JPH0351690B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本発明は霊芝子実体のアルコール抽出物を含有
したメラニン生成を抑制した色白外用剤に関する
ものである。 〔従来の技術〕 霊芝は担子菌類、サルノコシカケ科、マンネン
タケ属に属する担子菌で、古くから生薬として血
液の流れを円滑にして悪血、鬱血を防ぎ、血栓を
除き高血圧、動脈硬化、心臓病、脳卒中などに効
果があるとして用いられている。更に近時その菌
糸体に抗癌性物質の存在することが判り、医薬的
に利用されている。 一方、霊芝の化粧料、皮膚外用剤の利用につい
ては、マンネンタケの子実体を粉砕し、水で加熱
抽出し、これを乾燥した抽出成分を用いた化粧料
（特開昭58−113118号公報）、グルコース及び小麦
胚芽を成分とする液体培地中でマンネンタケ菌糸
体を培養して得られる培養物を配合した皮膚化粧
料（特開昭61−91113号公報）などが公知である。 また、マンネンタケ子実体を切断した後、水、
アルコールで抽出した抽出物を配合した頭髪用化
粧料（特開昭61−91114号公報）、マンネンタケを
細片化し、エーテル等による脱脂処理を施し、水
で抽出した抽出物にワサビの抽出液を配合した毛
髪育成料（特開昭59−184116号公報）、霊芝粉末
を細切し、水又は脂肪族低級一価アルコールで抽
出した抽出物を配合した養毛化粧料（特開昭60−
94908号公報、同60−199810号公報）などが公知
である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の技術において霊芝の抽出物を化粧料に配
合しても化粧料としての効果、例えば保水性、皮
膚の色艶の改善については充分ではなかつた。 また、霊芝の抽出成分がメラニン生成抑制作用
を有することは未だ知られていない。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はダイヤモンド又は窒化硼素を用いて粉
砕した霊芝子実体のアルコール抽出物を含有して
なる色白外用剤である。 本発明に使用する霊芝子実体は天然に生育した
子実体、人工的に培養した子実体の何れでも使用
することができる。 本発明に使用するダイヤモンド又は窒化硼素を
用いて粉砕する手段は相対する円盤を一組とし、
この円盤の一方はセラミツクなどにより形成され
た固定円盤で、他方は固定円盤と対峙した研削面
はダイヤモンド、窒化硼素により形成された回転
駆動源により回転できる回転円盤よりなつてい
る。そして、この両円盤の間隙は被粉砕物の性
質、通過速度などにより10〜200ミクロンの間に
適宜選択される。 本発明の霊芝子実体の粉砕を行う場合は、霊芝
子実体を乾燥体のまま又はアルコール中に懸濁さ
せて行うことができる。 このように、投人された霊芝子実体の乾燥体又
はアルコール懸濁液は、回転円盤と固定円盤との
間隙を通過する間に回転円盤の表面に形成されて
いるダイヤモンド又は窒化硼素の鋭利な刃（ミク
ロバイト）により霊芝子実体の外膜が破砕されて
微粉化し、内容物が露出するか、アルコール中に
溶解して遠心力の作用により円盤外に排出され
る。このようにして排出された霊芝子実体の粉砕
物は、円盤の間隙を形成するミクロバイトの歯の
空間が精密なスクリーンとなることにより、霊芝
子実体の微粉末を含有した液状物が得られる。 以上の如くして粉砕された霊芝子実体は通常の
方法によつてアルコールで抽出する。 また粉砕する際、霊芝子実体をアルコールに懸
濁させて行う場合は、その粉砕により得られた液
状物をそのまま濾過して抽出物とする。 本抽出に使用するアルコールはメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等の低級脂
