JPH0350404B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は円筒形小型電子部品の塗装装置に関す
る。

（従来の技術） 従来のリード線付きの電子部品の塗装装置は、
電子部品の両端のリード線を把持して塗装部に搬
送する方法が採られているが、リード線が設けら
れていない円筒形のチツプ電子部品では把持でき
ない。そこで、例えば、特開昭58−111400号公報
に記載されているように、ベルトに間隔をおいて
形成した嵌合孔に電子部品を嵌合し、この嵌合孔
に嵌合した電気部品の両端の電極部をレール上に
支持させてベルトを移送することにより電子部品
を回転させながら搬送し、塗装、焼付を行う装置
が知られている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記ベルトの嵌合孔に電子部品を嵌合して搬送
する装置では、電子部品の塗装時における回転や
芯出しに確実性が期しにくい問題があつた。

本発明は上述の問題点に鑑みなされたもので、
リード線のない円筒形チツプ電子部品の両端を左
右から回転軸のチヤツク部で正確に把持して、確
実に回転させながら精度の高い塗装ができる電子
部品塗装装置を提供するものである。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明の電子部品塗装装置は、一対のエンドレ
スチエーン間に小型電子部品の両端を把持する多
数のチヤツクユニツトを架設したチエーンコンベ
ヤと、このチエーンコンベヤに近接して配設され
前記チヤツクユニツトにて搬送される電子部品に
塗装する塗装ローラと、この塗装ローラの手前に
前記チヤツクユニツトに対して進退自在に配設さ
れこのチヤツクユニツトに電子部品を供給する電
子部品供給アームと、この供給アームの手前位置
に前記チエーンコンベヤの両側に臨ませてそれぞ
れ設けられ前記チヤツクユニツトのチヤツク部間
の間隔を開く一対の第１のカムと、前記塗装ロー
ラ位置より先方に設けられた乾燥炉と、この乾燥
炉の後方に配設され前記チエーンコンベヤの両側
に臨ませてそれぞれ設けられ前記チヤツクユニツ
トのチヤツク部間の間隔を開く一対の第２のカム
とを具備している。そして、前記チヤツクユニツ
トは、前記一対のチエーン間に相対して軸架され
た多数のシリンダと、この相対するシリンダを間
隔を介して同軸で固定した連結基材と、前記各シ
リンダにそれぞれ回転並に摺動自在に嵌通され相
対する方向にばねで押圧され外端に前記第１およ
び第２のカムにそれぞれ係合する係合部を有する
とともに内端にチヤツク部を形成し前記チエーン
コンベヤの進行に伴つて回転する回転軸と、前記
連結基材上に突設され前記一対のチヤツク部に把
持された電子部品が挿通されるガイド孔並にこの
ガイド孔の一側に形成され前記供給アームで進出
した電子部品を支受する受部とを有するチヤツキ
ング治具とを備えたものである。

（作用） 本発明の電子部品塗装装置は、供給アームの手
前の位置でチヤツクユニツトはチエーンコンベヤ
の両側に設けられた第１のカムに回転軸の外端係
合部が係合してそのチヤツク部間の間隔を開き、
供給アームで把持された電子部品がチヤツキング
治具の受部に進出したときに第１のカムから係合
部の係合が外れた回転軸がばねの付勢力により左
右から進出して電子部品の両端をチヤツク部で把
持し、供給アームは後退する。

次いで、チヤツクユニツトで把持された電子部
品は、一方の軸方向に押されてガイド孔を通過し
チエーンコンベヤの進行によつて回転されつつ塗
装ローラで塗装される。

さらに、そのまま乾燥炉を通過して塗料が乾燥
され、次にチエーンコンベヤの末端の第２のカム
に係合してチヤツクユニツトのチヤツク部が開
き、塗装された電子部品が放出される。

