JPH07119283B2 - 有機シラザン重合体の不融化方法 - Google Patents

有機シラザン重合体の不融化方法

Info

Publication number
JPH07119283B2
JPH07119283B2 JP63163592A JP16359288A JPH07119283B2 JP H07119283 B2 JPH07119283 B2 JP H07119283B2 JP 63163592 A JP63163592 A JP 63163592A JP 16359288 A JP16359288 A JP 16359288A JP H07119283 B2 JPH07119283 B2 JP H07119283B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infusibilizing
silazane polymer
formula
fiber
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63163592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0214220A (ja
Inventor
好文 竹田
稔 高見沢
章 林田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP63163592A priority Critical patent/JPH07119283B2/ja
Priority to US07/371,716 priority patent/US5008348A/en
Priority to US07/404,584 priority patent/US4948763A/en
Publication of JPH0214220A publication Critical patent/JPH0214220A/ja
Publication of JPH07119283B2 publication Critical patent/JPH07119283B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は前駆体法でセラミックスを製造するにあたり、
その前駆体を所望の形状に保持した状態で熱分解する為
に必要な不融化処理方法に関する。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題 セラミックスは、耐熱性、耐摩耗性、高温強度等に優れ
た材料として注目を集めているが、固く、そして脆いた
め、セラミックスを加工することは極めて困難である。
従って、セラミックス製品を製造する場合、セラミック
ス材料の微粉末を加圧等の方法により予め所望の形状に
成形した後、焼結する方法、或いはセラミックス前駆体
としての有機重合体を溶融若しくは溶剤に溶解し、これ
を所望の形状に加工した後、焼成して無機化する前駆体
法等が採用されている。上記前記体法の最大の特徴は、
微粉末による焼結法では不可能な形状のセラミックス製
品を得ることができ、従って繊維状或いはシート状とい
った特殊形状の製品を製造し得ることである。
この場合、一般にセラミックスと呼ばれるもののうちSi
C及びSi3N4は、それぞれSiCが耐熱性、高温強度に優
れ、Si3N4が耐熱衝撃性、破壊靭性に優れるなど、高温
での優れた特性を有するために広く注目を集めていると
ころであり、本発明者らも先に特開昭62−290730号、特
開昭63−117037号、特願昭62−25786号、特願昭62−313
264号に前駆体法によるSiC−Si3N4系のセラミックスの
製造に用いられる有機シラザン重合体の製造法並びに該
有機シラザン重合体からセラミックスを得る方法を提案
したものである。
而して、セラミックス前駆体からセラミックスを製造す
る場合は、セラミックス前駆体を溶融、成型した後、こ
れを不融化処理することが必要であり、その後熱分解
し、セラミックス材料を得るものであるが、かかる製造
方法において、不融化処理方法として下記〜の不融
化処理方法が知られている。
