JPH0347607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内視鏡に超音波振動子を装着し、体腔
内からの体内の諸臓器の像を撮影する体腔内超音
波診断装置に関するものである。

近年臨床医学分野においては超音波を利用した
診断装置の有用性が注目され、既に、生体表面か
ら生体内に超音波パルスを発射し、生体内の諸器
官からの反射波を受信して、腹部、あるいは心臓
や胎児の動きをリアルタイムで観察する超音波診
断装置や、超音波振動子を例えば直腸に挿入して
前立線を検査する体腔内超音波診断装置が実用化
されている。

体腔内超音波診断装置は、超音波パルスを生体
表面から発射させる前者の装置に比べ、目標臓器
に近い位置で、より高い周波数の超音波を使用す
ることができるから、高品位の画像を得ることが
できる利点がある。

しかし、従来提案されている体腔内超音波診断
装置は、その挿入部がいずれもリジツドに構成さ
れていると共に、体腔内を光学的に観察する手段
が設けられていないため、直腸のように形状が単
純で比較的浅い部分には使用できても、複雑でか
つ深い胃、十二指腸、大腸などに挿入することは
困難かつ危険であると共に、超音波振動子が体腔
内のどの部位にあり、どの方向に向いているのか
を知ることができない欠点がある。

そこで、体腔内を光学的に観察することができ
ると共に、複雑でかつ深い体腔内からでも超音波
による造影を容易かつ安全に行なうことができる
装置の開発が望まれている。

例えば、特開昭54−1984号公報に開示されてい
るＢモード内視超音波診断装置も、この装置の挿
入管の先端部を示す第１図において、観察部１に
は観察窓２を設け、この観察部１と超音波スキヤ
ナ部３とを一体化しているため、リジツド部分の
形状が大きく、被検者への挿入時の苦痛が大き
い。

また、実際に診断を行なう場合、体腔内壁に超
音波スキヤナ部３を密着させると、観察窓も密着
してしまい、目視による観察が不可能となりスキ
ヤンの位置と方向が正確に把握できない欠点があ
る。なお、湾曲部４は観察部１に連結しており、
この部分を外部から操作して自由に湾曲させるこ
とができるようになつている。

さらに、特開昭55−96130号公報および特開昭
55−116332号公報には挿入管に設けたチヤンネル
に可撓性のケーブルを通し、挿入管の先端面にお
いて超音波スキヤナ部に連結した超音波診断装置
が開示されている。このような構成によれば挿入
管の先端面に観察光学系の観察窓を形成している
ので観察窓を介して超音波スキヤナ部の位置およ
び姿勢を目視により確認することができる。しか
しながら、超音波スキヤナ部をもチヤンネルに挿
通するようにした後者のものでは挿入管に設けた
チヤンネルの径はきわめて小さいため、これに挿
通する超音波スキヤナ部の径も対応して小さくす
る必要があり、超音波スキヤナ部として十分な性
能を有するものを用いることができない欠点があ
る。

また、両者共超音波スキヤナ部に連結した可撓
性ケーブルの後端を操作部から突出させ、この部
分を操作して超音波スキヤナ部の姿勢および位置
を制御するようにしているが、ケーブルのねじれ
等のために、その制御はきわめて微妙なものとな
り、操作性が悪いという欠点がある。

本考案は上記の欠点を解消し、超音波スキヤナ
部の位置と方向を観察部の観察窓より容易に観察
することができ、内視鏡操作部のアングル操作ノ
ブのような湾曲操作手段を操作することにより超
音波スキヤナ部の位置と方向を正確かつ容易に変
更することができ、また、被検者への装置の挿入
時の苦痛が少ない体腔内超音波診断装置を提供す
ることを目的とする。

本考案は、体腔内に挿入される挿入管と、この
挿入管の先端部近傍に設けられた観察窓を有する
観察部と、上記挿入管の後端部に設けられた操作
部と、上記挿入管の先端の観察部の前方に設けら
れた超音波スキヤナ部とを有する体腔内超音波診
断装置において、上記超音波スキヤナ部を上記観
察部に対して湾曲自在に連結する可撓性の連結部
材と、この連結部材を湾曲させるように上記連結
部材の内部に設けられた湾曲駆動手段と、上記湾
曲駆動手段を操作するように上記操作部に設けら
れた湾曲操作手段とを備えたことを特徴とするも
のである。

以下図面を参照して本考案を詳細に説明する。

簡明のため前述の装置と同様の構成の部材には
同一の符号を付す。

第２図は本考案に成る体腔内超音波診断装置の
一実施例の概略線図である。Ａ矢印で示した部分
は本考案の主要部であり、この部分を第３図に拡
大して示した。挿入管先端の湾曲部４の先端に設
けた内視鏡観察部１と超音波スキヤナ部３との間
を可撓性の連結部材５で連結する。本例ではこの
連結部材５を第２の湾曲部として構成する。この
内視鏡操作部７には第１および第２の湾曲部４お
よび５をそれぞれ独立に自在に湾曲させるための
湾曲操作部としてアングル操作ノブ８および８′
を設ける。

第４図は本考案に成る上記の体腔内超音波診断
装置を体腔内臓器中の胃部内に挿入し観察を行な
つている状態を示す線図である。胃部１０内にお
いて、観察窓２で超音波スキヤナ部３を観察しな
がらアングル操作ノブ８および８′を操作し、診
断の目的の部位に超音波スキヤナ部３を接触させ
るよう第１および第２の湾曲部４および５を湾曲
させる。この場合、観察窓２の点線で示すような
範囲の視野内に超音波スキヤナ部３が位置するよ
うなるため、このスキヤナ部の位置と方向を周囲
の状態と合せて観察することができる。

