JPH0351316A - 窒化珪素質繊維の製造方法 - Google Patents

窒化珪素質繊維の製造方法

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JPH0351316A
JPH0351316A JP18575889A JP18575889A JPH0351316A JP H0351316 A JPH0351316 A JP H0351316A JP 18575889 A JP18575889 A JP 18575889A JP 18575889 A JP18575889 A JP 18575889A JP H0351316 A JPH0351316 A JP H0351316A
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silazane
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fiber
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JP18575889A
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Yoshio Hasegawa
良雄 長谷川
Minoru Takamizawa
高見沢 稔
Akira Hayashida
章 林田
Yoshifumi Takeda
竹田 好文
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TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 1栗よ立札肚分立 本発明は、主としてSi、Nで構成される窒化珪素質繊
維の製造方法に関する。
の   び  が  しよ゛と る セラミックスは耐熱性、耐摩耗性、高温強度等に優れた
材料として注目を集めているが、固く、そして脆いため
、セラミックスを加工することば極めて困難である。従
って、セラミックス製品を製造する場合、セラミック材
料の微粉末を加圧等の方法により予め所望の形状に成型
した後、焼結する方法、或いはセラミックス前駆体とし
ての有機重合体を熔融若しくは溶剤に溶解し、これを所
望の形状に加工した後、焼成して無機化する前駆体法な
どが採用されている。上記前駆体法の最大の特徴は、微
粉末による焼結法では不可能な形状のセラミックス製品
を得ることができることであり、従って繊維の製造には
極めて好適である。
この場合、一般にセラミックスと呼ばれるもののうちS
i3N4は、耐熱衝撃性、破壊靭性に優れるなど高温で
の優れた特性を有するために広く注目を集めているとこ
ろであり、さまざまな前駆体の研究が盛んに行なわれ、
また、近年、繊維強化型複合材料の強化材料として軽量
、耐熱かつ高強度という特長を活かしてプラスティクス
、金属あるいはセラミックスなどとの複合化の研究も重
要になりつつある。
従来、有機シラザン重合体を熱分解重合にょって得、こ
れを前駆体としてセラミック繊維を製造する方法として
は、米国特許節3,853,567号(特公昭55−4
6995号公報)に記載の方法が知られている。この方
法では、各種メチルクロロシラン類及び各種アミン類と
から得られるシラザン化合物を200〜800℃の温度
範囲に加熱し、ラシッヒリング充填塔を用いて有機シラ
ザン重合体を得、次いで成型し、不活性雰囲気中で加熱
して炭化珪素及び窒化珪素に転換するものであるが、以
下のような問題点がある゛。
■ メチルクロロシラン類としてメチルトリクロロシラ
ン及びジメチルジクロロシラン、アミン類としてモノメ
チルアミンが記述されているのみで応用性に乏しい。
■ この有機シラザン重合体の製造方法では、原料のシ
ラザン化合物をラシッヒリング等の充填物が満たされた
管を通過させるものであるが、後述の比較例からも明ら
かなように、このラシッヒリング充填塔による方法では