即ち、空気酸化する方法、スチームあるいはスチー
ムと酸素を用いる方法、紫外線照射による方法、電
子線照射による方法、各種有機珪素化合物による方法
などの方法が提案されている。
しかし、これらはいずれも問題点を有するものであっ
た。即ち、,の方法は空気中で加熱するだけでよ
く、簡便な方法として汎く採用されているが、必要とさ
れる熱エネルギーが大きく、また生成されるセラミック
スは酸素含量の多いものとなり、セラミックスの持つ高
強度、高弾性などの機能が大幅に減ぜられるという不利
がある。
一方、,の方法は、の方法と異なり、エネルギー
コストも低く、酸素の混入を回避できるという有利性は
あるが、この方法により不融化を行なうためには、多量
の紫外線や電子線の照射量が必要とされることと、この
ような装置は非常に高価なものであるという2点から工
業的方法として採用し難いものである。更に、の方法
は、米国特許第4,535,007号明細書に開示されているよ
うに、R3SiNH−基を有するポリマーを各種有機珪素化合
物(例えば四塩化珪素、トリクロロシラン)または金属
塩素化物(例えばBCl3,SnCl4)により不融化する方法で
あるが、本発明者らの知見によれば、R3SiNH−基を有し
ない有機シラザン重合体に対しては何ら有効でなく、後
述する比較例に示したように融着が甚しく、ポリマーの
形状を留めることができないものである。なお、この米
国特許明細書中にはセラミックス前駆体法において最も
重用視される熱分解後のセラミックス繊維の強度等につ
いては全く記載がなく、不融化の有効性を明らかにして
いない。
従って、上述したように、従来提案されているセラミッ
クス前駆体の不融化処理方法は種々の欠点を有するもの
であった。
本発明は、これら事情に鑑みなされたもので、有機シラ
ザン重合体(セラミックス前駆体)を容易かつ簡便にし
かも安価に不融化することができ、これにより高品位の
セラミックス繊維等を確実に製造することを可能にする
有機シラザン重合体の不融化方法を提供することを目的
とする。
課題を解決するための手段及び作用 即ち、本発明者らは有機シラザン重合体を溶融成形し、
更に不融化処理をするに当り、この不融化処理について
鋭意研究を行なった結果、 式(1) RaSiX4-a (但し、Rは水素原子、低級アルキル基、アルケニル基
又はアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又は沃素原子
を示す。aは0〜2であるが、aが2の場合、Rは互に
同一でも異なっていてもよい。) で示されるケイ素化合物、 式(2) BX3 (但し、Xは上記と同様の意味を示す。) で示されるホウ素化合物、 式(3) PXb (但し、Xは上記と同様の意味を示し、bは3又は5で
ある。) で示されるリン化合物 式(4) MXc (但し、MはAl,Ti,V,Fe,Ga,Ge,Zr,Nb,Sn,Ta,W又はBiを
示し、cは該金属の原子価である。Xは上記と同様の意
味を示す。) で示される金属化合物 を不融化処理剤として使用し、その1種又は2種以上の
蒸気を含む気体を用いて有機シラザン重合体の成型物を
処理すること、しかもかかる処理を行なった後に水蒸気
を含む気体で処理することにより、上述した従来の不融
化方法の問題点を解決し、不融化が簡単に達成されると
共に、この不融化処理によって高強度、高弾性のセラミ
ックス材料が製造できることを見い出し、本発明をなす
に至ったものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明で用いられる有機シラザン重合体には特に制限は
ないが、既に本発明者らが特開昭62−290730号、特開昭
63−117037号、特願昭62−25786号、更には特願昭62−3
13264号で提案した有機シラザン重合体が好適に用いら
れる。
例えば、特開昭62−290730号の製造方法によれば、メチ
ルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチル
ジクロロシランの混合物とアンモニアを反応させてアン
モノリシス生成物を得た後、該アンモノリシス生成物を
