JPH0343473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、トグル式パーキング機構を内蔵する
デイスクブレーキに関する。

（従来の技術） トグル式パーキング機構を内蔵するデイスクブ
レーキとしては、第４図に示すようなものが提案
されている。

図において、１はデイスク、２はキヤリバ本体
５に固定されるパツド、３はピストン４と連動す
るパツドであり、これらのパツド２と３で両側か
らデイスク１を押圧することにより、ブレーキを
作動させるようになつている。

パーキング時には、パーキングレバー８を回動
すると、シヤフト９が回転し、該シヤフトの偏心
端部に取付けられるロツド１０が図で左方に移動
し、ピストン４の一部を構成するアジヤストボル
ト１１およびアジヤストナツト１２を介してピス
トン４が左方に移動することにより、アジヤスト
ナツト１２の基端１２ａに当接するピストン４の
左端に固定されるパツド３がパツド２とでデイス
ク１を押圧する。これにより、パツド２，３とデ
イスク１との摩擦接触でデイスク１の回転を阻止
するようにしている。

この従来のトグル式パーキング機構付デイスク
ブレーキのロツド１０の組付に際しては、キヤリ
バ本体５にシヤフト９を位置決めし、該シヤフト
のロツド受部９ａをピストン４の方向に回動し、
このロツド受部９ａにロツド１０の一端１０ａを
略垂直方向に立てた後、ロツド１０の他端１０ｂ
でアジヤストボルト１１を組付ける。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来のトグル式パーキング機構
付デイスクブレーキにあつては、パーキングレバ
ーのシヤフトのロツド受部にロツドを立てる際
に、このロツドが倒れ易く、ロツドの組付作業が
煩雑になつていた。

本考案は、かかる問題点を解決するためになさ
れたもので、パーキングレバーにピストンの一部
を成すアジヤストボルトを連動させる中間部材と
してのロツドの組付作業を容易にし、デイスクブ
レーキの組立性を向上することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係るトグル式パーキング機構付デイス
クブレーキは、パーキングレバーとトグル機構を
介して連動するロツドを設け、このロツドの一端
がデイスクブレーキを作動するピストンの一端に
設けられるロツド受凹部に嵌合され、前記ロツド
受凹部に前記ロツドの一端を嵌合する際に、前記
ロツドの一端近傍外周に予じめ環状弾性体シート
を装着し、前記ロツド嵌合時にこの環状弾性体シ
ートが前記ロツド受凹部の周囲に当接してロツド
を前記ロツド受凹部に保持して構成されている。

（作用） 本考案によれば、デイスクブレーキを作動する
ピストンに設けられるロツド受凹部にロツドの一
端を嵌合する際に、予じめロツドの一端近傍外周
に環状ゴムシートを装着し、この環状ゴムシート
を装着した状態でロツドの一端を前記ロツド受凹
部に挿入する。

このとき、ロツド受凹部にロツドの一端が当接
すると、このロツド受凹部の外周に環状ゴムシー
トの側面が吸着するので、この環状ゴムシートの
吸着作用によりロツドがロツド受凹部に立てられ
た状態で保持される。

（実施例） 本考案の実施例を図面にもとづいて説明する
が、第４図と実質的に同一の構成部分には同一符
号を付す。第１図、第２図は、本考案のトグル式
パーキング機構付デイスクブレーキの一実施例を
あらわしている。

デイスク１にクリアランスを介して対向するパ
ツド３の背面には、シリンダ２０の内壁を摺動す
るピストン２１の一端２１ａが当接し、このピス
トン２１の内部にナツト２２が収納されている。
ナツト２２は、スナツプリング２３によりピスト
ン２１に固定され、このナツト２２にアジヤスト
ボルト２４がねじ結合されている。

シリンダ２０の内部には、アジヤストプレート
２５に位置決めされるケース２６の一端にスプリ
ング２７を介して図で左方向に付勢される平プレ
ート２８が介装され、この平プレート２８により
ベアリング２９を介してアジヤストボルト２４が
左方に付勢されている。

