JPH0532787A - セラミツクスの製造方法 - Google Patents

セラミツクスの製造方法

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JPH0532787A
JPH0532787A JP3306489A JP30648991A JPH0532787A JP H0532787 A JPH0532787 A JP H0532787A JP 3306489 A JP3306489 A JP 3306489A JP 30648991 A JP30648991 A JP 30648991A JP H0532787 A JPH0532787 A JP H0532787A
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稔 高見沢
Yoshifumi Takeda
好文 竹田
Akira Hayashida
章 林田
Tsutomu Takeno
勉 竹野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式〔I〕で示される有機珪素化合物又は式
〔I〕及び式〔II〕で示される有機珪素化合物の混合
物と、式〔III〕で示されるジシラザンとを無水雰囲
気下において温度25〜350℃で反応させ、副生する
揮発性成分を系外に留出させて有機シラザン重合体を
得、次いでこれを溶融、成形し、更に不融化した後、焼
成してセラミックスを得るセラミックスの製造方法。 (R は水素,塩素,臭素,炭化水素基、R 1は水素又は
メチル基、Xは塩素又は臭素、R 2及びR3は水素,塩
素,臭素,炭化水素基、R 4,R 5及びR6は水素,炭化
水素基。) 【効果】 セラミックス繊維用前駆体として好適な有機
シラザン重合体を工業的に有利に製造でき、セラミック
ス繊維、セラミックスシート、セラミックス成形体等を
高い歩留りで、しかも安定した品質で製造でき、強度、
弾性率に優れたセラミックス繊維、シート成形体等を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス前駆体と
して使用される有機シラザン重合体を用いたセラミック
スの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セラミ
ックスは、耐熱性、耐摩耗性、高温強度等に優れた材料
として注目を集めているが、固く、そして脆いため、セ
ラミックスを加工することは極めて困難である。従っ
て、セラミックス製品を製造する場合、セラミックス材
料の微粉末を加圧等の方法により予め所望の形状に成形
した後、焼結する方法、或いはセラミックス前駆体とし
ての有機重合体を溶融若しくは溶剤に溶解し、これを所
望の形状に加工した後、焼成して無機化する前駆体法な
どが採用されている。上記前駆体法の最大の特徴は、微
粉末による焼結法では不可能な形状のセラミックス製品
を得ることができ、従って繊維状或いはシート状といっ
た特殊形状の製品を製造し得ることである。
【0003】この場合、一般にセラミックスと呼ばれる
もののうちSiC及びSi34は、それぞれSiCが耐
熱性、高温強度に優れ、Si34が耐熱衝撃性、破壊靭
性に優れるなど、高温での優れた特性を有するために広
く注目を集めており、このため従来より、下記〜に
示すように、前駆体法によるSiC−Si34系セラミ
ックスの製造方法及びその有機珪素前駆体の製造方法に
関する種々の提案がなされているが、これらの提案はい
ずれも問題点を有するものであった。即ち、 米国特許第3,853,567号明細書には、クロ
ロシラン類とアミン類とを反応させ、次いで200〜8
00℃に加熱してカルボシラザンを得た後、これを紡
糸、不融化して800〜2000℃で高温焼成すること
により、SiC−Si34系セラミックスを得る方法が
開示されている。しかし、この方法は、カルボシラザン
を得るために520〜650℃という高温が必要であっ
て、工業的製法として極めて困難であること、またカル
ボシラザンを無機化する際にセラミックス収率が約55
%という低収率となることといった欠点を有する。な
お、この米国特許明細書の実施例には、クロロシラン類
としてはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシ
ラン、アミン類としては、メチルアミンの例しか記述さ
れていない。
【0004】 米国特許第4,097,294号明細
書には、種々の珪素を含有するポリマーが熱分解によっ
てセラミックス物質に変換されることが示されている。
しかし、シラザンポリマーに関しては僅かに一例しか開
示されておらず、しかもそのセラミックス化収率は最大
で12%という低収率である。また、この米国特許明細
書にはセラミックスの繊維化、薄膜化等も可能であると
記載されているが、単にその可能性を示唆したに過ぎ
ず、前駆体法で最も重要とされるポリマーの成形性、加
工性については全く言及されていない。
