JPH0347567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用シート等のシートバツクに組付
けられ、着座者の腰椎部を支持するとともにその
支持強さを調節し得るランバーサポートに関す
る。

（従来技術） ランバーサポートの一形式として実公昭56−
43088号公報および実公昭55−45814号公報に示さ
れているように、シートバツクを構成するバツク
フレームの一側部に前後方向に揺動可能に支持し
た揺動アームと、この揺動アームとバツクフレー
ムの他側部に支持されて左右方向に延びシートク
ツシヨンの着座者の腰椎部近傍に位置するバネ部
材と、前記揺動アームを外部操作により前後方向
に揺動させる操作機構を備え、揺動アームを揺動
させることによりバネ部材を前後に膨出、後退ま
たはバネ力を強弱させ、以つて着座者の腰椎部の
支持強さを調節するものがある。

しかして、かかる形式のランバーサポート中前
者（前者の公報）に示されたランバーサポートに
おいては、操作機構が前記揺動アームの端部に係
合するカム面を有するカム部材とこれを回転する
シヤフトを備え、同シヤフトを回転操作すること
によりカム部材を回転させ、同カム部材に係合す
る揺動アームを揺動させるものである。また、後
者（後者の公報）に示されたランバーサポートに
おいては、操作機構が、バツクフレームの一側部
に回転可能に支持されて左右方向に延び外部操作
により回転するボルト部材と、このボルト部材の
内端部に進退可能に螺着されて両揺動アームの一
方に係合し進退時同揺動アームを揺動させるナツ
ト部材と、両揺動アームを互いに連結し一方の揺
動アームの揺動を他方の揺動アームに伝達して同
揺動アームを一方の揺動アームと同方向に揺動さ
せる連結部材を備え、ボルト部材の回転操作によ
りナツト部材を移動させて両揺動アームを同時に
周方向へ揺動させるものである。

（考案が解決しようとする課題） ところで、前者の操作機構においては、シヤフ
トの回転操作に相当の操作力を要するとともに、
複雑な形状のカム部材を使用しなければならない
といつた不具合がある。一方、後者の操作機構に
おいては、ボルト部材の回転操作によりナツト部
材を揺動させるものであるから、ボルト部材の回
転操作を軽くすることができるとともに、ボルト
部材の回転操作量に対するナツト部材の進退量、
これに起因する揺動アームの揺動量の不足を両揺
動アームを連動して同じ方向に揺動させることに
より補うことができる。また、かかる操作機構に
おいては、複雑な形状のカム部材を必要としない
という大きな利点がある。

本考案は上記した後者の操作機構を備えた形式
のランバーサポートにおいて、バネ部材の前後の
膨出量を一層増大させて着座者の腰椎部の支持強
さを広範囲に調整可能にすることにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記した後者の形式のランバーサポー
トにおいて、前記バネ部材として上下方向にジグ
ザグ状のＳバネを採用するとともに前記各揺動ア
ームの揺動端部を互いに左右の内方へ突出させ、
前記Ｓバネの各端部を前記各揺動アームに固定す
るとともに同Ｓバネにおける各端部より内方の部
位を前記各揺動アームの揺動端部の先端に支持し
たことを特徴とするものである。

（考案の作用・効果） かかる構成のランバーサポートにおいては、ボ
ルト部材を回転操作してナツト部材を進退させる
ことにより、両揺動アームを同時に前後方向に揺
動させることができ、これによりバネ部材を前後
に膨出、後退させ、かつバネ力を強弱させて着座
者の腰椎部の支持強さを調節することができる。
また、当該ランバーサポートはボルト部材の回転
操作によりナツト部材を進退させて両揺動アーム
を揺動させるものであるから、ボルト部材の回転
操作を軽くすることができるとともに、ボルト部
材の回転操作量に対するナツト部材の進退量、こ
れに起因する揺動アームの揺動量の不足を両揺動
アームを連動して同じ方向に揺動させることによ
り補うことができ、さらに複雑な形状のカム部材
を必要としない利点がある。