（実施例） 本発明の一実施例の構成を図面について説明す
る。

第１図において、１は装置本体で、後部位置に
はローラテーブル５によりこの本体１上を摺動す
る摺動体６が設けられ、この本体１と摺動体６と
に間隔をおいてドラム２，３が相対して軸架さ
れ、このドラム２，３間にチエーンコンベヤ４が
懸架されている。そして、この摺動体６は重錘７
によつて常にチエーンコンベヤ４にテンシヨンを
加える方向に牽引されている。また、前方のドラ
ム２には駆動モータ８が連結されるとともに外周
に臨ませて塗膜塗装ローラ９が設けられている。
この塗装ローラ９の手前側の下方には電子部品供
給機１０が設けられ、この電子部品供給機１０に
供給管１１をを介してパーツフイーダ１２から電
子部品が連続的に送られるようになつている。ま
た、後方ドラム３の外周面に臨ませて電子部品の
軸方向の異る位置に表示印刷を行う複数段の表示
印刷用塗布ローラ１３が摺動体６に取付けられて
いる。

また、上下段のチエーンコンベヤ４の下面に臨
ませて移送台１４，１５が設けられ、下段の移送
台１５は巾方向の中央部が左右に離間されてい
る。そして、上下段のチエーンコンベヤ４の通路
には乾燥炉６１，６２が設けられている。

前記チエーンコンベヤ４には一対のエンドレス
チエーン１６，１７間に、第２図ないし第５図に
示すように、多数のチヤツクユニツト１８が架設
されている。このチヤツクユニツト１８は、軸方
向に相対する一対のシリンダ１９，２０と、この
シリンダ１９，２０を軸方向に間隔を介して連結
固定した角柱形の連結基材２１と、各シリンダ１
９，２０内にばね６３，６４によつて相対する方
向にかつばね６３によつて一方が強く押されてい
る回転軸２３，２４と、この回転軸２３，２４の
相対する先端に形成された小径のチヤツク部２
５，２６と、このチヤツク部２５，２６の端面に
形成された円錐形凹部２７，２８と、前記連結基
材２１よりシリンダ１９，２０間に突設されたチ
ヤツキング治具２９とより構成されている。

そして、前記チヤツキング治具２９の一側には
小形のチツプ電子部品３０を把持したまま前記一
方のチヤツク部２５が挿通される回転軸２３と同
軸のガイド孔３１が形成され、このガイド孔３１
の一側には電子部品３０を把持して供給アーム３
２が進出したとき小型電子部品３０の周面が当接
される受部３３が形成されている。

さらに、前記シリンダ１９，２０の外端近くに
はそれぞれ位置決めカラー３４，３５が軸方向に
固定して軸架され、この位置決めカラー３４，３
５の外側にチエーン１６，１７を構成するチエー
ンプレート３６，３６，３７，３７が軸方向に固
定されて軸架されている。また、前記シリンダ１
９，２０から外方へ突出した回転軸２３，２４に
は、回転ローラ３８，３９が固定軸架され外端に
スラストベアリングが取付けられて係合部４０，
４１を形成している。

また、チエーンコンベヤ４の両端が架設された
ドラム２，３の両端面にチヤツクユニツト１８の
位置決めカラー３４，３５が外接されてシリンダ
１９，２０の位置決めとなつている。さらに、ド
ラム２，３の周面中央部には連結基材２１が嵌合
される環状の凹部４２が形成されている。

さらに、ドラム２，３の両端の外側には回転し
ない同径の固定盤４３，４３，４４，４４が同軸
に設けられ、この固定盤４３，４３，４４，４４
のそれぞれの周面にチヤツクユニツト１８の回転
ローラ３８，３９を摩擦により回転させる摩擦レ
ール４５，４６が環状に形成され、ドラム２の両
側の固定盤４３，４３には、摩擦レース４５，４
５の外側に進行方向に向つて間隔を拡開した第１
のカム４７，４７が設けられている。この第１の
カム４７，４７は、固定盤４３，４３の周囲の下
部から供給アーム３２がチヤツキング治具２９の
受部３３に進出する位置まで形成されている。

また、チエーンコンベヤ４の上下段を支持する
移送台１４，１５には第６図、第７図（上段）第
８図、第９図（下段）に示すように上面の長さ方
向の中央（上段）および巾方向の内側（下段）に
位置決めカラー３４，３５が外接する突部４８が
形成されてシリンダ１９，２０の位置決めとなつ
ている。さらに、この突部４８の外側に前記回転
ローラ３８，３９を回転させる摩擦レール４９，
５０が敷設されている。なお、上段の移送台１４
の突部４８には、連結基材２１が嵌合される凹部
５１が全長に形成されている。また、下段の移送
台１５の終端近くには摩擦レール４９，５０の外
側に先方に向つて間隔を拡開した第２のカム５
２，５３が設けられ回転軸２３，２４の端部のス
ラストベアリングよりなる係合部４０，４１に係
合してばね６３，６４に抗して回転軸２３，２４
を外方へ引出しチヤツク部２５，２６を開いて把
持した電子部品３０を落下させるようになつてい
る。

