JPH0352858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は排水トラツプに関する。

（従来の技術） 洗面器や浴室の洗場床等に設けられる排水トラ
ツプには第４図に示すような構造のものがある。

図中１１２は筐体であり、筐体１１２の底壁１
１２ｂには仕切壁１１２ａを立設して筐体１１２
内に溜水室S₁′と排水室S₂′を画成し、前記溜水室
S₁′には上方より封水筒１０７を臨ませ、筐体１
１２の側部には前記排水室S₂′に連通する排水口
１１２ｅを設けている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで排水トラツプの排水口１１２ｅに接続
された排水管２００にはゴミ、毛髪等が詰まるこ
とがあり、このような場合筐体１１２から封水筒
１０７を外し、排水口１１２ｅに工具を入れてこ
れらの除去作業を行うが、前述の構造に於いて
は、仕切壁１１２ａ上縁と排水口１１２ｅ上部と
の間隔l′が小さいため、工具を排水口１１２ｅ内
に入れにくいという不具合がある。

そこで仕切壁１１２ａを下げて仕切壁１１２ａ
上縁と排水口１１２ｅ上部との間隔l′を大きくす
ることも考えられるが、この場合、水封即ち封水
筒１０７下縁と仕切壁１１２ａ上縁との間隔l1は
一定間隔を保たねばならないので筐体１１２の底
壁１１２ｂを下げなければならなくなり、排水ト
ラツプの高さがおおきくなつて排水トラツプ全体
が大型化してしまう不具合が生じる。

本考案は斬る不具合に鑑み成されたものであ
り、その目的とする処は装置全体を大型化するこ
となく容易にゴミ、毛髪等の除去作業を行うこと
のできる排水トラツプを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため本考案は、上面を開
放した有底状の筐体と、該筐体の底壁より立設さ
れ、筐体内に溜水室と排水室を画成する仕切壁
と、前記筐体の上面開放部分を閉塞し、前記溜水
室内に上方より臨む封水筒と、前記筐体の側壁に
形成され、前記排水室と連通する排水口とから成
る排水トラツプに於いて、前記仕切壁、封水筒、
側壁を平面視で同心状の円形に形成し、前記仕切
壁の排水口側の壁部を該排水口から溜水室側に偏
位させるとともに略平面状に形成した事を特徴と
する。

（作用） 仕切壁の排水口側の壁部を該排水口から溜水室
側へよせて設けるので、仕切壁上縁と排水口上部
との間隔を大きくすることができ、装置全体を大
型化しなくても、工具を容易に排水口へ入れるこ
とができ、容易にゴミ、毛髪等の除去作業を行う
ことができる。又壁部を排水口側のみ溜水室側へ
よせて設けるので溜水室の体積はあまり減少せ
ず、排水能力も落ちない。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。

第１図は本考案に係る排水トラツプの縦断面
図、第２図は同組立分解図を示す。

Ｆは浴室の洗場床、Ｆ１は洗場床に形成した凹
部Ｆ２の中心に形成した取付孔、３はトラツプ締
着環で、該トラツプ締着環３は前記取付孔Ｆ１よ
りやや小径で、上部には外方へ延出する上部フラ
ンジ部３ａを、又下部には内方へ延出する下部フ
ランジ部３ｂを夫々形成する。

トラツプ締着環３はその上部フランジ部３ａを
パツキン５を介して前記凹部Ｆ２に係止し、外側
面にねじ部３ｃを、内側面には螺旋状の係止溝３
ｄを夫々形成する。

７は封水筒であり、上部開口７ｂには外方へ向
けてフランジ部７ａを形成し、該フランジ部７ａ
の先端に形成した係止片７ｃが前記トラツプ締着
環３の係止溝３ｄに係合する。又この封水筒７の
フランジ部７ａ上部に形成した溝部７ａ１には目
皿１４の係止部１４ａを係止させ、封水筒７の開
口部７ａをこの目皿１４で覆う。

