JPH0348395Y2

JPH0348395Y2 -

Info

Publication number: JPH0348395Y2
Application number: JP1983123046U
Authority: JP
Priority date: 1983-08-08
Filing date: 1983-08-08
Publication date: 1991-10-16
Also published as: JPS6031474U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、４節回転リンクを利用した自動車
のサイドドアヒンジに関する。

従来、自動車、例えば乗用車におけるサイドド
アは、ほとんどの場合、ボデイ側に固定された１
個のヒンジを中心として回転かつ開閉するように
取付けられているが、乗員がサイドドアを開閉し
て自動車に乗降するためにはサイドドアの全長に
応じたドア開き角度が要求され、この時、自動車
の側方のスペースが狭い場合は、ドアを十分に開
くことができないために、乗員の乗降が困難な場
合が多い。

これに対して、ボデイ側の前後方向に離れた２
点およびサイドドア側の前後方向に離れた２点の
うち、ボデイおよびサイドドアの前側の２点を回
転軸として連結する前部回転リンクと、後側の２
点を回転軸として連結する後部回転リンクと、前
記ボデイの２点間部分と、前記ドアの２点間部分
と、により４節回転リンクを構成してなる自動車
のサイドドアヒンジが考えられる。

このようなサイドドアヒンジは、例えば実開昭
48−6718号公報、実開昭55−101263号公報、実開
昭56−73622号公報に開示されている。

ところで、自動車のサイドドアについては、従
来、該サイドドアの開度によつて節度感を形成す
るとともに、サイドドアが一定以上開かないよう
にし、かつ、ドア開閉速度を規制するようにした
ドアチエツク機構が設けられている。

このドアチエツク機構は、例えば実開昭53−
82130号公報、実開昭55−110314号公報に開示さ
れるように、一般的に、ボデイ側のピラー部分に
チエツクアームを支持させるとともに、サイドド
ア本体内にこのチエツクアームと摺接して、チエ
ツク力を形成するドアチエツク本体を収納するよ
うにしている。

しかしながら、上記のような４節回転リンクを
利用した自動車のサイドドアヒンジにおいては、
該サイドドアの開閉軌跡が、単純な円弧軌跡でな
いために、チエツク機構を、従来のサイドドアに
おけるようにドアとピラー間に取付けることは不
可能である。

この考案はかかる問題点に鑑みてなされたもの
であつて、４節回転リンクを利用した場合におい
ても、ドアチエツク機構を取付けるようにした自
動車のサイドドアヒンジを提供することを目的と
する。

この考案は、ボデイ側の前後方向に離れた２点
およびサイドドア側の前後方向に離れた２点のう
ち、ボデイおよびサイドドアの前側の２点を回転
軸として連結する前部回転リンクと、後側の２点
を回転軸として連結する後部回転リンクと、前記
ボデイの２点間部分と、前記ドアの２点間部分
と、により４節回転リンクを構成してなる自動車
のサイドドアヒンジにおいて、前記前部回転リン
クの前側の回転軸をフロントフエンダ後端よりも
前方、且つ、該フロントフエンダ内側のボデイ側
に、前記前部回転リンクの後側の回転軸をサイド
ドア側に、それぞれ設けると共に、前記前部回転
リンクの前側の回転軸に対して、該前部回転リン
クと一体的に回転する１点と、前記ボデイ側の１
点と、の２点間に、チエツクアームおよびこのチ
エツクアームと摺接して、チエツク力を形成する
ドアチエツク本体と、からなるドアチエツク機構
を設け、且つ前記前部回転リンクの外側を被う前
記フロントフエンダの一部をフロントフエンダ本
体から分割され、前記前部回転リンクと共に回動
する可動フエンダとして上記目的を達成するもの
である。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