次に、供給機１０は第１０図、第１１図に示す
ように機台５４と、この機台５４の先端に固定さ
れ一側にパーツフイーダ１２からの供給管１１を
連結した固定体６５と、この固定体６５の案内溝
６６に進退自在に嵌合され案内溝６６に連通した
供給管１１より供給された電子部品３０を先端の
吸着溝６７で吸着保持する薄板状の供給アーム３
２と、この供給アーム３２の吸着溝６７に連通開
口させた吸気管６８と、前記供給アーム３２に連
結され機台５４上を進退するスライダ５８と、機
台５４に軸架されたカム５５と、このカム５５に
臨ませてばねで指矢の方向に附勢されたローラ５
６を一端に軸架しカムレバー５７と、一端をこの
カムレバー５７に軸着された他端を前記スライダ
５８の作動軸５９に連結されたスライダレバー６
０とより構成され、カム５５の回転により機台５
４上でスライダ５８を進退させ供給アーム３２を
固定体６５の案内溝６６中で上向に進退させ、供
給アーム３２の後退時に供給管１１から供給され
た電子部品３０を供給アーム３２の吸着溝６７に
導出しこの吸着溝３７に開口した吸気管６８の吸
引力によつて電子部品３０を吸着溝６７に吸引保
持させて供給アーム３２をチヤツキング治具２９
の受部３３に進出させるようになつている。

次にこの実施例の作用を説明する。

駆動モータ８の駆動によりドラム２が回転さ
れ、多数のチヤツクユニツト１８を架設したチエ
ーンコンベヤ４が第１図において指矢の方向に駆
動する。そして、供給管１０の手前において、チ
ヤツクユニツト１８の両端の係合部４０，４０が
ドラム２の両側の固定盤４３，４３の第１のカム
４７，４７に係合し、コンベヤ４の進行に伴つて
回転軸２３，２４をばね６３，６４に抗して外方
に引出し、先端のチヤツク部２５，２６を離間す
る。このとき電子部品３０を把持した供給アーム
３２が45゜上方へ進出し、離間したチヤツク部２
５，２６間のチヤツキング治具２９の受部３３に
電子部品３０を当接する。次に回転軸２３，２４
の係合部４０，４１が第１のカム４７，４７の先
端から脱出してチヤツク部２５，２６が進行し、
先端の円錐形凹部２７，２８で電子部品３０の両
端を把持する。次に供給アーム３２が後退し、チ
ヤツク部２５，２６に把持された電子部品３０は
力の強い一方のばね６３によつて押されてチヤツ
ク部２５，２６に把持されたまま受部３３の一側
のガイド孔３１に挿通されガイド孔３１によつて
軸方向の姿勢を補正されて反対側に突出する。こ
のようにして、姿勢を補正されてチヤツク部２
５，２６で両端を把持させた電子部品３０は次に
塗膜塗装ローラ９位置で全周に塗膜用塗料を塗布
された後水平方向の上段の移送台１４上に送り出
される。移送台１４上でチヤツクユニツト１８に
把持されて移送される電子部品３０は、位置決め
カラー３４，３５で位置決めされ、摩擦レール４
９，５０で回転を与えられながら通路に設けた乾
燥炉６１によつて塗膜を硬化されドラム３側に送
出される。そして、ドラム３の周面側に上、中、
下３段に設けた表示印刷用塗布ローラ１３，１
３，１３によつてそれぞれ軸方向の異る位置の３
ケ所の周面に表示印刷が施された後、下段の移送
台１５上に送られ、上段と同様にして位置決めと
回転が与えられつつ下段の乾燥炉６２を通過する
ことにより表示用塗料が硬化され、移送台１５の
末端部において両側に先方を拡開した第２の板カ
ム５２，５３にチヤツクユニツト１８の両端の係
合部４０，４１が係合し、移送台１５の末端部で
電子部品３０を把持したチヤツク部２５，２６が
離間し電子部品３０をチヤツクユニツト１８から
離脱させ、下方へ放出させる。

