JPS642168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案はブレーキペダル，クラツチペダル等の
操作ペダルに係り、特に位置固定に設けられた規
制部材に当接して該操作ペダルの回動位置を規制
するストツパに関するものである。

従来技術 ブレーキペダル，クラツチペダル等の足踏み式
の操作ペダルは、一般に、一軸心まわりに回動可
能に設けられ且つ矩形断面のペダルアームに前記
一軸心と平行な連結ピンを挿し通すための穴を備
えて構成され、ペダルアームの先端に設けられた
ペダルパツドにおいて踏込み操作することによ
り、上記連結ピンにより連結されたクレビス等の
連結部材を介して所定のアクチユエータにペダル
踏力が伝達される一方、踏込み操作が解除される
と、リターンスプリングの付勢力等に従つてペダ
ルアームが位置固定に設けられた規制部材に当接
する回動位置すなわち原位置まで復帰させられる
ようになつている。

ところで、このような操作ペダルのペダルアー
ムは、通常、鋼などの金属材料製であるため、上
記規制部材との当接に際して異音等を発生する。
このため、ペダルアームの規制部材に対して当接
する位置に、比較的軟質の合成樹脂またはゴム製
のストツパを配設することにより、規制部材との
当接時における異音等の発生を緩和することが従
来から行われている。そして、かかるストツパを
ペダルアームに取り付ける際には、例えば、スト
ツパに所定の係合突起を設けて、その係合突起を
ペダルアーム若しくはそのペダルアームに固定さ
れるブラケツトに形成された取付穴に嵌め込むよ
うにしたり、或いはペダルアームの当接部を跨ぐ
コの字形状に成形したストツパを、接着剤等にて
直接ペダルアームに固着するようにしたりしてい
た。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、係合突起を取付穴に嵌め込むこ
とによつてストツパをペダルアームに取り付ける
場合には、衝撃等に起因して係合突起が取付穴か
ら抜けないような抜け止め形状とされているた
め、その嵌込み作業が面倒であり、また、ストツ
パを接着剤にて取り付ける場合には、作業が面倒
であるばかりでなく、熱や経時変化等の影響でス
トツパがペダルアームから剥がれてしまう虞れが
あつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決するために為された
ものであり、その要旨とするところは、前記スト
ツパを、前記ペダルアームの一面に位置して前記
規制部材と当接するクツシヨン部と、前記穴内に
挿入され且つ前記連結ピンが挿し通されるブツシ
ユ部と、それらクツシヨン部およびブツシユ部を
連結する連結部とを一体に具備するように構成し
たことにある。

なお、上記ペダルアームは矩形断面を有してい
て、その一面にクツシヨン部が位置せしめられる
のであるが、矩形断面といつても完全な矩形であ
る必要はなく、その角部に面取りが施されたりア
ールが付けられたりしていても、大体において矩
形断面であれば本考案を適用し得るのである。

作用・効果 このようなストツパを備えた操作ペダルにおい
ては、ペダルアームの規制部材との当接部に位置
するクツシヨン部が規制部材に当接させられるた
め、操作ペダルの復帰に際して異音等が発生する
ことが緩和される一方、穴と連結ピンとの間には
ブツシユ部が介挿されるため、連結ピンががたつ
いて異音を発生したり、操作ペダルの踏込み操作
時に穴とピンとが直接摺接して摩耗したりするこ
とがない。上記クツシヨン部およびブツシユ部は
連結部にて一体に結合され、且つブツシユ部には
連結ピンが挿し通されるところから、かかるペダ
ルストツパが衝撃等によつてペダルアームから外
れる虞れは全くない。

また、このようにクツシヨン部とブツシユ部と
が一体化せしめられることにより、それらを別々
に成形する場合に比較して、成形工数や設備が約
半分になつて大幅なコストダウンを図ることが可
能となるのであり、その取付けに際しても、ブツ
シユ部を穴に嵌め込むことによつてその取付が可
能となるので取付作業がきわめて容易となる。し
かも、上記のように二つの機能を果たすものを一
回の取付作業にて能率的に取り付け得る効果があ
る。

実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図におよび第２図において、１０は操作ペ
ダルとしてのブレーキペダルであり、長手形状を
成すペダルアーム１２を備えている。ペダルアー
ム１２は、打抜きによつて得られた鋼板素材をさ
らに厚さ方向に曲げ加工して形成されたもので、
矩形の断面形状を成しており、インサイドパネル
１４に固定されたペダルブラケツト１６に、枢軸
１８まわりの回動可能に支持されている。このペ
ダルアーム１２の下端部には、運転者が足を掛け
るためのペダルパツド２０が設けられている一
方、中間部には、その回動中心たる枢軸１８の軸
心と平行な穴２２が形成されて、その穴２２より
小径の連結ピン２４が軸心まわりの回動可能に挿
し通され、図示しないマスタシリンダにペダル踏
力を伝達する出力ロツド２６のクレビス２８が取
り付けられている。この連結ピン２４は割りピン
３０によつてその抜出しが防止されている。

上記ブレーキペダル１０は、ペダルブラケツト
１６に固定されたストツパブラケツト３２との間
に張設されているリターンスプリング３４によつ
て、常には第１図において左まわり方向へ回動す
るように付勢されており、ストツパブラケツト３
２には、そのブレーキペダル１０の原位置を規制
する規制部材としてのストツパボルト３６が固定
されている。ストツパボルト３６は、ペダルアー
ム１２の回動平面内においてペダルアーム１２の
側端面に対向する位置に螺合され、ロツクナツト
３８を緩めることにより、その突出量すなわちブ
レーキペダル１０の原位置が調節可能とされてい
る。なお、規制部材として必ずしもストツパボル
ト３６を設ける必要はなく、ストツパブラケツト
３２自体を規制部材として構成することもでき
る。