この実施例は、第１図乃至第６図に示されるよ
うに、自動車１のボデイ２側の前後方向に離れた
２点およびサイドドア３側の前後方向に離れた２
点のうち、ボデイ２およびサイドドア３の前側の
２点を回転軸２Ａ，３Ａとして連結する前部回転
リンク４と、後側の２点を回転軸２Ｂ，３Ｂとし
て連結する後部回転リンク５と、前記ボデイ２の
２点間部分と、前記サイドドア３の２点間部分
と、により４節回転リンクを構成した自動車のサ
イドドアヒンジにおいて、前記前部回転リンク４
の前側の回転軸２Ａに対して該前部回転リンク４
と一体的に回転するように回転軸２Ａに取付けら
れたブラケツト６の先端にピン７を介してチエツ
クアーム８の一端を揺動自在に支持するととも
に、前記回転軸２Ａから車両前後方向の後方に離
間した位置でボデイ２側に取付けられたドアチエ
ツク本体９とからなるドアチエツク機構１０を設
けたものである。

前記回転軸２Ａはベース１１によりフロントピ
ラー１２に一体的に取付けられ、また、前記ドア
チエツク本体９はブラケツト１３により該フロン
トピラー１２の回転軸２Ａよりも後方に離間した
位置に取付けられている。

前記各回転軸２Ａ，２Ｂ，３Ａおよび３Ｂは第
２図に示されるように車体上下方向に長く形成さ
れるとともに、前記前部回転リンク４および後部
回転リンク５はこれらの回転軸の長さに対応して
上下方向に大きい幅をもつて形成されている。

従つて、これら前部回転リンク４および後部回
転リンク５はサイドドア３の開閉時における運動
軌跡を制御するとともに、該サイドドア３の重量
をも支えるものである。

前記ボデイ２側の前側の回転軸２Ａは、フロン
トフエンダ１４後端よりも前方、かつ、該フロン
トフエンダ１４内側位置とされるとともに、前記
前部回転リンク４の外側を被うフロントフエンダ
１４の一部は、フロントフエンダ１４本体から分
割され、かつ、前記前部回転リンク４とともに回
動する可動フエンダ１４Ａとされている。

この可動フエンダ１４Ａの回転軸２Ａを中心と
した回転範囲は、第２図に示されるように、フロ
ントホイール１５の運動軌跡よりも後方側とな
り、該フロントホイール１５と干渉しないように
されている。

また、前記前部回転リンク４のサイドドア３側
の回転軸３Ａは、該サイドドア３の前端部近傍位
置に配置され、また前記後部回転リンク４のボデ
イ２側の回転軸２Ｂは、フロントピラー１２後端
近傍位置にそれぞれ配置されている。

更に、前記後部回転リンク５のサイドドア３側
の回転軸３Ｂは、該サイドドア３の前後方向略中
央部内側に配置されている。

前記前部回転リンク４は、その長さが後部回転
リンク５の長さよりも小さくされ、これによつ
て、サイドドア３の全開状態では、第２図に２点
鎖線で示されるように、サイドドア３の後部側が
前部側よりも大きく開かれるようになつている。

前記ドアチエツク機構１０は、第４図に示され
るように、前記前部回転リンク４の上方、かつ、
フロントピラー１２とフロントフエンダ１４の後
端との間の位置における空間内に配置されてい
る。

このドアチエツク機構１０における前記チエツ
クアーム８とドアチエツク本体９との関係および
ブラケツト６との関係は、第６図に示されるよう
に、サイドドア３が略1/2程度開いた状態におけ
るブラケツト６先端のピン７の円弧状軌跡に対す
る接線方向と平行に、前記チエツクアーム８が配
置され、かつ、サイドドア３の全閉または全開時
におけるチエツクアーム８の軸線が回転軸２Ａの
回転円弧軌跡に対して接線方向となるようにされ
ている。

この実施例においては、サイドドア３が４節回
転リンクによつて開閉されるために、自動車１の
側方のスペースが狭い場合でも、サイドドア３を
大きく側方に突出させることなく乗員の乗降に必
要な開口を得ることができる。

また、前記サイドドア３の開閉時に前部回転リ
ンク４と一体的に回転するブラケツト６の先端に
取付けられたピン７と、ボデイ２側、例えば、フ
ロントピラー１２との間には相対変位が生じ、か
つ、その相対変位は、ボデイ２側に対しては回転
軸２Ａを中心とした円弧状軌跡となる。

従つて、ピン７に取付けられたチエツクアーム
８と、ボデイ２側の部材であるフロントピラー１
２に取付けられたドアチエツク本体９との間に
は、従来の単純なヒンジ機構を備えたサイドドア
のドアチエツク機構におけると同様の相対変位が
生じ、従つて、ドアチエツク機構１０によりサイ
ドドア３の開閉規制を行うことができる。