このようにして多数のチヤツクユニツト１８と
一対のチエーン１６，１７とよりなるチエーンコ
ンベヤ４に微少な電子部品３０を供給機１０から
自動的に供給し、姿勢を正しく補正し、塗膜の塗
布、乾燥、表示印刷、乾燥を自動連続的に行い、
自動的に排出する。

〔発明の効果〕

本発明によれば、チエーンコンベヤに多数のチ
ヤツクユニツトが構成され、このチヤツクユニツ
トが、それぞれ円筒形電子部品を両端からばね力
で把持し、この把持した電子部品をガイド孔に挿
通させるように構成され、電子部品を回転させる
回転軸と同軸で把持して回転させることができ、
リード線をもたない微少な電子部品にチヤツクユ
ニツトに臨ませた塗布ローラによつて精度の高い
塗装を施すことができる。また、チヤツクユニツ
トに把持された電子部品はそのまま引続き移行さ
せることにより姿勢を変えることなく乾燥炉に移
行させて塗膜を乾燥することができる。また、チ
ヤツクユニツトに対する電子部品の着脱は何れも
チエーンコンベヤの両側に設けた第１、第２のカ
ムによつて自動的に行われ全工程を自動連続的に
進行させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す装置の側面
図、第２図ないし第４図は同上ドラム位置におけ
るチヤツクユニツトの作動状態を示す縦断正面
図、第５図は同上チヤツキング治具部の一部を切
欠いた拡大正面図、第６図は上段移送台の縦断正
面図、第７図は同上平面図、第８図は下段移送台
の縦断正面図、第９図は同上平面図、第１０図は
供給機の側面図、第１１図は同上正面図である。 ４…チエーンコンベヤ、９…塗装ローラ、１
６，１７…エンドレスチエーン、１８…チヤツク
ユニツト、１９，２０…シリンダ、２１…連結基
材、２３，２４…回転軸、２５，２６…チヤツク
部、２７，２９…チヤツキング治具、３０…電子
部品、３１…ガイド孔、３２…供給アーム、３３
…受部、４０，４１…係合部、４７…第１の板カ
ム、５２，５３…第２のカム、６１…乾燥炉、６
３，６４…ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １対のエンドレスチエーン間に小型電子部品
   の両端を把持する多数のチヤツクユニツトを架設
   したチエーンコンベヤと、 このチエーンコンベヤに近接して配設され前記
   チヤツクユニツトにて搬送される電子部品に塗装
   する塗装ローラと、 この塗装ローラの手前に前記チヤツクユニツト
   に対して進退自在に配設されこのチヤツクユニツ
   トに電子部品を供給する電子部品供給アームと、 この供給アームの手前位置に前記チエーンコン
   ベヤの両側に臨ませてそれぞれ設けられ前記チヤ
   ツクユニツトのチヤツク部間の間隔を開く一対の
   第１のカムと、 前記塗装ローラ位置より先方に設けられた乾燥
   炉と、 この乾燥炉の後方に配設され前記チエーンコン
   ベヤの両側に臨ませてそれぞれ設けられ前記チヤ
   ツクユニツトのチヤツク部間の間隔を開く一対の
   第２のカムとを具備し、 前記チヤツクユニツトは、前記一対のチエーン
   間に相対して軸架された多数のシリンダと、この
   相対するシリンダを間隔を介して同軸で固定した
   連結基材と、前記各シリンダにそれぞれ回転並に
   摺動自在に嵌挿され相対する方向にばねで押圧さ
   れ外端に前記第１および第２のカムにそれぞれ係
   合する係合部を有するとともに内端にチヤツク部
   を形成し前記チエーンコンベヤの進行に伴つて回
   転する回転軸と、前記連結基材上に突設され前記
   一対のチヤツク部に把持された電子部品が挿通さ
   れるガイド孔並にこのガイド孔の一側に形成され
   前記供給アームで進出した電子部品を支受する受
   部とを有するチヤツキング治具と を備えたことを特徴とする電子部品塗装装置。