しかして、当該ランバーサポートにおいては、
特に前記バネ部材として上下方向にジグザグ状の
Ｓバネを採用するとともに各揺動アームの揺動端
部を互いに左右の内方へ突出させ、Ｓバネの各端
部を各揺動アームに固定するとともにＳバネにお
ける各端部より内方の部位を各揺動アームの揺動
端部の先端に支持しているため、両揺動アームを
前方へ揺動させた場合Ｓバネが前方へ膨出する方
向へ捩られて、所定量以上捩られた場合にはあた
かもターンオーバして膨出量が一層増大する。こ
のため、当該ランバーサポートにおいては、前後
方向の膨出量の調整範囲が大きく、着座者の腰椎
部の支持が一層的確になされる。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
るに、第１図および第２図には本考案に係るラン
バーサポートが示されている。当該ランバーサポ
ート１０は、第３図に示す車両用シート２０のシ
ートバツク２１を構成するバツクフレーム２２に
組付けられて、シートクツシヨン２３の着座者の
腰椎部を支持する。

しかして、当該ランバーサポート１０は左右一
対のブラケツト１１，１２、左右一対の揺動アー
ム１３，１４、バネ部材１５、ボルト部材１６、
ナツト部材１７および連結部材１８により構成さ
れている。

両ブラケツト１１，１２はバツクフレーム２２
の両側フレーム部２２ａ，２２ｂの下方部に固定
されており、これら各ブラケツト１１，１２には
各揺動アーム１３，１４が揺動可能に組付けられ
ている。左側の第１揺動アーム１３は腕部１３ａ
と脚部１３ｂを備え、後述するバネ部材１５の左
側端部１５ａにてブラケツト１１に揺動可能に組
付けられている。かかる第１揺動アーム１３にお
いては、その腕部１３ａが右側内方に突出して前
後方向に揺動可能であり、またその脚部１３ｂが
後側に突出して左右方向へ揺動可能である。右側
の第２揺動アーム１４は、その中間部をバネ部材
１５の右側端部１５ｂにてブラケツト１２に揺動
可能に組付けられている。かかる第２揺動アーム
１４においては、前側腕部１４ａが左側内方に突
出して前後方向へ揺動可能であり、また後側腕部
１４ｂが後側に突出して内外方向に揺動可能であ
る。

バネ部材１５は上下方向にジグザグ状のＳバネ
であり、各端部１５ａ，１５ｂにて各ブラケツト
１１，１２に組付けられ、かつ各端部１５ａ，１
５ｂより左右の内方の部位にて各揺動アーム１
３，１４の腕部１３ａ，１４ａ（揺動端部）の先
端に支持されて左右方向に延びている。かかるバ
ネ部材１５は着座者の腰椎部を支持するもので、
各揺動アーム１３，１４の各ブラケツト１１，１
２に対する組付用の部材としても機能している。
また、かかるバネ部材１５においては、そのバネ
力にて第１揺動アーム１３の脚部１３ｂの先端を
後述するナツト部材１７に弾撥的に係合させてい
る。

ボルト部材１６はナツト部材１７とともに揺動
操作機構を構成するもので、ブラケツト１１に回
転可能かつ軸方向への移動を規制して組付けられ
ていて、バツクフレーム２２のフレーム部２２ａ
を貫通して内外に延びている。かかるボルト部材
１６においては、その内端側にナツト部材１７が
内外方向に進退可能に螺着され、かつその外端側
に操作ノブ１９が固定されている。また、ナツト
部材１７は四角柱状のもので、ブラケツト１１の
溝部１１ａに嵌合している。これにより、ナツト
部材１７は操作ノブ１９の回転操作によりボルト
部材１６が回転すると、ブラケツト１１の溝部１
１ａにて回転を規制されてボルト部材１６上を進
退し、脚部１３ｂを内外方向に揺動させるととも
に腕部１３ａを前後方向に揺動させる。

一方、第１揺動アーム１３における腕部１３ａ
の先端にはバネ部材１５を介して帯状の連結部材
１８の一端が連結されている。かかる連結部材１
８においては、ブラケツト１１のガイド部１１ｂ
を通してバネ部材１５の後側を右方に延びてい
て、その他端が第２揺動アーム１４における後側
腕部１４ｂの先端に連結されている。これによ
り、かかる連結部材１８は第１揺動アーム１３の
揺動を第２揺動アーム１４に伝達して、同揺動ア
ーム１４を第１揺動アーム１３と連動して同じ方
向に揺動させる。

このように構成したランバーサポート１０にお
いては、操作ノブ１９の回転操作によりバネ部材
１５を第２図の実線で示す状態と２点鎖線で示す
状態の範囲内で膨出、後退およびバネ力の強弱の
調節ができ、これにより着座者の腰椎部の支持強
さを調節することができる。

