JPH0522854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車の性能、耐久試験の際にスロツ
トル、ブレーキ等を機械的に操作するための車載
用アクチユエータを完成車両の運転席のシートの
前面で床上に載置固定するための取付装置に関す
る。

［従来の技術］ 自動車の性能、耐久試験に際しては、スロツト
ル、ブレーキ等を操作するための車載用アクチユ
エータが完成車両に載置され、その車載用アクチ
ユエータに結合されたスロツトル、ブレーキ等は
制御部から送られる指令に基づいて自動的に操作
されるようになつている。

従来その車載用アクチユエータは完成車両の運
転席のシートを取り外してその取付孔等を利用し
て固定するのが一般的であつた。

［考案が解決しようとする課題］ ところが上述の従来の取り付け方では、シート
の取り外しが煩雑であり、且つアクチユエータの
取り付けも面倒であり、又車種が異なると取付孔
位置も異なるため車種に応じた取付孔をもつアク
チユエータを用意する必要があつた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上述の問題を解決するためになされた
もので、車載用アクチユエータを完成車両の運転
席のシートの前の床上に載置するための取付装置
として、先ずその一部が前記車載用アクチユエー
タに取り付けられ左右の両端部が前記シートの後
側に設けられた固定金具の後側に回すため自由端
となつたベルトを有するものとし、そのベルトの
左右の自由端部を前記固定金具の後側に回して締
め付けることによつて前記車載用アクチユエータ
を前記シートの座台の前縁に押し付け両者を一体
に緊締するようにした。

ところで、アクチユエータは狭い運転席に載置
する関係上単一のアクチユエータ部、例えばスロ
ツトルアクチユエータ部のみではなく、ブレーキ
さらにはクラツチアクチユエータ部の組合せから
なり、作動基部の一部が前記ベルトによる緊締部
分より上方に位置する結果、上方の作動基部の作
動時にその反力を受けて緊締部分を支点に上部が
後方に回動し、アクチユエータの作動に遅れを生
じさせてしまう。

そこで、前記ベルトに併せ、固定端が前記車載
用アクチユエータの上部に支持された長さ調節自
在の棒材を付設し、前記棒材の自由端を前記シー
トの背もたれの前面に当接させることによつて前
記車載用アクチユエータの作動時の反力を吸収し
且つその車載用アクチユエータの後方への転倒を
防止するようにした。

又、仮にベルトの締め付け位置が上下方に定位
置の場合シートの座台の先端部の形状により車載
用アクチユエータの後脚部が浮き上がり不安定な
固定となつてしまうことがあるので、シートの座
台の先端部の形状、床面からの高さ等車種が変わ
つても、ベルトの締め付け位置を上下方向可変に
して車載用アクチユエータの固定が適切に行われ
るようにするために、前記シートの後側に設けら
れた固定金具に上下方向に適宜ピツチの複数の孔
が穿設されベルトの左右両端の自由端を締め付け
るためのベルト締め金具に設けられたフツクが前
記固定金具に穿設された複数の孔に選択的に繋止
されるようになつている。

［実施例］ 以下、本考案による車載用アクチユエータの取
付装置の実施例について、図面を参照して説明す
る。

１は車載用アクチユエータであつて、スロツト
ルを操作するためのスロツトルアクチユエータ部
１Ａ及びクラツチを操作するためのクラツチアク
チユエータ部１Ｄが上下に一体に結合され、完成
車両の運転席のシート２の前の床上に載置され
る。スロツトルアクチユエータ部１Ａのロツド１
Ｂの先端にはペダル把持具１Ｃがあり、クラツチ
アクチユエータ部１Ｄのロツド１Ｅの先端にはペ
ダル把持具１Ｆがある。

図示においては、車載用アクチユエータ１とし
てスロツトルアクチユエータ部１Ａ及びクラツチ
アクチユエータ部１Ｄが上下に一体に結合された
ものを例示したが、スロツトルアクチユエータ
部、クラツチアクチユエータ部及びブレーキアク
チユエータ部が上下に一体に結合されたものもあ
る。

シート２は座台２Ａ及び背もたれ２Ｂからな
り、シート２の後側にはシート２の背面保護のた
めのマツト３が取り付けられたＬ形の固定金具４
が配設されている。

５は車載用アクチユエータ１をシート２の前縁
に押し付け両者を一体に緊締するための左右一対
のベルトであつて、その一対のベルト５の一部の
繋止部５Ａがそれぞれ車載用アクチユエータ１の
後面に固定され、左右の両端の自由端をそれぞれ
座台２Ａの左右側面に沿つて後側に回すようにな
つており、シート２の後側に設けられた固定金具
４の後方でベルト締め金具６によつて締め付けら
れるようになつている。

