JPH0351557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のブレーキ装置のマスタシリ
ンダ等、各種の流体圧機器に利用されるリリーフ
弁に関し、特に、加圧流体の放出路を形成するハ
ウジング内に球状の弁体とこれを着座位置に付勢
するコイルスプリングとを設置したリリーフ弁に
関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種のリリーフ弁としては、例えば実
開昭60−45168号公報に記載されたものがある。
このリリーフ弁においては、流体圧力が所定圧力
に到達した場合、弁体が弁座から離れ、加圧流体
が弁体とハウジングとの間の環状隙間を通つて逃
げる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記の如き従来のリリーフ弁に
おいては、加圧流体が弁体とハウジングとの間の
環状隙間を通つて逃げている時、弁体が弁座の径
方向へ激しく振動してピーと言う耳障りな騒音が
発生する問題があつた。

そこで本考案は、弁体が弁座の径方向へ激しく
振動しないようにすることにより、上記の如き騒
音が発生しないようにすることを目的とするもの
である。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案は、ハウジング
に弁体移動方向と垂直な方向で弁体を挟持する複
数の指状部を弁体移動方向に延設したことであ
る。

（作用） これにより、加圧流体を逃がしている場合、弁
体が弁座の径方向へ動くことが指状部によつて抑
制され、弁体が弁座の径方向へ激しく振動するこ
とがなくなり、前記騒音が発生しなくなるもので
ある。

（実施例） 以下、実開昭60−45168号に記載されたマスタ
シリンダ（フアーストフイルマスタシリンダと
か、２段作動型マスタシリンダとか呼ばれてい
る）のリザーバ接続口内に組込むようにした一実
施例を図面に基づいて説明することにより本考案
を一層明らかにする。

第１図において、マスタシリンダボデー１のリ
ザーバ接続口２内には、第１ハウジング３、第２
ハウジング４、球状の弁体５、コイルスプリング
６によつて構成されてリザーバ接続口下方部２Ａ
の液圧が所定値に到達した時圧液をリザーバ接続
口上方部２Ｂに逃がしてリザーバ接続口下方部２
Ａの液圧が更に上昇することを防ぐリリーフ弁
と、このリリーフ弁を弁体として利用していて環
状プレート８、弁座部材９及びコイルスプリング
１０により構成されてリザーバ接続口下方部２Ａ
が負圧傾向になつた時リザーバ接続口上方部２Ｂ
の液をリザーバ接続口下方部２Ａに吸入させてリ
ザーバ接続口下方部２Ａに大きな負圧が発生する
ことを防ぐ逆止弁とが組込まれている。

環状プレート８はリザーバ接続口２の周壁の段
部１ａにより下方への移動を止められ、またリザ
ーバ接続口２の周壁に取付けられたスナツプリン
グ１１により上方への移動を止められているもの
で、その内周部から下方へ突出した弁座部材取付
け部８ａを有している。弁座部材９はゴム材料で
形成されたもので、プレート８の弁座部材取付け
部８ａの外周に密封的に取付けられており、その
外周をリザーバ接続口２の周壁に密封的に接触し
ている。弁座部材９の環状突出部９ａには第１ハ
ウジング３の外周に形成された鍔部３ａがコイル
スプリング１０によつて着座させられる。鍔部３
ａに形成させた細い溝１２は液の膨張、収縮によ
つてリザーバ接続口下方部２Ａに圧力上昇が生じ
たり、負圧が発生したりすることを防ぐためのも
のである。

第２ハウジング４は樹脂材料、例えばガラス繊
維入６ナイロンにより形成されているもので、第
１ハウジング３内に挿入される筒状部４ａを有し
ている。この筒状部４ａの外周には第１ハウジン
グ３に形成した２個の窓１３内に突入して窓１３
の上壁に係止する２個の突起４ｂが形成されてい
る。筒状部４ａにはこれに弾力性を与えて突起４
ｂ，４ｂの間隔を縮め第１ハウジングの上端開口
から挿入可能とするためのスリツト１４が形成さ
れている。弁体５はコイルスプリング６によつて
第１ハウジング３に形成された環状の弁座１５に
着座する位置に付勢され、第１ハウジング３の孔
１６を通して作用するリザーバ接続口下方部２Ａ
の液圧によつて弁座１５から離脱するよう押圧さ
れる。

第１図乃至第３図に示したように、第２ハウジ
ング４の筒状部４ａの下端には下方に延在する４
本の指状部４ｃが一体に形成されている。これら
指状部４ｃはコイルスプリング６と第１ハウジン
グ３との間の環状隙間を通つて弁体５と第１ハウ
ジング３との間の環状隙間に到達しており、弁座
１５の径方向の弾性を有して弁体５を弾力的に挟
みつけて弁体５を弁座１５の軸方向（第１図で上
下方向）へ案内する。

かかる構成において、リザーバ接続口下方部２
Ａの液圧が所定値に到達した時には弁体５が弁座
１５から離れ、リザーバ接続口下方部２Ａの圧液
が孔１６から第１ハウジング３の内部に流入して
弁体５の周囲を通り窓１３や第２ハウジング４の
孔１７からリザーバ接続口上方部２Ｂへと逃げ
る。この時、弁体５は指状部４ｃにより弾力的に
挟みつけられていることから弁座１５の径方向へ
激しく振動することがなく、従つて従来のリリー
フ弁で経験されたピーと言う騒音は発生しない。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案によれば、加圧
流体が弁体とハウジングとの間の隙間を通つて逃
げている時騒音が発生しないリリーフ弁を得るこ
とができる。そして、弁体を弾力的に挟みつけて
弁体を弁座の軸方向へ案内する複数の指状部をハ
ウジングに形成するものであるから、構成部品の
追加の必要がなく、且つ、指状部の寸法精度が低
くても弁体に確実に接触させることができ、容易
に実施できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図
は第１図中の第２ハウジングの縦断面図、第３図
は第２ハウジングを第２図の下方から見た図であ
る。 ３……第１ハウジング、４……第２ハウジン
グ、４ｃ……指状部、５……弁体、６……コイル
スプリング、１５……弁座。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 加圧流体の放出路を形成するハウジング内に球
   状の弁体とこれを着座位置に付勢するコイルスプ
   リングとを設置したリリーフ弁において、 前記ハウジングに前記弁体移動方向と垂直な方
   向で前記弁体を挟持する複数の指状部を前記弁体
   移動方向に延設したリリーフ弁。