【0005】 特開昭57−117532号公報に
は、クロロジシラン類とジシラザン類との反応により、
特開昭57−139124号公報にはクロロシラン類と
ジシラザン類との反応により、特開昭58−63725
号公報にはクロロジシラン類とアンモニアとの反応によ
り、特開昭60−135431号公報にはトリクロロシ
ランとジシラザン類との反応により、それぞれシラザン
ポリマーを得ることが示されている。また、米国特許第
4,535,007号明細書にはクロロシラン類及びジ
シラザン類に金属ハロゲン化物を添加することにより、
特開昭60−208331号公報にはクロロジシラン類
及びジシラザン類に金属ハロゲン化物を添加することに
より、それぞれシラザンポリマーを製造することが開示
されている。以上のシラザンポリマーは、いずれも熱分
解によってセラミックス化が可能であるとされている。
しかしながら、セラミックス化収率はいずれのシラザン
ポリマーも50〜60%であって低収率である。また、
上記各刊行物は、の明細書と同様に前駆体法で最も重
要であるポリマーの成形性、加工性については詳しく記
載されておらず、特に、繊維化の実施例のないもの、或
いは繊維化した実施例はあってもそのセラミックス化繊
維の強度については言及していないものが殆んどであ
る。僅かに特開昭60−208331号公報に強度の記
載が見られるが、この場合も引張強度で53kg/mm
2或いは63kg/mm2という極めて強度の低いものし
か得られていない。
【0006】 特開昭60−226890号公報に
は、
【0007】
【化4】 で示される有機珪素化合物とアンモニアとの反応によ
り、アンモノリシス生成物を得た後、この生成物をアル
カリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物で脱水素縮合
させてシラザンポリマーを得る方法が開示されている。
この方法で得られるポリマーは、脱水素縮合の度合いに
よってその性状をオイル状から融点を持たない固体まで
種々調整することが可能であるとされている。しかし、
ポリマーを溶融した状態から成形、加工する場合、例え
ば溶融紡糸法で連続繊維を製造する場合には、ポリマー
が一定重合度でかつ熱的に安定であることが必要である
が、上記方法では重合を途中で停止させないとポリマー
が融点を持たない固体となってしまい、溶融可能なポリ
マーを得るためには反応時間、反応温度、触媒量、溶媒
量等の微妙なコントロールを必要とし、その調整が非常
に困難であると共に、再現性に欠けるという問題があ
る。更に、この方法によって得られるポリマーは熱的に
安定でなく、ゲル状物の生成を伴うといった欠点があ
り、以上の二つの点から上記方法はシラザンポリマーの
工業的製法として適当ではない。
【0008】 特開昭60−228489号公報に
は、
【0009】
【化5】 で示される化合物とモノメチルアミンとから環状シラザ
ンを形成し、この環状シラザンとアンモニアを反応させ
ることによってシラザンポリマーを得る方法が示されて
いる。しかし、上記公報には該ポリマーが化学蒸着用材
料として好適であると述べられているが、ポリマーにつ
いては物性等に関する詳細な記述が全くなされておら
ず、またセラミックス収率についても全く触れられてい
ない。
【0010】上述したように、従来提案されているセラ
ミックス前駆体としてのポリシラザン重合体は工業的生
産に不適当なものであり、しかもセラミックス繊維等の
前駆体としての成形性、加工性に劣る上、セラミックス
収率が低いものであった。また、従来のポリシラザン重
合体を前駆体として製造したセラミックス製品、例えば
セラミックス繊維は、強度、弾性率等の種々の物性に劣
るものであった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、工業的生産に適し、かつ成形性、加工性に優れ、し
かもセラミックス収率が高いセラミックス前駆体を用い
た高品質のセラミックスの製造方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】即ち、本発明者
らは、前駆体法に属するセラミックス製品の製造方法及
びこのセラミックス製品の製造に好適に用いられる工業
性、加工性等に優れたセラミックス前駆体の製造方法を
開発するため、SiC及びSi34の有する優れた高温
特性を併せ持つSiC−Si34系セラミックスに着目
し、前駆体法によるSiC−Si34系セラミックスの
製造方法につき鋭意研究を行なった結果、下記一般式
〔I〕で示される有機珪素化合物又は下記一般式〔I〕
及び下記一般式〔II〕で示される有機珪素化合物の混
合物と、下記一般式〔III〕で示されるジシラザンと
を無水雰囲気下において温度25〜350℃で反応さ
せ、副生する揮発性成分を系外に留去することにより、
極めて強度が高く、熱安定性に優れ、かつ一定重合度の
ポリシラザン重合体が得られること、更にこのポリシラ
ザン重合体を溶融、成形後、空気中加熱或いは電子線照
