JPH0127766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、超音波振動子を収容する挿入部先
端側に設けられた超音波プローブの手前の湾曲部
を湾曲させた時、超音波プローブが視野内に現わ
れる位置又は位置及び方向を表示できるようにし
た体腔内超音波診断装置に関する。

近年、超音波を利用して診断を行う超音波診断
装置が益々使用されるに至つている。超音波診断
装置には、体腔内に超音波を送受する機能を備え
たプローブを挿入することによつて、より信頼度
の高い情報を得る体腔内超音波診断装置がある。
体腔内に挿入される超音波診断装置としては、体
腔内を観察する光学視管と、超音波信号画像を得
るための超音波プローブとを組合せた第１図及び
第２図に示す従来例がある。

これらの図において、挿入部１の先端に順次前
方から側面に（超音波）送受信用窓部２を有する
超音波プローブ頭部３と、湾曲部４とが連結され
ており、これら挿入部１、超音波プローブ頭部
３、湾曲部４はほぼ同一径に構成されている。上
記湾曲部４後方の挿入部１外周には視野方向に切
り欠かれた切欠窓５が形成され、この切欠窓５か
ら挿入部１の後端にかけて内視鏡案内管６が配設
され、細径の（斜視型）内視鏡７が挿抜自在に挿
入されている。そして、図示の腹腔内臓器診断用
のものにあつてはこの挿入部１に形成された切欠
窓５は、正常の使用状態において術者から見て右
方向にあり、この切欠窓５に斜視型内視鏡７の先
端が位置して右斜め前方が内視鏡視野にはいるよ
うになつている。上記斜視型内視鏡７は、視野方
向がほぼ45度か、それ以上のものが通常使用され
る。又、前記切欠窓５は、内視鏡７の視野が挿入
部１外周によつて遮ぎられないように形成されて
いる。

上記挿入部１の後端には操作部本体８が連結さ
れ、正常の使用状態においてこの操作部本体８は
挿入部１の軸方向に対してほぼ水平方向にその長
手方向が向くように把持グリツプ９が一体に連結
されており、片手で把持できるように構成されて
いる。これは、特に深部臓器を診断すべく挿入部
１を体腔内に挿入する場合等挿入部１を略水平方
向に近い状態にしても、把持グリツプ９が体壁に
当接して邪魔にならないようにしたものである。
この把持グリツプ９の側部には、湾曲操作レバー
１０が突設され、上記把持グリツプ９を把持した
手の人指し指又は中指等で、上記湾曲部４の湾曲
操作ができるようになつている。

前記操作部本体８には、超音波走査用の図示し
ないモータによつて超音波を送受信用窓部２から
セクタ状に走査するための回転を伝達できるよう
にフレキシブルな駆動ケーブルと、超音波を送信
する駆動パルス及び受信され（変換され）た信号
を図示しない信号処理装置と送受する信号ケーブ
ルとが接続されている（これらをケーブル１１で
示す。）。前記走査用のモータが超音波プローブ頭
部３に収容されている場合には上記駆動ケーブル
は駆動信号を伝えるケーブルですむことになる。

前記信号処理装置は、受信された信号を輝度変
調等して各走査（信号）と同期して表示用ブラウ
ン管に表示するように構成されている。

上記斜視型内視鏡７の接眼部１２前方の内視鏡
本体部１３には、照明光を伝達するフレキシブル
なライトガイドケーブル１４が連結され、図示し
ない光源装置に接続されるようになつている。こ
のライトガイドケーブル１４及び上記ケーブル１
１は、挿入部１の腹腔内への挿入、超音波プロー
ブ頭部３の所定臓器への当接操作、並びに超音波
診断操作の邪魔にならないよう操作性を向上させ
るために、通常の操作状態において夫々内視鏡本
体１３と、把持グリツプ９の長手方向の頭部から
同一横方向（水平方向）に延出するように接続さ
れている。

前記湾曲部４は、挿入部１内を挿通された操作
用ワイヤを、湾曲操作レバー１０で該ワイヤを牽
引及び弛緩させることより湾曲されるように構成
されており、この湾曲部４を適当に湾曲すること
により、観察用切欠窓５から超音波プローブ頭部
３が、観察の際の視野内に入れることができるよ
うに構成されている。上記切欠窓５と超音波の送
受信用窓部２は直角となるように形成されてい
る。

このように構成された従来例において、挿入部
１を体腔内に挿入し、観察用切欠き窓５前方の視
野内に超音波プローブ頭部３が入るように湾曲部
４を湾曲させ、さらに観察しながら、超音波送受
信用窓部２を臓器等の目的とする対象物に当接さ
せる。そしてこの超音波送受信用窓部２から当接
された対象物に向けて、超音波を出射し、この出
射された信号の反射波を受信して、ブラウン管等
に表示することになる。

このようにして術者は、適当な湾曲操作によつ
て超音波プローブ頭部３を視野内にとらえ、さら
に湾曲操作することによつて超音波プローブ頭部
３を目的とする対象物に当接させることになる。