、原料が充填物に接触して重合するものの、重合物は充
填物に長時間接触するためにその一部が高度な重合体を
生成して、不溶・不融な高重合度固形物となり、次第に
蓄積して管内を閉塞して重合反応を継続することが困難
となってしまう。
■ また、このようなラシッヒリング充填塔による方法
では、下記式(1)で示される構造の結晶性の副生物が
多量に生成して反応容器内の気相部内壁に固化・析出し
、反応に関与しなくなるために有機シラザン重合体の収
率が36%という極めて低い値どなる。
CH,NHCH。
\/ 8号 ■ 得られる有機シラザン重合体が耐加水分解性に劣る
更に、有機シラザン重合体を紡糸・不融化した後に加熱
・焼成して無機化し、セラミック繊維とする際、上記米
国特許に提案されている方法では、繊維化工程に次のよ
うな不利がある。
■ 紡糸浴に加熱・熔融する際に有機シラザン重合体の
融点が上昇するため、熱安定性に劣る上、紡糸中に糸切
れが激しく、曳糸性に劣る。
■ 有機シラザン重合体の耐加水分解性が悪いため、繊
維化工程中に酸素を取り込み易く、品質が低下し易い。
■ セラミック繊維の繊維強度が低い。
■ セラミックス残留率が低い。
また、上記方法で得ら汎るセラミック繊維は、S iC
−S i、 N4を主要構成成分とする繊維であり、主
としてSiとNで構成される窒化珪素質繊維とは異なる
窒化珪素質のセラミック繊維を製造する方法としては、
特開昭60−135431号公報(米国特許節4,54
0,803号、同4,543,344号)、特開昭62
−125015号公報、特開昭61−12915号公報
(米国特許節4,650,773号)、特開昭61−2
32270−号公報(米国特許節4,761,389号
)などに記載の方法があるが、これらのうち前二者の方
法はその前駆体の有機シラザン重合体が耐加水分解性に
劣るという不利があり、このため繊維化工程で得られた
セラミックス繊維中に不可避的に酸素が混入して繊維中
の酸素量が制御できず、その強度或いは耐熱性が低下す
るという欠点がある。また、特開昭61−12915号
公報にはアンモニアガス雰囲気中で窒化珪素質繊維を製
造する方法が開示されているが、この方法は、前駆体が
有機シラザン重合体ではなくポリカルボシランであり、
この前駆体は生産性が低いために高価で不経済であると
いう不利がある。更に、特開昭61−232270号公
報にもポリカルボシラン類或いはポリシラザン類をアン
モニア含有雰囲気中で焼成する方法が開示されている。
しかしながら、この方法は炭素割合を減少させたセラミ
ック材料を得ることを目的としたものであり、炭素含有
量を極めて少なくすることで窒化珪素の化学量論的な組
成(S i 60%。
N40%)に近いセラミック材料を得ることばできるが
、窒素の含有量がかなり少ない上1強度が大幅に低下し
ていることから多量の酸素の存在が推察され、品質に問
題が生じる恐れがある。
従って、上記方法では高品質なSi、Nを主要構成成分
とする窒化珪素質繊維を工業的に有利に製造することは
困難であり、上記問題点の解決が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐加水分解
性に優れセラミックス前駆体として好適な特性を備えた
有機シラザン重合体から高品質のSi、Nを主要構成成
分と゛する窒化珪素質繊維を工業的に有利に製造し得る
窒化珪素質繊維の製造方法を提供することを目的とする
を  するための   び 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ね
た結果、シラザン化合物、特に下記式%式%() ) ( で示されるシラザン化合物の蒸気を400〜700°C
の範囲に加熱した空筒内を通過させて活性化した後、こ
れを液相中で好ましくは300〜600℃の温度範囲で
熱重合させることにより、耐加水分解性に優れ、かつ熱
安定性、加工性も良好な有機シラザン重合体を連続して
効率良く、高収率で製造することができ、この有機シラ