また、この実施例においては、フロントフエン
ダ１４の一部を可動フエンダ１４Ａとし、かつ、
この可動フエンダ１４Ａが前部回転リンク４とと
もに回動できるようにしているので、前部回転リ
ンク４およびその回転軸２Ａを前方に配置するこ
とができ、従つて、サイドドア３を開いた時、該
サイドドア３の前方への移動量を大きくして、乗
員の乗降のための開口を十分にとることができ
る。

更に、この実施例においては、ドアチエツク機
構１０が、前記可動フエンダ６Ａの裏側に配置さ
れた前部回転リンク４の上方位置に形成されるデ
ツドスペースに配置されているので、スペース効
率がよいという利点がある。

更に、上記実施例では、前部回転リンク４の回
転軸２Ａ近傍とフロントピラー１２間にドアチエ
ツク機構１０を配置しているので、前部回転リン
ク４の上方のスペースにこれを配置することがで
き、スペース効率がよいという利点がある。

なお上記実施例は、ドアチエツク機構１０にお
けるチエツクアーム８を前部回転リンク４の回転
軸２Ａにブラケツト６を介して取付けるようにし
たものであるが、本考案はこれに限定されるもの
でなく、チエツクアーム８は前部回転リンク４の
回転軸２Ａ近傍に直接回転自在に取付けるように
してもよい。

本考案は上記のように構成したので、４節回転
リンクを利用した自動車のサイドドアヒンジにお
いても、ドアチエツク機構によりサイドドアの開
閉を規制することができるという優れた効果を有
する。

また、フロントフエンダの一部を可動フエンダ
とし、かつ、この可動フエンダを前部回転リンク
とともに回動できるようにするとともに前部回転
リンクの前側の回転軸近傍とボデイ側間にドアチ
エツク機構を設けているので、該ドアチエツク機
構を、前記可動フエンダの裏側に配置された前部
回転リンク上方のデツドスペースに配置でき、ス
ペース効率がよいという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイドドアヒンジを適用
した自動車を示す側面図、第２図は第１図の−
線に沿う略示断面図、第３図は本考案の自動車
のサイドドアヒンジの実施例を示す斜視図、第４
図は同実施例のサイドドアおよびサイドフエンダ
ーを取除いた状態を示す側面図、第５図は第４図
の−線に沿う断面図、第６図は同実施例の作
用を示す拡大略示平面図である。２……ボデイ、２Ａ，２Ｂ，３Ａ，３Ｂ……回
転軸、３……サイドドア、４……前部回転リン
ク、５……後部回転リンク、７……ピン、８……
チエツクアーム、９……ドアチエツク本体、１０
……ドアチエツク機構、１２……フロントピラ
ー、１４……フロントフエンダ、１４Ａ……可動
フエンダ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ボデイ側の前後方向に離れた２点およびサイド
ドア側の前後方向に離れた２点のうち、ボデイお
よびサイドドアの前側の２点を回転軸として連結
する前部回転リンクと、後側の２点を回転軸とし
て連結する後部回転リンクと、前記ボデイの２点
間部分と、前記ドアの２点間部分と、により４節
回転リンクを構成してなる自動車のサイドドアヒ
ンジにおいて、前記前部回転リンクの前側の回転
軸をフロントフエンダ後端よりも前方、且つ、該
フロントフエンダ内側のボデイ側に、前記前部回
転リンクの後側の回転軸をサイドドア側に、それ
ぞれ設けると共に、前記前部回転リンクの前側の
回転軸に対して、該前部回転リンクと一体的に回
転する１点と、前記ボデイ側の１点と、の２点間
に、チエツクアームおよびこのチエツクアームと
摺接して、チエツク力を形成するドアチエツク本
体と、からなるドアチエツク機構を設け、且つ前
記前部回転リンクの外側を被う前記フロントフエ
ンダの一部をフロントフエンダ本体から分割さ
れ、前記前部回転リンクと共に回動する可動フエ
ンダとしてなる自動車のサイドドアヒンジ。