JPH0352192B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は小形コンパクトで高密度実装を行なう
ことができるレセプタクルコンタクトに関し、特
に相手プラグコンタクトと嵌合接続させるに際し
てこのプラグコンタクトに付着したゴミ、埃のク
リーニング作用を持たせたレセプタクルコンタク
トに関するものである。

（従来の技術） コンピユータ、電話交換器等の配線の接続は、
装置の小形化、高密度化、高集積化および高速駆
動化の必要から、電気的接触の高信頼性のみなら
ず小形化且つ高密度実装化が要求されている。こ
のような配線の接続に用いられるコンタクトとし
ては、例えば第６図に示すように基部３から４枚
の弾性リーフ１ａ，１ｂ，２ａ，２ｂを前方に向
けて突出させ、前方から挿入される相手ポスト端
子の先端部をこれら４枚のリーフ１ａ，１ｂ，２
ａ，２ｂによつて４方向から挟むようにしたレセ
プタクルコンタクトがある。このため、４枚のリ
ーフは２枚ずつ対になつて対向し、各対は直交し
て配されている。

（発明が解決しようとする問題点） このようなレセプタクルコンタクトを用いれ
ば、相手ポスト端子とは４点接触となるため、２
点接触の場合に比べ接触信頼性は向上するのであ
るが、ポスト端子表面に付着したゴミ、埃による
接触不良という可能性は残され、また２対のリー
フ１ａ，１ｂおよび２ａ，２ｂのうちいずれか一
方はポスト端子の破断面と接触するためこのリー
フについてはあまり高い接触信頼性が得られない
という問題がある。ここで、ポスト端子の破断面
とはシート状導電板を切断してポスト端子を作る
際に切断された面を言い、元来のシート面である
ロール面に比べて表面粗さが粗く接触信頼性が劣
り且つ挿入時の挿入力が大きくなる。さらに、第
６図のようなレセプタクルコンタクトの場合、リ
ーフを４方向から囲むようにしているため、コン
タクトが大きくなり、複数のコンタクトを並べて
配設するときのコンタクト間のピツチが大きくな
りやすく、実装密度を上げるのが難しいという問
題がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、このようなことから、小形、コンパ
クトで高密度実装を図ることができ、且つ接触信
頼性も高いレセプタクルコンタクトを得ようとす
ものである。本発明のレセプタクルコンタクト
は、後端部近傍の結合部において相互に連結さ
れ、前端部が相手端子の対向面と接触する１対の
対向する導電性リーフを含む１枚の弾性金属板に
より形成されたレセプタクルコンタクトにおい
て、前記各導電性リーフは後方から前方へ前記導
電性リーフの長手方向に沿つて延び前記前端部近
傍で略直角方向に側縁まで延びる略Ｌ字状のスリ
ツトによりメインリーフおよびサブリーフに分割
形成され、該メインリーフおよびサブリーフの自
由端部に夫々一定間隔で前後配置された接触部が
形成されていることを特徴とするものである。

（作用） 上記のような４枚リーフレセプタクルコンタク
トを用いると、挿入部に挿入される相手端子をま
ずサブリーフによつて上下から挾持するので、相
手端子の上下面はサブリーフと接触しこの上下面
上にゴミ、埃が付着していた場合でもサブリーフ
によつて除去される。次いで、相手端子が挿入部
内にさらに挿入されると、サブリーフとの接触に
よつてゴミ、埃が除去された相手端子の上下面は
メインリーフと接触する。このため、少なくとも
メインリーフと相手端子との接触はゴミ、埃の影
響を受けることがなく接触信頼性が高い。なお、
ここでサブリーフ、メインリーフが相手端子を上
下から挾持するというのは、サブリーフおよびメ
インリーフが相手端子を同方向から挾持するとい
う意味であり、両リーフが相手端子を左右から接
触すること等も含む。さらに、上記のように各リ
ーフは同一方向に配されているので、両リーフが
上下から相手端子を挾持するときにおける左右の
幅は第６図に示した従来のコンタクトの幅に比べ
て小さくでき、コンタクトの高密度化を図ること
もできる。