ザン重合体が熔融紡糸中に融点・分子量などの変化がな
く、断糸がほとんどない上、曳糸性も良好であり、熔融
紡糸したm維を不融化し1次いでアンモニアを含む不活
性雰囲気中で焼成することにより、引張強度260kg
/−以上、弾性率18ton/−以上でセラミックス残
留率も高い高品質のSi、Nを主要構成成分とする窒化
珪素質繊維を工業的に有利に製造できることを知見し、
本発明をなすに至った。  従って、本発明は、シラザ
ン化合物の蒸気を400〜700℃の範囲に加熱した空
筒内を通過させて活性化した後、液相中で熱重合させて
有機シラザン重合体を得、次いで該有機シラザン重合体
を熔融紡糸・不融化し、次いでアンモニアを含む不活性
雰囲気中で焼成することを特徴とする窒化珪素質繊維の
製造方法を提供する。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る製造方法においては、有機シラザン重合体
を製造するにあたり、出発原料として珪素と窒素の結合
よりなるシラザン化合物を利用するものであり5種々の
シラザン化合物を使用することができるが、原料シラザ
ン化合物の置換基は工業的に入手が容易で安価、かつ取
扱いの容易なメチル基であることが最も好ましく、特に
下記式〔I〕及び〔■〕で示されるシラザン化合物が好
適に採用される。
(CHi)isi  NH−5i(CHi)i    
(1)H3 (−8L−NH−)3       (nlCM。
本発明方法では、原料のシラザン化合物を蒸発させ、そ
の蒸気を加熱した空筒内に通過させて活性化した後、こ
れを液相中で熱重合させる。
この場合、例えば第1図に示す合成装置を用いると容易
に反応を進めることができる。即ち、空筒として石英管
3を備えた反応容器1内に原料シラザン化合物を仕込み
、該反応容器1をマントルヒーター2を用いて加熱して
シラザン化合物を蒸発させる。この蒸気を電気炉4によ
り外部から加熱して特定温度に保持した空筒(石英管)
3内に移動させ、空筒3内で蒸気の一部を活性化させる
活性化したシラザン化合物は空筒3から連結管5を介し
て容器1に還流し、或いは未反応蒸気と共に空筒3の上
端部から冷却器6a、6b、6cにより冷却されて返送
管7より反応容器内1へ適宜バルブ操作により戻される
。還流した活性化シラザン化合物を反応容器1内におい
て液相中で熱重合させ、一方、低分子量成分や原料シラ
ザン化合物については同様の操作で再度蒸発・活性化を
繰り返す。なお5図中8は熱電対、9はバルブ、10は
ガス出口である。
ここで、原料シラザン化合物の活性化を進める空筒は、
空筒内の温度が400〜700℃、好ましくはへキサメ
チルジシラザンでは650〜690℃、ヘキサメチルシ
クロトリシラザンでは550〜600℃の範囲になるよ
うに加熱する。
空筒内の温度が一般的に400℃に満たないと、シラザ
ン化合物からの活性化成分の生成割合が極めて少なく、
また700℃より高温では空筒内において高重合度固形
物が生成するので工業的に不利であるが、本発明の方法
の温度範囲であれば高重合度固形物による管内の閉塞と
いう問題は起こらない。
また、反応容器1内の温度は、原料シラザン化合物が十
分に蒸発し得ると共に、活性化したシラザン化合物が効
率良く熱重合し得る温度に保つことが好ましく、反応容
器内温度は300〜600℃、特に400〜500℃の
範囲にすることが好適である。温度が3oo℃より低い
と未反応原料あるいは低分子量重合体の割合が多くなり
、目的とする有機シラザン重合体の収量が低下する場合
があり、600℃より高いと重合体の重合度が進み、有
機シラザン重合体の融点が高くなって加工性に劣る場合
がある。なお、上記活性化成分の反応容器内での熱重合
により、反応容器内の重合体の濃度が増加するにつれて
低分子量物あるいは原料シラザン化合物が蒸発しにくく
なるので反応容器内温度も上昇させることが好ましい。
更に、重合体の分子量が大きくなり、残存する少量の低
分子量物あるいは原料シラザン化合物を所望の分子量の
重合体を得るためにもはや蒸発させることができなくな