射、紫外線照射等により不融化し、焼成することによっ
て高品質のSiC,Si34を主体とするセラミックス
を得ることができることを知見し、本発明をなすに至っ
たものである。
【0013】
【化6】 (但し、式中R は水素,塩素,臭素,メチル基,エチル
基,フェニル基又はビニル基、R 1は水素又はメチル
基、Xは塩素又は臭素をそれぞれ示す。以下、同様。)
【0014】
【化7】 (但し、R 2及びR3は水素,塩素,臭素,メチル基,エ
チル基,フェニル基又はビニル基、Xは塩素又は臭素を
それぞれ示す。以下、同様。)
【0015】
【化8】 (但し、式中R 4,R 5及びR6は水素,メチル基,エチ
ル基,フェニル基又はビニル基を示す。以下、同様。)
【0016】従って、本発明は、上記式〔I〕で示され
る有機珪素化合物又は上記式〔I〕及び上記式〔II〕
で示される有機珪素化合物の混合物と上記式〔III〕
で示されるジシラザンとを無水雰囲気下で温度25〜3
50℃で反応させ、副生する揮発性成分を系外に留去さ
せて有機シラザン重合体を得、次いでこの有機シラザン
重合体を溶融、成形し、更に不融化した後、焼成してセ
ラミックスを得ることを特徴とするセラミックスの製造
方法を提供する。
【0017】本発明のセラミックスの製造に用いる有機
シラザン重合体の製造方法は、出発原料として式〔I〕
又は式〔I〕及び式〔II〕の有機珪素化合物を使用
し、式〔III〕のジシラザンと無水雰囲気下で温度2
5〜350℃で反応させて副生する揮発性成分を系外に
留去させるだけで、熱安定性に優れ、従来にない構造単
位を有する有機シラザン重合体を得ることができる。従
って、この方法によれば、成形性、加工性に優れ、しか
も高強度で可撓性に富むが故に取扱い性が良好であり、
優れた不融化性を有し、セラミックス収率の高い(通常
70〜80%)高品質の有機シラザン重合体を工業的に
容易に製造することができる。
【0018】更に、本発明者らは先にメチルジクロロシ
ラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラ
ンの三成分系を用いた有機シラザン重合体の製造方法
(特開昭62−290730号公報)や、メチルジクロ
ロシラン、メチルトリクロロシラン、下記一般式〔I
V〕で示される有機珪素化合物の三成分系を用いた有機
シラザン重合体の製造方法(特開昭63−117037
号公報)を提案した。
【0019】
【化9】 (但し、R 7及びR8は水素又はメチル基、Xは塩素又は
臭素、R9は塩素,臭素,メチル基,エチル基又はフェ
ニル基、R 10は水素,塩素,臭素,メチル基,エチル基
又はフェニル基をそれぞれ示す。)
【0020】これらの方法に比べ、本発明に従った有機
シラザン重合体の製造方法は出発原料に上記式〔I〕又
は式〔I〕及び式〔II〕の有機珪素化合物を用い、式
〔III〕のジシラザンと反応させることで、得られる
有機シラザン重合体の不融化性が向上し、セラミックス
収率がより高く、しかも強度が高く可撓性に富むことか
ら取扱い性が良好であり、工業的に有利である。
【0021】また、本発明に係るセラミックスの製造方
法は、上述した有機シラザン重合体を前駆体として用い
たことにより、優れた物性を有し、安定な品質の適宜形
状のセラミックス製品を高い歩留りで容易に製造するこ
とができる。
【0022】なお、セラミックス前駆体であるシラザン
重合体の製造原料として有機珪素化合物を用いること
は、上述したように従来より知られている。しかしなが
ら、有機珪素化合物として上述した1種又は2種以上の
有機珪素化合物を選択すると共に、これらを上述したジ
シラザンと特定の条件下で反応させて副生成物を系外に
留出させることにより、従来にない優れた特性のシラザ
ン重合体が得られるということは、本発明者らの新たな
知見である。即ち、式〔I〕又は式〔I〕及び式〔I
I〕の有機珪素化合物を使用すること、好ましくは式
〔I〕及び式〔II〕の有機珪素化合物を混合比が50
〜100モル%:0〜50モル%の割合で使用すること
により、先に述べた特開昭57−117532号公報、
特開昭57−139124号公報、特開昭58−637
25号公報及び特開昭60−135431号公報や特開
昭62−290730号公報、特開昭63−11703
7号公報に記載されたような有機珪素化合物を単独又は
混合して使用することによって得られるシラザン重合体
とは異なる構造を有し、種々の繰り返し単位及びこれら
繰り返し単位の結合構造が入り混じった新規なシラザン
重合体が得られること、また、このシラザン重合体が先
に述べた有機珪素化合物を単独又は混合して使用するこ
とにより得られる有機シラザン重合体に比べ、セラミッ
クス前駆体として用いる場合にその不融化性が良好であ
る上に、強度が高く可撓性に富む重合体であること、そ
してこのような従来のシラザン重合体構造とは相違する
新規構造を有し、しかも優れた特性のシラザン重合体を
セラミックス前駆体として用いることにより、従来のこ