脱水素縮合可能な塩基性触媒により縮合させることによ
って有機シラザン重合体が得られる。
また特開昭63−117037号、特願昭62−25786号の方法に
よれば、一般式〔I〕及び〔II〕 で示される有機珪素化合物の少なくとも1種以上と、一
般式〔III〕 で示される有機珪素化合物との混合物を出発原料として
用い、特開昭62−290730号の製造方法と同様にアンモニ
アと反応せしめ、得られたアンモノリンス生成物を更に
脱水素縮合することによって有機シラザン重合体が得ら
れる。
更に、特願昭62−313264号の製造方法によれば、一般式
(IV) で示される有機珪素化合物の1種以上と、一般式〔V〕 で示される有機珪素化合物の1種以上とを混合し、この
混合物をアンモニアと反応させてシラザン化合物を得た
後、該シラザン化合物をアルカリ触媒、例えばKOH、NaO
H等により重合させることによって有機シラザン重合体
が得られる。
また、Andrianov S〔Vysokomol.soyed ,NOT,1060〜10
63(1962)〕による (ヘキサメチルシクロトリシラザン)をKOHで加熱重合
させた有機シラザン重合体も好適に用いられる。
前記した有機シラザン重合体は、これをセラミックス前
駆体として用い、該有機シラザン重合体をN2を含む不活
性ガス中で熱分解することにより、SiC−Si3N4質のセラ
ミックス材料が製造できる。例えば、セラミックス繊維
を製造する場合、まず有機シラザン重合体を溶融紡糸法
により紡糸して繊維状に成型したのち、熱分解すればよ
い。
しかしながら、かかるセラミックスの製造方法におい
て、不融化処理を行なわず、ただ単に熱分解したのでは
繊維等の成型物の形状を保持できず、熱分解の段階で成
型物が全て溶融してしまうため、熱分解に先立って不融
化処理が不可欠となるものであるが、本発明はこの不融
化方法として、有機シラザン重合体を溶融、成型するこ
とにより得られた成型物をまず不融化第1工程として下
記式(1)〜(4)で示される化合物を不融化処理剤と
して用いその1種又は2種以上の蒸気を含む気体で処理
し、次いで不融化第2工程として水蒸気を含む気体で処
理するという不融化方法を採用したものである。
式(1) RaSiX4-a (但し、Rは水素原子、低級アルキル基、アルケニル基
又はアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又は沃素原子
を示す。aは0〜2であるが、aが2の場合、Rは互に
同一でも異なっていてもよい。) で示されるケイ素化合物、 式(2) BX3 (但し、Xは上記と同様の意味を示す。) で示されるホウ素化合物、 式(3) PXb (但し、Xは上記と同様の意味を示し、bは3又は5で
ある。) で示されるリン化合物 式(4) MXc (但し、MはAl,Ti,V,Fe,Ga,Ge,Zr,Nb,Sn,Sb,Te,Ta,W又
はBiを示し、cは該金属の原子価である。Xは上記と同
様の意味を示す。) で示される金属化合物。
ここで、上記式(1)〜(4)の不融化処理剤として、
具体的にはCH3SiCl3、(CH32SiCl2、(C2H5)SiCl3
(C2H52SiCl2、C6H5SiCl3、(C6H52SiCl2、CH2=CH
SiCl3、(CH2=CH)2SiCl2、HSiCl3、H2SiCl2、SiCl4
H(CH3)SiCl2、H(CH2=CH)SiCl2、(CH2=CH)C6H
5SiCl2、BCl3、BBr3、BI3、PCl3、PCl5、PBr3、PI3、Al
Cl3、TiCl4、FeCl3、VCl4、GaCl3、GeCl4、ZrCl4、NbCl
5、SnCl4、SbCl3、TaCl5、TeCl4、WCl5、BiCl3などが例
示され、これらの1種又は2種以上が使用されるが、こ
の中でも特にH(CH3)SiCl2、HSiCl3、BCl3、PCl3、Al
Cl3、TiCl4などが好適に用いられる。
これら物質を含む気体を用いて処理する方法に特に限定
はないが、例えば、N2、Ar等の不活性ガスを用いて、こ
れら不融化処理剤に不活性ガスを通過させ、同伴する蒸
気を成型物の存在する領域に流入させることによって行
