JPH032448Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車等の車輌に用いられる液圧制御
弁に関する。

（従来の技術） 液圧制御弁の中には、マスタシリンダのボス部
に取り付けられるハウジングと、ハウジングにマ
スタシリンダのボス部の軸線と同一の方向に延び
るよう形成された弁孔と、弁孔に摺動自在に組み
込まれ、かつその端部が弁孔の軸方向の一端から
ハウジングを貫通して外部へ突出する弁組立体と
からなるものがある。このものでは、弁組立体の
一部がマスタシリンダのボスの軸線と同一方向に
突出しているため、液通路の取り出し口がマスタ
シリンダのボス部の軸線と直交する方向にハウジ
ングに設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） 車輌におけるブレーキ配管とマスタシリンダと
は、液圧制御弁の有無にかかわらずマスタシリン
ダのボス部の軸線と同一線上で接続されるのが一
般であるが、上記のような従来例では、特別にブ
レーキ配管が弁孔の軸線と直交する方向に位置す
るようにレイアウトの変更を行なわなければなら
ずやつかいであるとともに車輌によつてはそのた
めの空間が狭く、配管の位置をたやすく変更でき
ない場合があつた。

本考案はかかる問題点を解決するためになされ
たもので、常にブレーキ配管の位置を変更する必
要がない液圧制御弁を得ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、弁組立体が組込まれる弁孔を、ハウ
ジングに形成された液通路に交差させたものであ
る。

（作用） 弁孔と液通路とは、交差しているため、弁組立
体が液通路の出口側から突出することがなく、し
たがつて、ブレーキ配管の位置を変更することな
く、ハウジングに取り付け可能である。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。液圧制御弁は、マスタシリンダ本体１に取り
付けられるハウジング２と、ハウジング２に形成
されかつ液通路３に交差するように形成された弁
孔４と、弁孔４に組込まれた弁組立体５とをその
主たる構成要素とするものである。

以下これら各要素を順を追つて説明していくこ
ととする。ハウジング２は細長に形成され、その
基端部は縮径され、マスタシリンダ本体１のボス
部１Ａの取付孔に軸線が一致するようにシールリ
ング６を介してねじ込まれている。ハウジング２
には、その長手方向に伸長する液通路３が貫通形
成され、その一端は、マスタシリンダ本体１に形
成された透孔１Ｂに連通しているとともに他端
は、ハウジング２の先端部に形成された配管接続
孔７に連設されている。

ハウジング２には、さらに小径部２Ａと大径部
２Ｂとからなる弁孔４が形成されている。該弁孔
４は、その軸線が液通路３の軸線と交差するよう
に、好ましくは、配管接続孔７の軸線と弁孔４の
開口部側の軸線とが鋭角をなすように設けられて
いる。

弁組立体５は、弁孔４の軸方向沿いに設けられ
かつ一端が、弁孔４の底部側における小径部に隙
間をおいて緩く嵌合され、他端が、弁孔４の開口
部に螺合されたプラグ８のガイド孔８Ａに摺動自
在に嵌合されかつその先端部がプラグ８の外部に
突出したピストン９と、該ピストン９の一端にお
ける外周に取り付けられたシールリング１０と、
断面コの字状で底部に取付孔１１Ａが形成され、
該取付孔１１Ａがピストン９の両端間に取り付け
られかつ開口側における周縁部がゴム製のダイヤ
フラム１２を介して弁孔４の大径部における周壁
に取り付けられたばね受１３と、弁孔４の大径部
と小径部との大径部側の段部に当接自在に設けら
れた環状弁体１４と、ダイヤフラム１２に取り付
けられ該弁体１４を段部に押当する方向に弾発付
勢する外側バネ材１５と、シールリング１０とば
ね受１３との間でピストン９に取り付けられかつ
環状弁体１４に当接自在な摺動弁体１６と、ばね
受１３に取り付けられかつ摺動弁体１６を環状弁
体１４に押圧する方向に弾発付勢する内側バネ材
１７と、ばね受１３と摺動弁体１６との間で内周
縁がピストン９にまた外周縁が内側バネ材１７に
取り付けられたばね受１８とから構成されてお
り、上記ダイヤフラム１２はばね受１３よりもプ
ラグ８側でピストン９に取り付けられ、かつその
外周部は弁孔４の内周面に摺動自在となつてい
る。なお、１９は、ダイヤフラム１２を所定位置
に保持するカラーである。

つぎに、上記構成に係る液圧弁の作用について
述べると、同図は作動前の状態を示すが、この状
態から図示しないブレーキペダルを踏み込むと、
その圧力に応じてブレーキ液が液通路３を介して
マスタシリンダ本体１から吐出されてその圧力が
弁体１６とピストン９との間の通路を介して配管
接続孔７側に伝達されるが、内側バネ材１７の弾
発力は弱いので、微小な圧力のブレーキ液で縮む
ことになり、この結果、ピストン９はダイヤフラ
ム１２に作用する液圧でプラグ８方向にストロー
クし、シールリング１０が摺動弁体１６に当接す
るため、液通路３と弁孔４の大径部との連通が遮
断され、したがつてブレーキペダルの圧力によつ
て入力された液圧は弁孔４の出口側で一定となる
が、マスタシリンダ本体１から摺動弁体１６に到
る過程では、圧力が上昇し続ける。そしてこの上
昇する圧力が一定の値に達すると、外側バネ部材
１５が収縮しピストン９がさらにストロークする
ことになり、この結果、環状弁体１４が段部から
離れるため、該弁体１４と段部との間にクリアラ
ンスが生じ、ここからブレーキ液が弁孔４の大径
部に流入するため、この流入時点から図示しない
ブレーキが正常動作を開始することになる。

（考案の効果） 本考案は以上から明らかなように、弁孔が液通
路と交差しているので、弁組立体のハウジングか
らの突出方向とブレーキ配管の伸長方向とが一致
しないことになり、したがつてブレーキ配管の位
置を変更することなくハウジングに取り付け可能
となる。

また、弁組立体の突出方向が上記の如く、ブレ
ーキ配管の伸長方向と相異なるため、同方向へ突
出することはなく、したがつて液圧制御弁の車輌
への組付けが容易となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る液圧制御弁の断面図であ
る。 １……マスタシリンダ本体、１Ａ……ボス部、
２……ハウジング、３……液通路、４……弁孔、
５……弁組立体、７……配管接続孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) マスタシリンダ本体のボス部に取り付けられ
   るハウジングと、該ハウジングに貫通して設け
   られ前記マスタシリンダに連通する液通路と、
   該液通路の出口側に設けられた配管接続孔と、
   前記液通路に交差するように設けられた弁孔
   と、該弁孔に組込まれ前記液通路を開閉可能な
   弁組立体とを備えてなる液圧制御弁。 (2) 弁孔と液通路とは鋭角で交差している実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の液圧制御弁。