JPH0348199Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は熱処理炉が保熱炉等の搬送ローラー床
に関する。

（従来の技術） 従来の炉内搬送ローラー床等は、例えばローラ
ーハース炉のローラー列や、ウオーキングビーム
炉の出入口の装入または抽出ローラー列などに見
る如く殆んどローラーを裸で空間に配列したもの
である。

また、最近省エネの目的で高温材料の搬送中の
熱放散を防ぐ為に搬送路に放熱防止カバーをつけ
て保温炉とすることが行われているが、この場合
もローラーよりも下方に耐火物やシール鉄板を張
るか、ローラーとローラーの間に鉄板あるいは耐
火物を張るかしているだけである。

（解決すべき問題点） しかるに上記従来のローラー床は、それが炉内
にある場合は殆んどの場合ローラーを水冷してい
る為、ローラーによる熱吸収により熱効率を下げ
ているし、ローラー間にシール材を張つたもので
は、ローラーとシール材の間の隙間から外気が吹
き上り、熱効率を下げる。そこでこのような問題
のない、ローラー床の出現が望まれていた。

（問題点の解決手段） 本考案は上記問題を解決する為になされたもの
で、その要旨は頂部を除いて、まわりにセラミツ
クウール材を配した上キヤスタブル耐火物中に埋
め込んだことを特徴とする高温用搬送ローラー床
である。

即ち、キヤスタブル耐火物の搬送路床の表面か
らローラーの頂部だけが顔を出すようにしたもの
で、ローラーのまわりに配するセラミツクウール
材としてはアルミナ・シリカ系セラミツクフアイ
バーを代表とする各種の市販のセラミツクウール
あるいはブランケツトが使用できる。これを例え
ば２〜３cmの厚さに頂部の露出予定部を除き巻き
つけておいて、予め配備した路床ケース内にキヤ
スタブルを流し込んでローラーと共に埋め込む。
キヤスタブル材も普通のものでよい。乾燥後ロー
ラーを駆動すると最初多少の回転抵抗があつて
も、すぐスムーズな殆んど抵抗のない回転を行う
ようになる。

（作用と効果） 本考案では、セラミツクフアイバーブランケツ
ト等をその密度、弾力性、ローラーの外径や回転
速度等に応じて適切な厚さをローラーとの間に介
在させて、キヤスタブル中に埋め込むが埋め込み
時にローラーにかかつていた圧力はキヤスタブル
の乾燥、収縮により殆んどなくなり、かつセラミ
ツクウールの弾力により、その後の加熱冷却にも
すき間が生じないまま、ローラーの回転が行われ
る。すき間がないのでスケール等の異物が入り込
む余地がなく、長期間の使用に耐え得る。最初、
収縮の方向差により、多少の圧力が残つても僅か
な時間のならし回転で殆んど抵抗なく回転するよ
うになる。

本考案は上記構成を有することにより、室内ガ
スが殆んどローラーと接触しないので、その分ヒ
ートロスが少なく、且つ室内体積が大幅に小さく
て済み、その上ローラー床としてはきわめて高い
シール性を備えているので熱効率が大幅に向上す
る。またローラー自体も室内ガスに殆んどさらさ
れないので、冷却がよく効き寿命が延長する。

（実施例） 本考案をビレツトのローラー搬送路に適用し
た。これはビレツトの搬送と共にビレツトの先頭
が連続圧延機に噛み込んでから後端が圧延機に入
つてしまうまでの時間待ちも行うところで従来か
らローラーハース式の保熱炉が設けられていた
が、これを本考案の搬送ローラー床に変えた。第
１図にその側面断面図を、第２図に第１図のＡ−
Ａ断面図を示す。図において１はローラー、２は
路床ケース、３はキヤスタブル、４はセラミツク
ウール、５は保温カバー、６はビレツトである。
ローラーの直径は230mm、セラミツクウールとし
てはカオウールのブランケツトの厚さ２cmのもの
をローラ側を裸にして、頂部を1/4円弧残して、
ローラーに巻きつけた。そして予め個々のロール
毎に配備した路床ケース内にシリカ系キヤスタブ
ルを流し込んだ。乾燥後ローラーを駆動回転させ
た10回転ほどでスムーズな回転をはじめ、以後、
生産使用に際しても何らトラブルなく運転でき
た。本実施例の場合、以前のローラーハース炉の
保熱炉とくらべ、熱効率で約30％、ローラーの寿
命で約３倍向上した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施の１例の側面断面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ断面図である。 １：ローラー、２：路床ケース、３：キヤスタ
ブル耐火物、４：セラミツクウール、５：保熱カ
バー、Ｗ：ビレツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 頂部を残して、まわりにセラミツクウール材を
   配した上キヤスタブル耐火材中に埋め込んだこと
   を特徴とする高温用搬送ローラー床。