JPH0351215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば、変速操作レバーが操縦者の
手元位置まで、比較的長めに延出された歩行型耕
耘機において、ハンドルを持上げて機体全体を走
行車輪の接地部周りに振り回して旋回するような
際に前記変速レバーに働く慣性力によつてこのレ
バーが不測に動くとか、或いは、変速レバーが短
かい場合であつても、このレバーに人体などが不
測に触れて意に反して変速操作されるといつたこ
とを確実に防止する上で有効なものであつて、詳
しくは、走行クラツチレバーのクラツチ入り操作
に連係して、走行変速用シフトフオークのシフト
移動を可逆的に阻止する牽制部材を設けてある移
動農機の変速操作装置に関する。

上記構成のものにあつては、走行クラツチの入
操作を行なうことのみで牽制部材を上述の如き牽
制作用にすることができるから、牽制の為の別操
作が不要で、機体操縦のための操作そものが楽に
なるといつた利点を有する。

このような利点を有する変速操作装置として本
出願人が先に提案したものに、特願昭58−1702号
で出願したものがある。このものはシフトフオー
クのボス部に凹部を形成し、その凹部に嵌係合す
る板状の牽制部材を走行クラツチレバーにワイヤ
ーを介して連動連結し、もつて、走行クラツチレ
バーのクラツチ入り操作に連係して、前記牽制部
材が凹部に嵌係合可能に構成されたものである。

上記したような構成の先出願のものにおいて
は、前記シフトフオークのボス部に凹部を形成す
る必要があつて、製作が複雑なものになり、前記
したシフトフオークと牽制部材との嵌係合を確実
スムースなものにするためには機器組込み調整等
も難しいものになるといつた欠点があつた。

本考案は、かかる実情に鑑み、従来欠点を解消
し乍らも、牽制操作が楽に、かつ、確実に出来る
ものを提供する点に目的を有する。

上記目的を達成すべくなされた本考案に係る移
動農機の変速操作装置の特徴構成は、走行変速用
シフトフオークによる変速操作域を、中立操作域
と、その中立操作域を挟む両側の駆動操作域とに
設定するとともに、前記牽制部材を、クラツチ入
り操作時において前記シフトフオークの移動軌跡
内での中立操作域相当箇所に突入し、クラツチ切
り操作に伴つて前記中立操作域から退出するよう
に構成し、かつ、前記牽制部材がシフトフオーク
の中立操作域相当箇所に入り込んだ牽制作用状態
でシフト移動方向でのシフトフオークの端面に接
当して牽制作用するべく構成されている点にあ
る。

このような特徴構成を有する本考案の作用効果
は次の通りである。

つまり、前記牽制部材が牽制作用を行うに、前
記シフトフオークの位置が変速位置にある時には
シフト移動方向の端面に接当して中立位置への移
動を牽制するといつたように、シフトフオークの
端面を牽制作用面に兼用構成することで、シフト
フオークに特別な牽制機構の為の構造が不要で、
製作面で有利であり、しかも、確実に牽制作用が
行なえるに至つた。そして、牽制部材はシフトフ
オークの中立操作域に対して出退するものである
から、変速が中立であるときには牽制部材による
牽制ができない、換言すればクラツチを入りにす
ることができないようになり、中立位置にあるシ
フトフオークによつて逆にクラツチ操作を牽制で
きるようにもなる。

この相互牽制作用により、変速位置が中立に操
作されているときにはクラツチが切りになつてい
るから、次に変装操作するときには必ずクラツチ
は切りとなつており、クラツチが入りのままにな
つている状態で変速が入りとなつて急発進すると
いつたことが機構上生じないようになり、安全上
好ましいものとなる。

以下、本考案構成の実施例を図面に基いて説明
する。

第１図に示すように、耕耘爪１及び各種アタツ
チメントを付替自在な車軸２を支承するミツシヨ
ンケース３からフレーム４を延出してエンジン５
を搭載し、エンジン５からミツシヨンケース３に
亘つて架設したベルト伝動装置に走行クラツチ６
を装備し、ミツシヨンケース３上に取付け用ブラ
ケツト７を介して前後向き姿勢に変更可能な操縦
用ハンドル８を取付けて歩行型耕耘機を構成して
ある。

第２図乃至第４図に示すように、走行変速用シ
フトフオーク９，１０の中立位置からのシフト移
動によつて、前進三段、後進一段の変速を行なえ
るような変速操作装置において、前記前進変速用
シフトフオーク９のシフトフオーク軸１１への取
付部端面へ接当して、シフト移動を可逆的に阻止
する正面視クランク状の牽制部材１３がその中間
部で横軸芯Ｘ周りに揺動自在に枢支され、前記牽
制部材１３の一端をシフトフオーク９への牽制作
用部として使用し、他端を走行クラツチレバー１
２とワイヤー１４を介して連動連結されている。
１７は前記牽制部材１３を切付勢するスプリング
である。

１５は変速操作レバーであつて、その変速操作
レバー１５を横軸芯Ｙ周りに揺動可能に、かつ、
縦軸芯Ｚ周りに回動可能に枢支するとともに、前
記操作レバー１５の前記揺動及び回動に連動して
前記シフトフオーク９，１０を、そのシフトフオ
ーク９，１０の係合凹部９ａ，１０ａに嵌係合し
て作動させる作動レバー１６を前記操作レバー１
５基端部に固着延出している。第２図、第３図は
夫々走行クラツチレバー１２の切状態と入状態と
を示したもので、そのクラツチ操作に連係して牽
制作用が行なわれる。

もつて、第４図に示すように、前進変速シフト
フオーク９に対して、変速操作後にシフトフオー
ク９のシフト移動方向の端面に接当して牽制作用
を行い、図には示さないが前記シフトフオーク９
が中立位置にある時にはシフトフオーク９の上端
面に接当されるものつまり、牽制部材１３を、シ
フトフオーク９が中立位置にあるときは、そのシ
フトフオーク９の移動軌跡に入り込まない状態
に、シフトフオーク９が牽制部材１３の動きを規
制し、クラツチレバー１２によるクラツチ入りの
操作が牽制されるように構成されているものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機の変速操作装置の
実施例を示し、第１図は歩行型耕耘機の全体側面
図、第２図及び第３図は要部の拡大一部切欠き側
面図、第４図は要部拡大一部切欠き平面図であ
る。 ９……走行変速用シフトフオーク、１２……走
行クラツチレバー、１３……牽制部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 走行クラツチレバー１２のクラツチ入り操作
   に連係して、走行変速用シフトフオーク９のシ
   フト移動を可逆的に阻止する牽制部材１３を設
   けてある移動農機の変速操作装置であつて、前
   記走行変速用シフトフオーク９による変速操作
   域を、中立操作域と、その中立操作域を挟む両
   側の駆動操作域とに設定するとともに、前記牽
   制部材１３を、クラツチ入り操作時において前
   記シフトフオーク９の移動軌跡内での中立操作
   域相当箇所に突入し、クラツチ切り操作に伴つ
   て前記中立操作域から退出するように構成し、
   かつ、前記牽制部材１３がシフトフオーク９の
   中立操作域相当箇所に入り込んだ牽制作用状態
   でシフト移動方向でのシフトフオーク９の端面
   に接当して牽制作用するべく構成されているこ
   とを特徴とする移動農機の変速操作装置。 ２ 対象移動農機が歩行型である実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の移動農機の変速操作装
   置。