アジヤストボルト２４の頭部２４ａの左方に
は、シリンダ２０の内壁を摺動する中間ピストン
３０が設けられ、この中間ピストン３０が右方に
移動すると、一端３０ａがアジヤストボルト２４
の頭部２４ａに当接し、アジヤストボルト２４を
右方に押圧するようになつている。

中間ピストン３０の他端３０ｂに設けられるロ
ツド受凹部３０ｃには、ロツド３１の一端３１ａ
が嵌合すると共にシヤフト３２の偏心した位置に
形成されるロツド受凹部３２ａにロツド３１の他
端３１ｂが嵌合している。

そして、ロツド３１の一端３１ａには、環状ゴ
ムシート３３がロツド外周に装着されている。こ
の環状ゴムシート３３は、ロツド３１の一端３１
ａの予じめ印された所定の外周位置に嵌め込ま
れ、第３図のように、組付時に矢印Ａの方向に押
込むと、中間ピストン３０の一端３０ｂに対し吸
着するようになつている。

通常のブレーキ動作時に油圧孔３５からシリン
ダ２０の内部に圧油が作用すると、ピストン２１
が右行し、パツド３と２とでデイスク１を押圧す
るようになつている。

パーキングブレーキ動作時には、図示しないパ
ーキングレバーと連動するシヤフト３２が第２図
で反時計方向に回動し、ロツド３１を右行して一
端３１ａに当接する中間ピストン３０を右方に押
圧し、アジヤストボルト２４、ナツト２２を介し
てピストン２１を右行することにより、パツド３
と２とでデイスク１を押圧する。これによりデイ
スク１の回転をパツド２と３との摩擦接触により
停止する。

本実施例によれば、パーキング機構３７の組付
に際し、シリンダ２０の左端に形成される挿入孔
３８にシヤフト３２を挿入し、シヤフト３２のロ
ツド受凹部３２ａにロツド３１の一端３１ｂをセ
ツトする。この場合、第３図に示すように、ロツ
ド３１の一端３１ａは、矢印Ａ方向に押込まれて
中間ピストン３０のロツド受凹部３０ｃに予じめ
環状ゴムシート３３の吸着作用により略垂直に立
てられているため、ロツドの他端３１ｂをシヤフ
ト３２のロツド受部３２ａに容易に嵌め込むこと
ができる。

本実施例では中間ピストン３０を設けている
が、本考案としては、中間ピストン３０を有しな
い形式のデイスクブレーキにも適用することがで
き、この場合には、アジヤストボルトの一端に前
記ロツド受凹部に対応する凹部を設けてもよい。

（考案の効果） 本考案によれば、パーキング機構付デイスクブ
レーキの組付に際し、ロツドの一端外周に装着し
た環状ゴムシートの当接ないし吸着作用により中
間ピストンのロツド受凹部に予じめロツドを立て
かけることができるので、ロツドのセンターライ
ンがズレることなくロツドの他端をトグル機構に
容易に組付けることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は第２図の−線断面図、第２図は本
考案の実施例をあらわす平面構成図、第３図は中
間ピストンへのロツドの組付状態をあらわす断面
図、第４図は従来例をあらわす断面図である。 １……デイスク、２，３……パツド、２０……
シリンダ、２１……ピストン、２２……ナツト、
２４……アジヤストボルト、３０……中間ピスト
ン、３０ｃ……ロツド受凹部、３１……ロツド、
３２……シヤフト、３３……環状ゴムシート、３
７……パーキング機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パーキングレバーにトグル機構を介して連動す
   るロツドを設け、このロツドの一端がデイスクブ
   レーキを作動するピストンの一端に設けられるロ
   ツド受凹部に嵌合されるトグル式パーキング機構
   付デイスクブレーキにおいて、前記ロツド受凹部
   に前記ロツドの一端を嵌合するに際し、前記ロツ
   ドの一端近傍外周に予じめ環状弾性体シートを装
   着し、前記ロツド嵌合時にこの環状弾性体シート
   が前記ロツド受凹部の周囲に当接してロツドを前
   記ロツド受凹部に保持したことを特徴とするトグ
   ル式パーキング機構付デイスクブレーキ。