１０はトラツプ締着環３の外側面のねじ部３ｃ
に螺合するスペーサーであり、該スペーサー１０
の下面には溝部１０ａを形成する。

１２は有底筒状の筐体で、上部が開口してお
り、この開口部上縁１２ｆが前記スペーサー１０
下面に形成した溝部１０ａに接着される。筐体１
２の底壁１２ｂには仕切壁１２ａを立設し、仕切
壁１２ａの内側に溜水室Ｓ１、外側に排水室Ｓ２
を夫々形成し、前記封水筒７の中間部乃至下部は
該溜水室Ｓ１内に臨む。この筐体１２の壁部１２
ａには溜水室Ｓ１内に浴槽、洗面器等の各種器具
よりの排水を導入する排水導入口１２ｃを形成
し、壁部１２ｄには排水室Ｓ２の水を図示しない
排水管に排出する排水口１２ｅを形成する。

ところで、仕切壁１２ａは略環状を成している
が、筐体１２の平面図である第３図に示すように
この仕切壁１２ａの排水口１２ｅ側の壁部１２ａ
１は排水口１２ｅから内方へ所定距離離間した平
坦面で形成されており、第１図からも明らかなよ
うに壁部１２ａ１上縁と排水口１２ｅ上部との間
隔ｌは十分大きいものとなつている。

以上に於いて排水口１２ｅに詰まつたゴミ、毛
髪等を除去するには封水筒７及びこれに取付けら
れた目皿１４をトラツプ締着環３から取外し、ト
ラツプ締着環３の下部フランジ部３ｂの内側から
工具を排水口１２ｅに入れてゴミ、毛髪等の除去
作業を行うが、前述のように壁部１２ａ１上縁と
排水口１２ｅとの間隔ｌは十分大きいので、工具
を容易に排水口１２ｅに入れることができ、ゴ
ミ、毛髪等の除去作業を容易に行うことができ
る。尚本実施例では壁部１２ａ１は平坦面で形成
したが、これは必ずしも平坦面でなくても良く、
封水筒７側へ湾曲させても良い。

本実施例は以上のように構成し、筐体１２の底
壁１２ｂを下方に下げることなく壁部１２ａ１上
縁と排水口１２ｅ間に十分なる隙間Ｓ３を形成す
るので、排水トラツプ全体を大型化することなく
容易に排水口１２ｅに詰まつたゴミ、毛髪等の除
去作業を行うことができる。仕切壁の排水口側の
壁部だけを偏位させ、仕切壁、封水筒、側壁を平
面視で同心状の円形に形成したので、排水の流路
で狭くなるのは封水筒と側壁間の排水口側の部分
だけであり、他の部分は十分なる幅を持つので排
水がスムーズになり、ごみ等もつまることがな
い。

（考案の効果） 以上述べたように本考案によれば装置全体を大
型化することなく、又トラツプの排水能力を減じ
ることなく容易に排水口に詰まつたゴミ、毛髪等
を除去することのできる排水トラツプを得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る排水トラツプの縦断面
図、第２図は同分解組立図、第３図は筐体の平面
図、第４図は従来例である。 尚、図面中７は封水筒、１２は筐体、１２ａは
仕切壁、１２ｂは底壁、１２ｄは側壁、１２ｅは
排水口、１２ａ１は仕切壁の排出口側の壁部であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上面を開放した有底状の筐体と、 該筐体の底壁より立設され、筐体内に溜水室と
   排水室を画成する仕切壁と、 前記筐体の上面開放部分を閉塞し、前記溜水室
   内に上方より臨む封水筒と、 前記筐体の側壁に形成され、前記排水室と連通
   する排水口とから成る排水トラツプに於いて、 前記仕切壁、封水筒、側壁を平面視で同心状の
   円形に形成し、前記仕切壁の排水口側の壁部を該
   排水口から溜水室側に偏位させるとともに略平面
   状に形成したことを特徴とする排水トラツプ。