肪族一価アルコールが主として用いられる。 以上の如くして得られた霊芝子実体のアルコー
ル抽出物は通常の外用剤基剤、助剤などに配合調
製してローシヨン剤、軟膏、乳剤、パツプ剤など
の色白外用剤とする霊芝子実体のアルコール抽出
物は各種外用剤全量に対し0.1〜10％（重量）程
度配合すれば充分その効果特に色白効果を奏し得
るものである。 本発明の色白外用剤とする場合は、例えば液剤
においては、精製水にグリセリン、プロピレング
リコールなどの保湿剤、皮膚栄養剤などを溶か
し、防腐剤、香料などをアルコールに溶解し、両
者を混合して室温下に可溶化する一般のローシヨ
ン剤の製造において、水相に本発明の有効成分で
ある霊芝子実体のアルコール抽出物を加えてロー
シヨン剤とする。 軟膏においては、精製水に親水性成分例えばグ
リセリン、ソルビツトなどの保湿剤を添加して水
相部とし、油相部はミツロウ、パラフイン、マイ
クロクリスタリンワツクス、セレシン、高級脂肪
酸、硬化油などの固形油分、ワセリン、ラノリ
ン、グリセリドなどの半固形油分、それにスクワ
ラン、流動パラフイン、各種エステル油などの液
状油分に防腐剤、界面活性剤などの油性成分を添
加し調製する。このようにして得られた水相部を
加温して、ゆるやかに撹拌しつつ、同温度に加温
された油相部を徐々に添加し乳化して軟膏とする
一般の軟膏の製造において、水相部に本発明の有
効成分である霊芝子実体のアルコール抽出物を加
えて軟膏とする。 乳剤においては、精製水にグリセリンなどの保
湿剤、酸又はアルカリのPH調整剤などを加え、加
熱混合してエタノールを加え水相部とし、ミツロ
ウ、パラフインなどの固形油分、ワセリン、ラノ
リンなどの半固形油分、スクワラン、流動パラフ
イン、各種エステル油などの液状油分に、防腐
剤、界面活性剤などの油性成分を添加調製して混
合加熱し油相部とし、油相部を水相部に加えて予
備乳化を行い、これにカルボキシビニルポリマ
ー、カルボキシメチルセルロースなどの保護コロ
イド剤を加え、ホモミキサーで均一に乳化して乳
剤とする一般の乳剤の製造において、水相部に本
発明の有効成分である霊芝子実体のアルコール抽
出物を水相部に加えて乳剤とする。 パツプ剤においては、精製水にグリセリンなど
の保湿剤、ポリビニルアルコール、ビーガムなど
の皮膜剤などを加えて膨潤させ、これに必要があ
ればカオリン、タルク、酸化亜鉛などの粉末を加
え、香料防腐剤などを溶解したエタノールを加え
て、ペースト状となるまで混練する一般にパツプ
剤の製造において、本発明の有効成分である霊芝
子実体のアルコール抽出物を加えてパツプ剤とす
る。 〔作 用〕 本発明の有効成分である霊芝子実体のアルコー
ル抽出物は霊芝の子実体をダイヤモンド又は窒化
硼素で粉砕したものをアルコールで抽出したもの
で、ダイヤモンド、窒化硼素の鋭利な破砕力によ
つて子実体表面の堅い外皮を充分に微粉砕するか
ら子実体内の成分がよくアルコールに溶出しその
効果が顕著に現れるものである。 また霊芝の子実体のアルコール抽出物がメラニ
ン生成抑制作用を有することは本発明により初め
て見出されたことである。 〔実施例〕 次に本発明の有効成分の製造例並びに実施例を
挙げる。 製造例 上部に被粉砕物投入口、一側に粉砕物排出口を
有する粉砕機本体内にセラミツクにより形成され
た固定盤とこれに対峙して固定盤との対向面にダ
イヤモンドより成る研削面を有し、その中心軸を
駆動機により回転自在に設置した回転盤より成る
粉砕機の固定盤と回転盤の間隙を約10ミクロンに
設定し、同粉砕機の投入口より霊芝子実体100g
にエタノール700mlを加えた霊芝子実体懸濁液を
