JPH0347935Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用化粧板の取付クリツプに係
り、特に、ドア内張用トリム等の化粧板に装着さ
れてボデーパネル側への取り付け用に用いられる
自動車用化粧板の取付クリツプに関する。

（従来の技術） 一般に、ドアトリム等の内張部材やモール等の
ガーニツシユ部材をボデーパネル側に取付ける場
合には、これらの各部材に取付クリツプを複数本
装着しておき、その各取付クリツプをボデーパネ
ル側に設けられた取付穴に挿入、嵌合させるよう
にしている。

取付クリツプは、第８図に示すように、化粧板
側装着部分１と、ボデーパネル側装着部分２とか
らなり、上記化粧板側装着部分１の軸部３が、化
粧板側のブラケツト４に設けっられた挿入通路５
を通して装着穴６に横方向に押し込まれるように
なつている。装着穴６内に挿入された取付クリツ
プは、押え板７，７により軸方向の抜け落ち防止
されるようになつている。

また、取付クリツプの前記ボデーパネル側の装
着部分２は、矢じり状の挿入部８を備え、この挿
入部８がボデーパネル側の取付穴に押し込まれる
と、その根本部分に設けられた凹溝が取付穴の縁
辺部に嵌合されて化粧板が保持されるようになつ
ている。さらに、上記取付穴の周辺部分にはスカ
ート部９が覆いかぶさるようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、このような従来の取付クリツプにお
いては、押え板７，７によつて軸方向の抜け落ち
は完全に防がれているが、横方向に対しては完全
には拘束されておらず、取付クリツプの軸部３が
化粧板側の挿入通路５を通つて横移動し、ついに
は化粧板から取付クリツプが脱落してしまうこと
がある。

これをなくすため、挿入通路５の寸法精度を厳
格にすることも考えられるが、そうすると、生産
性が低下して好ましくない。また、挿入通路５の
上からセロハンテープを貼着して取付クリツプを
抜け止めしておく手段もあるが、セロハンテープ
の装着が面倒でこれも生産能率が極めて悪い。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、本考案は、取付ク
リツプの化粧板側装着部分に、化粧板側の装着穴
に対して弾性的に係合するクリツプ保持体を設け
てなり、取付クリツプがクリツプ保持体により半
径方向にも係止されるようにしている。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて詳細に説
明する。

第１図および第２図に示すように、化粧板側の
装着穴に挿入される取付クリツプの軸部３には、
半径方向に向つて放射状に張り出されたクリツプ
保持体１１が設けられている。このクリツプ保持
体１１は、軸部３の周囲に沿つて設けられた複数
のアーチ状体から構成されており、その頂部が半
径方向外方に向つて弾性的に張り出すように形成
されている。そしてこのクリツプ保持体１１は、
外方側から半径方向内方に向つて所定の力で押圧
されることにより内側に撓み込み、一方外力を解
放すると、再び外側に張り出すようになつてい
る。また、上記クリツプ保持体１１の外径ｄ１
は、第８図に示す化粧板側の装着穴６の内径ｄ２
よりやや大きく形成されている。したがつて、挿
入通路５の内通路幅Ｗより大きく形成されている
ことになる。

このような構成からなる取付クリツプを化粧板
側に装着させるには、まず、取付クリツプの軸部
３の側面を化粧板側の挿入通路５に対して横向き
に当てがい、所定の力で押し込む。そうすると、
軸部３に設けられたクリツプ保持体１１が半径方
向内側に撓み込むようにして押しつぶされ、軸部
３が挿入通路５内を通過していく。そして、軸部
３が装着穴６内に入り込むと、クリツプ保持体１
１が半径方向外方に向つて大きく張り出す。しか
し、その頂部は、装着穴６の縁辺部に接触して張
り出しが規制され、これによつて、クリツプ保持
体１１が装着穴に係合され、取付クリツプの全体
が、軸方向のみならず半径方向にも保持されるこ
ととなる。

また、第３図に示した実施例では、アーチ状の
クリツプ保持体２１の一端側が軸部３と切離され
ている。このようにしても上記実施例と全く同様
な作用、効果を得ることができる。

さらに、第４図および第５図に示した実施例で
は、クリツプ保持体３１を軸部３の周囲から外方
に向つて放射状に張り出す複数のリブより形成し
てなるものである。この場合には、リブが破線の
ように弾性的に撓み込むことによつて前記実施例
と同様な作用、効果を得ることができる。

さらにまた、第６図および第７図に示す実施例
は、軸部３に発泡体ワツシヤーからなるクリツプ
保持体４１を装着してなるものである。クリツプ
保持体４１には軸部３とほぼ同径の装着口４２が
貫通形成されているとともに、その装着口４２か
ら放射状に広がるように所定長さの切り込み４３
が複数入れられている。そして、軸部３に挿入す
る場合には、上記切り込み４３が押え板７（第７
図参照）により押し広げられるようにして装着さ
れる。

このようなクリツプ保持体４１を取り付けるよ
うにすると、第７図に示すように、クリツプ保持
体４１が装着穴６の縁辺部に圧接して半径方向内
方に押し込まれ、これにより、取付クリツプが半
径方向にも保持されることとなる。

なお、以上の実施例は取付クリツプを化粧板に
ブラケツトを介して装着するようにしたものを表
わしているがブラケツトを介することなく直接化
粧板自体に取付クリツプを装着するようにしたも
のに対しても本考案はもちろんて適用することが
できる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案による自動車用化粧
板の取付クリツプは、化粧板装着部に、化粧板側
の装着穴に対して弾性的に嵌合するクリツプ保持
体を設けるようにしたから、取付クリツプが化粧
板側の装着穴に対して軸方向のみならず半径方向
にも十分な保持力をもつて支持され、化粧板の取
り付け作業中等に化粧板から取付クリツプが脱落
してしまうような事態を完全に回避し、極めて能
率的に化粧板をボデー側に取り付けることがで
き、生産性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例におけ
る取付クリツプを表わした縦断面図および軸部の
横断面図、第３図、第４図、第５図、第６図およ
び第７図は本考案の他の実施例における取付クリ
ツプの縦断面図、軸部の斜視図、軸部の横断面
図、ワツシヤの斜視図および縦断面図、第８図は
従来の取付クリツプの斜視図をそれぞれ示してい
る。 ３……軸部、４……ブラケツト、５……挿入通
路、６……装着穴、７……押え板、８……挿入
部、９……スカート部、１１，２１，３１，４１
……クリツプ保持体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧板側に設けられた装着穴に、該装着穴と連
   通するように形成された挿入通路を通して軸部が
   装着されるようにした自動車用化粧板の取付クリ
   ツプにおいて、上記取付クリツプの化粧板側装着
   部分には、半径方向に伸縮するクリツプ保持体が
   設けられてなり、該クリツプ保持体は、上記挿入
   通路を通過するときに半径方向に縮少し、かつ装
   着穴に装着されたときに半径方向に拡大して装着
   穴の縁辺部に対してクリツプ全体を半径方向に保
   持せしめるように係合される弾性部材から構成さ
   れていることを特徴とする自動車用の化粧板取付
   クリツプ。