JPS6032874Y2 - ロ−タリ−キルン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はセメント焼成その他に広く使用されるロータリ
ーキルンの改良に関するものである。

ロータリーキルンは鋼製円筒形のキルン本体の内面に耐
火煉瓦だけを内張したものを普通とするが、近年エネル
ギー節約の観点から熱量の徒らな損失を防ぐためにキル
ン本体の内面に先ずセリ形の断熱煉瓦を内張すしたうえ
さらにその内面にセリ形の耐火煉瓦を張付けた構成のも
のとすることが提案された。

ところが、このような二層の断熱煉瓦と耐火煉瓦はキル
ン本体の回転時にキルン本体の回転に比べて少しずつ遅
れて回転するために夫々の接触面に摩擦による摩耗を生
じて遂には脱落することとなり、長期の使用に耐えない
という問題点がある。

そこで、前記のようぬな断熱煉瓦および耐火煉瓦に代え
てキルン本体の内面に先ず不定形断熱材よりなる断熱層
を設けたうえその上に不定形耐火物よりなる耐火層を積
層した構成のものも提案されるところであるがが、不定
形耐火物よりなる耐火層は施工がキルン本体を円周上に
おいて数区分に分けて順次行われるものであるため、各
区分の境界となる継目の個所が弱点となり、使用される
間にこの継目の個所から逐次内方に向は断面楔状に損耗
を来して遂には耐熱性に乏しい不定形断熱材よりなる断
熱層を露呈させ、該断熱層が高熱の焼成物による熱影響
を直接受けることとなってこれまた長期の使用に耐えな
いという問題点がある。

本考案は前記のような問題点を解決するためになされた
もので、以下、図示の実施例について詳細に説明する。

図面において、１は従来のロータリーキルンと同様の鋼
製円筒形のキルン本体であって、該キルン本体１の内面
には珪藻土などの既知の不定形断熱材よりなる多数の区
分裏張周部２がキルン本体を円周上において数区分に分
けて均斉に設けられるものであるが、これら各区分裏張
周部２の相互間には特に若干幅の空所をおいたものとし
ている。

そして、前記各区分裏張周部２の表面には不定形耐火物
よりなる耐火内張層４が前記区分裏張周部２を設ける場
合と同様に数区分に分けて積層されるものであるが、こ
の積層される耐火内張層４はその継目５の下端が前記空
所３に面するものとし、該空所３には耐火物６が充填さ
れる。

なお、７は区分裏張周部２および耐火内張層４をキルン
本体１に強固に固定するためにキルン本体１に基端を固
着して区分裏張要部２と耐火内張層４中に埋装させてい
る通常のアンカーである。

このように構成されたものは、キルン本体１の内面に均
斉に設けられた不定形断熱材よりなる多数の区分裏張要
部２が断熱効果を発揮することによってこれを欠いた構
成のものに比べてロータリーキルン内の熱量の外界への
徒らな損失を防ぐこととなり、エネルギー節約の効果を
よく発揮できるものであるが、使用される間に前記区分
裏張要部２の表面の積層されて耐熱効果を発揮している
不定形耐火物よりなる耐火内張層４の積層時に形成され
た継目５の個所から逐次内方に向は断面楔状の損耗を来
しても該継目５の下端が面するのは該区分裏張要部２の
相互間に均斉に設けた若干幅の空所３に充填されている
耐熱性に優れた耐火物６となるため、不定形断熱材より
なる区分裏張要部２は損耗を来した該継目５に侵入する
高熱の焼成物の熱影響を直接受けることがなく、従って
、長期に亘る使用によく耐えることができるものである
。

なお、前記耐火物６は不定形耐火物よりなる耐火内張層
４を各区分裏張要部２の表面に積層する際にその一部を
各区分裏張要部２の相互間の空所３に埋め込むことによ
って充填すれば、施工も容易なものである。

本考案は、以上の実施例による説明によって明らかなよ
うに、キルン内の熱量の外界への徒らな損失を防ぐこと
ができるうえ長期に亘る使用によく耐えるロータリーキ
ルンとして実用的価値きわめて大なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す要部断面図である。 １：キルン本体、２：不定形断熱材よりなる区分裏張要
部、３：空所、４：不定形耐火物よりなる耐火内張層、
５：継目、６：耐火物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キルン本体１の内面に不定形断熱材よりなる多数の区分
   裏張周部２を各区分裏張周部２の相互間に若干幅の空所
   ３をおいて均斉に設け、さらに、前記各区分裏張周部２
   の表面には不定形耐火物よりなる耐火内張層４をその継
   目５の下端が前記空所３に面するものとして積層すると
   ともに該空所３には耐火物６を充填したことを特徴とす
   るロータリーキルン。