投入し、回転盤を回転させて、霊芝子実体懸濁液
を微粉砕する。得られた粉砕物を時々撹拌しなが
ら室温で４日間放置し、濾紙で濾過する。残留物
は更にエタノール100mlで３回洗い、洗液は先の
濾液に加える。これを２日間室温に放置し霊芝子
実体のアルコール抽出物を得る。 例 １ 〔軟膏〕 霊芝子実体抽出物（製造例で得たもの） 2.0％ ポリオキシエチレンステアリルエーテル 2.0％ ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0％ ミツロウ 6.0％ セタノール 6.0％ イソプロピルパルミテート 10.0％ 流動パラフイン 30.0％ ポリエチレングリコールモノステアレート
1.0％ パラオキシ安息香酸メチル 0.2％ 精製水 全量を100とする。 例 ２ 〔乳剤〕 霊芝子実体抽出物（製造例で得たもの） 1.0％ 自己乳化型グリセロールモノステアレート
0.5％ ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0％ MCステアリン酸 2.0％ セタノール 1.5％ イソプロピルミリステート 10.0％ パラオキシ安息香酸 0.2％ 香 料 微量 精製水 全量を100とする 例 ３ 〔パツプ剤〕 霊芝子実体抽出物（製造例で得たもの） 5.0％ パラオキシ安息香酸メチル 0.08％ カルボキシビニルポリマー 1.0％ 炭酸カルシウム 0.6％ 二酸化チタン 0.02％ 香 料 微量 精製水 全量を100とする 例 ４ 〔ローシヨン剤〕 霊芝子実体抽出物（製造例で得たもの） 3.0％ パラオキシ安息香酸 0.08％ クエン酸 0.3％ 香 料 微量 精製水 全量を100とする 〔発明の効果〕 本発明の有効成分であるダイヤモンドを用いて
粉砕した霊芝子実体のアルコール抽出物のメラニ
ン生成抑制効果は水抽出物に比し極めて優れたも
のである。 この効果を下記の試験により明らかにする。 試験例 １ 使用細胞 マウスメラノーマB16細胞（以下B16細胞と称
す） ２ 培養基 10％牛胎児血清を含有したイーグル（Eegle）
のMEM培地。 ３ 試験区 Ａ区：霊芝子実体のアルコール抽出物を添加し
ない区 Ｂ区：本発明の霊芝子実体のアルコール抽出物
を加えた区 Ｂ−１区：本発明の霊芝子実体のアルコール抽
出物を培地に0.1％濃度加えた区 Ｂ−区：本発明の霊芝子実体のアルコール抽
出物を培地に0.3％濃度加えた区 Ｂ−区：本発明の霊芝子実体のアルコール抽
出物を培地に0.5％濃度加えた区 Ｃ区：霊芝子実体の水抽出物を加えた区 Ｃ−区：霊芝子実体の水抽出物を培地に0.1
％濃度加えた区 Ｃ−区：霊芝子実体の水抽出物を培地に0.3
％濃度加えた区 Ｃ−区：霊芝子実体の水抽出物を培地に0.5
％濃度加えた区 ４ メラニン生成抑制力の判定 各試験区ともB16細胞を1.0×10⁵セル／デイツ
シユまき込み５日間培養したのち、増殖した細胞
をトリプシンで分散後、1000r.p.mで５分間遠心
分離して集め、その黒化度を肉眼的に判定した。 −：無添加区と同程度の黒化度を示す ±：無添加区よりやや少ない黒化度を示す ＋：無添加区より明らかに少ない黒化度を示す ＋＋：僅かに認められる黒化度を示す ＋＋＋：白色〜灰色で黒色とは認められない ５ 判定結果

【表】 以上の結果より明らかな通り、本発明の有効成
分は顕著なメラニン生成抑制効果を表すものであ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ダイヤモンド又は窒化硼素を用いて粉砕した
   霊芝子実体のアルコール抽出物を含有してなるこ
   とを特徴とする色白外用剤。