JPH0350747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、いわゆるカウンタ型と呼ばれる洗面
台装置の改良に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 近時、厨房室に配置される家具類はシステムキ
ツチン化が促進されているが、洗面室において
も、いわゆるカウンタ型の洗面台装置が多用され
る傾向にある。すなわち従来の洗面台装置は、収
納キヤビネツトの上面に天板が載設され、この天
板の略中央部に洗面ボールおよび給水湯栓が取着
されてなる、単体としてのものである。この種の
洗面台装置であると、予め完成されたものである
から、その配置場所は限定される。すなわち、装
置の一側部に不要な隙間が生じたり、あるいは配
置スペースに余裕がなく所望の位置に配置できな
い恐れもある。また、洗面ボールや給水湯栓など
には配管を接続しなければならないが、配管工事
の都合は二次的なこととなるので、常に手間がか
かつている。しかも、装置としてはかなりの容積
および重量となるので、運搬の手間がかかり、コ
ストに悪影響を与えている。

これに対して上記カウンタ型の洗面台装置は、
洗面ボールおよび給水湯栓および天板本体からな
る天板部の後端部を洗面室の必要な背面壁に直接
取着し、上記天板本体の前端部下方の開口部に上
枠板およびその両側部は側枠板など一対の支持体
で支持してなる。

したがつて、たとえば配管工事の都合のよい箇
所等、その取付位置を適宜設定することができる
とともに装置を分割化できて、運搬などの作業性
がよい。

ところで、この洗面台装置を取付けるための上
記洗面室の背面壁は、必ずしも大きな平面とは限
らず、柱などの突部があつたり他の家具を配置す
るのが普通である。このため上記天板部は、これ
らの取付部位に合致するようその幅寸法（開口寸
法）を調整可能としている。

しかるに、天板部の前端部下方は開口したまま
であるから、洗面ボールや給水湯栓に接続される
配管が見えて美観が損なわれる。そこで、上記開
口部を前板で開成することが考えられるが、内部
の空間スペースの利用ができない。また、取付部
位によつては天板部の幅寸法が最初から少な過ぎ
て上記側枠と突出部との間にかなりの隙間が生じ
る。従来は上記隙間があつてもそのまま残してい
たので、美観を損つている。

［考案の目的］ 本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、天板部下部の空
間スペースの有効利用を図り、カウンタ型であり
ながら、結果的にキヤビネツト型のものと略同一
の収納容量を得、かつどのような取付部位におい
ても美観を整えた取付を可能とした洗面台装置を
提供しようとするものである。

［考案の概要］ すなわち本考案は、下部に配管類を接続した洗
面ボールおよび幅寸法を取付部位間隔に合わせて
調整可能とする天板本体とで構成するとともにこ
の一端を取付部位の壁面に取付固定してなる天板
部を有するものにおいて、上記天板本体の前端部
下方の開口部に幅寸法が調整可能な上枠板および
この両端板およびこの両端部を支持する左右一対
の側枠板と、これら上枠板および側枠板に枢着さ
れ上記開口部を開閉自在に閉成するとともに上記
上枠板の幅寸法に合わせて調整可能な隠し扉とを
具備したことを特徴とする洗面台装置である。

このようにして構成することにより、天板部の
幅寸法を取付部位の幅寸法に容易に合わせること
ができて配置性の向上を図れるとともに天板部下
部に空間スペースを有効に利用できて収納性が向
上し、美観がよくなる。

［考案の実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面にもとずいて説
明する。図中Ｒは洗面室であり、この側面壁ａ１
および背面壁ａ２のカウンタ型の洗面台装置Ｓが
密接するように配置される。洗面台装置Ｓの他側
面には、たとえば他の家具Ａが配置される。換言
すれば、洗面台装置Ｓは側面壁ａ１と家具Ａとの
相互間隔である所定の開口寸法Ｌに合致するよう
に配置される。

洗面台装置Ｓは、天板部１と、この天板部１の
下部前面に配置される前面板部２とからなる。上
記天板部１の上部には背面壁ａ２に密接して化粧
鏡３ａおよび収納キヤビネツト３ｂが配置され
る。上記天板部１は、側面壁ａ１もしくは背面壁
ａ２に取付固定される支持体４に載設支持され
る。この天板部は、天板本体１ａと、この天板本
体１ａに設けられる洗面ボール５および給水湯栓
６とから構成される。特に上記天板本体１ａは、
後述するようにその幅寸法が調整可能となつてい
る。

