JPH0348656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、トラクタを長期格納しておくときに
使用されるトラクタにおけるクラツチペダルスト
ツパー装置に関する。

〈従来の技術〉 農用トラクタ等は、農閑期にあつては使用され
ることなく倉庫等に保管される。この長期保管に
際し、多板式摩擦クラツチが接続状態のままであ
ると錆付くため、該クラツチは切断状態で保管さ
れる。

このクラツチを切断状態に維持する装置とし
て、例えば実開昭59−75326号公報に開示された
ものがある。この装置はクラツチペダルと一体回
動するアームに係止片を設 ておき、ステツプに
上下動自在に設けたストツパーピンを踏込んで前
記係止片と係合さけて、クラツチペダルを踏込み
状態に保持させるように構成されている。

また、他の従来技術としては、係止片をるアー
ムの回動をクラツチレバーに伝達する連結ロツド
に固定したものがある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 これらの従来技術では、係止片はそれを取付け
ている部材に対して固着されており、組立時に誤
差を生じたり、クラツチ板の摩耗によつて連結ロ
ツドの長さが調節されたりすると、係止片とスト
ツパーピンとに位置関係が不適当になることがあ
り、ストツパーピンを係合させても、少しの衝撃
で離脱することがある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、連結ロツド１３に係止片１４を位置
調整自在に装着することにより、前記従来技術の
問題点を解決できるようにしたものである。

即ち、本考案における問題解決手段の具体的構
成の特徴とするところは、クラツチペダル８の踏
込み動作をクラツチレバー６に伝達する連結ロツ
ド１３に係止片１４を設け、踏込むことにより前
記係止片１４と係合可能なストツパーピン１８を
ステツプ４に設けたトラクタのクラツチペダルス
トツパー装置において、前記係止片１４を連結ロ
ツド１３に対して軸方向位置調整自在に装着して
いる点にある。

〈作用〉 クラツチペダル８を踏込んだ状態でストツパー
ピン１８を踏込み、その状態からクラツチペダル
８を戻すと、連結ロツド１３に装着した係止片１
４がストツパーピン１８に係合し、クラツチペダ
ル８の戻りが阻止され且つその状態で保持され
る。係止片１４はストツパーピン１８と係合し難
いときは、連結ロツド１３に対して軸方向に位置
調整する。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１〜３図に示す第１実施例において、１は農
用トラクタの車体で、エンジン、クラツチハウジ
ング２及びミツシヨンケース３等を直結して形成
され、左右側部にステツプ４を取付けている。

５はクラツチハウジング２の左側壁から突出し
たクラツチレバー軸で、外端にクラツチレバー６
が取付けられている。

７はミツシヨンケース３の下腹部に枢支された
横軸で、通常、ブレーキペダル軸と兼用されてお
り、クラツチペダル８のボス部９が遊嵌されてい
る。

クラツチペダル８は横軸７からステツプ４の前
方を通つて上方まで延設されており、オペレータ
の足１０で踏込み回動可能であり、ステツプ４と
の間に張設した戻しスプリング１１によつてステ
ツプ４に当接する位置まで戻される。

クラツチペダル８のボス部９にはアーム１２が
突設されており、このアーム１２とクラツチレバ
ー６とは長さ調整自在な連結ロツド１３で連結さ
れており、クラツチペダル８の踏込み動作は連結
ロツド１３を介してクラツチレバー６に伝達され
る。

前記連結ロツド１３の中途には係止片１４が装
着されている。この係止片１４は連結ロツド１３
に嵌合した筒体にへの字状板材を溶着して形成さ
れ、筒体に螺合したロツクボルト１５を連結ロツ
ド１３に押圧することにより固定されており、こ
のロツクボルト１５を弛めることにより、係止片
１４は連結ロツド１３上を軸方向に位置調整自在
である。

１６はミツシヨンケース３の側壁に突設された
ステツプ支持体で、この支持体１６には側面視コ
字形のブラケツト１７が溶着され、このブラケツ
ト１７にストツパーピン１８が上下に貫通してい
る。

ストツパーピン１８は上端がステツプ４より上
方へ突出していて踏部１９が形成され、この踏部
１９とブラケツト１７との間に踏部１９を上方向
へ弾圧するスプリング２０が設けられ、中途部に
抜止めピン２１が貫設され、その下部はブラケツ
ト１７より下方へ突出していて、前記係止片１４
と係合可能である。

