JPH0347449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は田植機における苗送り停止装置の改良
に関するものである。

従来の技術 田植機の苗送り停止装置として、従来、条止め
レバー操作により植付不要条の苗の縦送り及び植
付杆の駆動を停止（条止め）して、畦際植え等に
対処するようにしたものが提案されている。

考案が解決しようとする問題点 上記苗送り停止装置の条止めレバーは、レバー
ガイド等を介して苗載台の裏面等に装着されてい
るが、従来のものは条止めレバー関係装置が各部
品ごとバラバラに構成されているため、レバー、
レバーガイド及び操作ワイヤ等の組付に時間を要
しメンテナンスも手間がかかる等の問題がある。

問題点を解決するための手段 そこで本考案は、苗の縦送り及び植付杆の駆動
を条止めする条止めレバーのレバーガイドを箱状
に形成し、該レバーガイドの底板部にレバー支持
軸を立設し、レバーガイドの側面にレバーガイド
の操作案内部並びに苗の縦送り及び植付杆の駆動
を条止め操作するワイヤのアウタ受部を設け、レ
バー支持軸に条止めレバーの基部を回動自在に支
持し、該条止レバーの中途部に前記苗の縦送り及
び植付杆の駆動を条止め操作するワイヤを連結す
ると共に、条止レバーの端部を前記レバーガイド
の操作案内部を挿通した状態で外方へ突出させて
外方より回動操作可能に構成し、箱状のレバーガ
イドに対して条止めレバー及びワイヤー等をユニ
ツト構成し、この条止めレバーユニツトを苗載台
の裏面側に固定したレバーガイド取付け部材に装
着支持させたことことにより上記の問題点を解消
しようとするものである。

作 用 箱状のレバーガイドに対して条止めレバー及び
ワイヤ等を予めユニツト式に組立ておき、この条
止めレバーユニツトを苗載台の裏面側に固定した
レバーガイド取付け部材にセツトすることにより
条止めレバー関係装置の組付及びメンテナンスを
容易に行うことができる。

実施例 Ａは前輪１及び後輪２に有する機体フレーム３
の前部にエンジン４を搭載し、前輪１と後輪２間
に運転席５を設けてなる乗用田植機の走行部で、
６はミツシヨンケースである。Ｂは走行部Ａの後
方に３点リンク機構７を介して上下動自在に装着
した植付部で、ドライブケース８の下方には田面
滑走用のフロート９を有し、またドライブケース
８の上方にはマツト苗（図示せず）を載置する苗
載台１０が左右往復動自在に且つ前高後低状に架
設されていて、その後方には複数の植付杆１１，
１１…が上下回動自在に設けられている。１０ａ
はマツト苗前端縁を受止めるエプロンである。

上記苗載台１０の苗取出し口側裏面には繰出方
向前方に位置して駆動ローラ１２がブラケツト１
４の軸受部１４ａに回転自在に横架された軸１５
にネジ止め等の手段で一体に固着されていて、軸
受部１４ａは密閉箱状に形成され、内部にグリー
スが充填してある。１３は従動ローラで、ブラケ
ツト１４に取付けられた軸１６に遊嵌され、これ
らローラ１２，１３間には苗繰出し用の突起付き
ベルト１７が捲回されており、一方の軸１５には
ラチエツト車１８が一体に設けられている。１５
ａは後述する縦送り機構における駆動レバー２０
の復帰用弾機である。

ところで上記軸１５にはラチエツト車１８の歯
に係合する爪１９を有する縦送り機構Ｍの駆動レ
バー２０が回動可能に装着されており、該駆動レ
バー２０の苗繰出方向後方の苗載台１０の背面側
には苗載台１０に枢支の単一の横軸２１に固着さ
れた縦送り作動レバー２２，２３が平面視におい
てベルト１７を挟んだ状態で左右に設けられてい
る。２４は縦送り機構Ｍの作動伝動体で長手方向
の融通機構（長穴）２４ａとピン穴２５ａが設け
られており、ピン穴２５ａには駆動レバー２０に
突設の連結部材（ピン）２５が嵌挿し、長穴２４
ａには縦送り作動レバー２３に突設の連結部材
（ピン）２６が遊嵌している。２７は融通機構
（長穴）２７ａを有する縦送り停止具で、その一
端は長穴２７ａに遊嵌させた連結部材２５を介し
て駆動レバー２０に連結され、他端側は縦送り停
止用の操作レバー２８にワイヤ２９を介して連結
されている。３０はブラケツト１４に固定された
ガイドピン３０ａの取付金具で、ガイドピン３０
ａは縦送り停止具２７に設けたガイド孔２７ｂに
遊嵌している。