の種の前駆体法によるセラミックスの製造法に比べセラ
ミックス収率が大幅に向上すると共に、引張強度、弾性
率等の物性が顕著に改善された安定な品質のセラミック
スが製造されるということを、本発明者らは初めて見い
出したものである。
【0023】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明に係る有機シラザン重合体の製造方法におい
ては、出発原料として上記式〔I〕の有機珪素化合物を
使用するか、又は式〔I〕及び式〔II〕の有機珪素化
合物を混合して使用するものである。この場合、式
〔I〕と式〔II〕の化合物を〔I〕:〔II〕が50
〜100モル%:0〜50モル%の割合となるように混
合することが好適である。上記組成範囲を外れた場合は
得られるシラザン重合体の強度が低く、可撓性に欠ける
場合が多く、例えばこのシラザン重合体を溶融後、紡糸
して繊維状物を得る場合、巻き取りや後工程など種々の
取扱いの際に糸切れを起こす原因になり、最終工程まで
の歩留りが低下したり、最終製品の物性が悪くなる場合
がある。
【0024】ここで、式〔I〕の化合物としては、例え
ば ClH2SiCH2CH2SiH2Cl,Cl2 SiCH2
CH2SiH Cl2,Cl3SiCH2CH2SiCl3,C
(CH32SiCH2CH2Si(CH32Cl,Cl
2(CH3)SiCH2CH2Si(CH3)Cl2,Cl
(CH32SiCH (CH3)CH(CH3)Si(CH
32Cl,Cl2(CH2=CH)SiCH2CH2Si
(CH=CH2)Cl2 等が挙げられる。これらの中では、1,2−ビス(クロ
ロジメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジクロロメ
チルシリル)エタン、1,2−ビス(トリクロロシリ
ル)エタンが好適に用いられる。
【0025】また、式〔II〕の化合物としては、例え
ばH2SiCl2,H SiCl3,SiCl4,CH3Si
Cl3,(CH32SiCl2,(C25)SiCl3
(C252SiCl2,C65SiCl3,(C652
SiCl2,CH2=CHSiCl3,(CH2=CH)2
SiCl2,(CH2=CH)(CH3)SiCl2等が挙
げられる。
【0026】なお、式〔I〕及び式〔II〕の化合物
は、各々上述のような化合物のうち1種を単独で使用し
ても2種以上を併用配合して多成分系としても差し支え
ない。
【0027】更に、本発明は上記有機珪素化合物に上記
式〔III〕のジシラザンを反応させる。
【0028】ここで、式〔III〕のジシラザンの配合
量は、上記に式〔I〕,〔II〕の有機珪素化合物のハ
ロゲン量に対しモル換算で当モル量以上であればよい。
式〔III〕のジシラザンとして具体的には、(H3
i)2NH,{H2(CH3)Si}2NH,{H(C
32Si}2NH,{(CH33Si}2NH,{(C
253Si}2NH,{(C653Si}2NH,{C
2=CH(C 32Si}2NH,{C 2=CH(C6
52Si}2NH,{C 2=CH(C252Si}2
NH等が例示され、これらの1種又は2種以上を使用す
ることができる。
【0029】また、本発明においては、上記式〔I〕,
〔II〕の有機珪素化合物に式〔III〕のジシラザン
を反応させる場合、無水雰囲気下で温度25〜350℃
の条件で反応させ、副生する揮発性成分を系外に留出さ
せて有機シラザン重合体を得るものである。このような
反応条件で反応させることにより、目的とするシラザン
重合体をオイル状から固体状と多種の形態で得ることが
でき、更にセラミックス繊維用プレカーサーとして好適
な重合度及び優れた熱安定性を有するシラザン重合体を
得ることができる。
【0030】この場合、有機珪素化合物やジシラザンは
溶剤に溶かしてもよいが、通常無溶剤での使用が好まし
い。反応条件は、無水の雰囲気が反応温度25〜350
℃、好ましくは150〜320℃とする。反応温度が2
5℃より低いと反応が進まず、350℃より高いと反応
速度が速くなり、シラザン重合体を所望の重合度に調整
することが難しい。
【0031】このように有機珪素化合物にジシラザンを
反応させると下記反応式A及びBの反応が引き続いて起
きる。
【0032】
【化10】
【0033】即ち、まず反応式Aに示すように式〔I〕
又は式〔I〕及び式〔II〕の有機珪素化合物と式〔I
II〕のジシラザンとが反応し、式〔V〕の化合物及び
副生物として揮発性の式〔VI〕の化合物が生成する。
このうち式〔VI〕の副生物は、反応の進行に伴って常
圧あるいは減圧下で系外に留出される。更に引き続い
て、温度の上昇と共に反応式Bに示すように式〔V〕の
化合物の縮合反応が起こり始め、目的とするより高分子
量のシラザン重合体(式〔VII〕)が生成される。な
お、式〔VII〕のシラザン重合体と共に副生される式
〔III〕のジシラザンは、式〔VI〕の副生物と同様
に常圧あるいは減圧下の蒸留で系外に留出され、再使用
が可能である。