（実施例） 以下、図面により本発明の好ましい実施例につ
いて説明する。

第１図は本発明に係るレセプタクルコンタクト
を示す斜視図、第２Ａ図から第２Ｃ図はそれぞれ
上記レセプタクルコンタクトの平面図、正面図お
よび側面断面図であり、以下、これらの図を併用
して説明する。このレセプタクルコンタクト１０
は平行な板状部（導電性リーフ）の基部１１ａ，
１１ｂの後端部近傍の側方においてＵ字状に折り
曲げられてなる結合部１１ｃを介して相互に連結
されている。基部１１ａ，１１ｂから前方へ延び
る各導電性リーフは、その後方から前方に長手方
向に沿つて延び前端部近傍で略直角方向に側縁ま
で延びる略Ｌ字状のスリツトによりサブリーフ１
２，１３およびメインリーフ１４，１５に分割形
成される。サブリーフ１２，１３同士およびメイ
ンリーフ１４，１５同士は相互に対向し、夫々自
由端にサブコンタクト（副接触部）１２ａ，１３
ａおよびメインコンタクト（主接触部）１４ａ，
１５ｂが夫々対向して形成される。さらに、後方
接触部を構成するメインコンタクト１４ａ，１５
ａは前方接触部を構成するサブコンタクト１２
ａ，１３ａの後方に位置する。但し、図中矢印Ａ
方向を前方と称する。また、基部１１ａの後方に
は後方に向かつて突出するコンタクト脚１６が一
体に形成されている。このように形成されたレセ
プタクルコンタクト１０はサブリーフおよびメイ
ンリーフが共に上下に対向して配されるので、そ
の左右の幅Ｗは相手ポスト端子の幅と同じで良
く、第６図に示した従来のレセプタクルコンタク
トに比べ、その幅を小さくすることができ、レセ
プタクルコンタクトの小形コンパクト化を図るこ
とができる。

上記形状のレセプタクルコンタクト１０は１枚
の導電性金属板を打抜き成形して作られる。この
打抜き加工は、金属板を第３図に示すように打抜
き、この後各サブリーフ１２，１３およびメイン
リーフ１４，１５を所望の形状に折り曲げ成形す
るとともに、結合部１１ｃをＵ字状に折り曲げ、
サブリーフ１２，１３同士およびメインリーフ１
４，１５同士をそれぞれ上下に対向せしめ、第１
図から第２図に示した形状の４枚リーフコンタク
ト１０を作る。この成形に際しては、複数のコン
タクト１０を同時に成形するようにしており、こ
のため各コンタクト１０は連結部１７を介して一
列に繋がつて作られ、使用時には、鎖線に沿つて
連結部１７を切り取るようになつている。

以上のようにして作られたレセプタクルコンタ
クト１０をポスト端子等と接続させる場合の両者
の電気接触について第４Ａ図から第４Ｃ図により
説明する。

まず、上記構成のレセプタクルコンタクト１０
の前部側のサブコンタクト１２ａ，１３ａが対向
する間隙内へ相手ポスト端子２０の先端を挿入さ
せる（第４Ａ図、第４Ｂ図）。この挿入により、
ポスト端子２０の上下面２１ａ，２１ｂがサブコ
ンタクト１２ａ，１３ａと接触しながらサブコン
タクト１２ａ，１３ａに挾持された状態で挿入さ
れ、これによつてポスト端子２０の上下面２１
ａ，２１ｂ上に付着しているゴミ、埃がクリーニ
ングされる。このポスト端子２０がさらに挿入さ
れると、第４Ｃ図に示すように、サブコンタクト
１２ａ，１３ａによつてクリーニングされたポス
ト端子２０の上下面２１ａ，２１ｂはメインコン
タクト１４ａ，１５ａに接触しながら挿入され、
メインコンタクト１４ａ，１５ａに挾持される。
このため、ポスト端子２０のメインコンタクト１
４ａ，１５ａと接触する部分にはサブコンタクト
１２ａ，１３ａとの接触によつてクリーニングさ
れてゴミ、埃がなく、ポスト端子２０とメインコ
ンタクト１４ａ，１５ａとの電気的接触の信頼性
が高い。なお、このとき、サブコンタクト１２
ａ，１３ａおよびメインコンタクト１４ａ，１５
ａと接触するポスト端子２０の上下面２１ａ，２
１ｂは、ポスト端子２０のロール面を用い、ポス
ト端子２０の破断面は左右側面２２ａ，２２ｂと
なるようにするのが、ポスト端子の挿入力の低減
および接触信頼性の向上のためから好ましい。

また、上記レセプタクルコンタクト１０を用い
た場合、第２Ａ図に示したようにサブコンタト１
２ａ，１３ａとポスト端子２０との接触力を決め
るサブリーフ１２，１３の腕の長さL₂がメイン
コンタクト１４ａ，１５ａとポスト端子２０との
接触力を決めるメインリーフ１４，１５の腕の長
さL₁より大きい。このため、主としてポスト端
子２０の上下面２１ａ，２１ｂと接触してこの上
下面２１ａ，２１ｂのクリーニングを行なうサブ
コンタクト１２ａ，１３ａのポスト端子２０との
接触力を小さくして挿入力があまり大きくなりす
ぎないようにすることができ、メインコンタクト
１４ａ，１５ａとポスト端子２０との接触力はサ
ブコンタクト１２ａ，１３ａとポスト端子２０と
の接触力より大きくして電気的接触を確実に行な
わせるようにすることができる。