第５図は第３図の一部切欠き断面図であり、可
撓性の連結部材からなる第２湾曲部５と観察部１
および第１湾曲部４の内部構造を示している。第
１湾曲部４内の蛇管１１は湾曲駆動手段としての
操作ワイヤ１２によつて連結し、このワイヤ１２
の延長部をアングル操作ノブ８に連結する。第２
湾曲部５では軟質材料で形成した被覆体１３の内
部に設けられた蛇管１４を湾曲駆動手段としての
操作ワイヤ１５で連結し、このワイヤ１５の延長
部１６をアングル操作ノブ８′に連結する。

かくしてアングル操作ノブ８および８′の操作
して、操作ワイヤ１２，１５を駆動することによ
り第１および第２湾曲部４および５を自在に湾曲
させることができる。従つて、超音波スキヤナ部
３の位置と方向を自在に変位させて、所望の部位
に正確かつ容易に当接させることができる。な
お、観察部１にはイメージガイド１７とライトガ
イド１８を設けてある。

第６図Ａは電子的超音波スキヤナ部の一例を示
す断面図である。ハウジング２１と超音波のマツ
チング層２２とで外周を形成し、内部に少なくと
も１個以上の超音波振動子２３をマツチング層２
２に固着した共通電極２４に配設し、電極２５に
は電線２６を、共通電極２４には電線２７のそれ
ぞれ一端を接続し、電線２６，２７を電線束２８
として、蛇管２９内を挿通させ図示しない超音波
断層像表示用電装系を接続し超音波断層像を得る
ことができる。なお、符号３０で示す部分は超音
波吸収層である。

第６図Ｂは第６図Ａに示す超音波スキヤナ部の
外周に包囲体を設けた状態を表わす一部を断面と
した線図である。超音波スキヤナ部３の外周に超
音波吸収の少ない柔軟な物質よりなる包囲体４１
を設け、その内部に水、オリーブ油、ひまし油等
の超音波伝達媒体を注入することにより複雑な形
状をしている体腔内臓器によく密着させることを
示すものである。

第６図Ｃは機械的超音波スキヤナ部の一例を示
す断面図である。湾曲したハウジング５１内にマ
ツチング層５２、超音波振動子５３、電極５４、
超音波吸収層５５より成る超音波振動部と、軸受
５６により回転可能に保持された反射鏡５７と、
超音波振動子５３での送・受信信号を送受する信
号電線５８とをもつて超音波スキヤナ部３を形成
し、その外周部を柔軟な包囲体５９で覆う。な
お、上記の信号電線５８と反射鏡５７を回転させ
る動力伝達部材６０とを、連結部材５内の蛇管６
１、観察部１、湾曲部４および挿入管を経て、体
腔外にある装置、すなわち、信号電線５８は超音
波断層像表示用電装系装置に接続し、可撓性の動
力伝達部材６０は回転動力源系装置に連結する。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、実用新案登録請求の範囲内で種々の変
更をすることができるものである。例えば実施例
では直視形内視鏡で説明したが、側視形内視鏡も
用いることができる。

以上述べたように本考案の持つ効果は次の通り
である。

(a) 観察部１から離して連結部材５を介して超音
波スキヤナ部３を設けることにより体腔内の超
音波スキヤナ部の位置と方向を正確かつ容易に
観察することができる。

(b) 可撓性を有する連結部材５を湾曲部とし、操
作部に設けた操作手段によつて、連結部材内に
設けられた湾曲駆動部材を駆動することによ
り、連結部材の湾曲方向を自由自在に操作する
ことができるので、超音波スキヤナ部を正確か
つ容易に所望の部位に当接させることができる
とともに超音波スキヤナ部の体腔内通過、接触
を容易にし、被検者の苦痛を少なくすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内視鏡超音波診断装置の超音波
スキヤナ部と観察部および湾曲部それぞれの連設
状態を示す一部切欠き側面図、第２図は本考案の
体腔内超音波診断装置の一実施例を示す概略線
図、第３図は第２図中のＡ矢印部の拡大線図、第
４図は本考案に成る上記の体腔内超音波診断装置
を体腔内臓器中の胃部内に挿入し観察を行なつて
いる状態を示す線図、第５図は第３図の一部切欠
き断面図、第６図Ａは電子的超音波スキヤナ部の
一例を示す断面図、第６図Ｂは第６図Ａに示す超
音波スキヤナ部の外周に包囲体を設けた状態を表
わす一部を断面とした線図、第６図Ｃは機械的超
音波スキヤナ部の一例の断面図である。 １……観察部、２……観察窓、３……超音波ス
キヤナ部、４……第１湾曲部、５……連結部材
（第２湾曲部）、７……内視鏡操作部、８，８′…
…アングル操作ノブ（湾曲操作手段）、１１，１
４……蛇管、１２，１５……操作ワイヤ（湾曲駆
動手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 体腔内に挿入される挿入管と、この挿入管の先
   端部近傍に設けられた観察窓を有する観察部と、
   上記挿入管の後端部に設けられた操作部と、上記
   挿入管の先端の観察部の前方に設けられた超音波
   スキヤナ部とを有する体腔内超音波診断装置にお
   いて、上記超音波スキヤナ部を上記観察部に対し
   て湾曲自在に連結する可撓性の連結部材と、この
   連結部材を湾曲させるように上記連結部材の内部
   に設けられた湾曲駆動手段と、上記湾曲駆動手段
   を操作するように上記操作部に設けられた湾曲操
   作手段とを備えたことを特徴とする体腔内超音波
   診断装置。