即ち、クラツチペダル８を踏込んで係止片１４
をストツパーピン１８より前方（第１図実線位
置）まで移動すると共に、ストツパーピン１８を
踏込むとストツパーピン１８は係止片１４の移動
軌跡まで降下し、その状態でクラツチペダル８の
踏込みを若干弛めて戻すと、係止片１４が下降し
たストツパーピン１８と係合する。ストツパーピ
ン１８にはスプリング２１による上方弾発力が働
いているが、クラツチペダル８には戻しスプリン
グ１１及び図外のクラツチの戻り力が作用してい
るので、係止片１４はスプリング２０よりも強い
力で押圧され、ストツパーピン１８の上動を摩擦
抵抗で阻止し、従つて係止片１４及び連結ロツド
１３の動きも阻止され、クラツチペダル８は踏込
んだままの状態が維持される。クラツチペダル８
の踏込み状態（クラツチ切断状態）の解除は、ク
ラツチペダル８のみを若干踏込むことにより、ス
トツパーピン１８がスプリング２０の作用力で上
動することにより行なわれる。尚、ストツパーピ
ン１８には係止片１４と係合する凹部を形成して
おいても良い。

第４，５図に示す第２実施例において、係止片
１４のみが第１実施例と異なつており、係止片１
４は上部がＬ字形に折曲された板材で形成され、
下部に長孔２３が形成されており、連結ロツド１
３に溶着した取付板２４に長孔２３に挿通したボ
ルト２５を螺合して固定されている。この係止片
１４は長孔２３の範囲内で連結ロツド１３に沿つ
て位置調整自在であり、ストツパーピン１８との
係合を適正化し得る。

第６〜８図に示す第３実施例において、係止片
１４と連結ロツド１３端部とが先の実施例と異な
つている。係止片１４は上部がＬ字形に折曲され
た板材で、下部に長孔２３を有し、連結ロツド１
３に嵌合溶着された角ブロツク２６の側面に当接
してボルト２５を介して固定されている。係止片
１４は角ブロツク２６の上面と係合する廻止め突
起２７を有し、ボルト２５は１本だけである。

連結ロツド１３の端部はターンバツクル２８に
螺合されており、このターンバツクル２８がクラ
ツチレバー６の下端に枢結された連結部材２９に
連結ロツド１３と同芯のピン３０を介して連結さ
れている。

前記ターンバツクル２８は連結ロツド１３及び
ピン３０の廻りで回転自在であり、回転すること
により連結ロツド１３とクラツチレバー６との間
隔を調整可能であり、先の実施例のように連結ロ
ツド１３を回転させなくとも、アーム１２とクラ
ツチレバー６との間隔を調整でき、クラツチペダ
ル８の踏込み位置に対するクラツチの断接位置を
容易に調整できる。

〈考案の効果〉 以上詳述した本考案によれば、係止片１４を連
結ロツド１３に軸方向位置調整自在に装着してい
るので、組立て誤差等によつて、係止片１４がス
トツパーピン１８に適正に係合しなくとも、適正
になるように調整することができ、クラツチペダ
ル８をクラツチ切断状態に確実に保持しておくこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案の第１実施例を示してお
り、第１図は一部断面側面図、第２図は要部の拡
大断面図、第３図は第２図の−線断面図、第
４，５図は第２実施例を示しており、第４図は要
部の側面図、第５図は第４図の−線断面図、
第６〜８図は第３実施例を示しており、第６図は
要部の断面側面図、第７図は一部断面平面図、第
８図は第６図の−線断面図である。 １……トラクタ車体、２……クラツチハウジン
グ、４……ステツプ、６……クラツチレバー、７
……横軸、８……クラツチペダル、１３……連結
ロツド、１４……係止片、１５……ロツクボル
ト、１８……ストツパーピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラツチペダル８の踏込み動作をクラツチレバ
   ー６に伝達する連結ロツド１３に係止片１４を設
   け、踏込むことにより前記係止片１４と係合可能
   なストツパーピン１８をステツプ４に設けたトラ
   クタのクラツチペダルストツパー装置において、
   前記係止片１４を連結ロツド１３に対して軸方向
   位置調整自在に装着していることを特徴とするト
   ラクタのクラツチペダルストツパー装置。