なえばよい。この処理法に於て、これら不融化処理剤の
ガス濃度は、不融化処理剤の温度を調整し、この蒸気圧
をコントロールすることにより、所望のガス濃度に制御
すればよく、濃度が高い場合は不活性ガスで所望の濃度
に希釈する方法も採用される。なお、一般に不融化処理
剤の蒸気濃度は0.0001mol/〜0.1mol/の範囲に制御
することが特に好ましい。処理温度、処理時間について
は、用いる有機シラザン重合体によっても異なるが、処
理中に不融状態が維持できる十分に低い温度(即ち、ポ
リマーの融点より十分低い温度)で、不融化するに十分
な時間(通常5〜240分)処理すればよい。
この第1工程の処理により、成型物は一般の有機溶剤
(例えばベンゼン、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロ
フラン等)に不溶なものとなる。しかしながら、後述す
る比較例でも示したように、この第1工程の処理のみで
はその後の熱分解工程において溶融してしまうもので、
不融化が完全でない。従って、本発明においては次の第
2工程、即ち水蒸気を含む気体による処理が不可欠であ
る。
この第2工程に於いても、その処理法に特に限定はな
く、ただ単に第1工程で得られた処理成型物を空気中に
所定の時間曝露することによって、不融化を完結させて
もよいが、この場合空気中の湿度が一定でないため、そ
の後の熱分解して得られる繊維中の酸素含量が変化した
り、融着が起って、結果的には安定して高強度、高弾性
率のセラミックス成型体を得ることが難しい。従って、
この第2工程の処理方法として、水温をコントロールし
た水中に空気あるいはN2,Arガス等の不活性ガスを通
し、この際一定速度でバブリングさせることによってそ
の水温に於ける飽和水蒸気を得ると共に、この飽和水蒸
気を成型物上に通過させ、不融化するに十分な時間処理
する方法が好適に採用される。なお、処理温度、処理時
間については、第1工程と同様に使用する有機シラザン
重合体により異なるが、ポリマーの融点より十分低い温
度で不融性にする十分な時間(通常5〜240分)処理す
ればよい。更に、空気あるいはN2,Arなどの気体を一定
速度でバブリングさせる水温は0〜100℃が可能である
が、0〜70℃、とりわけ0〜30℃の範囲にコントロール
するのが特に好ましい。
このようにして不融化処理することによって得られた成
型物は、次いで常法により焼成、熱分解し、これによっ
てセラミックス成型体を得るものである。例えば、上記
した本発明者らの提案した有機シラザン重合体を用いて
繊維を成型し、不融化した後、この不融化繊維を無張力
下又は張力下において高温焼成することにより、SiC、S
i3N4を主体とする強度、弾性率に優れたセラミックス繊
維を得ることができる。なお、この工程において、焼成
は真空中あるいはArなどの不活性ガス、N2ガス、H2
ス、NH3ガス等の1種又は2種以上のガス中において700
〜2000℃、特に700〜1600℃で行なうことが好適であ
る。この場合、繊維は張力下で焼成することが特に好ま
しく、これによって引張強度200〜300kg/mm2、弾性率15
〜25t/mm2の物性を有する高品質のセラミックス繊維を
製造できる。
発明の効果 以上説明したように、本発明に係る有機シラザン重合体
の不融化方法によれば、簡便にかつ工業的に有利に不融
化が達成されると共に、セラミック繊維、セラミックシ
ート等を容易に得ることができる。この場合、本発明者
らが先に提案した有機シラザン重合体を用いれば、高強
度、高弾性率をもつSiC,Si3N4からなるセラミックス材
料を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。
〔実施例1〕 撹拌機、温度計、NH3導入管、水冷コンデンサーを装備
し、乾燥した2の4つ口フラスコにヘキサン1500mlを
仕込んだ後、メチルジクロロシラン83.38g、メチルトリ
クロロシラン22.59g、ジメチルジクロロシラン16.0gを
加え、常温にて過剰の気体状アンモニアを90/Hrの速
度で1.25時間この溶液に加えた(アンモニア全添加量5.