つぎに、上記天板部１および前面板部２の具体
的な構造と組立手段について、第３図および第４
図にもとづいて説明する。すなわち、図中７，７
は側枠板であり、必要な奥行き寸法および高さ寸
法を有する。この実施例では、後述するヒンジ具
１３を装着する奥行き寸法とほぼ天板本体１ａま
での高さ寸法となつている。この側枠板７，７の
上端部には上枠板８が掛渡されていて、釘などの
固定具９…によつて互いに固定され、逆コ字状の
枠体となつている。上枠板８の幅寸法は必要に応
じて切断加工などにより調整可能となつている。
上枠板８の前端側で、かつ天板本体１ａの前端裏
面側には幕板１０が設けられる。この幕板１０も
幅寸法が必要に応じて切断加工などにより調整可
能となつている。幕板１０の下部および側枠板
７，７の内面に亘つて第３図のみに示すように扉
枠１１が設けられる。この扉枠１１には２枚の隠
し扉１２ａ，１２ｂが開閉自在に装着される。す
なわち、扉枠１１と上記側枠板７，７のそれぞれ
内面側にはヒンジ受け具１３…が設けられ、隠し
扉１２ａ，１２ｂに設けられるヒンジ具１４…に
連結される。よつて、天板本体１ａの前端部下方
の開口部は隠し扉１２ａ，１２ｂにより開閉自在
に閉成されることになる。そして、少なくとも一
方の隠し扉、たとえば１２ｂのみ切断加工などに
より幅寸法が調整可能である。１５は、必要に応
じて上記側枠板７と側面壁ａ１もしくは隣接され
る家具Ａとの間に介設される遮蔽板である。この
遮蔽板１５は、隠し扉１２ａ，１２ｂの表面に合
わせた材質および配色とするとよく、その幅寸法
は切断加工などにより調整自在である。裏面側に
は両端部に沿つて固定板１６，１６がたとえば接
着などの手段によつて取付けられる。そして、固
定板１６と上記側枠板７とは釘などの固定具９…
によつて互いに固定される。

このように前面板部２は、側枠板７、上枠板
８、幕板１０、隠し扉１２ａ，１２ｂ遮蔽板１５
および固定板１６で構成される。

上記天板本体１ａは、人工大理石もしくはパー
チクルボード上にメラミン化粧板を貼着したもの
を採用するとよく、その幅寸法は調整可能であ
る。なお天板本体１ａの裏面側には、バツキン１
７を介して受け板１８が設けられる。この受け板
１８に設けられる開口部に上記洗面ボール５が挿
入され、その鍔部を開口部周端に沿つて載せ、こ
れを天板本体１ａの開口部周端で押えて固定する
ようになつている。

しかして、このようにして構成される洗面台装
置の幅寸法は、側面壁ａ１および装置と隣接する
家具Ａとの間の幅寸法Ｌによつて全て調整するこ
ととなる。調整にあたつては、これら構成部材を
現場に搬入して実際の幅寸法Ｌに合わせればよ
い。すなわち、天板本体１ａの幅寸法Laは、上
記幅寸法Ｌと合致するよう調整する。また、上枠
板８と幕板１０との幅寸法Lbを調整する際に、
上記遮蔽板１５を用以内場合には、天板本体１ａ
の幅寸法Laに合致するように調整する。遮蔽板
１５を用いる場合には、この幅寸法Lcと上枠板
８および幕板１０の幅寸法Lbとの合計寸法が、
天板本体１ａの幅寸法Laと合致するように調整
しなけれがならない。天板部１に備えた洗面ボー
ル５と給水湯栓６とに配管類１９を接続する配管
工事を施してから、隠し扉１２ａ，１２ｂを扉枠
１１に枢着する。このとき、一方の隠し扉１２ｂ
の幅寸法Ldも調整する。なおこの隠し扉１２ｂ
の幅寸法Ldを調整する必要がないとき、すなわ
ち標準寸法とするときに上記遮蔽板を必要とし、
側枠板７との間に介設することとなる。

このようにして洗面室Ｒの所望に位置に、かつ
任意の幅寸法をもつて洗面台装置を組立てること
ができ、しかも配管類１９を遮蔽できて美観を損
うことがないとともに天板本体１ａ下部の空間ス
ペースを有効に利用できる。

なお上記実施例においては、側面壁ａ１と家具
Ａとの間に洗面台装置を配設するようにしたが、
これに限定されるものではなく、要は最適な取付
部位に配設できればよい。

また、洗面ボール５を天板本体あ1aと別個に
形成したが、これに限定されるものではなく、洗
面ボール５を直接天板本体１ａに装着しても、か
つ天板本体１ａと一体に形成してもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、天板部幅
寸法を取付部位の幅寸法に容易に合わせることが
できて配管性の向上を図れるとともに天板部下部
の空間スペースを有効に利用できて収納性が向上
し、美観がよいなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は洗面
台装置の平面図、第２図はその正面図、第３図は
同じく縦断面図、第４図は洗面台装置の構成部品
を分解した斜視図である。 １９……配管類、５……洗面ボール、１ａ……
天板本体、１……天板部、Ｒ……洗面室、８……
上枠板、７……側枠板、１２ａ，１２ｂ……隠し
扉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部に配管類を接続した洗面ボールおよび幅寸
   法を取付部位間隔に合わせて調整可能とする天板
   本体とで構成するとともにこの一端を取付部位の
   壁面に取付固定してなる天板部を有するものにお
   いて、上記天板本体の前端部下方の開口部に幅寸
   法が調整可能な上枠板およびこの両端部を支持す
   る左右一対の側枠板と、これら上枠板および側枠
   板に枢着され上記開口部を閉成自在に閉成すると
   ともに上記上枠板の幅寸法に合わせて調整可能な
   隠し扉とを具備したことを特徴とする洗面台装
   置。