る温度に容器内温度が達した時点で重合反応を終了する
ことが好ましい。
生成した有機シラザン重合体は適宜常法により低分子量
物を除去してセラミックス前駆体として利用することが
できるが、一般的には不活性雰囲気下に常圧あるいは減
圧下に加熱して低分子量物を留去する方法が好適に採用
される。
また、本発明の方法は第1図に示した装置図の反応容器
から生成された重合体の一部を連続的に抜き出し、同時
に原料シラザン化合物を容器内に適宜供給してやること
によって1反応を停止することなく連続して行なうこと
も可能である。
このようにして得られる有機シラザン重合体は収量も高
く、効率良く安価に製造できることに加えて耐加水分解
性が高く、熱安定性・加工性も良い。特に耐加水分解性
に関しては、シラザン系の化合物が一般に水分に対して
鋭敏で5i−N−3i結合が加水分解されてアンモニア
を発し、5i−0−8i結合を生成するという特有の性
質があり、これにより繊維とした際には′その表面積が
極めて大きくなるために繊維の品質上好ましくないが、
本発明に係る有機シラザン重合体はこの点で十分な耐加
水分解性を有しており、米国特許3.853,567号
で開示された前駆体よりも耐加水分解性にはるかに優れ
ているものである。
次いで1本発明では上述した方法で得られる有機シラザ
ン重合体を熔融紡糸・不融化・焼成して窒化珪素質繊維
を製造する。
ここで、有機シラザン重合体の熔融紡糸は通常の方法で
行なうことができるが、熔融温度は有機シラザン重合体
の融点よりも30〜150℃高い温度範囲にすることが
好ましい。
なお、熔融紡糸中にセラミックス前駆体の融点分子量が
変化すると安定な品質のセラミック繊維を得ることが難
しく、また、断糸を頻発し易いので好ましくないが、本
発明に係る有機シラザン重合体は、熔融紡糸中に融点・
分子量の変化はほとんど見られない。
次に、熔融紡糸後、得られる原糸はこれを高温下に焼成
することによって無機化することができるが、繊維形状
を保持したまま無機化するためにはこれを不融化する必
要がある。
この場合、不融化処理方法としては、一般に空気酸化す
る方法が好適に採用されるが、本発明に係る有機シラザ
ン重合体においては200〜280℃、特に240〜2
70℃の温度範囲で空気酸化し、不融化することが好ま
しい。不融化温度が280℃より高い場合には繊維中に
必要以上の酸素が混入するので繊維の強度特性が低下す
るなど品質上の悪化をもたらす場合があり、また、温度
が200℃より低い場合には不融化の実が上がらず、そ
の後の焼成中に繊維同士が互いに融着し合ってしまう場
合がある。
なお、不融化処理はオゾン酸化で行なうこともでき、オ
ゾン酸化を用いると室温付近、特に0〜70℃の温度範
囲で不融化することが可能である。
更に、不融化の別法として、先に特願昭63−1635
92号、同63−186324号に提案した不融化方法
も採用することができ、特に、下記一般式(2)で示さ
れる珪素化合物から選ばれる1種又は2種以上の蒸気を
含む気体で処理し、次いで湿潤空気またはアンモニアを
含む気体で処理して不融化する方法が好適に採用される
。即ち。
前記紡糸によって得られた原糸をまず不融化第−工程と
して下記一般式(2)で示される珪素化合物を不融化処
理剤として用い、その1種又は2種以上の蒸気を含む気
体で処理し、次いで不融化第二工程として湿潤空気また
はアンモニアを含む気体で処理する。
RaS i x4−8      (2)(但し、Rは
水素原子、低級アルキル基、アルケニル基又はアリール
基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。a
は0〜2であるが、aが2の場合はRが互いに同一でも
異なってもよい。) ここで、上記一般式(2)の不融化処理剤として、具体
的にはCH,5iC1)、、(CH,)2SiCQ2゜
(C,N5)SiCらp (CzHs)zslcR□、
 C,H,SiCら。
(C,H,)2SiCn2.CH2=CH81Cl!、