【0034】なお、シラザン重合体の重合度、融点は使
用する原料の有機珪素化合物の配合比や反応温度、反応
時間等を変更することによって適宜調整することができ
るが、また、比較的低分子量の低いオリゴマーを熱時減
圧下に留去すことによって粘度、融点などを調整するこ
ともできる。
【0035】このようにして得られた有機シラザン重合
体は、その成形性、加工性が高い点を利用し、次に示す
ようにセラミックスの前駆体として適宜形状、特に繊維
状又はシート状に形成する。
【0036】本発明に係るセラミックスの製造方法は、
上述した有機シラザン重合体を溶融、成形し、更に不融
化した後、焼成するものである。この場合、上記重合体
としては、融点が60〜250℃、分子量800〜50
00(ベンゼンモル凝固点降下法)のものを用いること
が好ましい。
【0037】更にここで、上記反応で得られた有機シラ
ザン重合体をそのまま溶融、成形に供してもよいが、シ
ラザン重合体をヘキサン,ベンゼン,トルエン,テトラ
ヒドロフラン等の有機溶媒に溶解し、濾過後に溶媒を減
圧留去するか、あるいは溶融液を熱時にそのまま濾過し
て不溶物を除去することが好ましい。このような処理を
行なうことにより、上記融点や分子量を有するシラザン
重合体をより確実に得ることができ、重合体の溶融、成
形を容易に行なうことができる。
【0038】また、有機シラザン重合体の溶融、成形及
び焼成の方法に特に制限はなく、重合体を適宜形状に成
形し、これを焼成することによって種々形状のセラミッ
クス製品を得ることができる。
【0039】例えば、セラミックス繊維を製造する場
合、まず有機シラザン重合体を加熱溶融し、溶融紡糸法
で紡糸を行なうことができる。この場合、この工程にお
いて紡糸温度は重合体の融点によって異なるが、通常1
00〜300℃の範囲で実施することが好ましい。
【0040】次に、この紡糸工程で得られた糸状体を空
気中で加熱したり、真空中或いはN2ガス中等で電子線
照射を行なって不融化するか、或いはN2ガスやArガ
ス中等の不活性雰囲気中で紫外線を照射して光不融化す
る。この工程において、空気中での加熱は融点より低い
温度、例えば50〜200℃の温度範囲で行なうことが
好ましい。この場合、温度が50℃より低いと不融化せ
ず、200℃より高いとポリマーが溶融することがあ
る。また、電子線照射は真空中又はN2ガス雰囲気で1
0〜2000Mradの照射量で行なうことが好適であ
り、10Mradより少ないと焼成時に繊維同志が融着
する場合がある。
【0041】更に、紫外線照射は波長250〜400n
mの入手容易な市販の紫外線ランプを使用し、有機シラ
ザン重合体の不融化性能に応じて光源の強さ、照射距離
や照射時間を適宜選択して紫外線の光量を調節すること
が好ましい。更に、紫外線で光不融化する場合は、置換
基R2としてビニル基を比較的多量に含有した式〔I
I〕の有機珪素化合物から得られた有機シラザン重合体
を使用することが好ましい。なお、ビニル基含量の少な
い有機シラザン重合体も、この有機シラザン重合体に予
め光増感剤や加硫剤等を添加することにより、紫外線で
光不融化することができる。この場合、一般に光増感剤
や加硫剤を多量に添加すると重合体の諸特性に影響を及
ぼすことから、0.001〜5重量%程度の添加量が好
適である。なお、添加量が0.001重量%より少ない
と融着が起こる場合がある。ここで、増感剤としてはベ
ンゾフェノン、ローズベンガル、アセトフェノン等、加
硫剤としては二硫化ジフェニル、1,3−ベンゼンジチ
オール、2,2’−ジチオビス(ベンゾチアゾール)等
が例示される。
【0042】次いで、不融化した糸状物を無張力下又は
張力下において高温焼成することにより、SiC,Si
34を主体とする強度、弾性率に優れたセラミックス繊
維を得ることができる。この工程において、焼成は真空
中或いはArなどの不活性ガス,N2ガス,H2ガス,N
3ガス等の1種又は2種以上のガス中において700
〜2000℃、特に700〜1500℃で行なうことが
好適である。この場合、張力下で焼成することが特に好
ましく、これによって引張強度230〜310kg/m
2、弾性率16〜30t/mm2の物性を有する高品質
のセラミックス繊維を製造できる。
【0043】また、焼成において、有機シラザン重合体
をアルミナ,炭化珪素,窒化珪素,窒化ホウ素等から選
ばれる1種又は2種以上の無機化合物粉末に結合剤とし
て添加すると、容易に高品位のセラミックス成形体を得
ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱的に安定で一定の重合度を有し、従って成形性、加工
性に優れている上、良好な不融化性を有し、更には高強
度で可撓性に富むが故に取扱い性にも優れ、しかもセラ
ミックス収率が高く、このためセラミックス繊維用前駆
体として特に好適に使用し得る有機シラザン重合体を工
業的に有利に製造することができ、かかる有機シラザン
重合体を用いて高品質のSiC,Si34を主体とする