0モル)。この反応混合物を室温下に放置し、その際未
反応アンモニアが逃げられるように冷却器を空冷凝縮器
に変えた。次に、ドライボックス中で反応混合物から副
生した塩化アンモニウムを濾過により除去した。更にケ
ークを1.5のヘキサンで3回洗浄し、濾液から減圧下
(60℃/1mmHg)においてヘキサンをストリップした。残
留物(アンモノリシス生成物)は透明な流動性の液体
で、52.0gを得た。
次いで、500mlの3つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴
下ロートをとりつけ、ドライボックス中で水素化カリウ
ム0.4g及びNaHで脱水処理したテトラヒドロフラン(TH
F)250mlをフラスコに注入した。このフラスコをドライ
ボックス中よりとり出し、窒素管路に連結した。常温
下、混合物を撹拌して水素化カリウムを分散させながら
滴下ロートよりTHF100mlに溶解した上記アンモノリシス
生成物40gを1時間かけてゆっくりと加えた。この添加
の間に大量の気体の発生がみられ、2時間後に反応温度
をTHFの還流温度とし、この状態で更に1.5時間保持し
た。反応開始から3.5時間後に気体の発生が停止した。
その後、フラスコを室温に冷却し、沃化メチル4gを加え
るとKIの白色沈澱が生じた。更に30分間撹拌後、大部分
のTHF溶媒を減圧で留去し、残留する白色スラリーに100
mlのヘキサンを加えた。この混合物を濾過し、濾液を減
圧下(1mmHg)180℃にてヘキサンを除去すると、36.5g
の粘稠固体(シラザン重合体)が得られた。このものは
融点143℃、分子量1200(ベンゼンモル凝固点降下法)
であり、ヘキサン、ベンゼン、THF及びその他の有機溶
媒に可溶であった。また、IRからは3400cm-1にNH、2980
cm-1にC-H、2150cm-1にSi−H、1260cm-1にSi−CH3の各
々の吸収が認められた。
このようにして得られたシラザン重合体(重合体A)を
0.2mmφの細孔を有する紡糸口金より160℃に加熱して溶
融紡糸した。得られた原糸(プレセラミック繊維)は12
〜13μmの直径であった。
次いで、得られた繊維(0.05〜0.2g)をAl2O3ボートに
乗せ、直径50mmφのムライト管型炉に入れた。管型炉を
不活性ガス(N2又はAr)で置換後、第1工程としてトリ
クロロシランを入れたバブラー装置を用いてN2ガスをこ
のバブラ装置を通し、一定濃度のトリクロロシランガス
を含むN2ガスを管型炉に通過させた。なお、トリクロロ
シランガスの濃度は温度をコントロールすることにより
所望の濃度に調整した。次いで第2工程として炉内を再
び不活性ガス(N2又はAr)で置換した後、繊維を湿潤空
気で時間を変えて処理し、不融化した。なお、湿潤空気
は繊維上を通過させる前に、常温の水を通して空気をバ
ブリングすることにより常温における相対湿度100%の
湿潤空気とした。湿潤空気により所定の時間処理した
後、再び管型炉内をN2ガスにて置換し、N2気流中で昇温
速度150℃/Hrで1200℃に加熱し、この温度で繊維を30分
間熱分解した後、冷却した。第1表に上記トリクロロシ
ラン処理条件、湿潤空気処理条件及び焼成後の繊維の状
態の結果を示す。
第1表の結果からわかる通り、No.1に於いては、焼成後
の繊維はわずかに融着した部分が存在したものの、No.2
〜7に於いては充分に不融化され、全く融着のない非常
に良好な繊維が得られた。
なお、No.5で得られた繊維について物性を評価したとこ
ろ、このものは繊維径9.3μで引張強度250kg/mm2、引張
弾性率25t/mm2であった。また、この繊維の組成はSi:5
6.7%、C:16.8%、N:17.6%、O:8.9%であり、SiC,Si3N
4を主体とするセラミック繊維であることが確認され
た。
〔実施例2〕 実施例1で製造した重合体Aを溶融紡糸して得られた繊
維径12〜13μの繊維を用い、不融化処理第1工程の不融
化剤を種々変えた以外は実施例1と同様の方法で焼成し
た。第1及び第2工程条件及び焼成後の繊維状態の結果
を第2表に示す。
第2表の結果から認められるように、不融化処理第1工
程の不融化剤としてケイ素化合物以外にホウ素、リン、
チタン、アルミニウム化合物を用いた場合のいずれも良
好な結果が得られた。この中でもNo.11のPCl3を用いて
処理した繊維の繊維強度は繊維径9.5μ、引張強度280kg
/mm2、引張弾性率24t/mm2の良好な物性を有していた。
〔実施例3〕 出発原料にメチルジクロロシラン、1,2−ビス(メチル
ジクロロシリル)エタン、メチルトリクロロシランの3
種のクロロシランを用い、各々混合割合を70:10:20モル
%として、実施例1と同様にアンモニアと反応させてア
ンモノリシス生成物を得た後、該アンモノリシス生成物
をKHにて脱水素縮合して、シラザン重合体(重合体B)
を得た。このものは融点96℃、分子量1050(ベンゼンモ
ル凝固点降下法)であった。
得られた重合体Bを実施例1と同様の紡糸装置を用いて
120℃にて溶融紡糸することにより、繊維径13〜14μの