(CH,=C工I)2SiCI12.H3iCIl、、
H2S1CQ□。
5iCI14. H(CH,)SiCA2. H(CH
,=CH)SiCQ□。
(CH2=CH)C,H,SiCらなどが例示され、こ
れらの1種又は2種以上が使用できるが、このなかでも
特にH3iCQ、、5iCQ4などが好適に用いられる
これらの物質を含む気体を用いて処理する方法に特に限
定はないが1例えばN2.Ar等の不活性ガスを用いて
、これら不融化処理剤に不活性ガスを通過させ、同伴す
る蒸気を繊維の存在する領域に流入させることによって
行なえば良い。この処理法において、これら不融化処理
剤ガス濃度は不融化処理剤の温度を調整し、その蒸気圧
をコントロールすることにより、所望のガス濃度に制御
すれば良く、濃度が高い場合は不活性ガスで所望の濃度
に希釈する方法も採用される。なお、一般に不融化処理
剤の蒸気濃度はO、OO1moQ/Q〜0.1mon/
Qの範囲に制御することが特に好ましい。処理温度、処
理時間については、用いる有機シラザン重合体によって
も異なるが、処理中に不融化状態が維持できる十分に低
い温度(即ち、重合体の融点より十分低い温度)で不融
化するに十分な時間(通常5〜240分)処理すればよ
い。
この第一工程の処理により、繊維は一般の有機溶剤(例
えばベンゼン、へキサン、トルエン、テトラヒドロフラ
ン等)に不溶なものとなるが、この第一工程の処理のみ
では、その後の熱分解工程において熔融してしまうため
不融化が完全でない。
従って、この場合、次の第二工程、即ち湿潤空気あるい
はアンモニアを含む気体による処理が不可欠である。こ
の第二工程においてもその処理法に特に制限はなく、湿
潤空気により処理する場合は、唯単に第一工程で得られ
た繊維を空気中に所定の時間曝露することによって不融
化を完結させてもよいが、この場合、空気中の湿度が一
定でないため、その後の熱分解して得られる繊維中の酸
素含量が変化したり、融着が起こって結果的には安定し
て高強度、高弾性率の繊維を得ることが難しい。従って
、水温をコントロールした水中に空気或いはN、、Ar
ガス等の不活性ガスを通し、この際一定速度でバブリン
グさせることによってその水温における飽和水蒸気を得
ると共に、この飽和水蒸気を繊維上に通過させ、不融化
するに十分な時間処理する方法が好適に採用される。な
お、空気或いはN2.Arなどの気体を一定速度でバブ
リングさせる水温は0〜100℃が可能であるが、0〜
70℃、特に0〜30℃の範囲にコントロールするのが
好ましい。
また、アンモニアを使用する場合も湿潤空気の場合と同
様に一定の濃度に制御することが好ましい。その濃度範
囲は0.01〜100容量%、好ましくは0.2〜b 0.5〜10容量%であることが望ましく、ガス濃度が
高い場合はAr、He等の希ガス、窒素ガスなどの不活
性ガスでアンモニアガスを希釈し、この希釈したアンモ
ニアガスを原糸上に通過させ、不融化するに十分な時間
処理する方法が好適に採用される。
なお、処理温度、処理時間については第一工程と同様に
使用する有機シラザン重合体により異なるが、重合体融
点より十分低い温度で不融性にする十分な時間(通常5
〜240分)処理すれば良い。
このようにして不融化処理することによって得られた繊
維は、次いで常法により、無張力下または張力下におい
てアンモニアを含む不活性雰囲気中で高温焼成すること
で、Si、Nを主体とする強度、弾性率に優れた窒化珪
素質繊維を得ることができる。なお、この工程において
、焼成はアンモニア中或いはアンモニアを含むN2.A
rなどの不活性ガス中において700〜2,000℃、
特に700〜1 、600 ’Cで行なうことが好適で
ある。この場合、アンモニアを含む不活性雰囲気のアン
モニア濃度は10〜100%の範囲であることが好まし
く、アンモニア濃度が10%より低いと焼成した繊維中
に炭素が残存する場合がある。
また、繊維は張力下で焼成することが特に好ましく、こ
れによって引張強度260kg/m1以上、弾性率18
