JPH0352470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は洗面キヤビネツトにおける下地カバ
ーの取付構造に関する。

（従来技術） 従来、洗面キヤビネツトは、前扉を有する上部
開口状のキヤビネツト本体の前面に、洗面ボウル
下部を遮蔽するための下地カバーを前扉上部の幕
板を利用して取り付け、その後キヤビネツト本体
の上部開口部に洗面ボウルを備えた洗面カウンタ
ーを載せて組立てられており、下地カバーは従来
Ｌ字形金具等を利用してビス止めによりキヤビネ
ツト本体に取り付けられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来の下地カバーの取り付けは
ビス止めによるものであるため取り付けが面倒で
あり、洗面キヤビネツトの組立に手間と時間がか
かるという欠点を有していた。

（問題点を解決するための手段） 上記従来技術の欠点を解消すべく、本考案は洗
面キヤビネツトの組立を容易かつ短時間で行なえ
るようにした下地カバーの提供を目的とするもの
で、この目的は、下地カバーの下部にはキヤビネ
ツト本体の前部に設けられた幕板に対し所定の角
度位置で係合する鉤部を設け、また上部には鉤部
の幕板に対する係合方向の内面における相対動に
よりキヤビネツト本体に係止される係止部を設け
て、下地カバーを斜め前方に傾けた状態で鉤部を
幕板に掛け、幕板を中心として鉤部を所定の角度
位置に達するまで回転させると、鉤部と幕板との
係合時における相対動により係止部がキヤビネツ
ト本体の前部に係止されるよう構成することによ
り達成される。

（作用） 本考案の下地カバーの取付構造において、下地
カバーの鉤部を幕板に掛けて幕板を中心として所
定の角度まで回転させれば、鉤部の幕板との係合
と同時に上部の係止部がキヤビネツト本体の前部
に係止されて、キヤビネツト本体への取り付けが
完了する。

（実施例） 次にこの考案の一実施例を添付の図面を参照し
て説明する。

第１図に示した洗面キヤビネツトにおいて、１
は内部に収納庫を形成するキヤビネツト本体で、
このキヤビネツト本体１は第２図に示すように上
面に開口部１ａを有している。キヤビネツト本体
１の前部には一対の扉２，２が設けられており、
これらの扉２，２の上部には下地カバー３が取り
付けられている。この下地カバー３は樹脂製であ
り、射出成形により一体で形成されている。４は
キヤビネツト本体１の開口部１ａに取り付けられ
た洗面カウンターで、中央部に洗面ボウル５を備
えている。６は洗面カウンター４に取り付けられ
た混合栓である。

次に上記下地カバー３の取付構造を第３図〜第
８図に従つて説明する。

第３図は下地カバー３をキヤビネツト本体１に
取り付ける前の状態を示している。同図中７は扉
２，２の上部においてキヤビネツト本体１の側板
１ｂ，１ｂ間に水平方向で取り付けられた幕板
で、矩形断面の板材により形成されている。

下地カバー３は第３図の部分拡大図である第４
図に詳しく示すように、ほぼ平面状の前板３ａ
と、この前板３ａの下部より斜方に延出する下板
３ｂと、これらの両側に形成された一対の端板３
ｃ，３ｃとからなつており、前板３ａの上部には
洗面カウンター４の係止部３a₁が設けられてい
る。

８ａ〜８ｆは前板３ａ及び下板３ｂの裏面に上
下方向に連続して設けられ、相互にほぼ同間隔で
配置された補強用のリブで、これらのリブ８ａ〜
８ｆのうち対称位置にある一対のリブ８ｂ及び８
ｅの下端には上記幕板７の上部に係合する鉤部
９，９が一体で形成されており、又、これらの外
側に位置する一対のリブ８ａ，８ｆには幕板７の
上面に係止される補助係止部１０，１０が同様に
形成されている。

鉤部９は第５図に示すように、下地カバー３が
ほぼ垂直に位置した状態で幕板７と係合する対応
した矩形の溝９ａを有しており、又、補助係止部
１０は第６図に示すように、下地カバー３が同様
にほぼ垂直に位置した状態で幕板７の前面及び上
面に係止される切欠溝１０ａを有している。