このようにして、各縦送り停止具は２７は縦送
り作動レバー２３の連結部材２６とは無関係に独
立的に作動すべく各縦送り駆動レバー２０の夫々
に融通機構２７ａを介して連結された構造となつ
ている。

３１は従動ローラ１３の軸１６端部に固着され
た回り止め部材で、この回り止め部材３１は折曲
部３１ａを有する正面Ｌ字形状を呈し、折曲部３
１ａをブラケツト１４に係止させることにより、
軸１６の回動を規制してベルト１７の逆転を防止
すると共にブラケツト１４の軸受部（長孔）１４
ｂ及び引張り弾機３２のフツク部３２ａの摩耗を
防止し得るようになつている。３３は植付杆駆動
停止用のワイヤで、一端側は条止めレバー２８
に、他端側は植付クラツチ停止作動アーム３４に
夫々止着されている。

３５は伝動軸３６の一端に固定された回動体
で、常時第１図における反時計方向に回転駆動さ
れるようになつていて、苗載台１０が左右移動端
にきて移動行程最終の１株を掻取つた後、回動体
３５に枢支されたローラ３５ａ又は３５ｂが縦送
り作動レバー２２に当接して該レバー２２を第１
図における矢印方向に強制的に回動せしめるよう
になつている。

４１は条止めレバー２８のレバーガイドで、箱
状に形成されており、底板部４１ａにはレバー支
持軸４２が立設固定されている。またレバーガイ
ド４１の一側面４１ｂにはレバーガイド溝４１ｃ
が設けられている。このレバーガイド溝４１ｃは
第５図に示すように、「入」位置ａと「切」位置
ｂを傾斜溝で連通させると共にレバー２８の
「入」、「切」セツト位置ａ，ｂを苗載台１０に接
近させた構成となつていて、極力コンパクトな取
付構造となるように配慮されている。４１ｄはレ
バーガイド４１の他側面４１′ｂに位置してガイ
ド４１に一体に固着されたＬ型状のアウタ受部で
該アウタ受部４１ｄに縦送り停止用のワイヤ２９
及び植付杆駆動停止用のワイヤ３３の各アウタ２
９ａ，３３ａが固着されている。４３はレバーガ
イド取付け部材で、張出し片４３ａを有するチヤ
ンネル状に構成されており、苗載台１０の苗繰出
方向後端部近傍裏面側に固定されている。そして
取付け部材４３の底部裏面には長手方向に複数個
の穴４４を有していて、この穴４４にレバー支持
軸４２の先端部が嵌入支持されている。前記条止
めレバー２８はレバー支持軸４２に回転自在に支
持され、弾機４５により適当な制動力が付与され
ている。４６はワツシヤー、４７は割りピン、４
８はレバーガイド取付けボルト、４９はナツトで
ある。

ところで、上記条止めレバー２８、レバー支持
軸４２及び条止め操作用ワイヤ２９，３３等から
なる条止めレバー関係装置Ｕは予め箱状のレバー
ガイド４１にユニツト式に組立てられた構成とな
つていて、組付の際にはレバーガイド４１を苗載
台裏面に固定のレバーガイド取付け部材４３にボ
ルト締めすることによりカセツト赴式で簡単に装
着できるようになつている。また、組付時レバー
支持軸４２の先端をレバーガイド取付け部材４３
に設けた穴４４に嵌入支持させるのでレバーガイ
ド４１の位置決め及び組付が容易となる。更にレ
バーガイド取付け部材４３は苗載台１０の裏面側
に一体的に固定されるので苗載台１０の補強にも
なり極めて好都合である。

上記の構成において、植付作業中、苗載台１０
が左右移動端にきて移動行程最終の１株を掻取つ
た後、常時回転している回動体３５が縦送り作動
レバー２２のローラ３５ａ又は３５ｂに当接して
該作動レバー２２を横軸２１を中心にして第１図
における時計方向に所定角度強制回動させるため
横軸２１を介して作動レバー２２と一体の作動レ
バー２３も同方向に同一角度回動する。このため
該作動レバー２２に突設された連結部材２６が長
穴２４ａの端縁を押し縦送り機構Ｍの作動伝動体
２４を第１図における左方向に移動（退行）させ
るので駆動レバー２０が時計方向に回動すると共
に、ラチエツト車１８、軸１５及び駆動ローラ１
２が同方向に回動するため突起付きベルト１７が
苗繰出方向に回動移動し、これにより苗載台１０
上のマツト苗はエプロン１０ａ側に所定ピツチ繰
出される。