ton/−以上の物性を有する高品質の窒化珪素質繊維
を製造することができる。
見訓勿免来 以上説明したように、本発明の製造方法によれば、耐加
水分解性に優れ、熱安定性、加工性も良好な有機シラザ
ン重合体を高収率で、連続生産して効率良く安価に製造
でき、この有機シラザン重合体をセラミックス前駆体と
して用いることで、紡糸中に前駆体の融点9分子量など
の変化がなく断糸がほとんど見られない上、曳糸性も良
好で弓張強度260kg/−以上、弾性率18ton/
−以上であり、高温強度、セラミックス残留率も高い高
品質のSi、Nを主要構成成分とする窒化珪素質繊維を
工業的に有利に製造することができる。
次に、有機シラザン重合体の合成例を示す。
〔合成例1〕 ヘキサメチルジシラザン50gを第1図に示した装置の
反応容器1に仕込み、電気炉4により石英管3を680
℃に加熱・維持し、またマントルヒーター2によりヘキ
サメチルジシラザンが沸騰するまで反応容器1を徐々に
加熱した。この時の反応容器1内温は125℃であった
。このまま反応容器1内温を沸騰状態が継続するように
徐々に上昇させ、内温か4.50℃に達した後、反応を
約5時間継続し1反応容器1内からの蒸発量が極度に低
下したところで反応を停止し、冷却した。第1図の装置
から反応容器1を取り外し、これに蒸留装置を取り付け
て減圧下(1mmHg) 300℃にて低分子量物を留
去すると、28g(収率56.0%)の褐色の固体(有
機シラザン重合体A、本発明品)が得られた。得られた
有機シラザン重合体Aは融点258℃、重量平均分子量
279o、数平均分子量1540であり、ヘキサン、ベ
ンゼン、THF及びその他の有機溶媒に可溶であった。
有機シラザン重合体AのIRチャートを第2図に示す。
〔合成例2〕 ヘキサメチルシクロトリシラザン50gを用い、合成例
1と同様に第1図に示した装置で反応を行なった。なお
、石英管の温度を5’70℃とし、初期の反応容器内温
を190℃に制御し1反応容器内温を沸騰状態が継続す
るように徐々に昇温させ、反応容器内温が480℃に達
したところで反応を終了した。次いで窒素雰囲気下、3
50℃で蒸留して低分子量成分を除去したところ、39
.4g(収率78.8%)の褐色の固体(有機シラザン
重合体B、本発明品)が得られた。得られた有改シラザ
ン重合体Bは、融点284°C1重量平均分子量713
0、数平均分子11580であり、合成例1で得られた
有機シラザン重合体Aと同様種々の溶媒に可溶であった
。有機シラザン重合体BのIRチャートを第3図に示す
〔合成例3〕 ヘキサメチルジシラザン50gを合成例1と同様に反応
容器に仕込み、石英管を680℃に加熱・維持し、反応
容器を徐々に加熱して、内温が480℃に達した後、反
応を約10時間継続した。
反応容器内からの蒸発量が極度に低下したので、このま
ま常圧下に重合体の濃縮を行ない冷却したところ、32
.4g (収率64.8%)の褐色の固体(有機シラザ
ン重合体C1本発明品)が得られた。
得られた有機シラザン重合体Cは融点240 ’C1重
量平均分子量6900、数平均分子量1430であった
〔合成例4〕 第1図に示した装置の石英管に直径8論、長さ8IIn
のラシンヒリングを充填し1反応容器にメチルトリスメ
チルアミノシラン(CH,5i(NHCH,)、)50
gを仕込んで合成例]と同様に反応を行なった。石英管
の温度を450℃とし、初期の反応容器内温を85℃に
制御した。反応が約6時間経過したところで1石英管が
閉塞気味となったので反応を中止した。装置を冷却・解
体後、内部を見たところ、石英管中央部に不溶・不融の
固形物があり、閉塞寸前の状態であった。また、反応容
器内の気相部内壁には白色の結晶性物質が大量に付着し
ており、これを再結晶により精製したところ、融点13
0〜133℃、ベンゼン凝固点降下法による分子量は3
12、元素分析の結果は5i27.8%、C34,8%
、N26.4%、H1061%であり、前記化合物(1
)であることが確認された。化合物(1)のIRチャー