次に、上記のようなレセプタクルコンタクト１
０を複数個内蔵したコネクタを用いて複数のポス
ト端子と接続を行なわせる場合について第５図を
用いて説明する。この場合には、第１配線板５の
上に複数のポスト端子２０ａ〜２０ｄを有するポ
ストヘツダー６が固設されており、ポスト端子２
０ａ〜２０ｄはそれぞれ第１配線板５の所定のタ
ーミナルに接続されている。一方、このポスト端
子２０ａ〜２０ｄと接続される複数のレセプタク
ルコンタクト１０ａ〜１０ｄはコネクタハウジン
グ７内に並んで保持されており、このようにコネ
クタハウジング７内に保持された各レセプタクル
コンタクト１０ａ〜１０ｄの各後端のコンタクト
脚１６ａ〜１６ｄは第２配線板８に固定接続され
て第２配線板の各ターミナルに電気的に接続され
ている。そしてコネクタハウジング７は複数のレ
セプタクルコンタクト１０ａ〜１０ｄを内蔵した
ままポストヘツダー６内に挿入され、これによつ
て各レセプタクルコンタクト１０ａ〜１０ｄは第
５図に示すように各ポスト端子２０ａ〜２０ｄを
挾持し両者はそれぞれ電気的に接続される。ここ
で、本例においては、コネクタハウジング７に保
持されるレセプタクルコンタクト１０ａ〜１０ｄ
はそのサブコンタクト位置が図においてＢ、Ｃ、
Ｄで示すように前後方向にずれて配されている。
これはコネクタハウジング７をポストヘツダー６
に挿入するときに、レセプタクルコンタクト１０
ａ〜１０ｄへのポスト端子２０ａ〜２０ｄの挿入
をずらせて行なわせ、その挿入に要する力があま
り大きくならないようにするためである。なお、
位置Ｂにおいて接触を開始するレセプタクルコン
タクト１０ａはグラウンド用のレセプタクルコン
タクトとして用い、最初にグラウンドの接続を行
なわせて接続時に他の部分に電気的な影響が及ぶ
のを避けるようにするのがよい。なお、本例にお
いては、位置Ｃにおいて接触を開始するレセプタ
クルコンタクト１０ｂは電源用コンタクトとして
用い、位置Ｄにおいて接触を開始するレセプタク
ルコンタクト１０ｃ，１０ｄはシグナル用コンタ
クトとして用いている。

（発明の効果） 以上、本発明によるレセプタクルコンタクト
は、１枚の導電性金属板から形成される２枚の略
平行な導電性リーフに後方から前方へ導電性リー
フの長手方向に延び前端近傍で略直角方向に側縁
まで延びる略Ｌ字状のスリツトを設けることによ
りメインリーフとサブリーフが分割形成される。
即ち、メインリーフおよびサブリーフは共通固定
端から同一方向に平行して延びる片持ち梁状であ
る。従つて、加工が極めて容易であり、メインリ
ーフおよびサブリーフの接触部間隔が一義的に定
まり、全長が比較的短い小型であつても十分な弾
性を有し、必要な接触圧が得られるので高信頼性
のレセプタクルコンタクトが達成できるという顕
著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るレセプタクルコンタクト
を示す斜視図、第２Ａ図から第２Ｃ図はそれぞれ
上記レセプタクルコンタクトを示す平面図、正面
図および矢印−に沿つた側面断面図、第３図
は上記レセプタクルコンタクトの打抜き形状を示
す平面図、第４Ａ図から第４Ｃ図は上記レセプタ
クルコンタクトに相手ポスト端子を挿入させると
きの両者の動きを示す正面図、第５図は上記レセ
プタクルコンタクトを複数個有するコネクタをポ
ストヘツダーに接続させた状態を示す断面図、第
６図は従来のレセプタクルコンタクトを示す斜視
図である。 １０……レセプタクルコンタクト、１１ｃ……
連結部、１２，１３……サブリーフ、１２ａ，１
３ａ……サブコンタクト、１４，１５……メイン
リーフ、１４ａ，１５ａ……メインコンタクト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 後端部近傍の結合部において相互に連結さ
   れ、前端部が相手端子の対向面と接触する１対の
   対向する導電性リーフを含む１枚の弾性金属板に
   より形成されたレセプタクルコンタクトにおい
   て、 前記各導電性リーフは後方から前方へ前記導電
   性リーフの長手方向に沿つて延び前記前端部近傍
   で略直角方向に側縁まで延びる略Ｌ字状のスリツ
   トによりメインリーフおよびサブリーフに分割形
   成され、 該メインリーフおよびサブリーフの自由端部に
   夫々一定間隔で前後配置された接触部が形成され
   ていることを特徴とするレセプタクルコンタク
   ト。