繊維を得た。次いで得られた繊維をムライト管型炉に入
れ、実施例1と同様に不融化剤、各種処理条件を変更し
て不融化処理したのち、同様に焼成した。第1及び第2
工程条件及び焼成後の繊維状態の結果を第3表に示す。
第3表の結果からわかる通り、No.15は焼成後の繊維は
わずかに融着した以外は非常に良好な結果が得られた。
〔実施例4〕 特願昭62−313264号記載の方法に準じ、出発原料にジメ
チルジクロロシランとメチルビニルジクロロシランを用
い、各々の混合割合を50:50モル%として、ヘキサン溶
媒中でアンモニアと反応させた。得られたアンモノリシ
ス生成物30gと触媒としてKOH0.3gを加え、280℃にて反
応させることにより、シラザン重合体(重合体C)23g
を得た。このものは融点113℃、分子量1511(ベンゼン
モル凝固点降下法)でIRからは3400cm-1にNH、2980cm-1
にC−H、1420cm-1にCH2=CH、1260cm-1にSi−CH3の各
々の吸収が認められた。
得られた重合体Cを用いて実施例1と同様に130℃にて
溶融紡糸し、繊維径10〜12μの繊維を得た。次いで前記
実施例と同様に繊維をムライト管型炉に入れ、各種条件
で不融化処理して1200℃で熱分解した。第1,第2工程条
件及び焼成後の繊維状態の結果を第4表に示す。
第4表の結果から明らかなように、No.21〜25に於て、
焼成後に全く融着なく、良好な状態の繊維が得られた。
〔比較例〕 実施例1,3,4で得られたシラザン重合体(重合体A,B,C)
を用い、実施例1と同様の紡糸装置を用いて溶融紡糸
し、繊維径12〜14μの繊維を得た。次いで、これら繊維
(0.05〜0.2g)をAl2O3ボートに乗せ、実施例1と同様
にムライト管型炉にセットし、各種不融化剤あるいは湿
潤空気を用いて、種々条件で処理した後、200℃/Hrの昇
温速度で1200℃にて30分間焼成して、不融化性能を評価
した。
第5表に第1工程を省略し、第2工程の湿潤空気のみの
処理を行なった場合の結果を示す。なお、湿潤空気は常
温で相対温度100%に調整したものを使用した。
また、第6表に第1工程のみを行ない、第2工程の湿潤
空気による処理を省略した場合の結果を示す。
第5,6表の結果から明らかなように、第2工程(湿潤空
気)のみによる不融化、第1工程のみによる不融化は、
これらの処理条件を種々変えても達成できなかった。
なお、No.36で一部わずかに繊維形状をとどめたものの
繊維強度を測定したところ、繊維径9.7μ、引張強度50k
g/mm2、引張弾性率6t/mm2と低物性であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機シラザン重合体を溶融、成型した後、
    この成型物を不融化処理するに当り、該成型物を下記式
    (1)〜(4)で示される化合物から選ばれる1種又は
    2種以上の蒸気を含む気体で処理し、次いで水蒸気を含
    む気体で処理して不融化することを特徴とする有機シラ
    ザン重合体の不融化方法。 式(1) RaSiX4-a (但し、Rは水素原子、低級アルキル基、アルケニル基
    又はアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又は沃素原子
    を示す。aは0〜2であるが、aが2の場合、Rは互に
    同一でも異なっていてもよい。) で示されるケイ素化合物、 式(2) BX3 (但し、Xは上記と同様の意味を示す。) で示されるホウ素化合物、 式(3) PXb (但し、Xは上記と同様の意味を示し、bは3又は5で
    ある。) で示されるリン化合物、及び 式(4) MXc (但し、MはAl,Ti,V,Fe,Ga,Ge,Zr,Nb,Sn,Sb,Te,Ta,W又
    はBiを示し、cは該金属の原子価である。Xは上記と同
    様の意味を示す。) で示される金属化合物。
JP63163592A 1988-06-30 1988-06-30 有機シラザン重合体の不融化方法 Expired - Lifetime JPH07119283B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63163592A JPH07119283B2 (ja) 1988-06-30 1988-06-30 有機シラザン重合体の不融化方法
US07/371,716 US5008348A (en) 1988-06-30 1989-06-27 Infusibilization of organic silazane polymers
US07/404,584 US4948763A (en) 1988-06-30 1989-09-08 Preparation of hollow ceramic fibers

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63163592A JPH07119283B2 (ja) 1988-06-30 1988-06-30 有機シラザン重合体の不融化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0214220A JPH0214220A (ja) 1990-01-18