トを第4図に示す。更に、反応容器内に残った粘稠な液
体を合成例1と同様に処理したところ、24.2g(収
率48.4%)の固体(有機シラザン重合体D、比較品
)が得られた。得られた有機シラザン重合体りは空気中
で強いアンモニア臭が認められ。
融点116℃1重量平均分子量1030、数平均分子量
820であった。IRチャートを第5図に示す。
[合成例5〕 第1図に示した装置の反応容器にメチルトリスメチルア
ミノシラン[CH,5i(NHCH,)3)47gを仕
込んで反応を行なった。合成例4と同様に石英管の温度
を520℃、初期の反応容器内温を85℃に制御した。
反応は石英管の閉塞もなく、約8時間反応を継続するこ
とができ、最終の反応容器内温は450 ’Cであった
。冷却後1反応容器内の気相部内壁には合成例4と同様
に白色の結晶性物質が付着しており、その重量は9.8
g(収率20.9%)であった。反応容器内の重合物を
合成例1と同様に処理したところ、17,0g(収率3
6.2%)の固体(有機シラザン重合体E、比較品)が
得られた。
得られた有機シラザン重合体Eは空気中で強いアンモニ
ア臭が認められ、融点147°C1重量平均分子量12
20、数平均分子量970であった。
〔合成例6〕 合成例4と全く同様の装置にヘキサメチルシクロトリシ
ラザン50gを仕込んで合成例4と全く同様に反応を行
なったところ、約10時間経過して石英管が閉塞し反応
を継続することができなかった0合成例4と同様に処理
したところ、21.3g (収率42.6%)の有機シ
ラザン重合体F(比較品)が得られた。この有機シラザ
ン重合体Fは空気中で強いアンモニア臭が認められた。
前記合成例1〜6で得られた有機シラザン重合体の耐加
水分解性を比較するため、有機シラザン重合体を粉砕し
た後、325メツシユの篩を通過させた粉末を一定条件
の下に水分を含む大気中に曝露し、次いで焼成を行なっ
てセラミックス化し。
その元素分析を行なった。第1表に結果を示す。
第      1      表 この結果から、本発明に係る有機シラザン重合体は耐加
水分解性が極めて高いことがわかった。
〈実施例、比較例〉 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない
〔実施例1〕 合成例1で得られた有機シラザン重合体AをQ、2nn
φの細孔を有する紡糸口金より350 ’Cに加熱して
熔融紡糸した。約1時間の紡糸中に断糸は全くなく、得
られた原糸は10戸の直径であった。次いで、得られた
繊維(0,1g)をAQ、O,ボートに乗せ、直径50
nmφのムライト管型炉に入れた。炉内に空気を送入し
なから200”Cから6時間かけて260°Cとし、こ
の温度で1時間保持して不融化を行なった。この後、炉
内を不活性ガス(N2又はAr)で置換し、2o%のア
ンモニアを含有するArガスを通気しながら1200℃
まで6時間かけて焼成を行ない、繊維を得た。こうして
得られた繊維は約9pnの径を有し、引張強度は260
 kg / nta 、引張弾性率18ton/−であ
った。また、この繊維の組成はSi  59.5%、G
o、1%、N38.4%、02.0%であり、Si3N
、を主体とするセラミックス繊維であることが確認され
た。
〔実施例2〕 合成例2で得られた有機シラザン重合体Bを実施例1と
全く同様に繊維化し、1000℃で焼成して繊維径9戸
の窒化珪素質繊維を得た。得られた繊維の引張強度は2
85 kg / na 、引張弾性率20ton/−で
あった。また、この繊維を1200°C及び1580 
’Cの各温度で焼成し直してX線回折による測定を行な
った結果、第6図に示したように1580℃でも非晶質
であることが確認された。
〔比較例1〕 合成例4で得られた有機シラザン重合体りを実施例1と
同様に200°Cで熔融紡糸したところ、初期には原糸
の繊維径約12pであったものが時間の経過と共に繊維
径は細くなり、ついには断糸点並びに数平均分子量は融
点180°C1分子量980まで上昇していた。僅かに
