 水面に向けて位置するノズルには、その先端
   が水面に達する長さに引き伸ばせる蛇腹状の管
   が取り付けられた実用新案登録請求の範囲第(1)
   項に記載の浴槽内持込み形気泡発生装置。 (3) 吸入口は筐体底部に開口する構造である実用
   新案登録請求の範囲第(1)項に記載の浴槽内持込
   み形気泡発生装置。 (4) 吸入口は開口部にフイルタを含む実用新案登
   録請求の範囲第(5)項に記載の浴槽内持込み形気
   泡発生装置。 (5) 電動のポンプは約12ボルトの直流電源で駆動
   されるものである実用新案登録請求の範囲第(1)
   項に記載の浴槽内持込み形気泡発生装置。 (6) 筐体の上部には、ポンプの電気開閉スイツチ
   を含む実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の
   浴槽内持込み形気泡発生装置。