セラミックスを高セラミックス収率で得ることができ
る。この場合、本発明方法によれば、所望形状のセラミ
ックス製品、例えばセラミックス繊維、セラミックスシ
ート、セラミックス成形体等を高い歩留りで、しかも安
定した品質で製造することができ、これにより強度、弾
性率に優れたセラミックス繊維、シート成形体等を得る
ことができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。
【0046】〔実施例〕重合工程 〔1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン〕撹拌
機、温度計、ガス導入管、蒸留装置を装備し、乾燥した
500mlの4つ口フラスコに1,2−ビス(メチルジ
クロロシリル)エタン76.8g(0.3mol)及び
{(CH33Si}2NH177.5g(1.1mo
l)を仕込んだ。次いで、N2雰囲気下で混合物を徐々
に加熱し(釜温が92℃に達したところで還流が開始
し、その蒸気温度は59℃であった)、生成してくる揮
発性成分を系外に留出させながら徐々に反応温度を30
0℃まで上げ、この温度で3時間保持した。N 2気流
下、この反応物を室温まで冷却し、反応物に100ml
の脱水ヘキサンを加えて溶解させて不溶物を濾過した
後、ヘキサン及び低分子量物を200℃、10mmHg
下でストリップした。残留物はガラス状黄色固体の重合
体で59g得た。このものは分子量2650(ベンゼン
モル凝固点降下法、以下同じ。)、融点130℃であ
り、電位差滴定から残存塩素は100ppm以下であっ
た。また、IRからは3400cm-1にNH,2980
cm-1にCH,1260cm-1にSiCH3の各々の吸
収が認められた。重合工程 〔1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン:メチ
ルジクロロシラン=80:20(モル%)〕1,2−ビ
ス(メチルジクロロシリル)エタン61.4g(0.2
4mol)、メチルジクロロシラン6.9g(0.06
mol)、{(CH33Si}2NH177.5g
(1.1mol)を重合工程と同様に500mlの4
つ口フラスコに仕込み、反応温度300℃で1時間保持
して反応させ、冷却して同様に処理した。薄黄色固体5
3gが得られ、このものは分子量2100、融点82℃
であった。重合工程 〔1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン:メチ
ルトリクロロシラン=70:30(モル%)〕1,2−
ビス(メチルジクロロシリル)エタン53.8g(0.
24mol)、メチルトリクロロシラン13.4g
(0.06mol)、{(CH33Si}2NH194
g(1.2mol)を重合工程と同様に500mlの
4つ口フラスコに仕込み、反応温度280℃で30分間
反応させ、処理した。薄黄色固体43.7gが得られ、
このものは分子量1800、融点70℃であった。重合工程 〔1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン:ビニ
ルトリクロロシラン=70:30(モル%)〕1,2−
ビス(メチルジクロロシリル)エタン125.4g
(0.49mol)、ビニルトリクロロシラン33.9
g(0.21mol)、{(CH33Si}2NH25
8.2g(1.6mol)を重合工程と同様に1リッ
トルの4つ口フラスコに仕込み、反応温度250℃で3
時間反応させ、処理した。薄黄色固体103.5gが得
られ、このものは分子量3100、融点110℃であっ
た。また、IRからは3400cm-1にNH,2950
cm-1にC−H,1260cm-1にSi−Me,142
0cm-1にCH2=CH−の各々の吸収が認められた。重合工程 〔1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン:メチルジ
クロロシラン:メチルビニルジクロロシラン=50:2
5:25(モル%)〕1,2−ビス(トリクロロシリ
ル)エタン44.6g(0.15mol)、メチルジク
ロロシラン8.6g(0.075mol)、メチルビニ
ルジクロロシラン10.6g(0.075mol)、
{(CH33Si}2NH129g(0.8mol)を
重合工程と同様に500mlの4つ口フラスコに仕込
み、反応温度260℃で2時間反応させた。薄黄色固体
45gが得られ、このものは分子量2720、融点12
5℃であった。また、IRからは3400cm-1にN
H,2950cm-1にC−H,2150cm-1にSi−
H,1260cm-1にSi−Me,1420cm-1にC
2=CH−の各々の吸収が認められた。重合工程 〔1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン:ビニ
ルトリクロロシラン=98:2(モル%)〕1,2−ビ
ス(メチルジクロロシリル)エタン75.3g(0.2
94mol)、ビニルトリクロロシラン0.9g(0.