得られた原糸を実施例1と同様に不融化・焼成したとこ
ろ、繊維同士が融着を起こしていた。僅かに融着してい
ない部分の強度を測定したところ、引張強度4.0 k
g/−2弾性率7ton/−と低い値であった。
〔実施例3〕 合成例3で得られた有機シラザン重合体Cを実施例1と
同様に330℃で熔融紡糸し、室温(18℃)で岡野製
作所社製オゾン発生装置(EQ−301型)を用いて酸
素ガスからオゾンを生成させ、オゾン濃度1.5%の酸
素ガスを100m1/minの速度で流通して酸化した
。次いでアンモニアガス中、室温から6時間かけて12
00°Cまで昇温し、1200’Cで1時間焼成したと
ころ、繊維径12戸の窒化珪素質繊維が得られ、このも
のは引張強度280 kg/na、弾性tf、18 t
on / Ilaであった。
〔実施例4〕 合成例3で得られた有機シラザン重合体Cを実施例1と
同様に330℃で熔融紡糸し、得られた原糸は12〜1
3pnの直径であった。次いで、得られた繊維をAQ2
0.ボートに乗せ、直径50IffIlφのムライト管
型炉に入れた。管型炉を窒素ガスで置換後、第一工程と
してトリクロロシランを入れたバブラー装置を用い、N
、ガスをこのバブラー装置を通して0 、01 moQ
/Qの濃度のトリクロロシランガスを含むN2ガスを管
型炉に室温で15分間通過させた。次いで、第二工程と
して炉内を再び窒素ガスで置換した後、繊維を50′C
に維持し、25℃の水中をバブリングさせた空気を13
Q/hrで30分間通気させて処理して不融化した。再
び背型炉内をN2ガスにて置換し、N2気流中で昇温速
度150℃/hrで1200℃に加熱し、この温度で繊
維を30分間熱分解した後、冷却した。焼成後、得られ
た窒化珪素質繊維は繊維径1o声で引張強度280kg
/I1w(、引張弾性率22ton/mlであった。
〔実施例5〕 合成例3で得られた有機シラザン重合体Cを実施例4と
同様に熔融紡糸し、得られた原糸を実施例4と同様に第
一工程としてトリクロロシランにより処理を行ない、窒
素置換後、室温下に1%のアンモニアを含む窒素ガスを
iQ/minで30分間通気して不融化した。その後ア
ンモニア濃度を60%に上げ、以降実施例4と同様に焼
成を行なって繊維を得た。得られた窒化珪素質繊維は繊
維径9pで引張強度290kg/nJ、引張弾性率24
ton /−であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は有機シラザン重合体の製造に用いる装置の一例
を示す概略断面図、第2図は合成例1で得られた有機シ
ラザン重合体AのIRチャート図、第3図は合成例2で
得られた有機シラザン重合体BのIRチャート図、第4
図は合成例4で得られた結晶性物質のIRチャート図、
第5図は合成例4で得られた有機シラザン重合体CのI
Rチャート図、第6,7図は実施例2で得られた窒化珪
素質繊維のX線回折チャート図である。 1・・・反応容器、 2・・・マントルヒーター3・・
・石英管、 4・・・電気炉、 6a。 6b。 6c・・・冷却器。 ・・返送管。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、シラザン化合物の蒸気を400〜700℃の範囲に
    加熱した空筒内を通過させて活性化した後、液相中で熱
    重合させて有機シラザン重合体を得、次いで該有機シラ
    ザン重合体を熔融紡糸・不融化し、次いでアンモニアを
    含む不活性雰囲気中で焼成することを特徴とする窒化珪
    素質繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008528859A (ja) * 2005-01-28 2008-07-31 ティッセンクルップ・クラウゼ・ゲー・エム・ベー・ハー 内燃エンジンなどの駆動装置の少なくとも可動部分の位置を測定する方法

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