すなわち、第２図の実線で示す状態にあるラン
バーサポート１０において、操作ノブ１９を回転
操作してボルト部材１６を回転させると、ナツト
部材１７が図示矢印で示すように内側へ前進して
第１揺動アーム１３の脚部１３ｂを内方に揺動さ
せる。この結果、第１揺動アーム１３の腕部１３
ａが２点鎖線で示すように前方へ揺動し、同時に
第２揺動アーム１４の後側腕部１４ｂが内方へ揺
動し、かつ腕部１４ａが２点鎖線で示すように前
方へ揺動する。このため、バネ部材１５は前方へ
膨出するとともに拡開されてバネ力を強め、最終
的に２点鎖線で示す状態となる。なお、この状態
で操作ノブ１９を逆方向へ回転操作すると、ナツ
ト部材は図示矢印とは逆方向の外側へ後退して、
両揺動アーム１３，１４を上記とは逆方向に後方
へ揺動してバネ部材１５を後方へ後退させ、かつ
バネ力を弱める。

ところで、当該ランバーサポート１０において
は、ボルト部材１６の回転により進退するナツト
部材１７により両揺動アーム１３，１４を揺動さ
せるものであるから、ボルト部材１６を回転させ
る操作ノブ１９に必要な操作力は小さくてよいと
ともに、ボルト部材１６の回転量に対するナツト
部材１７の進退量およびこれに起因する第１揺動
アーム１３の揺動量の不足は、両揺動アーム１
３，１４を連動して同じ方向へ揺動させることに
より補うことができる。また、当該ランバーサポ
ート１０においては、揺動アームの操作機構を構
成する部材に複雑な形状のカム部材を必要としな
い利点があり、さらにはナツト部材１７が第１揺
動アーム１３の揺動を規制するストツパとしても
機能するため、特別なストツパ部材を必要としな
い利点もある。

しかして、当該ランバーサポート１０において
は、特にバネ部材１５としてＳバネを採用すると
ともに各揺動アーム１３，１４の揺動端部である
各腕部１３ａ，１４ａを互いに左右の内方へ突出
させ、バネ部材１５の各端部１５ａ，１５ｂを各
揺動アーム１３，１４に固定するとともにバネ部
材１５における各端部１５ａ，１５ｂより内方の
部位を各揺動アーム１３，１４の腕部１３ａ，１
４ａの先端に支持している。このため、両揺動ア
ーム１３，１４を前方へ揺動させた場合バネ部材
１５は前方へ膨出する方向へ捩られて、所定量捩
られた場合にはターンオーバして膨出量が一層増
大する。従つて、当該ランバーサポート１０にお
いては、前後方向の膨出量の調整範囲が大きく、
着座者の腰椎部の支持が一層的確になされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るランバーサポ
ートの斜視図、第２図は同ランバーサポートの横
断平面図、第３図は同ランバーサポートを組付け
た車両用シートの概略斜視図である。 符号の説明、１０……ランバーサポート、１
１，１２……ブラケツト、１３，１４……揺動ア
ーム、１３ａ，１４ａ……腕部（揺動端部）、１
５……バネ部材、１５ａ，１５ｂ……各端部、１
６……ボルト部材、１７……ナツト部材、１８…
…連結部材、２２……バツクフレーム、２２ａ，
２２ｂ……フレーム部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクを構成するバツクフレームの両側
   部に前後方向に揺動可能に支持した左右一対の揺
   動アームと、これら両揺動アームに支持されて左
   右方向に延びシートクツシヨンの着座者の腰椎部
   近傍に位置するバネ部材と、前記バツクフレーム
   の一側部に回転可能に支持されて左右方向に延び
   外部操作により回転するボルト部材と、このボル
   ト部材の内端部に進退可能に螺着されて前記両揺
   動アームの一方に係合し進退時同揺動アームを揺
   動させるナツト部材と、前記両揺動アームを互い
   に連結し前記一方の揺動アームの揺動を他方の揺
   動アームに伝達して同揺動アームを前記一方の揺
   動アームと同方向に揺動させる連結部材とにより
   構成してなるランバーサポートにおいて、前記バ
   ネ部材として上下方向にジグザグ状のＳバネを採
   用するとともに前記各揺動アームの揺動端部を互
   いに左右の内方へ突出させ、前記Ｓバネの各端部
   を前記各揺動アームに固定するとともに同Ｓバネ
   における各端部より内方の部位を前記各揺動アー
   ムの揺動端部の先端に支持したことを特徴とする
   ランバーサポート。