06mol)、{(CH33Si}2NH218.9g
(1.356mol)を重合工程と同様に500ml
の4つ口フラスコに仕込み、反応温度240℃で1.5
時間反応させた。白色固体57gが得られ、このものは
分子量2250、融点86℃であった。また、IRから
は3400cm-1にNH,2950cm-1にC−H,1
420cm-1にCH2=CH−,1260cm-1にSi
−Meの各々の吸収が認められた。重合工程 〔1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン:1,
2−ビス(トリクロロシリル)エタン:ビニルトリクロ
ロシラン=50:20:30(モル%)〕1,2−ビス
(メチルジクロロシリル)エタン38.4g(0.15
mol)、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン1
7.8g(0.06mol)、ビニルトリクロロシラン
13.5g(0.09mol)、{(CH33Si}2
NH184g(1.14mol)を重合工程と同様に
500mlの4つ口フラスコに仕込み、反応温度250
℃で2時間反応させた。白色固体49gが得られ、この
ものは分子量4200、融点220℃であった。また、
IRからは3400cm-1にNH,2950cm-1にC
−H,1420cm-1にCH2=CH−,1260cm
-1にSi−Meの各々の吸収が認められた。
【0047】繊維化工程 重合工程で得られたシラザン重合体30gをモノホー
ル紡糸装置により190℃にて溶融紡糸した。紡糸は3
時間後も非常に良好で、巻取速度400m/minで実
施した。得られた生糸は従来になく強いもので、引張強
度を測定したところ10kg/mm2であった。次いで
得られた生糸を電子線にて2000Mradで不融化処
理を行なった。その後、わずかな張力下、N2気流中1
00℃/Hrの昇温速度で1100℃にて30分間焼成
した。セラミックス収率は72%であり、得られた繊維
は繊維径8μ、引張強度270kg/mm2、弾性率1
8t/mm2という物性であった。また、繊維組成を元
素分析により分析したところ、Si58.8%、C2
5.8%,N15.2%,O0.2%からなるSiC−
Si34を主体とする繊維であることが確認された。繊維化工程 重合工程で得られたシラザン重合体20gを繊維化工
程と同様の紡糸装置を用いて140℃にて溶融紡糸し
た。巻取速度420m/minで、紡糸は非常に良好で
あった。更に得られた生糸をわずかな張力下、電子線装
置にて500Mradで不融化処理を行なった。次い
で、無張力下、N2気流中で100℃/Hrの昇温速度
で1200℃にて30分間焼成した。セラミックス収率
は70%であり、得られた繊維は繊維径7μ、引張強度
280kg/mm2、弾性率20t/mm2であった。繊
維組成を元素分析したところ、SiC−Si34を主体
とする繊維であった。繊維化工程 重合工程で得られたシラザン重合体20gを繊維化工
程と同様の紡糸装置を用いて130℃にて溶融紡糸し
た。巻取速度450m/minで、紡糸は非常に良好で
あった。更に得られた生糸を空気中にて50〜80℃
(5℃/Hr)で加熱して不融化を行なった。次いで、
わずかな張力下、N2気流中で100℃/Hrの昇温速
度で1150℃にて30分間焼成した。セラミックス収
率は68%であり、繊維径6μ、引張強度230kg/
mm2、弾性率19t/mm2のSiC−Si34を主体
とする繊維であった。繊維化工程 重合工程で得られたシラザン重合体30gに光増感剤
としてローズベンガル0.06gを加え、テトラヒドロ
フランに溶解、混合させた後、テトラヒドロフランを1
00℃、5mmHgの減圧下で除去した。次いで、繊維
化工程と同様の紡糸装置を用いて170℃、巻取速度
420m/minで溶融紡糸した。得られた生糸をわず
かな張力下、N2気流中で紫外線照射装置(東芝光化学
用水銀ランプH−400P型)を用いて距離15cmの
ところから3時間光照射し、不融化を行なった。その
後、得られた繊維を張力下N2気流中100℃/Hrの
昇温速度で1200℃にて1時間焼成した。セラミック
ス収率は74%であり、繊維径7μ、引張強度250k
g/mm2、弾性率23t/mm2のSiC−Si34
主体とする繊維であった。繊維化工程 重合工程で得られたシラザン重合体30gに加硫剤と
して二硫化ジフェニル0.06gを加え、テトラヒドロ
フランに溶解、混合させた後、テトラヒドロフランを1
00℃、5mmHgの減圧下で除去した。次いで、繊維
化工程と同様の紡糸装置を用いて溶融紡糸した。得ら
れた生糸を繊維化工程と同様の紫外線装置を用いて光
照射し、不融化処理を行なった。その後、得られた生糸
を張力下N2気流中で100℃/Hrの昇温速度で11
00℃にて30分間焼成した。セラミックス収率は68
%であり、繊維径8μ、引張強度235kg/mm2
弾性率20.5t/mm2のSiC−Si34を主体と
する繊維であった。繊維化工程 重合工程で得られたシラザン重合体30gに加硫剤と
して1,3−ベンゼンジチオール0.003gを加え、
更に増感剤としてベンゾフェノン3mgを1リットルの
テトラヒドロフランに溶解し、この溶液100mlを加
えて溶解させた。次いでテトラヒドロフランを減圧留去
し、繊維化工程と同様の紡糸装置を用いて170℃に
て溶融紡糸を行なった。更に得られた生糸を繊維化工程
と同様に光不融化処理を行なった後、わずかな張力下
2気流中で100℃/Hrの昇温速度で1100℃に
て30分間焼成した。セラミックス収率は70%であ
り、繊維径9μ、引張強度260kg/mm2、弾性率
20t/mm2のSiC−Si34を主体とする繊維で
あった。
【0048】セラミックス成形体 重合工程で得られたシラザン重合体0.5gとSiC
微粉末10g、ヘキサン2gを分散混練した後、ヘキサ
ンを蒸発させた。この粉末を1000kg/mm2の成
形圧で加圧成形して直径25mm×厚さ10mmの圧粉
成形体を得た。次いでこの圧粉体をアルゴン雰囲気中で
室温から1000℃まで2時間、1000℃から195
0℃まで1時間かけて昇温し、1950℃にて30分間
保持した後冷却したところ、密度2.85g/cm3
曲げ強度30kg/mm2のSiC成形体が得られた。
【0049】〔比較例〕重合工程 撹拌機、温度計、ガス導入管、蒸留装置を装備した50