一方、畦際植え等に際し、植付不要条の植付杆
１１を停止すべく対応する操作レバー２８を
「切」側に傾動操作すると、ワイヤ３３が引張ら
れて植付クラツチが切れるため当該植付杆１１が
停止する。また、上記レバー２８操作によりワイ
ヤ２９も同時に引張られるためレバー２８に対応
する縦送り停止具２７が退行し、これにより縦送
り停止具２７の長穴２７ａ端縁に係合しているピ
ン２５が引張られて繰出機構Ｍの作動伝動体２４
及び該作動伝動体２４の設けた長穴２４ａも同時
に退行変位する。このため、回動苗載台１０が左
右移動端にきて縦送り作動レバー２２が回動体３
５に当接して強制回動せしめられても作動レバー
２３に突設したピン２６は長穴２４ａ内を空移動
するだけなので苗の縦送り作用は停止（条止め）
される。条止めを解除する場合には操作レバー２
８を「入」側に傾動する。これによりワイヤ３
３，２９を緩むため植付杆１１のクラツチがON
となると共に駆動レバー２０の復帰用弾機１５ａ
の復元力で縦送り停止具２７、駆動レバー２０、
作動伝動体２４等が夫々上記とは逆方向に移動
し、縦送り作動レバー２２が復帰方向（第１図に
おける反時計方向）に引張られて元位置に復帰し
て条止めが解除される。

考案の効果 上記したように本考案は、苗の縦送り及び植付
杆の駆動を条止めする条止めレバーのレバーガイ
ドを箱状に形成し、該レバーガイドの底板部にレ
バー支持軸を立設し、レバーガイドの側面にレバ
ーガイドの操作案内部並びに苗の縦送り及び植付
杆の駆動を条止め操作するワイヤのアウタ受部を
設け、レバー支持軸に条止めレバーの基部を回動
自在に支持し、該条止レバーの中途部に前記苗の
縦送り及び植付杆の駆動を条止め操作するワイヤ
を連結すると共に、条止レバーの端部を前記レバ
ーガイドの操作案内部を挿通した状態で外方へ突
出させて外方より回動操作可能に構成し、箱状の
レバーガイドに対して条止めレバー及びワイヤー
等をユニツト構成し、この条止めレバーユニツト
を苗載台の裏面側に固定したレバーガイド取付け
部材に装着支持させたことから、箱状のレバーガ
イドに対して条止めレバー及びワイヤ等を予めユ
ニツト式に組立ておくことが可能となり、この条
止めレバーユニツトを苗載台の裏面側に固定した
レバーガイド取付け部材にカセツト方式で簡単に
セツトすることができ条止めレバー関係装置の組
付及びメンテナンスを容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は苗送り停止装置の一部切欠側面図、第
２図は同上の背面図、第３図は縦送り機構の作動
伝動体と縦送り停止具の斜視図、第４図は要部の
正面図、第５図は要部の側面図、第６図は植付部
の側面図、第７図は乗用田植機の側面図である。 図中１０は苗載台、１１は植付杆、２８は条止
めレバー、２９，３３はワイヤ、４１はレバーガ
イド、４１ａはレバーガイド底板部、４１ｃはレ
バーガイド溝、４１ｄはアウタ受部、４２はレバ
ー支持軸、４３はレバーガイド取付け部材、４４
は穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗の縦送り及び植付杆の駆動を条止めする条止
   めレバーのレバーガイドを箱状に形成し、該レバ
   ーガイドの底板部にレバー支持軸を立設し、レバ
   ーガイドの側面にレバーガイドの操作案内部並び
   に苗の縦送り及び植付杆の駆動を条止め操作する
   ワイヤのアウタ受部を設け、レバー支持軸に条止
   めレバーの基部を回動自在に支持し、該条止レバ
   ーの中途部に前記苗の縦送り及び植付杆の駆動を
   条止め操作するワイヤを連結すると共に、条止レ
   バーの端部を前記レバーガイドの操作案内部を挿
   通した状態で外方へ突出させて外方より回動操作
   可能に構成し、箱状のレバーガイドに対して条止
   めレバー及びワイヤー等をユニツト構成し、この
   条止めレバーユニツトを苗載台の裏面側に固定し
   たレバーガイド取付け部材に装着支持させたこと
   を特徴とする田植機の苗送り停止装置。