一方、ペダルアーム１２の前記穴２２が形成さ
れた部分の近傍には、弾性変形可能な合成樹脂製
のストツパ４０が取り付けられている。ストツパ
４０は、第３図乃至第５図にも示されているよう
に、逆Ｌ字形状をなすクツシヨン部４２と、円筒
形状をなすブツシユ部４４と、クツシヨン部４２
およびブツシユ部４４とを連結する平板状の連結
部４６とから成り、射出成形等の成形手段により
一体成形されている。

クツシヨン部４２は比較的厚肉で、ペダルアー
ム１２の前記ストツパボルト３６に対向する側端
面に位置して、これを跨ぐように取り付けられる
のであるが、取付前の状態における逆Ｌ字形状の
内側の寸法はペダルアーム１２の寸法より小さく
設定されていて、自身の復元力に基づいて逆Ｌ字
形状の内側をペダルアーム１２の端部を挟み込む
ことにより、位置固定に取り付けられるようにな
つている。そして、かかるクツシヨン部４２を外
側の端面４８は、前記ストツパボルト３６の頭部
端面と当接する当接面を成しており、これらの当
接によつて前記リターンスプリング３４の付勢力
に従つて回動するブレーキペダル１０の原位置が
規制されるとともに、ペダルアーム１２がストツ
パボルト３６に直接当接することが回避されて、
当接時の衝撃や異音の発生が防止される。

また、ブツシユ部４４は前記穴２２の内径と略
同じ外径を有していて、その穴２２内に嵌め入れ
られるようになつているとともに、ブツシユ部４
４の内径は前記連結ピン２４の外径と略同じ大き
さとされていて、その連結ピン２４が挿し通され
ることにより、穴２２からの離脱が防止されてい
る。そして、このように穴２２と連結ピン２４と
の間にブツシユ部４４が介挿されることにより、
連結ピン２４の軸心まわりの回動が許容されつ
つ、それら穴２２と連結ピン２４との間のがたつ
きによる異音の発生が防止される。また、ブレー
キペダル１０の踏込み操作時においては、穴２２
と連結ピン２４とが直接摺接することがないた
め、それらの間に作用する大きなペダル踏力に起
因して摩耗することがないのである。

ここで、これらクツシヨン部４２およびブツシ
ユ部４４は、従来、それぞれ単品として成形さ
れ、別々に取り付けられていたため、クツシヨン
部４２がストツパボルト３６との当接による衝撃
等に起因してペダルアーム１２から外れる虞れが
あつたのであるが、本実施例ではそのクツシヨン
部４２が連結部４６を介してブツシユ部４４と一
体に連結され、且つブツシユ部４４には連結ピン
２４が挿し通されてその離脱が防止されているた
め、クツシヨン部４２を単にペダルアーム１２に
嵌め込むだけでも、そのクツシヨン部４２がスト
ツパボルト３６との当接による衝撃等に起因して
ペダルアーム１２から外れることはないのであ
る。しかも、一個のストツパ４０として一体成形
すれば良いところから、これを成形するための成
形設備や成形工数が従来の約半分になり、大幅な
コストダウンを図ることが可能となる。また、こ
れをペダルアーム１２に取り付ける際には、先
ず、ブツシユ部４４を穴２２内に嵌め込み、その
後、クツシヨン部４２を拡開してペダルアーム１
２の側端部を跨がせれば良く、その取付位置の特
定が容易であるとともに、二つの機能を備えるも
のを一回の取付作業にて迅速に取り付け得る利点
を有する。

なお、かかるストツパ４０を構成する合成樹脂
材料としては、例えばポリアセタールなどの含油
材が好適に用いられる。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明したが、本考案はその他の態様においても
実施できる。

例えば、前記実施例では本考案がブレーキペダ
ル１０のストツパ４０に適用された場合について
説明したが、クラツチペダル，パーキングブレー
キペダルなど他の操作ペダルのストツパにも同様
に適用し得ることは勿論である。

また、前記実施例ではクツシヨン部４２が逆Ｌ
字形状とされてペダルアーム１２の側端部を挟み
込むようになつているが、クツシヨン部４２とブ
ツシユ部４４とが近接して設けられている場合に
は、クツシヨン部４２を略直角に折り曲げた鉤形
状として、単にペダルアーム１２の側端面上に位
置させるだけでも、そのクツシヨン部４２がペダ
ルアーム１２から外れることはない。

その他一々例示はしないが、本考案はその精神
を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて
種々の変更、改良等を施した態様においても実施
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるストツパが取
り付けられたブレーキペダル周辺を示す側面図で
ある。第２図は第１図における−断面の拡大
図である。第３図は第１図に示すストツパの正面
図である。第４図は第３図におけるストツパの右
側面図である。第５図は第３図におけるストツパ
の底面図である。 １０：ブレーキペダル（操作ペダル）、１２：
ペダルアーム、２２：穴、２４：連結ピン、３
６：ストツパボルト（規制部材）、４０：ストツ
パ、４２：クツシヨン部、４４：ブツシユ部、４
６：連結部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一軸心まわりに回動可能に設けられ且つ矩形断
   面のペダルアームに前記一軸心と平行な連結ピン
   を挿し通すための穴を備えた操作ペダルにおい
   て、前記ペダルアームに取り付けられて該操作ペ
   ダルの回動位置を規制する規制部材と当接する合
   成樹脂製のストツパであつて、 前記ペダルアームの一面に位置して前記規制部
   材と当接するクツシヨン部と、前記穴内に挿入さ
   れ且つ前記連結ピンが挿し通されるブツシユ部
   と、該クツシヨン部およびブツシユ部を連結する
   連結部とを一体に具備して成ることを特徴とする
   操作ペダルのストツパ。