又、各端板３ｃの後部には対応するキヤビネツ
ト本体１の側板１ｂの前端面１b₁に当接する折曲
部３c₁が設けられており、この折曲部３c₁の内側
には側板１ｂの内面に接する折曲部３c₂が連設さ
れている。折曲部３c₁の上部には側板１ｂの前端
面１b₁の上部に螺着されて前方に突出するスクリ
ユネジ１１に係止される鍵穴状の係止穴１２を有
しており、この係止穴１２は第７図に示すよう
に、スクリユネジ１１の頭部１１ａが挿通可能な
挿通穴部１２ａと、この挿通穴部１２ａの上方に
連設された、スクリユネジ１１の頭部１１ａより
は幅狭であるが軸部１１ｂよりも幅広の長穴部１
２ｂとを有している。ここで、係止穴１２の挿通
穴部１２ａの位置は下地カバー３の取付状態にお
いてスクリユネジ１１の取付位置よりも少し下方
に位置するように設定されている。又、スクリユ
ネジ１１の軸部１１ｂには第８図に示すようにカ
ラー１１ｃが設けられており、このカラー１１ｃ
は頭部１１ａから折曲部３c₁の厚さよりも僅かに
大きな距離を隔てて設けられている。このため折
曲部３c₁の係止時におけるガタつきが防止されて
いる。

次に上記下地カバー３の取付構造の作用に関し
説明する。

先ず下地カバー３は第３図及び第４図に示した
ように前方に傾けた状態で鉤部９，９の先端部が
幕板７に掛けられる。この状態から下地カバー３
を立てていくと折曲部３c₁，３c₁に形成された各
係止穴１２の挿通穴部１２ａに対応するスクリユ
ネジ１１の頭部１１ａが挿通する。下地カバー３
がほぼ垂直状態に達して係止穴１２周囲の折曲部
３c₁，３c₁が対応するスクリユネジ１１のカラー
１１ｃに当接すると、即ち折曲部３c₁，３c₁がキ
ヤビネツト本体１の側板１ｂの端面１b₁にほぼ当
接状態となると、鉤部９，９の各溝９ａが幕板７
の上端部に係合して下地カバー３が全体的に僅か
に下降し、同時にスクリユネジ１１が係止穴１２
の長穴部１２ｂに位置することとなる。従つて、
下地カバー３は鉤部９と幕板７との係合により下
部を、又、スクリユネジ１１の頭部１１ａにより
上部を係止されて取り付けが完了し、第２図に示
した状態となる。

（考案の効果） 本考案の洗面キヤビネツトにおける下地カバー
の取付構造は、下地カバーの下部を鉤部と幕板と
の係合により、又、上部を相対的な下降動による
係止穴のキヤビネツト本体の前部に対する係止に
よりそれぞれ位置固定するものであるから、ビス
及びドライバ等の工具を用いることなく簡単に下
地カバー取り付けることができ、かつ取付状態が
良好で整然強固な取り付けが可能となる利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すもので、第１図
は洗面キヤビネツトの斜視図、第２図は洗面カウ
ンターを取り付ける前の洗面キヤビネツトを示す
第１図と同様な斜視図、第３図は下地カバーを取
り付ける前の状態を示す第２図と同様な斜視図、
第４図は第３図に示した下地カバー取付部の拡大
図、第５図は下地カバーの鉤部と幕板との係合状
態を示す断面図、第６図は下地カバーの補助係止
部と幕板との係合状態を示す断面図、第７図は下
地カバーの係止穴部分の拡大図、第８図は下地カ
バーの係止穴に挿通されるスクリユネジの拡大図
である。 １…キヤビネツト本体、３…下地カバー、５…
洗面ボウル、７…幕板、９…鉤部、１２…係止
穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 洗面キヤビネツトのキヤビネツト本体の前面
   に設けられて洗面ボウルの下部を遮蔽するため
   の下地カバーの取付構造であつて、前記下地カ
   バーの下部には前記キヤビネツト本体の前部に
   設けられた幕板の少なくとも一部に対し所定の
   角度位置で係合する鉤部を設け、また上部には
   前記鉤部の前記幕板に対する係合方向の面内に
   おける相対動により前記キヤビネツト本体の前
   部に係止される係止部を設けて、前記下地カバ
   ーを斜め前方に傾けた状態で前記鉤部を前記幕
   板に掛け、前記幕板を中心として前記鉤部を前
   記所定の角度位置に達するまで回転させると、
   前記鉤部と前記幕板との係合時における相対動
   により前記係止部が前記キヤビネツト本体の前
   部に係止されるよう構成したことを特徴とする
   洗面キヤビネツトにおける下地カバーの取付構
   造。 (2) 前記幕板は前記キヤビネツト本体の前部に水
   平方向で取り付けられた矩形断面の板材であつ
   て、前記鉤部には対応する矩形の溝が設けられ
   ており、又、前記係止部は前記キヤビネツト本
   体の前部に突設されたスクリユネジの頭部が挿
   通する挿通穴部と、これに連設された前記スク
   リユネジの前部頭部よりも幅狭であるが軸部よ
   りも幅広の長穴部とを有していることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の洗面
   キヤビネツトにおける下地カバーの取付構造。