0mlの乾燥した4つ口フラスコにメチルトリクロロシ
ラン35.8g(10.24mol)、ジメチルジクロ
ロシラン7.7g(0.06mol)、{(CH33
i}2NH137.2g(0.85mol)を仕込ん
だ。以下、上記実施例の重合工程と同様の方法で、反
応温度270℃で30分間反応させた後、常温に冷却し
た。青黄色固体21gが得られ、このものは分子量17
00、融点65℃であった。
【0050】繊維化工程 得られたシラザン重合体20gをモノホール(ノズル、
直径0.5mm)紡糸装置に仕込み、N2気流下120
℃で溶融させ、紡糸を行なった。紡糸は糸切れが激し
く、かつ得られた生糸は非常に脆いものであり、生糸の
強度を測定したところ0.5kg/mm2であった。次
いで、この生糸を電子線装置を用いて2000Mrad
で不融化処理し、N2気流下100℃/Hrの昇温速度
で1100℃にて30分間焼成した。セラミックス収率
は48%であり、得られた繊維は一部融着したものであ
った。また、未融着部の繊維物性を測定したところ、繊
維径8μ、引張強度20kg/mm2、弾性率4t/m
2で非常に低物性であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹野 勉 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕 【化1】 (但し、式中R は水素,塩素,臭素,メチル基,エチル
    基,フェニル基又はビニル基、R 1は水素又はメチル
    基、Xは塩素又は臭素をそれぞれ示す。)で示される有
    機珪素化合物又は前記式〔I〕及び下記一般式〔II〕 【化2】 (但し、R 2及びR3は水素,塩素,臭素,メチル基,エ
    チル基,フェニル基又はビニル基、Xは塩素又は臭素を
    それぞれ示す。)で示される有機珪素化合物の混合物
    と、下記一般式〔III〕 【化3】 (但し、式中R 4,R 5及びR6は水素,メチル基,エチ
    ル基,フェニル基又はビニル基を示す。)で示されるジ
    シラザンとを無水雰囲気下において温度25〜350℃
    で反応させ、副生する揮発性成分を系外に留出させて有
    機シラザン重合体を得、次いでこの有機シラザン重合体
    を溶融、成形し、更に不融化した後、焼成してセラミッ
    クスを得ることを特徴とするセラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 式〔I〕及び式〔II〕の有機珪素化合
    物を混合比が50〜100モル%:0〜50モル%の割
    合で使用した特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機シラザン重合体が融点60〜250
    ℃のものである特許請求の範囲第1項又は第2項記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 有機シラザン重合体を溶融、成形した
    後、空気中で50〜200℃に加熱して不融化するよう
    にした特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項
    に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機シラザン重合体を溶融、成形した
    後、真空中又はN2ガス中において10〜2000Mr
    adの照射量で電子線照射を行なって不融化するように
    した特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に
    記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機シラザン重合体を溶融、成形した
    後、不活性雰囲気中で紫外線照射して不融化するように
    した特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 紫外線照射前に有機シラザン重合体に予
    め光増感剤を添加するようにした特許請求の範囲第6項
    記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 紫外線照射前に有機シラザン重合体に予
    め加硫剤を添加するようにした特許請求の範囲第6項記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 成形工程が紡糸工程であり、溶融した有
    機シラザン重合体を紡糸してセラミックス繊維を得るよ
    うにした特許請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1
    項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 焼成温度が700〜2000℃である
    特許請求の範囲第1項乃至第9項のいずれか1項に記載
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 焼成雰囲気が真空中又は不活性ガス,
    2ガス,H2ガス及びNH3ガスから選ばれるガス中で
    ある特許請求の範囲第1項乃至第10項のいずれか1項
    に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 有機シラザン重合体を無機化合物粉末
    に結合剤として添加し、焼成する特許請求の範囲第1項
    記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 無機化合物粉末がアルミナ,炭化珪
    素,窒化珪素及び窒化ホウ素から選ばれる特許請求の範
    囲第12項記載の製造方法。
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CN114085644A (zh) * 2021-12-03 2022-02-25 上海电缆研究所有限公司 一种耐高温密封胶及其制备方法、应用

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