シート２の後側の固定金具４には上下方向に適
宜ピツチの複数の孔を穿設しておき、ベルト締め
金具６にフツク６Ａを設けベルト５の上下方向の
締め付け位置を可変にしている。

ベルト５については、第１図及び第２図に左右
の２本のベルトを例示したが、１本のベルトの中
間のアクチユエータ繋止部を車載用アクチユエー
タ１の後側に取り付け両端部をシート２の後側に
回してそれぞれを第１図及び第２図の如くベルト
締め金具６によつて締め付けるようにしてもよ
く、又１本のベルトの両端部を普通のベルトの留
め金具のようにして互いに締め付けるようにして
もよい。

７は長さ調節自在であり且つ衝撃的な反力を吸
収機能するための棒材であつて、エアシリンダ８
と、そのピストン軸８Ａの先端を車載用アクチユ
エータ１の上部に支持する支持端７Ａと、エアシ
リンダ８の外筒部８Ｂの底部に結合された回動継
手７Ｃと、その回動継手７Ｃの他方の自由端をシ
ート押さえ板９に支持させる支持端７Ｂとからな
る。車載用アクチユエータ１を載置する際には棒
材７の支持端７Ｂをシート２の背もたれ２Ｂの前
面に取り付けられたシート押さえ板９に当接させ
るようになつている。

車載用アクチユエータ１を完成車両に載置する
には次の順序のよる。

先ず車載用アクチユエータ１を完成車両の運転
席のシート２の前の床上に置く。

次いでベルト５の左右両自由端部をシート２の
座台２Ａの後側に回して締め付けると、車載用ア
クチユエータ１の後面がシート２の座台２Ａの前
縁に押し付けられて（第１図にはベルト締め付け
前の状態た示されている）両者が一体に緊締され
る。

ベルト５の締め付け位置を上下方向可変にした
ので、車載用アクチユエータ１のシート２への当
接位置（高さ）に応じて締め付け方向を選択する
ことになり、車載用アクチユエータ１の固定が適
切になる。

次いで固定端が車載用アクチユエータ１の上部
に支持された棒材７のエアシリンダ８に適当な圧
力を圧縮エアを送入し、その自由端の支持端７Ｂ
をシート２の背もたれ２Ｂの前面に当接させる。
その際、車載用アクチユエータ１とシート２の間
隙に応じて圧縮エアの送入を調節し、棒材７の弾
力を所定のものにする。

車載用アクチユエータ１の操作すると、車載用
アクチユエータ１にその反力が加わる結果、上部
が後方に傾倒しようとする。その際エアシリンダ
８内のエアが加圧され、その後反力により直ちに
元の長さに復元させられる。これにより車載用ア
クチユエータ１のレバーの操作ストロークに誤差
を生じさせない。

［考案の効果］ 本考案による車載用アクチユエータの取付装置
は、上述のように構成されているので、車載用ア
クチユエータの載置の際に完成車両の運転席のシ
ートを取り外す必要がなく、種々の車種に対して
随時車載用アクチユエータを載置することが可能
になる。その状態で、棒材は所定の圧力状態に調
節されるので、操作時に常に一定の反力吸収を行
いアクチユエータの作動が正確となる。

又、ベルトの締め付け位置が上下位置に可変に
なつているので、車載用アクチユエータのシート
への当接位置（高さ）に応じて締め付け方向を選
択でき、車載用アクチユエータの固定が適切に行
われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車載用アクチユエータの
取付装置の実施例の側面図、第２図は第１図の平
面図である。 １……車載用のアクチユエータ、２……シー
ト、５……ベルト、５Ａ……繋止部、６……ベル
ト締め金具、７……棒材、８……エアシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の試験用の車載用アクチユエータを完成
   車両の運転席のシートの前の床上に載置するため
   の取付装置であつて、一部が前記車載用アクチユ
   エータに取り付けられ両端部が前記シートの後側
   に設けられた固定金具の後側に回すため自由端と
   なつたベルトと、固定端が前記車載用アクチユエ
   ータの上部に支持されたエアシリンダの他端が自
   由端となつた棒材とを有し、前記固定金具に上下
   方向に適宜ピツチ複数の孔が穿設され、前記ベル
   トの左右両端の自由端を締め付けるためのベルト
   締め金具に設けられたフツクが前記固定金具に穿
   設された複数の孔に選択的に繋止されるようにさ
   れて前記ベルトの締め付け位置が上下方向に可変
   になつており、前記ベルトの左右の両端部を前記
   固定金具の後側に回して締め付けると共に前記棒
   材の自由端を前記シートに当接させるようにした
   ところの車載用アクチユエータの取付装置。