つまり従来例においては、広範囲の湾曲操作が
できるように設計されているため、超音波プロー
ブ頭部を視野内に入れる操作が簡単に行えなく、
迅速に適切な診断をすることが難しくなり、時間
的ロスが多いという欠点があつた。

この考案は上述した点にかんがみてなされたも
ので、接眼部から見た視野内に、湾曲操作によつ
てブロープが現われる位置又は位置及び方向を表
わす指標を設けることにより、対象物に超音波診
断のための操作を容易にすることのできる体腔内
超音波診断装置を提供することを目的とする。

以下図面を参照してこの考案を説明する。

第３図は、この考案の実施例における接眼部か
ら見た視野内に、この考案の要部となる指標が設
けられている視野像を示す。

この実施例における体腔内超音波診断装置の外
形は、第１図に示す従来例においてその湾曲部４
が第２図に示す方向にのみ湾曲操作できるように
形成されており、この湾曲操作によつて接眼部１
２から見た視野内に超音波プローブ頭部３が第３
図に示すように現われるよう構成されている。即
ち、この実施例は、第１図に示す従来例と同様な
外形を有するように構成されているが、この実施
例における湾曲部４は、湾曲操作すると、第２図
に示すように接眼部１２から見た切欠窓５前方の
視野内に形成されている非対称な楔形状の指標２
１で示される位置から視野の中心に向く方向に現
われるよう構成されている。この場合超音波の送
受信用窓部２は紙面の下側となり、紙面下側に向
つて超音波が出射されるように構成されている。

上記指標２１は、例えば接眼部１２内の視野マ
スクその他の視野内に鮮明に観察できる部材に設
けられており、写真撮影の際フイルムの上下、表
裏を判定できるように設けられている指標（第３
図において一点鎖線で示す。）の機能をも兼ねる
ことができる。

上記この実施例における湾曲部４は、第２図に
示す通常の操作状態において、観察用切欠窓５が
挿入部１の湾曲部４の手前の右側部に設けてある
場合には、観察の際この視野内に入るように右側
にのみ湾曲可能とされ、さらにこの湾曲操作によ
つて第３図に示すように視野内に設けた指標２１
で示される位置から超音波プローブ頭部３が現わ
れ、視野中心に向うように構成されている。

このように構成されたこの実施例によれば、術
者は目的とする対象物に超音波を送受信して診断
を行なおうとする場合、挿入部１を体腔内に挿入
後、対象物を指標２１と視野の中心とを結ぶ線上
に来るように設定して湾曲操作をすれば、超音波
プローブ頭部３及びその超音波プローブ頭部に設
けられた超音波送受信用窓部２が現われることに
なる。従つて、この送受信用窓部２を目的とする
対象物に当接すれば、容易に目的とする臓器等に
対する超音波診断をすることができることにな
る。

尚、切欠窓５が挿入部１の左側部に形成されて
いる場合には、湾曲部４は、第２図とは逆の左側
（図示では上方）に湾曲されるように構成され、
視野内に観察されるように設けられた指標２１は
視野の右側に設けられることになる。

上述における指標２１は、図示の形状に限られ
るものでなく、視野内に超音波プローブ頭部３が
現われる位置が示されるものであれば良い。

さらに上述の実施例においては、超音波プロー
ブ頭部３が指標２１で示される位置から視野内の
中心方向に向かうように構成されているが、これ
に限らず指標２１によつてその位置と共にその方
向（視野の中心に向かう方向又は中心から外れた
方向）を表わすようにできる。

尚、指標２１は単数に限定されるものでもな
く、接眼部１２の外部等に、上記指標２１が設け
られている位置又は方向が分るように形成すれ
ば、視野を観察することなく概略の方向を知るこ
とができる。

又、上記指標２１は、視野内に現われる超音波
プローブ頭部３の位置のみを表わすようにしても
効果があることは言うまでもない。

以上述べたようにこの考案によれば、視野内に
湾曲部の湾曲操作によつて、超音波を送受信する
超音波プローブ頭部が湾曲される位置又は位置及
び方向を表わす指標が視野内に設けてあるので、
術者は容易且つ迅速に目的とする対象物に対する
超音波診断の操作をすることができるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の超音波診断装置の概観を示す正
面図、第２図は、第１図の従来例を湾曲操作した
場合の様子を示す概略平面図、第３図はこの考案
の一実施例に係る指標が視野内に設けられている
のを示す説明図である。 １……挿入部、２……送受信用窓部、３……超
音波プローブ頭部、４……湾曲部、５……切欠
窓、８……操作部本体、１２……接眼部、２１…
…指標。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 挿入部の先端部に順次前方から超音波プローブ
   頭部と湾曲部とを連設して、この湾曲部を湾曲さ
   せ超音波プローブ頭部を所定位置、方向に指向さ
   せる湾曲操作手段を挿入部手元側の操作部に設け
   ると共に、前記湾曲部後方の挿入部側部に、該湾
   曲部を湾曲させたとき超音波プローブ頭部が視野
   内に入る光学視手段の観察窓を臨ませ、且つ、光
   学視手段の視野内に前記湾曲部の湾曲により指向
   した超音波プローブ頭部の位置／方向を表示する
   指標を設けたことを特徴とする体腔内超音波診断
   装置。