JPH07119283B2 true JPH07119283B2 (ja) 1995-12-20

Family

ID=15776849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63163592A Expired - Lifetime JPH07119283B2 (ja) 1988-06-30 1988-06-30 有機シラザン重合体の不融化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07119283B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09157544A (ja) * 1995-12-05 1997-06-17 Tonen Corp シリカ系被膜付き基材の製造方法及び本方法で製造されたシリカ系被膜付き基材
JPH09183663A (ja) * 1995-10-30 1997-07-15 Tonen Corp プラスチックフィルムにSiO2系セラミックスを被覆する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0214220A (ja) 1990-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4869854A (en) Process for manufacturing organic silazane polymers and ceramics therefrom
US4847345A (en) Process for manufacturing organic silazane polymers and ceramics therefrom
JPS62290730A (ja) 有機シラザン重合体の製造方法
CA1281477C (en) Method for converting si-h containing polysiloxanes to new and useful preceramic polymers and ceramic materials
JPS6347752B2 (ja)
US4948763A (en) Preparation of hollow ceramic fibers
EP0323062B1 (en) Process for manufacturing organic silazane polymers
EP0417526B1 (en) Methods for preparing polytitanocarbosilazane polymers and ceramics therefrom
JPH07119283B2 (ja) 有機シラザン重合体の不融化方法
EP0361181B1 (en) Infusibilization of organic silazane polymers and preparation of hollow ceramic fibers
JPH0234565A (ja) 有機シラザン重合体の不融化方法
JPH0615619B2 (ja) ハフニウム含有シラザン重合体の製造方法及び該重合体を用いたセラミックスの製造方法
US5200371A (en) Method for preparing organic silazane polymers and method for preparing ceramics from the polymers
US5008348A (en) Infusibilization of organic silazane polymers
US5210058A (en) Method for preparing organic silazane polymers and method for preparing ceramics from the polymers
US5145813A (en) Process for manufacturing organic silazane polymers and ceramics therefrom
JP2518119B2 (ja) セラミックスの製造方法
JPH0798865B2 (ja) セラミックスの製造方法
JPH0274616A (ja) セラミックス中空繊維の製造方法
JPH02104726A (ja) セラミックス中空繊維の製造方法
JPH06146115A (ja) 無機長繊維
JPH0362667B2 (ja)
JPH04153226A (ja) ホウ素含有シラザン重合体の製造方法及びセラミックスの製造方法
US5157096A (en) Method and apparatus for preparing organic silazane polymer and method for preparing inorganic fibers
JPH0313188B2 (ja)